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スプラッシュスター第29話『フラッピチョッピ絶体絶命!』 [ふたりはプリキュアSprash Star]

夏休みの宿題に精を出そうとしても、珍獣たちが騒いで集中できない。
なぎさの時代にもそんな展開はありましたが、
この時は夏休みの中盤だったのに対し今回は8月31日。時間は待ってくれません。
しかも残った宿題以上の大問題が咲と舞に襲い掛かり・・・
夏休みの初めに満と薫を失い、夏休みの最後にフラッピとチョッピが連れ去られる
咲と舞にとって、あまりにハードな中二の夏休みとなりました。
 
道には陽炎が立ち上り、ツクツクボウシが鳴く残暑厳しい一日。
夏休み最後の日に、咲は舞の家で残った宿題を片付けています。
咲だけでなく舞も宿題を残しているのが意外ですが、
5年ぶりのこの町で気に入った風景をスケッチしていたら夢中になってしまったとの事。
ところで咲はせっかく美翔家を訪れているので、和也が在宅なのかそれとなく訊ねると
デートに行っているという舞の答えに絶句します。
デートの相手は可南子ママンだと知り、ほっとしたものの、
和也はマザコン?といった複雑な表情を浮かべる咲も、
可南子ママンの買い物に無理矢理付き合わされたと知って納得。
気を取り直して宿題に取り掛かろうとしたところ、
追いかけっこに興じるフラッピたちによってプリントがブチ撒けられ、
美翔家に咲の怒声が響き渡りました。

『この花は僕の気持ち。その花のように、可憐で美しい君の事を僕はいつまでも忘れないよ』
動き出す列車を追ってホームを走る少年と車内の少女が、互いに別れの言葉を交わします。
『さようなら・・・さようなら!』
去って行く列車の後尾にいつまでも手を振り続ける少年。
世界名作劇場のような番組を、フラッピ以外は皆目を潤ませて観ていました。
しかし良く観ると、フラッピの頬を静かに涙が伝っており、
泣いている事をムープとフープに冷やかされ、またしても語気が強くなるフラッピ。
そのやかましさを咲に注意され、表で遊ぶよう促されましたが、
その前にTVで放送されていた「あわあわ石鹸」のCMを見て、
ムープとフープは空の泉の光景を思い描いていました。

その頃、ダークフォールでは・・・
シタターレ姐さんの出撃を報告するゴーヤーン自身に、
アクダイカーン直々の出撃命令が下ります。
最初は一目置いていたものの、全然結果が出ないシタターレ姐さんに苛立ち、
既に4つの泉が奪われている事態にはアクダイカーンも危機感を募らせており、
渋るゴーヤーンに有無を言わさず出撃を強く命じました。

やかましい精霊達が表に出た事で、咲と舞は互いに頭を悩ませながらも
少しずつ確実に宿題を進めて行きます。
ウッドデッキから空を見上げ、空の泉に帰りたいと漏らすムープとフープは、
フラッピが先ほどの世界名作劇場のワンシーンそのままにチョッピにアプローチしているのを
忍び笑いを浮かべながらこっそり見守ります。
『チョッピ、この花は僕の気持ちラピ。
 その花のように可憐で、美しいチョッピの事を、フラッピはいつも想ってるラピ』
そしてチョッピにフラッピの事をどう思っているのか聞いてみると、
「大好き」だと言われますが、それは咲も舞もムープもフープもフラッピも、という
いわゆるLOVEではなくてLIKEだった事に肩を落としました。

『元気出すフプ』『諦めないで頑張るムプ』
『大きなお世話ラピ!!』
ウッドデッキの下を逃げ回るムープ、フープを、ゴキブリのように這い回って追い回すフラッピ。
外が騒がしく、チョッピがあたふたしてるのに気付いた咲と舞が様子を見に行くと、
馬鹿にしたと言い張るフラッピと、馬鹿にしていないと言い張る
ムープ、フープが口論となっています。
そんな折、インターホンが鳴って口論はひとまずおあずけになりますが、
フラッピとムープ・フープは互いにそっぽを向き合います。

