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スプラッシュスター第28話『旅だ!電車だ!大冒険!』 [ふたりはプリキュアSprash Star]

ちょっと電車の終点まで・・・となると、「南栗橋」「上総一ノ宮」「久里浜」「中央林間」「君津」
といった、少々遠くまで連れて行かれてしまう所に住んでいるので、
気軽な夏休みの小旅行で真似は出来ませんが、
江ノ電のような電車が走る町に住む咲と舞にとっては、ちょっとした旅に最適なものでした。
しかし楽しい小旅行が一転して、かの名作「無印42話」を髣髴とさせる展開となる今回。
2人の仲の良さと絆の深さを改めて知らしめる、印象深い夏休みのエピソードです。
 
大空の木の下、鬼ごっこに興じるフラッピたちを微笑ましく見守りつつも、
咲は舞に、もうすぐ夏休みが終わってしまう事を惜しむ心境を吐露していました。
ずっと夏休みが続けばいい。
そんな咲に対し、終わりがあるからこそ夏休みは楽しいのではないかと諭す舞。
一理あると思いつつも、合宿もお祭りも終わり、残ったのは宿題の山という現実に
少々残念そうな咲は、せっかくなので夏休みにしか出来ない事をしようと提案します。
とは言ったものの何をするか、すぐには思い浮かびませんが、
舞はふと、海沿いをトコトコ走る電車が目に留まりました。
あの電車の終点に行ったら何があるのか。
話は決まり、咲も行った事のない終点までの小さな旅へ出発する事となりました。

当日の朝、咲は「舞のために」一生懸命弁当を作っていたため遅れそうになり
駅へ向かって駆けて行きました。
「精魂込めて作った」咲ちゃん特製卵焼きを「舞と一緒に」食べるため大急ぎで走り、
どうにか電車に乗り遅れずに、駅で舞と落ち合う事が出来ました。

車内は咲と舞の他に数人のお客さんしかおらず、空いています。
車内から大空の木が見え、見慣れた景色でも冒険旅行に出かけると思うと
いつもと違って見えると新鮮な発見もあり、旅気分を楽しむ2人。
いつしか他の乗客は降りてしまい、車内は咲と舞だけの貸切状態となりました。
これ幸いと興味深そうにムープとフープも顔を出し、
つり革で戯れるのを注意しようとしたフラッピはつり革に顔面を直撃、
そのままシートで跳ねるムープ、フープ、フラッピを、他の乗客は居なくても
運転士さんに見つかってしまうと注意します。
しかし丁度その時駅が近付き、停車した時の反動でフラッピ、ムープ、フープは
後部の扉から転げ落ちてしまいました。
慌てて後を追う咲ですが、ホームに降りた間に扉が閉まり、発車してしまう電車。
車内の舞が運転席に向かって訴えても、ホームの咲が電車に呼びかけても
運転士さんは止めてくれず、やむなく舞は次の駅で待っていると咲に向かって叫びます。
次の駅で降りて待っていれば、すぐに会える。
そうチョッピを慰める舞の言葉を聞いたのか、運転士さんは不敵な笑みを浮かべていました。

取り残された咲は、次の電車が一時間後と知って愕然とし、
電車を待つよりバスに乗ったほうが早いと判断してバス停へ向かいました。
ところで余談ですが・・・一見江ノ電に見える電車ですが、
本物は12分間隔で走っており、いつ乗っても混んでいるので、
この電車は江ノ電とは似て非なるものだと感じさせます。

