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ハートキャッチ第16話『ライバルはえりか!演劇部からの挑戦状です!!』 [ハートキャッチプリキュア]

初代~MHシリーズでのベローネ学院ラクロス部のライバル、
御高倶ラクロス部は、自分にも他人にも厳しいキャプテン、永沢さんが率いていました
スーパーコンピューターと揶揄される程精密なチーム作りのために
部員達を厳しく指導していく姿は、今回登場の演劇部員、高岸あずさと重なります。
永沢さんとなぎさ、あずさとえりか。
似たところもあれば違うところもある相手を通じて自らの姿勢を省みる一編です。
  
姉のななみが部活中、妹のるみは学校で面倒を見てもらっているようです。
るみはコフレと共に絵本のワンシーンを演じていますが、
『ひどい、おうじさまったら、わたしよりあのこをえらぶなんて、
 こうなったらまほうをかけて・・・』
続くつぼみの、るみより酷い棒読みに突如ダメ出しが入りました。
慌ててぬいぐるみのフリをするシプレとコフレをよそに、
ダメ出しをした演劇部のあずさが実演してみます。彼女が深呼吸すると空気が一変、
"酷い・・・王子様ったら、私よりあの子を選ぶなんて・・・"
あすさの本当に涙を流す役作りに、つぼみとるみは驚きました。

あずさに「私のファッション部」を紹介するえりか。
あずさも演劇部として衣装作りをしている関係上、服のデザインに関しては詳しく、
いつしか2人は対抗意識を燃やし始めます。
ファッションに対してはマジなえりかと、演劇部も衣装作りは真剣だというあずさは
両者とも一歩も譲らず、仲裁に入ろうとしたつぼみも手が出せません。
結局、演劇部の衣装を作ってみなさい、と切り出すあずさに
真正面から受けて立つえりか、2人の間に煌く稲妻に打ちのめされてしまい、
異様な雰囲気でにらみ合う2人を困惑して見つめるつぼみ。
『この二人、いったい何なんですか?』

打倒あずさ!と大書きした黒板の前で、来月の演劇コンクール用衣装に
むちゃくちゃカッコイイのを作ると部員達に鼻息荒く訓示するえりか。
あずさを見返すだけでなく、これをきっかけに校内でもファッション部の
注目度が上がると気合十分。崖っぷちで怒涛を前に私に付いてきて!
と宣言するえりかに、少々遠慮がちに答えるファッション部員達。
(ななみの手元にいるるみだけは気合十分でしたが・・・)

演劇部の稽古では、笑い方一つ取ってもあずさの厳しい指導が入ります。
が、そのトゲのある物言いに演劇部員たちも辟易している様子が伺え、
見学に来たファッション部員たちもその厳しさに驚きました。
プロの女優を目指しているだけあって、指導にも厳しいあずさは、
休憩中デザイン画を見せるえりかに対しても厳しい批評を投げかけます。
他の演劇部員達には評判の良いデザインだったのに、どう見ても貴婦人ではないと
部員達に同意を求めるあずさに、えりかの口元は固く結ばれていますが・・・
おろおろするつぼみを他所に、えりかは怒っても落ち込んでもいません。
かえって闘志に火がつき、さすがファッション部だという衣装で見返すと宣言し、
あずさもまた受けて立ちます。
が、つぼみはあずさを不満そうに見る演劇部員達に気付きました。

えりかの家で貴婦人の衣装デザインを検討するファッション部員達。
えりかが提案するデザインに、としこが別のデザインを提案します。
自分の方が絶対良いと言いつつも、みんなに意見を求めるえりかの姿に、
先ほどのあずさと異なる点を見たのか、安心したような笑みを見せるつぼみ。
つぼみも意見を求められ、あずさの身長を考えてとしこのデザインの方が合うかもしれない、
という意見を採用し、和やかに進むファッション部の衣装作り。
みんなでカッコイイ衣装作るぞ!というえりかに皆が応じ
皆の気持ちが一つになっています。

一方演劇部は屋上で発声練習。
かつてうららもやっていた「あめんぼあかいなあいうえお」を唱和していますが、
ここでも皆の声が出ていないと注意するあずさに、部員達の不満は募っていきます。
続く舞台稽古でも、台詞の言い方について大声で叫ぶように、と注文を付け、
演じた部員の、本当に悲しい気持ちなら大声なんて出ないという意見にも耳を貸しません。
さらに続く叱責。コンクールで優勝することに囚われているあずさは、
部員達の不満に気付いていません。
遂に演劇部員たちの不満が爆発します。
『コンクールコンクールって、こんな部活、全然楽しくない!
 あずさが決めている事をやらされているだけ。
 私達の言う事なんて、全然聞いてくれないじゃない!』
他の部員達も、部長にはついて行けないと次々離れて行き、
あずさは一人、舞台上に取り残されてしまい・・・