舞が応対に出ると、水下宅配のおばさ・・・お姉さんが配達に来ていました。
届いた荷物は舞宛ながら、身に覚えのない品物を不審に思う舞。
開けてみると、中身は石鹸の詰め合わせです。
唐突に空腹を訴えるフラッピに、久々のお世話でふりかけご飯を出し、
たっぷり食べて腹ン中がパンパンになったフラッピは続けてシュークリームを要求しますが、
時計が既に2時を指している事に気付いた咲と舞は、宿題に精を出す事にしました。
そして居間に置かれた石鹸詰め合わせに、ムープとフープが興味を示します。

ムープとフープは石鹸を使ってシャボン玉遊びを始めました。
その頃フラッピはチョッピにシュークリームを食べさせてあげる等、アプローチをかけており
そっと様子を伺っていたムープとフープは、いい事思いついた、とお前俺の
シャボン玉でムードを盛り上げようとします。
ところがそれが裏目に出て、シャボン玉に邪魔されたと感じたフラッピの怒声が響き渡り
またまた口論が始まりました。
ムープとフープは反論したくても、聞く耳持たないフラッピに一喝されて萎縮してしまい、
仲裁に出て来た咲と舞は、ムープとフープに目線を合わせて事情を聞こうとします。
何でシャボン玉を作りたかったのか。
ところが誰も気付かぬうちに背後の泡が急に立ち始め、
ムープとフープは答えを言い切れないうちにシャボン玉に包み込まれて
屋根の上に立つ水下宅配のおばさ・・・お姉さんの手の内に奪い取られました。
『あなたは・・・!』
『鼻水だぁれ?』
『って聞かれても・・・あたしゃミズ・シタターレじゃ!』
定番の流れを経た後、直前まで言い争っていたにも関わらず、
フラッピはムープたちを帰すよう訴えかけます。
その背後で、先ほどの泡とボディソープが一体となってウザイナーとなり、
2人は変身して立ち向かう事に。

美翔家の前の道で始まる戦いは、泡を手裏剣のように飛ばしてくるウザイナーの攻撃を避け、
高台を下る階段へ、そして砂浜へと徐々に場所を移していきます。
着地の際に尻餅をつくイーグレットを助け起こすブルームの前に
ウザイナーとシタターレ姐さんが追いつき、再びの泡手裏剣攻撃に吹き飛ばされる2人。
『ワタクシが本気を出せば、あなた達なんてあわあわしてるだけって事がわかったかしら?』
そして太陽の泉を渡すよう迫る姐さんに、2人は毅然と立ち向かいます。
『たとえどんなに見苦しくたって』『あなたの思い通りには絶対にさせない!』
ブルームとイーグレットの攻撃を余裕で避けるシタターレ姐さん。
ところが、2人の狙いは端からムープとフープだという事に気付かず、
自身が過信へと繋がってムープとフープを奪い返されました。
迫るウザイナーを前に月の力と風の力を合わせ、そのままスパイラルハートスプラッシュで撃退。
『全て水の泡となっ・・・』
上手いこと言いつつも台詞を噛みながらシタターレ姐さんも撤退しました。