車内の舞は、そろそろ次の駅に近付いたため降りる準備をしますが、
運転士はブレーキではなくマスコンを動かし始め、
止まるどころか加速し始める電車に戸惑いを露にします。
運転室の戸を叩き、舞がいくら降りると訴えても聞く耳を持たないような運転士。
バスで追って来た咲が次の駅に着いた時、当然ながら誰もいません。
運転席を叩いて運転士に訴える舞の傍らでチョッピが、
無人の駅で立ち尽くす咲の傍らでフラッピが嫌な気配を感じ、
果たしてその次の駅も通過する電車に、舞も不審な現象の全てを確信しました。
立ち上がり、振り返った運転士の正体はシタターレ姐さん。前みて運転しろよ
『滅びの超特急へようこそ。この電車は終着駅まで、ノンストップでございますことよ!』
すっかりご満悦の姐さんが操る電車はトンネルへと入って行きました。
『えーお立ちの方は、揺れますのでつり革にお掴まりくださーい!』
続く姐さんのバカ笑い高笑いがトンネル内に響き渡り・・・

電車はトンネルではなく、いつの間にか異空間を走っており、
さすがの舞もどこへ連れて行かれるのかと怯えを隠せません。
車内で対峙するシタターレ姐さん曰く「ワタクシのフィールド」へと連れ込まれ、
姐さんに促されるまま停車した電車から舞が降り立ったのは、
鍾乳洞のような空間でした。
自身の能力が最大限発揮できるフィールドで、
さらに2人が分断されている事にシタターレ姐さんは喜びを禁じえず、
不安そうな舞を他所に高笑いを抑えられません。
一方の咲は線路沿いを走って後を追い、そのままトンネル内へと足を踏み入れると、
その先には怪しい光が立ちこめていました。

舞を追い詰め、「匠の技」の水流で岩盤を削っていくシタターレ姐さん。
なんということでしょう。
削られた岩盤がウザイナーと化し、舞に襲い掛かります。
戦う事も、変身する術も持たない舞は、ただ逃げるだけしかできません。
今回のウザイナーは怪力の持ち主で、その攻撃で地面が抉られ、
そこからは水が噴出して舞は徐々に狭い足場へと追い詰められます。
追い詰めた舞に、太陽の泉のありかを問うシタターレ姐さんですが、
舞は当然のように返答を拒みました。
『例え何も出来なくても、あなたの思い通りにはならないわ!』
そう宣言する舞を嘲笑うように、舞の立つ足場を囲む水が泡立ち始め、
水の壁となって舞の周りを取囲みます。

咲はトンネルの中の怪しい光に手を触れてみると、あえなく弾き飛ばされます。
しかし、この向こうに舞とチョッピがいるというフラッピの言葉に一念発起。
跳ね飛ばされても、跳ね返されても、懸命に体当たりを繰り返しました。
咲だけでなく、応援していたフラッピも、ムープ、フープも一丸となり、
力をあわせて挑みかかります。
『一生懸命作った咲ちゃん特製卵焼き、絶対、一緒に食べるんだから!』
その想いが通じたのか、咲たちは異空間の中へと引き込まれて行きました。

『泣いても叫んでも誰も助けには来られないわよ!』
シタターレ姐さんの高笑いと共に水の壁が高くなり、
今にも舞に襲い掛かろうとするその時、水の壁を突き破って咲が飛び込んできました。
助けに来るのが遅れたことを謝る咲ですが、舞はずっと咲を信じ続けていました。
『だって咲は絶対来るって解ってたもの』
みんな纏めてお洗濯!と凄むシタターレ姐さんを前に変身する2人。

ワタクシのフィールドと言うだけあって自身満々のシタターレ姐さん。
姐さんが操るウザイナーは鍾乳石を飛ばして攻撃し、
ブルームとイーグレットは2人でバリアを張って防ぐ等善戦しますが、苦戦を余儀なくされます。
2人を無駄な事だと嘲る姐さんの前で、ウザイナーに掴み取られるブルームとイーグレット。
いくら弱いものが力を合わせても、本当に強い者には太刀打ちできないという姐さんに対し、
2人の反論が始まります。
2人の力を合わせれば、その力は3倍にも4倍にも、100倍にもなる、と。
そしてウザイナーを振りほどき、その力に驚愕する姐さんに追い打ちをかけるように、
ムープの月の力、フープの風の力と力を合わせ、
『夏休みの思い出を作ろうと思ってたのに!』
『今年の夏一番の日にしようと思ってたのに!』
2人きりの楽しい旅行を邪魔された怒りが炸裂。
迫るウザイナーをスパイラルハートスプラッシュで撃退しました。

