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スプラッシュスター第20話『雨に唄えばドロドロン!』 [ふたりはプリキュアSprash Star]

満・薫と登場時期が被ったがためにその影に隠れがちになってしまったドロドロンですが、
岩田光央さんの極めて濃い演技のおかげで
単独で登場していたら非常に強烈なインパクトを残したと思われます。
これが最後とばかりに吹っ切れたようにノリノリの活躍を見せるドロドロン。
スケッチに来ていたみのりと出会い、様々な物を感じ始めた薫、そして薫の変化に戸惑う満。
フィーリアの示唆する「大きな困難」は、もう間もなく訪れようとしています。
  
梅雨の時期のためか、空はどんよりと曇っています。
ケーキ作りの資料を買いに行っていた大介パパは、
絵の宿題を出されたみのりのために、スケッチブックを買ってきてくれました。
来週までに好きなものを描くように、との宿題を手伝おうと申し出る咲ですが、
その絵のセンスを知っているみのりは、姉の申し出をやんわりと断ります。
舞お姉ちゃんと一緒に描きたい。
連絡すると、舞は明日一緒にスケッチに行こうと快諾してくれました。
厚い雲に覆われる空が気がかりですが・・・

一方ダークフォールでは、結果が出ないドロドロンにアクダイカーンも堪忍袋の緒が切れ、
闇より深い心もここらが我慢の限界のようです。
泉を奪い返すまでは帰る場所が無い、との最後通告にも関わらず、
まるでキャラが変ったかのように応じるドロドロン。
『もちろんですとも、アクダイカーン様。
 このドロドロン。全てを賭け、全身全霊を尽くして、泉を奪い返して参ります』
あまりのキャラの変りように驚くゴーヤーンを向こうに回して、決意を胸に出撃して行きました。

翌朝、みのりがカーテンを開けると、外はあいにくの雨でした。
せっかくの舞とのお絵かきが、と残念そうなみのりを慰める咲もまた、
残念そうな目で窓の外を見つめます。
ところで少し話が逸れますが・・・日向姉妹は普段「可愛い」という形容詞が似合うのですが、
寝起きで髪を下ろしたままで整えていない姿は咲もみのりも「美しい」と見えるのが
将来この姉妹は確実に美人になると予感させられます。

「泥」は雨と相性が良いため、林の中で調子良さそうに小躍りしているドロドロン。
その陣中見舞いといった風情で満と薫が訪ねて来ます。
ドロドロンが絶対に決めてやる、と嬉々として土へと潜り込んだ直後、
舞に連れられた日向姉妹がスケッチに訪れました。
雨が降ったり止んだりといった梅雨にありがちな天気ですが、
舞がこれから案内する場所は、雨の日の方が綺麗なところと言われて
みのりは想像力を膨らませて楽しそう。
さらにみのりの胸を躍らせたのは、その行く手を薫と満が横切ったことでした。
あの日以来、すっかり薫に懐いてしまったみのりは嬉々として薫の下へ向かいます。

『どこ行くの?』
『・・・さあ』
相変わらずそっけない薫ですが、みのりの何気ない一言でその心に波風が立ちました。
『みのりはみんなと一緒にスケッチに行くの!』
『今から?』
動揺しているように震える薫の瞳。そして、思いもかけず口を突いて呟きが漏れます。
『雨の日は危険だ・・・』
『何言ってるの?』
満はそんな薫を制するかのように口を挟みますが、雨足が再び強くなり、
みのりは持っている傘を薫に差し出します。
それを受けた薫は、ごく自然にみのりに傘を差してあげて、
みのりに手を引かれて一緒にスケッチに行くことになりました。
その後に続く舞、そして咲は満に謝りながら傘を差してあげます。
そして咲のペースに乗せられるように満も同行する事になりました。

雨は好き?薫お姉さんも洗濯するの?
お母さんがこの前洗濯した時、小さな虹が出たんだって!
他愛のないみのりのおしゃべりを、ただ聞き流しているような薫ですが、
みのりにとっては他愛のないおしゃべりを聞いてくれる事が楽しくてたまらない様子です。
舞が連れてきたのは、あの時のキャベツ畑
あの時に発見した場所が、その奥にありました。
SSの舞台、鎌倉の名物でもある、紫陽花が咲き誇る光景。
雫に濡れて輝く姿は、舞の言うとおり雨の日の方が美しく見えます。
目を奪われて駆け出してゆくみのりを見つめる薫は、
いつしか自然と笑みを浮かべていました。
『薫が笑った?』
驚く満を残し、薫はみのりの後を追います。

