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ハートキャッチ第17話『認めてくださいっ!私たちのプリキュア魂!!』 [ハートキャッチプリキュア]

人のふり見て我がふり直せと言います。
ムーンライト様=ゆりに認めてもらいたいつぼみ・えりかと、
初代・2代目に認めてもらいたい3代目。
和菓子職人の姿を通して自らと重ね合わせる「3代目」ブロッサムとマリンを描くだけでなく、
「2代目」ゆりの心の奥に潜む複雑な感情も感じたエピソードでした。
 
つぼみはえりかと共に珍しい花、オトメユリが咲いたと薫子さんに招かれ
植物園を訪れると、そこには先客、ゆりがいました。
薫子さんは「偶然」同じ日に見に来てくれたと言っていますが、
明らかに薫子さんが意図して引き合わせたような状況です。
さらにお茶菓子が切れており、ゆりが、つぼみが、えりかが
それぞれ買いに行くと申し出ると、3人に買いに行ってもらう薫子さん。
偶然なのか意図的なのか、ともかく先代と現役のプリキュアが共に買い物へ向かいます。

道すがら、戦い方や砂漠の使途の弱点など、
経験上のアドバイスをもらおうとするつぼみとえりかを、ゆりは厳しく突き放しました。
もうプリキュアではないというだけでなく、「敗れた」者にアドバイスを求めるようでは
先が無いと手厳しいゆりは、自分の戦いの日々と、つぼみ達に対する不満を語ります。
『私は一人で戦い続けてきた。どんなに辛くても、苦しくても、この世界を守るために。
 あなた達にはその覚悟があるの?私にはそうは見えない』
あなた達を認めない。そう言い放って背を向けて先を行くゆりに、
少々カチンと来ているようなえりかですが、つぼみはめげずに向かうお店、
和菓子はらのの大福について語りました。

好物にたたりなし。沢山買って帰ろうと店内へ向かうと、
奥の厨房では3代目の正弘が、その父・2代目と言い争っていました。
自分の大福が親父の大福とどう違うのかを問いますが、
2代目が言うとおりに食べ比べてみると違いは明白です。
つぼみは看板娘の千鶴子さんに事情を聞いてみると、
正弘は修行を積んでようやく店の看板品の大福を作る許可が出たものの、
思うように作れず、思い悩んでいました。
大福を買って帰る3人を追って来た正弘は、
常連の薫子さんに味見をしてもらい、感想が知りたいと自分が作った大福を手渡しました。
早速1個つまみ食いをして美味しいと感想を漏らすえりかを見て、
みんながすぐ美味しいと言ってくれるといいんだけど、とため息をつく正弘。
初代も2代目も美味しいとは言ってくれず、
店を継ぐために早く2人に認めて欲しい正弘は、改めてつぼみに頼み込みます。

持ち帰った大福を食べてみる薫子さんの感想は、美味しいけれどまだまだ。
何が足りないのかは、薫子さんも口にしません。
その後、夕陽の中帰るゆりを見送るつぼみとえりかは、
自分達も正弘同様、ゆりから見ればまだまだなのだと思います。
悔しがるえりかはゆりに認めてもらうために、ゆりが見ている前で
格好良く砂漠の使途をやっつける!と少々不謹慎な発言をしてコフレに注意されますが・・・

楽しく愉快な砂漠の国では、えりかの発言を受けたためか
3人の大幹部たちが、同時にくしゃみをしました。
僕のファンたちが美しさを称えていると言うコブラージャさん、
俺の生き様に惚れた漢たちの魂の叫びじゃき、と主張するクモジャキー。
互いに譲らず火花を散らす2人をさしおいて、
噂されたからには行かないと、とサソリーナが出動して行きます。