舞台は修羅場の演劇部から、楽しく愉快な砂漠の国へ。
スポットライトを浴びて薔薇を差し出す等、
コブラージャさんは次の登場は派手に決めるべく
ミュージカル仕立ての登場シーンを練習しています。

一人屋上へと向かうあずさ。その足取りは重いです。
孤独なあずさと対比するようにファッション部の光景が交錯して描かれます。
難しい刺繍を実演し、周りを信頼している姿や、周りをちゃんと見ているえりかに対し、
一人発声練習をするあずさの周りには誰もいません。
ななみのセンスを褒めるえりかと、拳を握り締め、大空に吸い込まれて行くあずさの声。
つぼみが付けたコサージュに目を輝かせるえりかと、目に涙を浮かべて続けるあずさ。
皆に囲まれて楽しそうなえりかと、涙が頬を伝い、遂に言葉が続かなくなるあずさ。
屋上で一人俯き涙するあずさの許へ、そうとは知らずつぼみとえりかが訪ねて来ます。
衣装を見に来るよう声を掛けに来たものの他の部員達がいない事を気に留め、
つぼみはあずさの見せる寂しそうな態度に違和感を覚えました。
2人が屋上から降りたとき、廊下を行く演劇部の生徒達を見て声を掛けますが、
皆が演劇部を辞めたと知って驚く2人。

ファッション部に戻ったえりかは、衣装をみて思うところがあり、つぼみに打ち明けました。
あずさは演劇が好き過ぎて周りが見えなくなることもあるけれど、
その一生懸命なところは嫌いではなく、えりかは自分を見ているように感じています。
そして、ファッション部のみんなは部活を楽しんでいるのか問いかけるえりかに、
つぼみはみんなの姿を見るよう促しました。
2人の前に見えるのは、生き生きと楽しんで活動しているファッション部員達の姿があります。
皆はえりかのペースに乗せられているものの、言いなりではありません。
迷いを断ち切り、照れ隠しのようにつぼみにお礼を言うえりか。
その様子は、扉の影であずさが伺っていました。
先ほどの出来事、演劇部員の反発を思い出してうなだれるあずさは、
呼びかけるえりかを振り切って、背を向けて立去ります。

"みんなこの町を出て行ってしまった。私は!・・・私は・・・ひとりぼっち・・・"
一人、舞台で稽古を続けているものの、
その台詞がそのまま自分の境遇である事を噛み締め、台本に顔を埋めて泣くあずさ。
突然暗幕が閉じ、暗くなる講堂にスポットライトと共に、華麗に登場するコブラージャさん。
練習しただけのことはあり、十分派手に登場した後、
あずさの心の花を抽出し、スポットライトと合わせてデザトリアン化。
その声を聞いて駆けつけたつぼみとえりかは変身して立ち向かいます。

椅子に腰かけてスナッキーに団扇を扇がせ、ドリンク片手に優雅に観戦するコブラージャさん。
デザトリアンの猛攻を受け続けるマリンに、あずさの心の叫びが響きます。
『私ダッテ演劇部ノタメニ一生懸命ヤッテキタノニ!』
スポットライトから放たれる光線にマリンが、そしてブロッサムも跳ね飛ばされる
戦いの場に現れる演劇部員達を前に、デザトリアンの心の叫びは続きます。
『ミンナニ本気デ演劇スル楽シサヲ知ッテ欲シカッタ!
 ミンナ、ドウシテツイテ来テクレナイノ?』
芝居がかった動きながら(笑)その心の叫びを聞く部員達。

『人間なんてみんなバラバラ。みんなで一つの事をやるなんて所詮無駄な努力だ』
手鏡を手に化粧してもらっているコブラージャさんに、マリンは立ち上がり反論します。
仲間と一緒だから生まれる事もある。一生懸命な心はみんなに伝わる、と
光線を伏せて避け、デザトリアンの間合いに飛び込んで攻撃を浴びせますが
光線の応酬に決め手を欠く状態です。
余裕で高みの見物をしているコブラージャさんの前で、
デザトリアンに投げつけられたマリンを光線が襲いますが、
そこに鏡を持ったブロッサムが割って入りました。
光線は鏡に跳ね返され、余裕こいていたコブラージャさんを襲います。
慌てて手鏡で防いだものの、跳ね返した光線が
今度はデザトリアンに命中して愕然とするコブラージャさん。
あすさの演技を愛する熱い心を利用したことで我慢の限界を超えたマリンによって
デザトリアンはブルーフォルテウェーブで撃退され、
コブラージャさんも次こそ僕が主役だと捨て台詞を残して引き上げて行きました。

