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スプラッシュスター第33話『筋肉全開 キントレスキー現る!』 [ふたりはプリキュアSprash Star]

ダークフォール最後にして最強の戦士がついに登場します。
鍛え上げた己の肉体を駆使して強い者と戦う事を至上とし、
それをアクダイカーンの命令よりも優先する武人、キントレスキー!
・・・と思いきや初めて口にするチョココロネに感激して大人買いをしたり
律儀すぎる性格が空回りして妙な笑いを誘ったりと、
彼もまた、他のダークフォール幹部連中同様、小杉る濃過ぎるキャラクターです。
  
朝もやの中をランニングする大柄な男。
トレーニングウェアに身を包み、両手にはダンベル、立派な口ひげをたたえる彼はふと、
開店準備中のパンパカパンから漂う香りに惹かれて足を止めました。
パンパカパンの店頭で丸くなるコロネを退かして看板を置こうとする咲をたしなめる大介パパ。
先ほどまでゴロゴロしていたコロネが警戒するように起き上がり、
果たしてその視線の先にはあの大男が。
焼きたてのパンの香りというものを知らない男に、
大介パパは丁度焼きあがったばかりのチョココロネを試食させると、
あまりの美味さに感激し、男はチョココロネを大量に買い占めて行きました。
常連になってほしいと願う大介パパと咲がその男を見送りますが、
コロネだけは警戒心を解こうとしません。

前回シタターレ姐さんが遺した奇蹟の雫をキャラフェに収め、
水の泉へと飛ばされる咲と舞。さすがに6度目ともなると着地に失敗は無い・・・
と思いきやムープとフープが咲の頭を直撃。毎度トラブルは絶えません。
枯れ果てた泉に奇蹟の雫を注いで元の姿を取り戻した水の泉は
中央のくぼ地に四方から流れ込む滝の間に島々が点在する
その名の通り豊富な水に溢れた姿です。
そして毎度おなじみフィーリア王女のねぎらいタイム。
残る泉はあと一つですが、最後の泉を奪った者の力の強さを示唆して注意を促します。
しかしどんな時でも信じる心を持ち続ければ、いつかきっと望みは叶うと
満と薫に再会できる可能性もほのめかせつつも
謁見の時間はいつものように短く、
咲と舞は毎度おなじみの緑の郷へと強制送還されました。

アクダイカーンはゴーヤーンにしばらく姿を見せなかった事を問い詰めると、
「あのお方」の説得をしていたとの答えが返ってきました。
強い意志と肉体を持つ、ダークフォール最強の戦士、という触れ込みの「あのお方」は
アクダイカーンも一目置く存在で、既に緑の郷へと赴いているとのゴーヤーンの報告。
ところで、当の「あのお方」ことキントレスキーは・・・
その頃1万回の腹筋運動を終えて
先ほど購入したチョココロネをつまんで一息入れていました。

ムープ、フープたちにもチョココロネのようなものをあげてお世話してあげる咲と舞。
微笑ましく見守っていると、いつの間にかコロネがすぐ近くにいる事に気付き慌てふためきます。
しかし精霊達にとってコロネは既に勝手知る仲となっており、
一緒にテレビを見たり等の間柄でした。
常に一緒にいる咲からすれば愛想の無い猫に見えますが、
舞はコロネを意外と愛嬌があると評し、いつから日向家の一員になったのか訊ねます。
咲の記憶も曖昧で、舞と出会った5年前とはおぼろげに思い出せますが、
大介パパが咲の記憶を呼び起こす助け舟を出します。

5年前の雨の日、トネリコの森で震えていた子猫を連れ帰った咲。
ミルクをあげたものの、日向家で飼うにはお店に来るお客さんの事もあり、
大介パパもなかなか首を縦に振りません。
しびれを切らした咲はコロネを抱きかかえたまま雨の中に飛び出して行き、
その後を追いかける大介パパ。
不意にコロネは咲の手から飛び降りて大介パパを振り返り、
何か警告するような表情を浮かべます。
そして咲の死角から猛スピードで坂を下る自転車が現れ、
コロネの様子を見ていた大介パパが咲を守って事なきを得ましたが、
あの時コロネが警告しなければどうなっていたか・・・
それがコロネを飼う事になった経緯でした。

その後咲は店先の掃除を、舞はのんびりうたた寝をしているコロネをスケッチしていましたが、
コロネは突如目を覚まし、牙をむいて恐ろしい形相でうなり声を上げはじめました。
視線の先には、チョココロネを大人買いしたあの巨漢が立っています。
咲はあくまでお客さんだと思ってコロネを制し、
舞はとっさにコロネの鬼気迫る形相をスケッチし始めました。
『やはりお前には解るのか。なかなか出来るな。だが私の相手はお前ではない!』
コロネを評価しながらトレーニングウェアを脱ぎ捨てると
その下からは金色に輝く筋肉美が露になりました。

咲と舞に対峙し、キントレスキーは自らの名を高らかと名乗った後、
律儀に2人にも名乗るよう求めます。
『どうした。私が名乗ったのだ。お前達も名乗れ!』
『ひゅ・・・日向咲・・・』『美翔舞です』
気圧されるように名乗ってしまう2人に、その名前ではないと激昂するキントレスキー。
暗に変身を促しているのだと悟る咲と舞ですが、
パンパカパンの店先で変身する訳にも行かず戸惑っていると、
コロネもろともキントレスキーによって正々堂々本気で戦える場所へと連れ去られました。
人気の無い森の中の開けた空間に連れ込まれ、ブライトとウィンディに変身する2人。
キントレスキーも強い者との戦いに期待を募らせ、変身を見届けます。

