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ハートキャッチ第18話『最強伝説!番長登場、ヨロシクです!!』 [ハートキャッチプリキュア]

母を心配するあまり自分の夢を語れず思い悩む息子と、
息子の夢を知って優しく後押しする母。

・・・などといった私のいつもの論調で押し進められない程、ネタ満載の一編。
次回予告からして明らかにカオスになりそうでしたがまさにその通りで、
単に強面だった為に損をしていた番君、つぼみとえりかのラブシーン、
デザトリアンに文字通り振り回されるクモジャキー、
そして中二の息子がいるとは思えない程かわいすぎる番君の母、慶子ママン。
ハートキャッチシリーズの懐の広さには毎度のことながら感心します。
次はスケバンが出てきたりして・・・
  
放課後のホームルームが終わり、下校して行く生徒達。
不意に長身の生徒が鴨居に頭を打ちつけ、クラスに忍び笑いが漏れますが、
彼が鋭い眼光で睨みつけると、クラス全員震え上がって沈黙します。(つぼみを除く)
その生徒、番君に鶴崎先生が渡しそびれたプリントを
えりかと一緒に届けに行くと申し出るつぼみ。
しかしえりかは震えて固まっています。
番君は「伝説の番長」と呼ばれて畏れられている存在なのですが、
そもそも「番長」が何なのかすらつぼみは知りません。

テレビの前の小さなお友達のために、番長とは学校で一番強い人で、
悪い奴をやっつけちゃったりするものだと解説するえりか。
そして番君の武勇伝として伝説となっている話をします。
かつて町外れの公園にはサムライ番長、ラーメン番長、リーゼント番長、そしてパソコン番長など
錚々たる顔ぶれ(笑)がたむろしている公園がありました。
通りかかった番君は、一様に因縁をつける番長たちを一睨みで撃退したのですが、
その後彼らの元締め、BIG大番長が学校に殴りこみをかけて来ました。
番君と対峙し、長ランを脱ぎ捨てたBIG大番長は威勢よくガンを飛ばしますが、
逆に番君に睨み返され、戦いもせずに逃げ帰ります。
この時から番君は伝説の番長として、そして伝説へ・・・
とは言ったもののつぼみには番君が怖い人には思えません。
しかしえりかは番君に睨まれてすくみあがった事があるため、彼の事を怖いと思っていました。

訪れた番君の家はイメージに反し、小奇麗で瀟洒な邸宅で
出迎える番君のお母さん、番慶子ママンもどこかズレているおっとりした物腰の方でした。
話を聞いてみると「ケンちゃん」(番君の名前はケンジです)はまだ帰っていません。
『ぷんぷん!』と愛らしく怒る慶子ママンに気付かれないよう
番君は植え込みに隠れてそっとつぼみとえりかに合図を送りますが、
その空気が読めないつぼみが番君に声をかけようとしてしまい、
番君に睨まれて震え上がったえりかはつぼみの口を塞ぎ、また着ます、と退散しました。

つぼみの手を引いて一目散に逃げるえりか。
その後を、まるで液体金属ターミネーター、T-1000のように眼光鋭く追ってくる番君。
逃げ回るうちに神社まで来てしまい、思い切って向き直るえりかがつぼみの手を離した際
はずみでつぼみは神社の石段から落ちそうになりますが、
それを助けたのは伝説の番長です。
しかし助けた際の勢いで彼のカバンは石段の下に落ちて行きました。

服の汚れを払ったり、先生に預かったものを受け取った時に素直にお礼を言う番君の姿に、
えりかはイメージと異なるものを抱き始めます。先ほど内緒にするよう促したのは、
寄り道したと慶子ママンに知れると心配するから、という番君なりの心遣いでした。
ところが、寄り道して何をしていたのか問われると、途端に焦りだす番君。
そして石段の下に落ちたカバンからは、なにやら紙の束が覗いています。
見るなという番君の声も空しく、2人に見られてしまったそれは、
彼が描いていた「ハートキャッチプリキュア」の漫画。
・・・そこまでこの世界で認知されているブロッサムとマリンはある意味凄い事です。

慶子ママンに内緒にしている理由は、漫画と無縁の家に育った慶子ママンなら
漫画家になると言えば心配すると思っての事で、隠れて描いていました。
また、彼にまつわる番長伝説も本人にとっては困ったもので、
サムライ番長らをすくみあがらせた時は漫画のネタに詰まって不機嫌だったため、
BIG大番長を追い返したときは、脱ぎ捨てた長ランによって
花が下敷きになった事に怒りを覚えて睨み返しただけの事でした。
怖いと思われていることを気にしている番君ですが、
花を愛する人に悪い人はいません。つぼみはそう告げます。