綺麗だと思ったことを、気持ちのままに描けばいいという舞のアドバイスを受け、
紫陽花の花をスケッチし始めるみのり。
咲も紫陽花に見とれている、和やかな光景を見つめる満と薫。
その傍らの紫陽花の葉の上を這っていた一匹のカタツムリが
葉から落ちてしまったのを拾い上げ、そっと葉の上に戻してあげる薫。
そんな薫の姿を、満は驚いたように見つめます。

その美しい光景は、ドロドロンの魔の手が忍び寄って一転。
紫陽花を前にはしゃぎまわっていたラピチョピが不穏な気配を感じ取ります。
いよいよ雨足が強くなり、好機と受け取ったドロドロンがその姿を地中から現しました。

『濡れるよ。あっちだ、あっちへ行こう』
それとなく戦いの場からみのりを遠ざける薫。
直後、ドロドロンが咲と舞に迫ります。
『お前たちー、今まで随分好き勝手やってくれたけどなぁー、
 今日はそれを全部まとめて返してやるからなぁー!ずんずずーん♪
 体が柔らかくてすごく調子が良いぞー♪
 もうこうなったらこの大地全てが僕の思うがままさー♪ ずるずるずるずるーーっ☆』
まさに絶好調、ネジが外れてしまったかのようにノリノリで周囲の泥を吸い込み
一回り体が大きくなったドロドロンを前に、変身して立ち向かう2人。

流石、調子が良いと豪語するだけあって、
巨体を生かし、十八番の糸を繰り出してプリキュアを圧倒するドロドロン。
『今日の僕はいつもよりもずっとずーっと強いんだからっなー♪ 僕をなめンなよー♪』
すっかり調子に乗ったドロドロンは、滅びの力の凄さを見せ付けると
辺りの森を枯らし始めます(いらん事するから・・・)
雨がドロドロンに力を与えている事、
そして雨から滅びの力が生まれている事に衝撃を受ける2人ですが、
雨は自然の恵みだとフラッピとチョッピが反論します。
それでも雨は僕の為にある、とプリキュアを糸で絡めとるドロドロンですが、
森を枯らせた事でかえってその闘志に火をつけてしまい、
怒った2人の精霊の力によってその糸が断ち切られました。

負けじとドロドロン、僕の力はまだまだこんなものじゃないとウザイナーを召還。
周囲の泥を身に纏い、ウザイナーと合体して土偶のような姿に変貌を遂げます。が・・・
『あら、重心が、あれ、すっげ、重いッ』
鈍重になりすぎてしまい、プリキュアの軽やかな攻撃を喰らい続けてしまいました。
『あら、上の、バランスが・・・』
勢い余って転倒したところに、ツインストリームスプラッシュが炸裂。
ウザイナー撃退の直前、「脱出!」したドロドロン。

変身を解いて奇蹟の雫を受け止めた2人の前に、脱出したドロドロンが着地します。が・・・
『な?あれ、なんだ?あ、あれ、どうなってん、あら、サラサラサラー』
体が崩れ、後には一握りの土くれだけが残りました。
『戻ったんだね・・・土に』『うん・・・』
その土くれを、咲と舞はどこか寂しいような、切ないような目で見つめました。

奇蹟の雫が7つそろった事で、お約束どおり土の泉へ。
着地に失敗するのは相変わらずで、咲にはどてっ腹にキャラフェが直撃するおまけ付きです。
ともかく奇蹟の雫を枯れた泉に注ぐと、段々畑に黄金色の水が湛えられている、
まるで中国の世界遺産「黄龍」のような美しい光景を取り戻す土の泉。
続けて姿を現すフィーリア王女。以前は聞く事のできなかったその声が届きます。
しかしフィーリアにはこちらの声が届かない様子。
フィーリアは泉を取り戻してくれた事の感謝、世界樹に命が戻りつつある事を告げますが、
同時に大きな困難が待ち受けている事をを示唆します。
そして強い心を持ち続けるように、と促し、再び姿を消しました。
大きな困難とは・・・?案じる間もなく、いつも通り勢い良く元の世界に戻される一同。

