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ハートキャッチ第19話『涙の嫁入り!父の日の記念写真です!!』 [ハートキャッチプリキュア]

先日放送の母の日もシリーズ初でしたが、大抵6月の第3週あたりには
ゴルフ中継のために放映が休みになるのが恒例のため、今回の父の日もシリーズ初の事です。
娘の嫁入りに反対する頑固親父のエピソードかと思いきや、
プリキュアシリーズで久々に描かれる「農作業」「家族旅行」と相俟って
またしても良い意味で期待を裏切られた一編となりました。
  
『えりかのお父さんって凄いカメラマンなんですね』
流之介パパの写真集に目を奪われているつぼみに、別にそうでもないと謙遜するえりか。
写真集に挟まれていた、ある家族の肖像がつぼみの目に留まります。
他所の家族の写真もこれだけ生き生きと描き出す写真を見たためか、
来海家の家族写真も見てみたいというつぼみですが、
来海家には家族全員の写真が一枚もありません。
いつも写真を撮る役の流之介パパが写り込めず、
今更そのことに気付いて頭を抱える流之介パパは家族旅行へ行く事を決意。
つぼみはカメラマンとして同行を求められ、もちろん快諾します。

向かった先は、先ほどの家族写真に写っていた農家の堀内さん宅ですが、
着いた家には誰もいません。
飼われている犬と早速仲良くなったシプレ、コフレを両親やもも姉の目からごまかすため、
その場を離れるえりかとつぼみは、畑で言い争う堀内父娘、
正さんとアキさんを目の当たりにしました。
来客に気付き、とりあえずその場を治めた父娘に歓待され、
えりかとつぼみは正さんに促され、嬉々として畑仕事へと向かいます。

農作業ルックに身を包み、アドバイスをもらってジャガイモを収穫するえりかは
つぼみにとって格好のシャッターチャンス。
もも姉や来海夫妻が微笑ましく見守る中で、次いでトマトを貰います。
愛情を込めて育てると、花も野菜も可愛く思えると
トマトを手に笑う正さんを撮影していると、不意にトマトを頬張っていたえりかの悲鳴が。
カエルを見て後ずさりするえりかの顔に、そのカエルが飛びついて、
腰を抜かすえりかの姿は再びのシャッターチャンス。
カエルに全く動じないつぼみとのやりとりは、かつてのこまちさんとかれんを思い出します。

収穫した野菜は女性陣が調理し、正さんと流之介パパはビールで乾杯。
夏なのに鍋?という疑問はさておき、穏やかな夜が過ぎていきます。
美味しい野菜をふんだんに使った鍋に舌鼓を打ち、
正さんも久々の大人数での食事が賑やかで楽しそうです。
ところが結婚を控えているアキさんに式の準備は順調なのかと
流之介パパが水を向けると、あとは引越しを済ませるだけで・・・
と、途端に座が静まり返ってしまいました。
さくらママは、娘が嫁に言ってしまうため一人になってしまう正さんを案じますが、
当の正さんはのんびりできると気にしていません。

食後、つぼみとえりかは縁台でくつろぎ、本日撮った写真を眺めていると、
アキさんも写真を見に来ました。
アキさんが目に留めたのは、トマトを手にした正さんの笑顔の写真。
『おじさんは、野菜を育てるのが大好きなんですね』
そうつぼみに言われても、写真の中の正さんの笑顔とは裏腹に、アキの表情は晴れません。
『私がお嫁に行っちゃったら、お父さんはここで一人ぼっち。
 私、お父さんを残してお嫁に行けない・・・』
三日月が見下ろす中、写真にこぼれ落ちるアキさんの涙。

一方こちらは満月が見下ろす砂漠の国では、
コブラージャさんがハリボテ背景をバックに写真撮影をしていますが、お気に召さない様子。
いい加減うんざりしているようなスナッキーたちの、
ここは辛気臭いからもっと自然のある所にいこう、と言っているらしい提案を
その都度ポーズを変えて聞き入れ、出発して行くコブラージャさん。

翌日、朝の散歩を楽しむつぼみとえりかは、再び畑で言い争う父娘を目の当たりにしました。
アキさんは農業を辞めて一緒に町へ行こうと勧めますが、
正さんはそう簡単に辞めるわけには行かない、と突っぱねます。
そんな父の姿に、お父さんがここに残るなら嫁に行かないと、
そして私の事よりも畑が大事なのだとまで言い放って、駆け出していくアキさん。
一部始終を目の当たりにしてうろたえた2人は、
流之介パパに相談しようということになりました。
尤もその際、えりかに激しくゆすぶられてつぼみは目を回しておりましたが・・・