漫画を見せてもらうと、突然弁士のように能弁になり、自ら解説し始める番君。
キャラの変りように驚く2人をよそに語られるあらすじは、
―町の平和を護るプリキュア。しかしキュアブロッサムには片想いの相手がいた
 その相手は花を愛する寡黙な男、ケン。(お前かよ)
しかしブロッサムはマリンの秘密を知ってしまう。なんとマリンもケンに片思いしていたのだ!
自分のことのように(自分の事ですから)驚くつぼみ、えりか、
影で笑いを堪えているシプレコフレを他所に、番君の語りは続きます。
 思い悩むブロッサムは遂に決心した。マリンの為に自分が恋のキューピッドを買って出ようと!
ベタベタな展開ながら、純粋に感動しているつぼみはその先が知りたくなりますが、
この先はまだ出来ていません。
とある漫画コンクールへ応募しようと描いていたのですが、その締め切りはあさって。
間に合いそうに無いと残念そうな番君に、2人は手伝いを買って出ました。
本屋で入門書を買い込み、えりかの部屋で作業を始めます。

しかしその際、本屋でどこかで見たような羽織姿の男が・・・?
案の定それはクモジャキーで、つぼみとえりかに気付いていないのか
「伝説の番長」と言う漫画を購入し、公園で読みふけるクモジャキー。
描かれている番長の姿に感激し、熱い番長と戦ってみたいと思いを叩きつけました。

ペン入れ、消しゴム、ベタ入れ、ホワイト修正と進めて、トビラが完成。
つぼみとえりかも間違えたりしながら、
ついシプレとコフレが声をかけてしまうというハプニングはありましたが、
作業は順調に、しかし鬼気迫る勢いで続けられます。
ところが、ラストの部分は「ケンカした2人が仲直りする」という構想はあるものの、
まだ話が決まっていません。
そこで2人に演じさせて話を作るという荒業、もとい展開になりました。
『女優よ!女優になりきるのよ!』
及び腰のつぼみに、まるで演劇部のあずさのようなアドバイスをするえりか。
つぼみもいつしか自己催眠のように、女優になりきって見事に演じ始めます。
"ええ、マリンの言うとおり、私もケンのことが好きです!"
"何故なの?何故それを早く言ってくれなかったの?"
負けじとえりかも熱演で応じ、番君もその演技を固唾を呑んで見守ります。
"・・・私には・・・恋よりも・・・プリキュアの方が・・・大切なんです"
"私も同じ想いよ!恋なんていらない!私たちは・・・"
"二人でプリキュアよ"
コマの中では、降りしきる雨の中で、抱き合う2人の姿が・・・
『俺は今、猛烈に感動している!』
番君もまた、滝のような涙を流して男泣きに咽びます。

構想もまとまり、仕上げに入ろうとした時、慶子ママンが訪ねて来ました。
慌てて原稿を出窓の桟に隠してカーテンを下ろし、勉強していたように取り繕う3人。
ところがカーテンを下ろしている事を疑問に思ったさくらママがカーテンを開けようとして、
その裏でシプレとコフレが懸命に踏ん張るもののカーテンは上がってしまい、
はずみで部屋中に隠していた原稿が飛び散りました。
原稿の一枚を手に取った慶子ママンに対し、つぼみとえりかは
私たちが描きたいとそそのかしたと番君を庇うように言い訳をしますが、
番君ははっきりと打ち明けました。漫画を描いていたのは僕です、と。
そして母に嘘をついていた事に居たたまれなくなったのか、
涙を散らして駆け出していく番君を追いかける2人。

母に嘘をついていた事、そしてもう漫画を描く事ができないと頭を抱える番君の前を
またタイミング良く(悪く?)通りがかったクモジャキーは
悩みゆえに発した鋭い眼光に目を留め、番長だと思い込んで背後から様子を伺います。
が、彼がプリキュアの漫画を描いていたことを知り、
『なんじゃこりゃあ!』とジーパン刑事ばりに激高。
プリキュアのマンガを書くような奴は戦うに値しないと心の花を抽出し、
インクとあわせてデザトリアンを生み出・・・したものの、
豊かな髪に目を付けられたのか、筆にされてインク壷に突っ込まれるクモジャキー。
追って来た2人も事態に気付いて変身します。

『俺を筆にするとは、なかなかやるぜよ』
妙に冷静なクモジャキーを筆として使い、町をベタ塗りしていくデザトリアン。
プリキュアが立ちはだかった際も、クモジャキーは
筆にされたままデザトリアンを指揮するシュールな戦闘が繰り広げられます。
そしてデザトリアンにつかまれたまま、ビッグバン・クモジャキー・スペシャル(以下BKS)
の体勢に入るクモジャキー。あの技の破壊力を知っている2人ですが、物怖じしません。
『漫画じゃないけど、私達は2人でプリキュアよ!』
放たれたBKSをマリンシュート、ブロッサムシャワーで弾き返します。

『僕は漫画が描きたいんだよ』
デザトリアンの腕がペン先と定規に変わり、その悩みはクモジャキーにも打ち下ろされます。
漫画家になりたいけれど、母を心配させるから言えないと、
そして口下手な自分を責めるデザトリアンをウジウジした奴と馬鹿にするクモジャキーに
その優しさを見抜いたブロッサムは反論します。
番長に優しさなどいらないと言うクモジャキーに対し、本当の強さは本当の優しさに宿ると反論。
例の如く堪忍袋の緒を切って、毎度おなじみフローラルパワーフォルテッシモで撃退しました。