戦い終わり、咲と舞はムープ、フープを気遣って、
改めて先程何を言おうとしていたのか訊ねます。
ムープとフープは、シャボン玉で空の泉を思い出していたと答え、
『ムープ、フープ・・・』
フラッピが申し訳無さそうに何か言おうとした刹那、突如強い滅びの力が感じられました。
砂浜から地を穿つように現れるのはゴーヤーン。
確かな結果を期待されて来た、と言うだけあって、
闇のエネルギー弾を放ち、咲と舞が怯んだ隙を突いて素早くフラッピとチョッピを捕まえます。
咲が、舞が、そしてムープとフープがゴーヤーンに向かって行きますが、
再びゴーヤーンの力に跳ね飛ばされて何もできません。
『ムープ、フープ!さっきは言い過ぎたラピ!
 ムープ、フープの気持ちをわからなくてごめんラピ!』
フラッピはゴーヤーンの手の内で言い終えた時、
ゴーヤーンはフラッピとチョッピを引き連れてダークフォールへと消えて行きました。
懸命に手を伸ばして後を追おうとする咲と舞。
しかしその手は届かず、ゴーヤーンが消えた後の砂浜を握り、
フラッピの、チョッピの名を呼んでただ悔やむしか出来ません。
『そんな・・・』
『どうしよう・・・』
懸命に砂を掘り続けるムープの傍らで、放心状態の咲と舞。
大切なパートナーを、変身する術を失ったところで次回へと続きます。


今回は特にフラッピにスポットが当てられています。
前半から中盤に掛けてのやかましい振舞い、大人気ない振舞い、
そしてお世話をねだる甘えぶりなどが少々鬱陶しくとも愛らしく、
戦いが終わった後、ムープとフープの気持ちを知って申し訳なさそうにする仕草や、
ゴーヤーン登場以降の振舞いとの落差が際立っています。
連れ去られる寸前、ムープとフープに対して謝罪を口にする場面は、
重い見方をすれば、明らかに死を覚悟した者の発言です。
前にも触れましたが、フラッピは5シリーズのココやナッツのように、
はっきりと大人として描かれていないものの、時折見せる発言や態度が至極明確で
これはスプラッシュスターシリーズにはフラッピ、チョッピ、ムープ、フープ以外に
同類の存在が伺えない事も影響しているのかもしれません。
メップルやミップルには光の園の住人たちが、
ココやナッツにはパルミエ王国の住人たちが、
タルトとシフォンにはスイーツ王国の住人たちがいますが、
(シプレとコフレ、ポプリ達の同類も現時点では伺えませんが・・・)
スプラッシュスターの世界ではフラッピ達以外の精霊は全滅してしまったのではないでしょうか。
それ故に時折身を挺して立ち向かったり、落ち込む咲と舞を立ち直らせたりといった
辛い日々を乗り越えてきた者としての態度が感じられます。

緑の郷を楽しんでいるようで結果の出ないシタターレ姐さんがいるおかげで、
緑の郷に紛れても立場をわきまえているゴーヤーンの恐ろしさも際立ちます。
実際のところ、シタターレ姐さんとそのウザイナーは実力はありますし、
毎度プリキュアを苦戦させています。
しかし決定的に異なるのは、余裕が油断を招く事でしょうか。
ゴーヤーンは圧倒的な力を持ちつつも、決して油断を見せず
余裕こいた為にムープとフープを取り逃がす失態を見せた
シタターレ姐さんとの違いを見せ付けています。
敵が圧倒的に強く恐ろしいからこそドラマは引き立つもので、
個性的なダークフォール幹部連中の中にゴーヤーンがいるからこそ、
幹部達のキャラクターも魅力的に感じられるのだと思います。

ところで舞も宿題を残しているという点は、ほのかと比較して親しみやすい、
身近な存在としてのプリキュア像を追求しているのだと思いました。
いままでのエピソードから、舞は優等生であるものの、決して万能の天才ではなく、
スケッチに夢中で宿題を忘れたというのは誰にでもありうる事です。
むしろ子供の視聴者層向けに、プリキュアでも宿題を忘れちゃう事があるんだよ、
忘れると後で大変だよ、という反面教師としての姿も描いているような気がしました。

今回、わずか1分足らずの描写ながら、作中でフラッピたちが観ている
世界名作劇場調の作品が印象的で、
あの後の展開が気になるのは私だけでしょうか。
あわあわ石鹸のCMと合わせて、本編と離れた細部の描写が印象に残る話でもありました。

次回からは2種類の変身を使い分ける事になる咲と舞
スプラッシュスターもいよいよ後半に突入して行きます。
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