保健室で目を覚ましたあずさに、えりかは完成した衣装を見せますが、
あずさは己を省みて涙しました。
『ファッション部のみんなは凄く楽しそうだった。私、ひとりで突っ走っちゃって・・・
 みんなの気持ちなんて、全然考えてなかった』
えりかはあずさを励まし、今からでも遅くないと促しますが、
夕陽の中、あずさが立つ舞台には再び誰もいません。
"みんなこの町を出て行ってしまった。私は!・・・私は・・・ひとりぼっち・・・"
本当に私は一人ぼっち。そう嘆くあずさに、続く台詞が掛けられました。
"いいえ!あなたは、一人なんかじゃない!"
これは台詞なのか、はたまた部員達の本心なのでしょうか。
手を広げて呼びかける演劇部員達に、皆の意見を聞かずに
一人で芝居を作ろうとしていた事を謝るあずさ。
部員達もやはり演劇が好きで、これからも続けて行きたいと、
その代わり意見は聞いてもらうけれど、と条件をつけるものの、
また一緒に頑張ろうという演劇部員を前に、あずさの目から今度は嬉し涙が流れ落ちました。
その様子を相変わらず滝のような涙を流して見守るえりか。
つぼみはあずさの心の花、ブーゲンビリアの花言葉「情熱」から、
演技への情熱が花開いた事に思いを馳せました。

ファッション部作成の衣装を纏っての舞台稽古に、息を飲むファッション部員達。
舞台上で見ると一段と輝きを放って見えるその衣装に、
えりかは服のデザインは楽しいと、そしてこれからも服を作りたいと一段と目を輝かせました。

冒頭で例に出した御高倶の永沢さんと、今回の高岸あずさは
奇しくも両方とも折笠富美子さんが演じておりました。
その永沢さんとあずさを比較して、どちらも同じように厳しく、
同じように自己の理想を追求しようとしていましたが、
永沢さんはあずさのように部員達の反発を受けていませんでした。
コブラージャさんが持ち出した「人間なんてバラバラ」という表現を
十人十色と解釈すれば、似た境遇でも異なるものだと考えられます。
体育会系と文化系、厳しい練習の成果で決勝まで勝ち上がった御高倶ラクロス部と、
コンクールを目指して奮闘する演劇部という違いはありますが、
この時点で厳しい練習の成果が目に見えているかいないか、
という点が反発を受けているかいないかの違いなのかもしれません。

冒頭、「私の」ファッション部とあずさに紹介するえりかですが、
実際のファッション部は「私の」ではなく、「みんなの」ファッション部となっています。
これが「私の」演劇部を知らず知らずのうちに作り上げてしまったあずさと好対称で
本編でもその違いが交錯して効果的に描かれていました。
一人屋上で発声練習をするあずさと、楽しそうなファッション部が交互に描かれる場面は
明るい青空の下なのに孤独感が痛いほど伝わってくるあずさの描写と合わせて印象的です。

似たもの同士のようで、あずさとえりかの異なる点も対比して描かれています。
まるで聞く耳を持たないワンマンなあずさと、自分の意見を通そうとしても
その前にみんなの意見を聞いて受け入れるえりか。
えりかの姿勢は部下のいる社会人としての私も見習いたいと思う程でした。
一方で、えりかが皆にどう思われているか不安を口にするのは少々意外です。
周りを省みないようで実は細かい気配りに長けていたえりかも、
孤立してしまったあずさを自らと重ね合わせて見てしまったのかもしれません。
つぼみだけに密かに不安を打ち明けるえりかと、
もともと思い悩むタイプではないえりかに言葉で説明するよりも、
実際に目の前の楽しそうな光景を見せたつぼみ。
この2人の信頼関係は、既に強固なものになっている事が伺ます。
そしてえりかは2週前のエピソード以来、すっかり涙もろいキャラが定着したようです。

ところで私は演劇部の経験など持ち合わせていないのですが、
実際芝居に携わった事のある方はどのように見るのでしょうか。
あずさの要求は理不尽にも見えますが、芝居は演出家の意図を汲んで役者も意見を戦わせ、
その結果さらに上を目指していくものだと思います。
部員達にとってはあくまで「部活」なので、そこまでのものを求めておらず
本気で役者を目指しているあずさとの間に温度差があった事が今回の衝突ではないでしょうか。
貴婦人の衣装を駄目出しされたえりかは真っ向から立ち向かい、
あずさも受けて立つような態度を見せたため、仮にえりかが演劇部のパートナーだった場合、
あずさにとってはさらに上を目指せたのかもしれません。
とは言ったものの、中学の部活でそこまでさせるのはやりすぎかもしれませんが・・・
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