事情を聞いた流之介パパは早速アキさんの説得を試み、
『お父さんは昔からアキちゃんの事を一番大切に想っている』
と諭しますが、それは昔の話で今の父は私より畑が大事なのだと、
アキさんは頑なに聞き入れずにやぶへびとなってしまいました。

流之介パパは写真ばかり撮っているので人の気持ちがわからない。
そう漏らすえりかを諭すのは、流之介パパの愛情を誰よりも知るさくらママです。
昔から人にも写真にも愛情一杯だったという流之介パパ。
2人の馴れ初めは、さくらママのモデル時代に遡りました。
何かうまくいかなかったのか、撮影中泣き出してしまった若き日のさくらママ。
周りの雰囲気はさくらママを責めているようですが、
そんな中にあって、若き日の流之介パパは自分の撮った動物達の写真を見せて、
この動物達のようにあなたも元気を出して下さいと励ましました。
『あなたの笑う写真は、その・・・もっと素敵だと思うから』
この殺し文句にさくらママはハートキャッチされたようです。(笑)
写真の向こうにいる人や物に愛情を持っている事を知るさくらママももも姉も
流之介パパに任せておけば大丈夫だと太鼓判を押します。
いまいちえりかは半信半疑のままですが・・・
そして流之介パパは、彼らしく言葉よりも写真を撮ることで伝えようとしたのか、
堀内父娘の写真を撮影しようと提案します。
昔撮影した写真に写っているように、そこに込められた色あせぬ思い、
正さんがアキさんを想う気持ちを伝えたい。
そしてえりかとつぼみは、アキさんを呼びに向かいました。

その頃、かつてタクシーで出撃したブンビーさんのように
バスに乗ってやってきたコブラージャさんとお供のスナッキー達。
コブラージャさんにとって農村の空気は清々しすぎて気分が悪いらしく、
畑のカカシを人だとカン違いして声をかけますが、当然返事はありません。
畑に踏み込んでカカシに掴みかかり、振り返ったカカシを見てびっくり仰天と
一人相撲のコブラージャさんですが、畑に入らないよう注意しに来たアキさんの
心の花が弱っている事に目をつけ、そのカカシと合わせてデザトリアン化。
アキさんを迎えに来たつぼみとえりかは異変に気づき、変身します。

元がカカシなのに意外と素早いデザトリアンの攻撃に対抗するため、
シプレとコフレはスピードにはスピード、とレッドの種(ああ、そんなのあったね)を提案。
素早さを増したブロッサムとマリンは目にも止まらぬ動きで逆にデザトリアンを翻弄し、
オラオララッシュを畳み掛けた後、おめめグルグル大作戦で追い打ちを掛けます。
すなわちデザトリアンの周りを高速で走り回り、デザトリアンの目を回す作戦を
苦々しげに眺めていたコブラージャさんですが、途端にプリキュアの動きが悪くなります。
何のことはない、ぐるぐる走り回っていたため、自分たちの方が目を回してしまいました。
だめだこりゃ。
デザトリアンの反撃に遭い、2人は動きを封じられます。

『お父さんなんて私の気持ちも知らない。お父さんを残してお嫁になんて行けない』
戦いの場に現れた正さんと流之介パパは、
デザトリアンの口から漏れるアキさんの本音を耳にします。
娘の心を聞いて、娘の名を叫び駆け出してゆく正さんに
デザトリアンの攻撃が仕掛けられようとしますが、
それを止めたのは流之介パパと、昔撮影した堀内家の家族写真でした。
この写真に溢れる正さんの愛は今も変らず、
アキさんが安心して嫁に行けるよう、あえてそっけなくしていた事を説明すると、
アキさんの心の中で父との日々が思い起こされます。
思い出の中の正さんは、厳しい顔をする事もありましたが、
いつも優しくアキさんを見守ってくれていました。
『写真に込められた想いは決して色あせないッ!
 僕はアキちゃんの、家族を大切にする正さんを見て・・・』
流之介パパは手を十字に広げて力強く宣言します。
『いつかこういう父親になりたい、こんな家族を作りたいって、そう思ったんだ!!』