『悪い夢を見ていたようです・・・』
番君は、心配して追って来た慶子ママンの膝枕で目を覚まします。
そして自分の夢を打ち明けようとする番君ですが、やはり踏ん切りがつきません。
彼を後押しするように、慶子ママン自身が夢を聞いてみて、
ようやく漫画家になりたいことを打ち明けられた番君。
それを聞いた慶子ママンの反応は、番君の予想に反していました。
『子供の夢を応援しない親が、どこにいますか?』
番君の心の花、ハナミズキの花言葉は「私の思いを受け入れて」。
『もしかしたら番君の思いは最初から受け入れられてたのかもね』
優しく微笑む慶子ママンと番君の姿を物陰で見守る2人も、それぞれ思いを馳せました。

なんとか完成した原稿を速達で送った後、
番君は言いにくそうに、それでもはっきりとまた手伝って欲しい旨を打ち明けました。
次にどの雑誌に掲載するか、持ち寄った少女漫画誌を広げ、
つぼみとえりか、番君の漫画談義が花を咲かせて幕となります。


どうやら置鮎龍太郎さんはしゃべる忠太郎、ファイブdeチャンス、と
プリキュアカオス回の常連になってしまったようです(笑)
その置鮎さん演じる番君は、予想通り強面の外見に反し繊細な内面がせめぎ合う
「エンジェル伝説」の北野君のような味のあるキャラクターだと思います。
しかし、クモジャキーが指摘したとおり「ウジウジ」していた事は否めません。
漫画家を目指すのであれば、いつかは慶子ママンに打ち明けなければならない日が来た筈で
悪く言えば問題を先延ばしにしていたとも言えそうです。
「母が心配する」という理由は、本当は優しいという彼の設定を活かすためと思いますが、
本当は母に反対されるのではないかと及び腰だったのではないでしょうか。
それだけに、図らずも母に夢を打ち明ける事となり、
応援してもらえると知って心底スッキリした事でしょう。
悩みがある故に強面だった可能性もあるので、
今後怖そうな人だと敬遠される事も少なくなると良いのですが。

人を見た目やイメージで判断しないというつぼみの長所も際立ちます。
番長という言葉を知らなかった際の反応や、
黙っているよう合図する番君の仕草に気付かない天然、という風にも見えますが、
言いたいことを言えずに内にこもってしまっている番君の姿は、
かつての(今もまだそうかもしれませんが)自分と重ね合わせたのではないでしょうか。
だからこそイメージに惑わされず、番君の本質を見極められたのだと思います。
その反面、えりかがイメージで左右するような描かれ方になっているのはやむを得ませんが・・・

と、真面目に語るにはネタ成分が多すぎ、良い意味でいつもと異なる楽しみ方が出来ました。
作中作とはいえ、プリキュア同士の抱擁が描かれたのは初ではないでしょうか。
ピーチとイース様という前例はありますが、
この時はまだイース様はプリキュアではありませんので・・・
濃厚なラブラブっぷりに朝からお腹いっぱいになりました。
その漫画も突っ込みどころが多く、はっきりと変身前の姿が描かれているのは
番君が想像で描いたにしてはつぼみとえりかに似すぎている事に誰も何も言わなかったり、
ベタ塗りで出来上がった作中作のブロッサムが髪の色と相俟って
キュアホワイトに似ているのも作画の妙と言えるでしょう。

フレームに囲われた中で繰り広げられる「番長伝説」描写もなんともいえない味がありました。
サムライやリーゼントはともかく、ラーメン、果てはパソコンってどんな番長ですか?
と突っ込みどころ満載で、見掛け倒しのBIG大番長のチキンっぷりも面白いです。
他にもギャグ描写としては「番長」と「バンジョー」をかけたシプレとコフレの漫才、
(健太と宮迫の漫才や、タルトのスイーツジョークより面白いです)
筆にされて文字通り振り回されるクモジャキー等、
何かネジが飛んでいるかのような展開が続いてインパクトが強かったです。

そして、まさか母親にここまで萌えてしまうとは・・・
今までも魅力的な母親キャラクターぞろいのプリキュアシリーズですが、
私より年上の筈(17歳かもしれませんが)なのに、慶子ママンの可愛さは異常です。
『ぷんぷん!』と怒る仕草、ズレた服装センス、結構呑気してた私も
ママンが一瞬萌えキャラに見えるほどの可愛らしさにはビビった!!
と神砂嵐ばりの破壊力は強烈で、つぼみとえりかの事を評して「可愛らしいお嬢さん」
などと言っていましたが、あなたも十分可愛いです。
前述の『ぷんぷん!』(これで3回も引用してしまいました)や、
取り残されて『あららぁ?』と呟くなど、この手の役柄を得意とする
井上喜久子さんが演じている事も相俟って、おっとりした魅力に溢れています。
それでいてプリキュアに登場する母親として、
番君を応援し、優しく微笑みかける母としての一面もきちんと描かれており、
おそらく今回限りの登場となるのが非常に惜しいキャラクターでした。
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