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スプラッシュスター第22話『超オドロキ!満と薫の衝撃告白!!』 [ふたりはプリキュアSprash Star]

"やっと解ったね・・・私たちが引っかかってたもの。私たちはプリキュアに・・・"
"言わないで!お願いだから、言わないで・・・!私たちが何を感じても、何を考えても・・・"

前回の失敗を遠まわしにネチネチ責めるゴーヤーンを向こうに回し、
満と薫はアクダイカーンに直々に、もう少し時間が欲しいと申し出ます。
2人ともアクダイカーンに対する絶対の忠誠は変らずとも、
上手く説明できないながら気になる事があり、時間が欲しいと訴えますが、
2人の願いを一蹴するかのように力でねじ伏せるアクダイカーン。
『お前達は我がダークフォールの目的のためにのみ存在している。
 全ての世界を滅ぼし、永遠の滅びの世界を得る事だけを目指してきたのではないのか?』
顔を見合わせて跪く満と薫に対し、さらにアクダイカーンは釘を刺しました。
『二度と野望の妨げになる事は考えるな。わかったな!?』

ひょうたん岩に佇む満と薫を訪ねたゴーヤーンは、何が気になっているのかを訊ねますが、
2人ともそれが何かわからない為にもどかしさを感じていました。
『まさか、プリキュアの二人と本当にお友達になってしまったわけでは・・・?』
そのゴーヤーンの言葉に反応し、鋭く睨みつける2人。
ゴーヤーンは尻込みしながらも、アクダイカーンに逆らう事は許されないと念を押しつつ、
プリキュアさえ倒せば問題は解決するのではないかと問いかけました。

学校を覆う厚い雲は、まるで不安に苛まれる舞の心を暗示しているようです。
まだ登校していない満と薫の席を見つめ、再び月夜に浮かんでいた人影を思い出す舞。
元気が無いのを心配した咲に、舞は疑念を打ち明けようとするものの、
気のせいだと言い聞かせて疑いを振り払おうとします。
咲と舞のやり取りを横目で眺めつつ、満と薫はいつの間にか登校し、無言で席に着きました。

数学のテスト中、例の如く問題が解けずに頭を悩ましている咲は、
後ろの席の舞の様子がおかしい事に気が付きました。
時を同じくして答案を置いた満と薫。その瞳が妖しく輝き、反射的に大声を上げてしまうフラッピ。
慌てて誤魔化す咲ですが、クラスみんなの冷たい視線を浴びて大顰蹙を買いました。

放課後、人気のない廊下で、咲は舞が悩み事を抱えているのではと心配して聞いてみますが、
言い出しにくそうな舞に遠慮して引き下がろうとした際、再びフラッピが大声を上げてしまいます。
フラッピも学校にいる時は騒がないと理解していますが、無意識に声が出てしまい、
チョッピも同様、今までとは違う嫌な気配を感じ取っていました。
そしてチョッピが前回の疑問点、ウザイナーを操る幹部の姿が無かったことを指摘したため、
遂に舞も意を決して口を開きます。
『実は、満さんと薫さんの事なんだけど・・・』
言ったそばからいつの間にか目の前に立っている満と薫。
浮かない顔の舞、相変わらず無表情の満と薫を交互に見比べる咲ですが、
その間には異様な緊張感が感じられます。

舞は桃園ラブちゃん美術部員が迎えに来たことで
その場を離れるきっかけを掴んだかのように、美術室へと向かいます。
取り残された咲は、少々違和感を感じてはいるもののさほど深刻に取らず
薫にはみのりが会いたがっていた事を、満には今度数学を教えて欲しいと語り、
咲もまたソフト部の練習に向かいますが、その前に引き返して来て
部活が終わった後、一緒に来て欲しい場所があると誘いました。

『満さんと薫さんが、まさか・・・』
絵に対する集中力は際立っている筈なのに、キャンバスに向かう舞は上の空です。
そして咲との約束をすっぽかして下校しようとする満と薫。
待っていればもどかしい気持ちが増して行き、これは排除しなければならない。
そう決意を固める薫が校門を出たところ、絶妙のタイミングでみのりが駆け寄ってきました。
たまたまお母さんとパンの配達で近くまで来たため、咲の練習を見に来たというみのりは、
『薫お姉さんに会えてラッキー♥
 だってみのりは、薫お姉さんの事が大好きなんだもーん!』
そのストレートな喜びように、薫はそっと呟きます。
『私の事何も知らないくせに・・・』
それでもみのりのペースに巻き込まれて、咲の練習を見に引っ張られて行く2人。