写真は自らを美しく見せるだけの道具にすぎないコブラージャさんにとって、
込められた想いなど嘲笑う対象でしかないのですが、
そんなコブラージャさんにマリンの闘志に火がつきました。
必死に手を伸ばしてブロッサムと手をつなぎ、プリキュア大爆発で拘束を解き放ち、
アキさんのお父さんを心配する気持ちを利用した事に我慢の限界を超えて
ブルーフォルテウェーブで撃退します。

そして家族写真の撮影が始まりました。
お父さんと離れるのが寂しかった、反省するアキさんに、
これからもずっと、お父さんの娘だ、と噛み締めるように語る正さん。
親子の絆は、嫁に行っても変りません。
『素敵な家族を、作るんだぞ・・・』
アキさんの心の花、蜜柑の花言葉「花嫁の喜び」に思いを馳る中、
もう一匹の家族である飼い犬のマルちゃんと共にカメラに収まる堀内一家。

帰りの車の中で、えりかは写真の凄さについて感心し、
写真について語りだそうとする流之介パパを制止しました。
『つまり私が言いたいのは、パパは凄いってこと!』
えりかは素直に最初からそう言えなかったようで遠まわしですが、
そんな来海父娘のように、正さん、アキさん、マルちゃんの
堀内一家も写真の中に生き生きと写っていました。


ハートキャッチシリーズは一般人が心の花を利用されるという展開上、
他のシリーズに比べ、未熟な大人が登場する頻度が高いのが特徴です。
思い通りの仕事をさせてもらえない苛立ちをぶつけた小畑君
互いを愛しつつも本心から相手を理解していなかった利岡君とリサさんと同様に、
今回のアキさんも結婚を控えた年頃の女性にしては子供らしさが際立っていました。
「父を想う」事と、「父に依存する」事は全く別物です
父のために一緒に町で暮らそうと言うアキさんの考えは、
父と離れて暮らしたくないという悪く言えばワガママに感じられます。
お父さんがここに残るなら嫁に行かない、私より畑が大事などと言う様は
まるで聞き分けのない子供のように映り、デザトリアンとして打ち明けた本音も、
私の事をお父さんが理解してくれないと言っていますが、
そう言っているアキさんがお父さんの気持ちを知らないし、知ろうとしていませんでした。
アキさんの名誉の為に、マリッジブルーということにしておこうと思いますが
お父さんに甘えすぎ感は少々否めませんでした。
一方でその父である正さんは、ところどころに滲み出る人柄や
ラストの家族写真に収まる際の発言など、離れて暮らす寂しさよりも、
娘の門出を祝う気持ちが強く感じられました。

堀内父娘の姿を中心に描いているようで、
本当のテーマはえりかが流之介パパを理解する事だと思います。
この年頃の女子からすれば、特に父親と相対するのは難しいもので、
今までのえりかは流之介パパの事を
写真の事しか考えていない脳天気な父親と軽んじて見ている節がありました。
今回でも冒頭のつぼみに対する態度や、アキさんの説得に失敗した様を見た際の
えりかの反応を見ると明らかに流之介パパの事を軽く見ており、
流之介パパの上辺しか見えていないことが伺えます。
対するつぼみは父を軽んじておらず、むしろ尊敬の対象としている事が既に描かれているので
父の日のテーマに来海家を挙げたのは効果的だと思います。
そのえりかが、さくらママとの馴れ初めの話や、
デザトリアンに対しても物怖じせず説得を試みる姿、
照れながらも遠まわしに父を評するラストの描写で徐々に父を理解していく様は、
父の日にお父さんを改めて見直して貰おうと言う意図が感じられました。
娘さんと一緒に観ていたお父さん達も、勇気付けられたのではないでしょうか。

テーマ性だけではなく農作業ルック、トマトを頬張る姿、カエルに腰を抜かす姿と、
えりかの愛らしさも前面に打ち出され、
カメラを向けられてとっさにポーズを決めるもも姉、
バスでやって来たコブラージャさん(運賃は払ったのでしょうか?)や
大失敗のおめめグルグル作戦など、メリハリもあって楽しめたと思います。
個人的には最初のデザトリアンの一撃を避けた後の、2人のお尻のアップが(以下略)

ところで「レッドの種」だけでなく、能力を向上させる種の存在は
かなりないがしろにされているような気がして残念です。
話の構成という事情もあると思いますが、例えばダーク様との戦いの際など
活用する機会は何度かあった筈ですが・・・
今後の活用方法に期待したいところです。
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