その夜つぼみは、キュアムーンライト様が敗れ去る夢を見て目を覚まし、
階下の薫子さんの部屋を訪ねました。
薫子さんはかつてキュアフラワーとして砂漠の使途と戦って退けた筈なのに、
なぜ今また砂漠の使途が現れたのか。そう尋ねるつぼみに、
この世界は昔から砂漠の使途に何度も目をつけられ、その度にプリキュアが退けてきた事、
かつて自らも心の大樹を研究していた折、プリキュアとなって戦った事を語る薫子さん。
そして次にプリキュアになったのがムーンライト様で、彼女は比類の無い強さを持っていたため
完全に決着が付くと思われたものの、かつては居なかったダーク様、サバーク博士といった
強力な者達に敵わなかったという事情を語りました。
そのムーンライト様=ゆりに、プリキュアとして認めないと言われた事を打ち明け、
もっと強くなれば認めてもらえるかどうか尋ねるつぼみに対し、
薫子さんはプリキュアとして強くなったら認めてくれるかもしれないと言いつつも、
プリキュアとして強くなる事だけが本当に大切な事かしらと問いかけました。

同じ頃、夜遅くまで正弘も大福作りを試行錯誤して努力していました。
そして翌日、つぼみはえりかと共に薫子さんの率直な感想を告げに来ますが、
傷つくかもしれない、けれどはっきり言わなければ伝わらないと二の足を踏みます。
意を決して店内へと向かうと、ちょうど正弘と2代目が取り込み中でした。
あんこの味見をしてもらうものの突き放された正弘は、同じ材料で同じ作り方なのに
何が悪いのかと詰め寄りますが、口を挟むのは穏やかに見守っていた初代です。
天気、気温、湿度で味は変わる事を聞き、それなら先に教えてくれとこぼす正弘に対し、
職人技は教わるのではなく、盗むものだと突き放す2代目。
確かにそういったものは教わって身に付くものではなく、
職人のカンが要求されるものですのでまさしく正論なのですが、
正弘は家を飛び出して行き、その後をつぼみとえりかが追います。

親父や爺ちゃんに認めてもらうために頑張ってきたのに。
河川敷で肩を落とす正弘は案の定サソリーナに目をつけられ、心の花を抽出されました。
その近くで砕けたプリキュアの種に目を落とし、それを握り締めたゆりは、
河原で遊ぶ母子たちを襲うデザトリアンやスナッキー達に気付いて駆けつけます。
そして正弘を追って来たつぼみとえりかも河原でデザトリアンが暴れているのを見つけ、
変身して向かいました。

取り残され、スナッキーたちに取囲まれている母子を救うべく
立ち向かおうとしたゆりの頭上を越えて駆けつけるブロッサムとマリン。
たちまちスナッキー達を一蹴する様を見つめるゆりの前で、
今度はデザトリアンの小豆攻撃に防戦一方となり、橋脚へと叩きつけられました。
『親父モオ爺チャンモ、俺ノ努力ヲ認メタッテイイジャナイカ!』
『本当に大切なのは誰かに認めてもらう事じゃありません!』
デザトリアンに反論しようとしたブロッサムは気付きました。
ゆりに認めてもらおうとしていた自分達と同じだという事に。
そして和菓子屋にとって一番大切なことは、お客さんに喜んでもらう事ではないのかを問うと、
デザトリアンは攻撃の手を止めて考え込んでしまいました。

そんなデザトリアンを、お前を認めない奴らに復讐するよう促すサソリーナに
シプレが、コフレが、マリンが、そしてブロッサムが一丸となって反論します。
『私たちは全力を尽くすのみ!』
『努力に!』『根性に!』『勇気に!』
『友情!・・・頑張っても認めてもらえないこともあるでしょう。
 でも頑張る事は無駄にはなりません。いつかきっと、無限の力を生み出す素になる筈です』
『寒ッ!』そう一蹴するサソリーナに対し、その心の花が枯れていると指摘するブロッサム。
マリンもまた、みんなの心の花を守るのがプリキュア!そう言い放ちました。