校舎から出て来た舞は、みのりが満と薫と共にいるのを見て思わず校舎に身を隠しますが、
丁度そこにソフトボールの打球が飛んできます。
みのりの背後から迫るボールに声を上げて飛び出す舞は、
薫が不思議な力を使ってボールを消すのを目の当たりにして、
抱いていた疑惑は確信へと変りました。
舞の姿を認めて手を振るみのり、そして打球を追って来た咲との
微笑ましいやりとりが繰り広げられていますが、
BGMが、そして舞のこわばった表情が、恐ろしいほどの緊迫感を醸し出しています。
ずっとお母さんを待たせている事を思い出して戻るみのりに
『バイバイ・・・』と思わず口走る薫。
そして咲は舞にも大空の木へ行こうと誘いました。
満と薫も一緒とだいう事に舞は内心動揺していますが、咲は気付いていません。
『それより、早く行きましょうよ』
『そうだね、行こう!舞!』
『・・・うん・・・』
咲を除く3人の間に立ち込める異様な緊張感の中、舞台は大空の木へと移ります。

元気な咲、浮かない舞、こんな所に何の用?とそっけない満と薫。
『私ね、嫌な事があったりむしゃくしゃすると、いつもこの木に張り付くの。
 そうすると、不思議と気持ちが落ち着くんだよね』
咲に促され、舞も、満と薫も大空の木の幹へぺったんこします。
大空の木は4人を優しく受け止めるようにその枝を揺らしますが、
月夜に浮かぶ2人の影、そしてソフトボールを消し去った様を思い出して
舞は一人思いつめた顔のままです。
満はアクダイカーンの叱責、数学を教えて欲しいと言っていた咲、パンパカパンでの手伝いを
薫はゴーヤーンの嫌味とみのりに差し出された傘、そしてみのりに手を引かれた事
それぞれ思い浮かべ、全てを包み込むように大空の木が揺れる中、
満と薫はいつしか口元に笑みを浮かべていました。

なぜ私たちをここに連れてきたのか、2人の質問に、
咲はここが初めて出会った場所だったと返しました。
咲と舞が出会ったのもこの場所で、運命的なものを感じますが、それだけではありません。
『友達をお気に入りの場所に誘うのに理由なんかいらないでしょ?』
『友達?』
『私たちが、咲の?』
ここで初めて「咲」と呼んでくれた事を指摘し、
『なんかこれで、本当の友達になれたって感じで、うれしい!』
満面の笑顔を浮かべる咲に思わずほころぶ満と薫。しかし・・・

その口元が再び固く結ばれ、反射的に大声を上げてしまうフラッピを誤魔化して
その場を離れる咲。舞も咲を追うように離れて行き、
フラッピをたしなめようとする咲に、遂に疑惑を打ち明けようとします。

『やっと解ったね・・・』
『何が?』
『私たちが引っかかってたもの・・・』
『薫・・・?』
静かに口を開く薫に、満は戸惑いの色を露にします。
『私たちはプリキュアに・・・』
『言わないで!』
今にも泣き出しそうな悲痛な顔で、続く薫の言葉を遮る満。
『お願いだから、言わないで・・・!私たちが何を感じても、何を考えても・・・』
『結果は、同じ・・・』
滅びの力が2人の周囲に立ち上り、迷いを振り払う2人の決意が口を突いて出ます。
『私たちはどこまで行っても・・・』
『誇り高きダークフォールの戦士!』

『あのね、咲。落ち着いて聞いてね。実は・・・』
舞が説明しようとした矢先、突風が吹きつけ、繁みの向こうから「何か」が迫ってきます。
フラッピとチョッピに促されるまま変身した2人の前に現れるのは、
夕凪中の制服ではなく、初めて出会った時の衣装に身を包んだ満と薫。
『やっぱりあなた達は、ダークフォールの人だったのね・・・』
満と薫が現れたことに驚いていたブルームもイーグレットの言葉に事情を理解し、
懸命に説得を試みますが、満と薫は有無を言わさず襲い掛かります。
『やめて薫!私たち友達でしょ?』
薫の猛ラッシュを精霊の光で受け止めるブルームに薫の一撃が振るわれ、
そちらを気遣うイーグレットも容赦なく振るわれる満の攻撃を受けて膝を突いてしまいます。

反撃してこない事を訝る満と薫に、イーグレットは言い返します。
『例え生きている世界が違っていたとしても・・・お互いに話し合って、理解しあって、
 仲良くなれたらきっと本当の友達になれると思う・・・』
そして立ち上がるイーグレットを、満と薫は根本的に間違っていると切り捨てます。
満と薫が語る概念は、生きとし生ける物は全て死に絶え、
いずれ無へと帰すならば初めから命など生まれる必要はなく、
永遠の滅びの世界こそが理想の世界と言うものですが・・・