そしてやって来た終点近くの、海を臨む高台の公園で咲の卵焼きを食べる2人。
舞だけでなく、作った本人も美味しいと口にして、楽しげな雰囲気が漂います。
そんな中舞は言いにくそうに、実は「咲のために」卵焼きを作ってきた事を告白し、
苦笑いする2人。卵焼きばかりになってしまいましたが、
この夏一番の思い出をしっかり作ることが出来、
今日の卵焼きの味は咲と舞にとって、忘れられないものとなりました。


冒頭で引き合いに出したように、今回咲と舞が置かれる窮地は無印42話に類似しています。
しかし、あのエピソードのような鬼気迫る緊迫感や、圧倒的な絶望感がさほど感じられないのは
なぎさと咲、似ているようで違う2人の性格と、敵がシタターレ姐さんだからだと思います。
無印42話でももちろんなぎさとほのかの信頼関係は固く結ばれ、
今回の咲と舞に比べても遜色はありませんが、
なぎさが見せた脆さは全く咲に感じる事はありません。
舞も同じくで、ほのか同様かなり危機的状況まで追い込まれますが、
全く屈する事無くシタターレ姐さんと渡り合います。
決してなぎさとほのかが弱く、咲と舞が強いと言うのではなく、
なぎさとほのかは互いに無い部分を補うような関係で、
それ故にパートナーへの依存度が高く感じられます。
一方咲と舞は、違う所も多いものの考え方が似ており、ラストの卵焼きのくだりでも
相手の考える事=自分の考える事のような、一心同体と言うような絆が感じられました。
ともすれば恋人同士のようなラブラブっぷりとも見て取れるのは一先ず置いておきます・・・

「ラブラブ」という一点に関して言えば、
咲と舞の関係は歴代シリーズでも抜きん出た関係だと改めて感じさせます。
今回だけでも事あるごとに「舞のため」「咲のため」と強調されており、
手製の弁当を食べてもらいたいというあたりは、友達という概念を超えているように見えます(笑)
前々回の合宿前回の夏祭りに続けて、
この2人の親密さが高まった結果のハネムーンのような、
なんともいえない雰囲気が醸し出されていました。

さて、シタターレ姐さんだから恐怖感や絶望感がさほど無いと書きましたが、
コミカルな要素が中和しているものの、今回の姐さんは堂に入った悪役ぶりを披露していました。
電車の運転士に化けるという、ともすればギャグに見える展開ですが、
その際後姿や手元しか写さず、止まるはずの駅で舞の訴えに耳を貸さずに加速したり
運転席で立ち上がって正体を現すあたりは意外と恐怖感を与える描写ではないでしょうか。
トンネルから異空間に入って走る車内で舞と対峙している場面も
舞の不安や恐怖感を煽るようで、仮にこれがレギーネやビブリス等だったら更に恐ろしく見え、
ノーザ「さん」だった日にはその怖さは半端なさそうです。
その後舞が一人で変身もできず、ウザイナーの攻撃を避け続けて追い詰められる展開も
無印42話を思わせます。静かに淡々と責め続けられたホワイトと、
地を削って溢れる水に追われて動的に追い詰められる舞。
表現の違いはありますが、その危機感はいずれも高く感じられます。
それでも松井さんのアドリブらしき台詞や高笑いなどもあって、
恐ろしいだけの話にならずに肩の力を抜いて楽しめる一編となっており、
SSの中でも質の高い一編に昇華していると改めて感じました。

さて、楽しい夏休みもSSの世界では次回で終わり。
夏休みの初めに満と薫を失うという、絶望の縁に立たされた咲と舞ですが、
夏休みの終わりにも、フラッピとチョッピが拉致されるという茨の道を歩むことになります。
そして新たな展開、新たな変身へ・・・
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