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スプラッシュスター第19話『大切なものは何?咲と舞の願い事』 [ふたりはプリキュアSprash Star]

今でもあるかもしれませんが、私が小学3・4年くらいの頃、昭和60年前後には、
ボタンを押すとカタパルトのように鉛筆が立ち上がったり、角に鉛筆削りが隠れていたりした
無駄に豪華(笑)なゴツい筆箱が流行った時期がありました。
今回はそんな筆箱の販促話と片付けられてしまいそうな、
現に私も今までそう思って少々軽んじていた話でしたが、
咲と舞の揺るぎない関係、物を大切にする心、冷静なようで複雑な心情を覗かせる満と薫など、
再見して再評価した一編でした。
  
本日パンパカパンは休業日。
大介パパは丁寧にケーキ作りの道具の手入れをしています。
みのりや咲が生まれるよりも前、ケーキ職人として独り立ちした頃から
かれこれ20年は使っている道具を手に、
『物と言うのは愛情を持って大切に使えば、きっとそれに答えてくれる。なぜなら・・・』
『全ての物に命は宿ってる!』
大介パパに口を揃えて答える、咲とみのりの日向姉妹。
大介パパは何度もその話をしており、娘達はすっかり覚えてしまっているようです。
そんな娘達に改めて、鉛筆、消しゴム、筆箱など、咲やみのりが使っている物も
大切に使えばかけがえのない物になると語りました。
もっとも、咲の筆箱は今回この後原型を留めなくなってしまいますが・・・(ゲフンゲフン)

その夜、月が浮かぶ下のひょうたん岩で膝を抱えてスネているドロドロンに
ゴーヤーンが事情を聞いていました。
前回あと一歩まで追い詰めたのに、不思議な力に妨害されたとのドロドロンの証言に
ゴーヤーンは満と薫に遠まわしに疑いの目を向けます。
あくまで淡々とシラを切る満と薫に対し、隠し事をしているならアクダイカーン様に
それなりの報告も辞さないと言うゴーヤーン。
その物言いにカチンときた満と薫は、プリキュアを倒すと言い残して姿を消しました。
後には役目を横取りするなと地団太を踏むドロドロンを残して。

放課後、舞は美術部に向かう途中、咲に声をかけられ、
いつもよりつやつやしている咲のグローブに目を留めました。
昨日のお父さんの話を受けて、いつもより念入りに手入れをしたようで、
全ての物に命が宿るという話を舞にも語る咲。
舞もまた自分のスケッチブックに命が宿っていると思いを馳せます。
ところで咲が声を掛けたのは、綺麗に花が咲いている砂浜を見つけたので、
帰りに見に行こうと誘ったためでした。
互いに部活の終了後、待ち合わせて見に行く約束を交わします。が・・・

ソフト部の練習を屋上から見下ろす満と薫は、
咲と舞2人の心が一つにならないと力を発揮しない点に目を付け、
互いの心をバラバラにする事を思いつきました。
『これでようやくすっきりするわ・・・』
そう呟く満は、何かモヤモヤした物を心の内に抱えてしまった事を感じさせます。
先日のパンパカパンのお手伝い後、
『今日はどうもありがとう!』『お疲れさま』
と2人に声を掛けられた事がよぎり、迷いを振り払うように固く目を閉じて首を横に振る満。
それは今まで見せた事の無いような姿ですが、
『さあ、やるわよ・・・』
迷いを捨てたのか、淡々と薫を促して策を実行に移します。

練習を終えた咲がほんの一瞬グローブから目を放した隙に、満はそのグローブを消し去ります。
グローブが見当たらない事に気付いた咲は辺りを探しますが、当然見つかりません。
続けてベランダでスケッチ中の舞の背後に忍び寄る2人は、
同じく舞がスケッチブックを置いて少しその場を離れた隙にスケッチブックを消し去りました。
『この世界の連中は、困ったことが起きると他の事を考えられなくなる』
『弱いのね・・・』
戻って来た舞はもまたスケッチブックを探しますが、当然見当たりません。