『結局、ドロドロンもダメだったわね』
『期待してなかったけど』
夕陽に照らされるひょうたん岩に佇む満と薫。
満は先ほどの薫の行動を問いただしました。
『濡れるよ。あっちだ、あっちへ行こう』
みのりをわざと逃がしたのか。守ってあげたのか。緑の郷の連中に同情しているのか。
問いかけを否定する薫に、満は避けられない現実を口にします。
『次は私たちの番なのよ』
『わかってるわ、そんな事・・・』

みのりが書き上げた絵のテーマは「大好きなもの」
そこには紫陽花を前に微笑むみんなの笑顔が描かれていました。
みのりを中心に、咲と舞が。そして満と薫も絵の中では微笑んでいます。
その絵を手に嬉しそうなみのり。
しかし、満と薫はこれから・・・


本文中、やたらとドロドロンの台詞をそのまま書き出してしまいましたが、
以前にも触れたようにこの台詞は岩田光央さんの演技あってこそその真価が発揮され
文字に起こすとその面白さが十分伝わらないのが残念です。
そのドロドロン、普段から台詞の殆どがアドリブで占められているようでしたが、
今回はこれが最後とばかりにやりたい放題の様相を呈しており、
真面目なシーンなのに大いに笑わせてくれます。
特に『ずるずるずるずるーーっ☆』『僕をなめンなよー♪』
のフッ切れた感は面白すぎます。
そして最後の台詞となってしまった『サラサラサラー』もドロドロンらしく、
直後の咲と舞の哀しげな表情がなければギャグのまま終わっていたと思います。
だからこそ、この咲と舞のどこか寂しそうな口ぶりが、
敵を倒したと言うのに切ない余韻を残して印象的でした。
これは「滅び」の力で戦い、「滅び」の力で森を枯らしたドロドロンもまた
「滅び」の運命に逆らえない事の無情さを暗示しているように見えました。

そして今回大きくクローズアップされる薫。
これまでも、これからもそうなのですが、薫は満以上に無表情・無愛想で淡々としています。
前回の満のように、感情が表に露出する事も少ないのですが、
何事にも興味が無いと言う事は何事にも影響され易いとも言えます。
「雨の日は危険だ」と、思わず動揺して口走ってしまった言葉、
差し出された傘をごく自然にみのりに差し返す様、
嬉々としたみのりを見守っているうちに自然にこぼれた笑み、
そしてカタツムリを助けあげる姿。
語弊があるかもしれませんが、薫にはいたわりという概念は無かったと思います。
誰に対しても平等に接するのは、薫が前々回みのりに対して行った態度ですが、
同時にみのりからも先入観なく接してもらっていることで感情が芽生えたのでしょう。
カタツムリを助けあげた後、薫は雨滴が落ちてくる曇り空を見上げていました。
果たして薫は何を見て、何を想い、何を感じていたのでしょうか・・・

そんな薫に釘を刺す満も、今回は大きく描かれないものの動揺が感じられます。
薫が笑みを漏らしたことに驚いたところを見ると、
常に連れ添っている満でさえも見たことの無い姿だったのでしょう。
薫の変化に対して、薫本人以上に満が戸惑っている事が伺えます。
だからこそ「雨の日は危険だ」発言の後や、
ラスト前のひょうたん岩での忠告の描写が活きて来ます。
満も本当は色々とと思うところがあるでしょうが、それを口に出すのを恐れている。
変化する事を拒んでいるように思えます。
それはこれから待つ、運命の対決の直前に感情を露にする姿からも伺えます。

次回からは遂に満と薫が対プリキュアに動き出します。
ちょうど一年前の、イース様がナキサケーベのカードを手にした頃からのように、
過酷な運命が待ち受ける展開となります。
気楽に再視聴して語れるような展開ではなくなるため、
更新のペースが落ちるかもしれませんが、
その分じっくりと咲と舞、満と薫の「大きな困難」を見て行きたいと思います。
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