私の心は真っ黒よ!とヤケクソ気味のサソリーナがデザトリアンを煽り、
再び放たれる小豆攻撃がプリキュアを襲いますが、
一部始終を見守っていたゆりが割って入り、プリキュアの種の力で2人を護ります。
しかし欠けてしまった種の力では長くは持ちそうにありません。
追い打ちをかけるようにデザトリアンの攻撃も打ち付けられ、
サソリーナもまた、ゆりを負け犬のプリキュアと罵り、何をやっても無駄と嘲笑いますが
『あなたはそのプリキュアに負けるのよ!』
ゆりの心は負けていません。種の力を解放し、デザトリアンを押し返します。
力を使い果たしたためか、膝を着いてしまいますが、
気遣うブロッサムとマリンを、今やるべき事を考えなさいと叱咤。
2人はゆりに後押しされる形でフローラルパワーフォルテッシモを放ち、撃退します。
去ってゆくゆりにお礼を言う2人ですが、ゆり自身は何もしていないと、
そして心の花を持ち主に返すよう促し、立去りました。

店先で目を覚ました正弘は、初代と2代目に自分が誤っていた事に気付いたと告げました。
認めてもらうためではなく、お客様に喜んでもらう為に作らなければならないと悟った正弘に、
お客さんの為に努力すれば評価は自ずとついてくると初代も評します。
正弘の心の花、ツツジの花言葉は情熱。
そのうち3代目として店を継ぐ正弘の大福は、いずれ花開くと予感させられます。


私もサービス業に就いているため、今回の話はわが身に置き換えて考えられました。
社内の評価というものを気にしすぎると、お客様の目線でものが考えられなくなり
その結果サービスの質が落ちるものです。
大切なのはお客様の為に何が出来るのか、お客様は何を求めているのかを考える事で
そうする事でお客様からの評価、ひいては社内の評価が上がる事に繋がるものです。
もっとも、なかなかその境地で考えるのは難しいのですが・・・

つぼみはともかく、えりかが少々功を焦っているように見受けられました。
ゆりの冷たい態度に悔しがり、ゆりの前で砂漠の使途を格好良くやっつける、
という発言はすぐにコフレに咎められますが、この時のえりかは頭に血が上っているため
プリキュアである目的を忘れかけているように思います。
砂漠の使途が現れるという事は、誰かが不幸になる事で、
それを自らの見せ場にするというのは焦点がズレています。
親父に認められるために大福を作っていた正弘同様、
ゆりに認められるために戦うのでは、人々を守る事には繋がりません。
だからこそ、ゆりに見られているの意識せず、2人で反論を交えての戦いで、
みんなの心の花を護るのがプリキュア、と本心から言い放つマリンを見ると、
根の深いところでは誤っていない事が伺えます。
そしてその本心を見たからこそ、ゆりも黙って手を貸したのだと思います。

一方ゆりは助言を求められて突き放す様がいつも以上に冷たく感じられ、
和菓子屋の2代目同様、助言を受けるのではなく自分で考えろと言いたいのだと思いますが、
つぼみとえりかを羨み、悪く言えば妬みが感じられたと言うのは穿った見方でしょうか。
先代プリキュアとして凛とした雰囲気を見せるものの、ゆりも人間です。
薫子さんをして強かったと評される彼女も、一人戦い続けたのは不安でたまらなかった筈です。
私は一人だったのに、あなた達は二人。
私は誰にも頼らずやってきたのに、あなた達は私に頼ろうとしている。
そんな気持ちが感じられたような気がします。
例えば初代シリーズでブラックがホワイトと引き離されて一人になった時の狼狽を思い返すと
ずっと一人で苦しい戦いを強いられ、誰にも頼る事の出来なかった
キュアムーンライト様の苦しみはいかに大きかった事でしょうか。

今回の正弘やつぼみ、えりかのように、人は行き詰った時、
明確な答えをくれるものにすがりたくなるものです。
助言を受ける事そのものは悪いことではありませんが、
言葉で教わる事よりも、悩み、迷い、考え抜いて
自ら見つけ出した答えの方が身に付くもの。
私自身も今回のエピソードで、明日からの一週間の仕事に対して
前向きな気持ちを貰ったような気がしました。
これだからプリキュアシリーズを見るのはやめられません。
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