ならば、なぜ先ほどみのりを助けたのか。
イーグレットに矛盾を突かれ、返答に窮する薫。
『あなた達は命に価値がないなんて思っていない。本当は心の優しい人たちなのよ!』
それでも迷いを振り切るように、黙れプリキュア!と返す2人に対し
『違う!プリキュアじゃない!私はプリキュアである前に、日向咲!』
ブルームは、もとい日向咲は高らかに言い返します。
満は数学を教えてくれると言った事、薫はみのりと遊んでくれると言った事。
ダークフォールの戦士である前に、あなたたちは私の友達。
いつしか満と薫の瞳から冷たい光が消え、2人は目を伏せてうつむきます。
『友達とは戦えない』
『あなた達だって本当は同じ気持ちでしょ?』
そう語りかける咲であるブルーム、舞であるイーグレットに
互いに分かり合うことが出来たかのようですが・・・

『友達なわけないでしょ!!』
拳を握り締める満と薫。
『私たちは、あなた達を倒すためだけに今ここに存在している』
『私たちは戦う運命なのよ!』
迷いを振り切るように飛び上がった満と薫の
渾身の一撃が今まさにプリキュアに振るわれようとする所で、
過酷な運命が待ち受ける次回へと続きます。


既に知っている展開にも関わらず、今回と次回は本当に見ていて緊張を強いられます。
キリヤという先例イース様という後の例と比較して、
満と薫という2人は咲、舞に触れる事で、人として成長する過程が描かれており
今までの展開で得たものを一気に振り払うように
対決を決意する展開は痛ましく、悲しく、それ故の美しさに満ちています。

今回最も印象的な一場面、薫が呟く言葉を満が感情的に遮る際、
『私たちはプリキュアに・・・』
薫はこの後に続けて何を言おうとしていたのでしょうか。
私は「友達として接してもらった」ではないかと考えました。
今回、そして次回でも、彼女達はアクダイカーンの「しもべ」である事が強調されています。
いままで彼女たちを取り巻いていた人間関係には、「友達」という概念が無かった筈で、
それ故に「友達」とは何なのかも理解する事が難しく、
咲と舞に対して抱いた思いと、アクダイカーンに抱いていた思いの違いに困惑し、
それがもどかしさとして引っかかっていたのだと思います。
今回は事あるごとに「友達」という言葉に反応する姿が見受けられ、
その都度彼女達が動揺し、または振り切ろうとする描写が描かれるため、
何らかの形で「友達」という言葉が引っかかっていたのではないでしょうか。

この場面でもう一つ薫の口から出る「結果は同じ」という発言も気になります。
このまま咲と舞と戦って満と薫が勝つと世界は滅び、逆に敗れると満と薫は「滅び」、
そして本当の友達となるとアクダイカーンに粛清されかねない。
どう転んでも彼女達を待ち受けるものは彼女達の滅び以外にはありません。
対プリキュアに挑みかかる姿からは、そのやるせない想いをぶつけているような、
どうにもならない苛立ちをぶつけているようにも感じられました。

咲にみのりが会いたがっていたこと、数学を教えて欲しい事を頼まれた際の満と薫は、
なんとも言えない悲しい目を浮かべています。
これは疑い無くストレートに接してくる咲を哀れんだとも考えられますが、
咲を欺いている事を悲しんでいるのではないかと思います。
そして裏返せば咲を裏切るしかない自らの立場も悲しく思っているのではないでしょうか。

満と薫、そして元気の無い舞と異なり、咲の態度は普段と変らず飾らないだけに
その発言や行動は、前回和也に評されたとおり「太陽」のようです。
一方疑心暗鬼に悩んでいる舞は、そんな咲と比較するのは気の毒ですが、
いざ敵として満と薫が現れて以降は、
腹を括ったかのように自らの信念を通して満と薫を説得する様が印象的です。
お互いに話し合い、理解し合えば本当の友達になれる。
イーグレットの言葉はきれいごとかもしれませんが、
少しでも歩み寄り、互いを理解したいと言う想いは
この世界に生きる私たちにも通じるものがありました。
そう簡単に分かり合えないけれど、歩み寄っていく事が大切。
ブラックとホワイトはキリヤに歩み寄ることが出来ず、
闇に消えるのを断腸の思いで見送るしかできませんでした
この時に描ききれなかった事が、今回描かれていると思います。

満と薫の言うとおり、生きとし生けるものはいつか必ず死にます。
これは絶対に避けることができない真理ですが、
死に至るまでに様々なことを見て、聞いて、感じて、
そして何かを後世に残す事こそ、生きていたという証になるものです。
生きると言う事は楽しいばかりではなく、苦しいことも沢山あります。
苦しいことも踏まえて生きることの素晴らしさを訴えるプリキュア陣営と、
苦しいことから目を背けて、何もする必要の無い安楽な無の世界を目指すダークフォール。
そして「運命」とは何なのか。運命には逆らえないのか。
多くの問題提起を孕みつつ、次回の過酷な展開へと続きます。
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