先ほどの行動を振り返りながらグローブの行方を追っている咲は、
フラッピに指摘されて、舞と待ち合わせの約束をしていた事を思い出して慌てて向かいます。
が、舞の姿は見えず、代わりに満と薫に出くわしました。
舞を見なかったか聞きますが、聞いた相手が悪く、
焦る咲に薫の容赦ない言葉が突き刺さります。
『約束を忘れたって事?』
『そういえば、大切なスケッチブックを失くしたとか言ってたわ』
『大事な物を失くした上に、約束を破られてショックでしょうね』
容赦の無い2人の言葉に、うなだれて一人帰る咲。

舞もスケッチブックが見当たらない事で美術部でため息をついていましたが、
咲との約束を思い出し、慌てて廊下を駆けて行きました。
(良い子のみんなは廊下を走ってはいけません)
その前に立ちはだかるように現れる満と薫は、舞にも同様に揺さぶりをかけました。
咲が先ほど帰った事を告げて、
『グローブを失くして、待ち合わせどころではなかったようね』
『きっと約束なんか忘れちゃったのね』
肩を落として帰る舞を不敵な笑みを浮かべて見送る2人。
『2人の気持ちが乱れれば、プリキュアなんて怖くないわ』

その夜、咲はみのりが寝静まった後、どうやって謝るか考えていました。
ゲタ箱で声をかけて、それがダメなら昼休みに、とメモ用紙に
「ゲタ箱、お昼休み」と書いて気持ちを整理し、そして最後に大きく
「舞ごめんね!」
と書いて、メモ用紙を筆箱にしまいます。

舞も同じく約束を忘れた事を気に病んで、紙に鉛筆を走らせています。
チョッピはスケッチブックを失くして大変だったと慰めますが、
それは咲も同様でグローブを失くしてショックだったと思いを巡らせます。
舞が描いていたのは、咲の顔の絵。それを丁寧に折りたたんで筆箱にしまいます。
夜も更けた頃、咲と舞それぞれの筆箱から光が発せられて・・・

翌朝登校し、ゲタ箱で会う2人ですが、互いに口を開けない気まずい雰囲気。
それでも意を決して話しかけようとした時、
咲は現れた仁美と優子によって練習メニューの相談に連れて行かれてしまい、
最初のきっかけを逃してしまいました。仁美マジ空気読め
その後の教室でも気まずい2人が筆箱を取り出すと、
まるで弁当箱(笑)のようになっている事にそれぞれ驚きの声を上げます。

その筆箱の形状からフラッピは精霊の力を感じ取り、以下販促タイム。
咲の強い気持ちを感じ取った精霊が願いを叶えてくれたために
こんな形になったらしく、件の精霊が筆箱から登場し、販促さらに続く。
とまれ(歴史小説風)、中に収まっている不思議なペン(笑)を使って
ベランダの咲、美術室の舞は、それぞれ願い事を書きます。
その願い事を目にしたフラッピ、チョッピはその内容に首を傾げますが
咲と舞にとっては、それが今叶えて欲しい願い事でした。

すれ違いが続いていた咲と舞は校舎の外で遂に落ち合い、
互いに大事な話があると切り出そうとしたその時、突如水飲み場がウザイナー化。
手柄を横取りされじと襲来したドロドロンの仕業で、
屋上で見下ろしていた満と薫にとっても予想外だったようです。
『今度の作戦は凄いんだからな!』
と言うだけあって、2つの蛇口から水と泥水を混ぜ合わせ、
マーブルスクリューのような水流を叩き込んで攻撃を仕掛けてきます。
『もしドロドロンがプリキュアを倒したら・・・』
『構わない・・・』『そうよね・・・』
満と薫が淡々と見つめる中、
『大事な話をしようと思ってたのに!』
咲と舞は2人同時に同じ事を言って顔を見合わせ、
苦笑いしつつも共に変身して立ち向かいます。

ウザイナーの攻撃を、いつも以上に軽やかな動きであしらう2人。
再び放たれるマーブルスクリュー(違)を精霊の力で受け止めますが、
いつも以上に強力な防御力を発揮し、弾かれた泥水はドロドロンに降りかかります。
次いでウザイナーのパンチが放たれますが、殴った腕の方が砕ける固い防御力に
満と薫も表情は変えないものの驚きを持って見下ろします。
劣勢のウザイナーにドロドロンはリングサイドのセコンドのように指示を出しますが、
そのまま挽回の機会は無く、ツインストリームスプラッシュによって撃退され
ドロドロンもまた撤退していきました。

撃退後、互いの心が何となく揃っていない気がしたのに、
漲っていた精霊の力を不思議に思う咲と舞ですが、
フラッピとチョッピ曰く、不思議でも何でもないとの事。
その秘密は、先ほど書いた願い事にありました。
「咲の大切なものが戻りますように・・・」
「舞の一番大事なものが戻ってきますように・・・」
どちらも自分の事ではなく、互いの事を案じて書いていた願い事。
お互いを思う気持ちは言葉を伴わなくともしっかり通じており、
その気持ちが一つになって大きな力を呼んだのでした。
咲は舞の手を取り、改めて約束を忘れた事を詫びます。
舞もまた同様に詫び、互いに笑い合う2人を遠巻きに見下ろす満と薫には
今回の2人の事が信じられないものに映っていました。
改めて全力で取り組む事を意識する満と薫。
そして用済みとなったグローブとスケッチブックは・・・

グローブはソフト部の、スケッチブックは美術部の部室で発見され
2人は昨日約束した美しい景色を見にやってきました。
夕陽に照らされた花、凪いだ海が照り返す美しい景色を眺めつつ、
『私は咲の事を、咲は私の事を。
 お互いに強く思う気持ちがあったから、精霊が願いを叶えてくれたのね』
残念ながら満と薫が返してくれただけなのですが・・・
ともかく、全ての物に命が宿り、愛情を持って大切にしていれば
それに答えてくれると言う父の言葉を思い返す咲。
2人を見下ろして、夕陽の合間に星空が広がり始めていました。


冒頭でも触れたように、少々筆箱の販促風味が誇張されており
ラストでもグローブやスケッチブックが戻ってきた事を「精霊のおかげ」と割り切る等
確かに苦笑してしまう話ではあります。
しかし、咲と舞が言葉に出さずとも互いの事を思いやっている事を描ききった一編だと見直し
不当に軽んじていた事を反省したいと思います。

思いを書き上げて気持ちが通じるという展開は、ぎこちない咲と舞の関係とも相俟って
初代シリーズ第8話を彷彿とさせます。
この時も言葉を交わすよりも、思うことを素直に書いた文を読むことで関係改善しており
今回の話との共通点も見受けられました。
実際に会って話すのが良い事もありますが、物を書くということは
その時思っている素直な考えが出るものです。

ある意味咲と舞の仲の良さを見せ付けられた格好ですが、
2人の絆の強さに満と薫、特に満が動揺している描写が見受けられるのも興味深いです。
前回、そして次回で大きく心動かされるのは薫で、
満は感化されそうなのを懸命に否定しようとする姿勢が目立ちます。
前回お礼を言われた事を思い出して、必死に振り払おうとする姿。
そして、ドロドロンの襲来時の『もしドロドロンがプリキュアを倒したら・・・』
『構わない・・・』『そうよね・・・』と言う薫とのやり取りは、
今回プリキュアが劣勢になっても助けたりなどしないという意思表示に思えます。
仮に今回も苦戦を強いられたとしたら、果たしてこの二人はどう動いたのでしょうか・・・?

しかし持ち上げながら書いたものの、あまりに変わり果てた筆箱には苦笑させられます。
冒頭でも大介パパが大切に使おうと言っていた筆箱が原型を留めなくなっており、
咲の筆箱はともかく、舞のものは筆記体で「Spirit of Artist」と書かれている等、
絵に対する舞の姿勢を現しているようなセンスの良いものだっただけに、
小学生の玩具のような筆箱にされて別の意味でショックを受けなかったでしょうか(笑)
机の上に置いてあった筈なのに学校まで気付かない、といった突っ込みどころもありました。
この筆箱は今後登場しなかったと記憶していますが、話に絡ませるのが難しかったのでしょうか。
以前にも触れた事がありますが、アニメもビジネスである以上、
関連商品の販促も重要な要素である事は否定しません。
それをいかに違和感なくストーリーに絡ませるかといった
製作側の苦労が伺えるような感想を覚えました。
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