変身後の2人に立ち向かうキントレスキーの強さは群を抜いています。
キントレスキーのパンチをガードするものの、2人ともガードの上から激しく殴り飛ばされ
その勢いで木々をなぎ倒しつつ地に倒れ伏します。
キントレスキーの追い打ちをかわし、ウィンディは風の力を放ちますが軽々と払いのけられ
続けてキントレスキーのボディにパンチを叩き込む2人ですが、びくともしません。
拳を掴んで投げ飛ばし、本気を出すよう要求するキントレスキー。
2人を庇うかのようにコロネがその間に割って入ります。
逆にコロネを庇い、精霊の力を滾らせて防護壁を張ってキントレスキーの攻撃を防ぐ2人は、
大切な者を傷つける事は絶対に許さないと闘志を燃やし、
押しつ押されつの攻防の末、キントレスキーを弾き返しました。

その隙にムープの月の力、フープの風の力を得て、
それぞれの攻撃、風の力と光の力を放ちますが、
キントレスキーはいずれも物ともせずに受け止めてかき消します。
驚くブライトとウィンディですが、顔を見合わせて頷きあい、
今度はスパイラルスタースプラッシュを放ちました。
これはさすがのキントレスキーでも受け止めきれませんが、その力を受けて満足そうです。
『これだ!これこそが私の求めていた力。また会おうプリキュア!』
引き際を見極め、高笑いを残しつつ撤退して行きました。

去ってゆくキントレスキーを見送った後、
本当に守ろうとしてくれたのか、とコロネに訊ねる咲。
そのコロネは何事も無かったかのように店先で丸くなっています。
夕陽が差し込む店の前で、舞の忘れ物のスケッチブックを返す大介パパ。
そこに描かれている、鬼気迫る表情のコロネに驚く大介パパを誤魔化す2人ですが・・・

夜、大介パパはコロネに煮干をあげながら、
あんな顔するなんて、また咲たちを守ってくれたのかと語り掛けました。
その背後から声をかける沙織ママは、昼間の話の裏話、
本当にコロネを飼いたがっていたのは大介パパだったという事を指摘して、
どんな幼い命でも大切にする大介パパの優しさが
咲に受け継がれている事に関心を寄せました。
日向夫妻、そしてコロネ。咲を見守る日向家の「大人」達の光景で幕となります。


個性豊かなダークフォール幹部陣のトリを飾るだけあって、
初回からキントレスキーの強烈な個性が余すことなく描かれています。
強い者との戦いに至上の悦びを得る事。
策を弄することを好まず、正面から真っ向勝負で挑みかかる姿勢。
そして律儀な性格。
しかしこれだけで収まらず、本人にそのつもりが無いにせよ醸し出されるギャグ性や、
大真面目故の笑える一面(これから描かれる「行かせはせんぞ!」や「私の部屋」など)
そして、強者との戦いを望むという欲望を満たす為には
他を省みない自己中心的、という悪い一面も併せ持っています。
今回も一見正々堂々、正面から立ち向かう武人のようにも見えますが、
プリキュアに本気の力を出させるために暗にコロネを傷つける事を匂わせる等、
高潔な人物に思えて実は「悪」であると描かれています。
本気でコロネを傷つけるつもりだったのか、
それともプリキュアの闘志に火をつけるためのはったりだったのかは定かではありませんが、
いずれにせよ、スパイラルスタースプラッシュを受けとめた時の嬉々とした態度からは、
目的や手段を問わず戦うことこそが至上という戦士の思考が見て取られます。
それ故に、プリキュア2人の成長にも一役買うことになるのですが・・・

チョココロネを口にした際、緑の郷も悪くない、と漏らすキントレスキー。
思えばミズ・シタターレ姐さんも祭りに乱入したりかき氷を作ったり
緑の郷の暮らしを楽しんでいましたが、最期の戦いでは「いずれ滅ぼす世界」と言っていたように
幹部たちの緑の郷観、というものが少々気になります。
この後大介パパと顔見知りになる程パンパカパンの常連になってしまうキントレスキーですが、
果たして緑の郷を滅ぼすという考えはあったのでしょうか。
律義者ゆえにアクダイカーンの命に忠実に従っているものの、
強者と戦うことが出来れば本望で、そのついでに得たチョココロネが
キントレスキーにとって意外な出会いとなったので、
たとえば大人な敵幹部たちの迷い、というものも見てみたかった気がしました。

キントレスキーの存在感があまりにも大きい今回ですが、
メインで描かれるのは咲を見守る大介パパとコロネの存在です。
特にコロネは前作の忠太郎のような愛嬌や忠犬(忠猫?)ぶりを
ここまでのストーリーで表に出しておらず、無愛想な振舞いと相俟って
何事にも動じないような印象を与えていましたが、
今回キントレスキーに立ち向かったりする熱い素振りからは
人間換算で約40歳というだけあり、大介パパと共に咲を見守る
日向家の「大人」としての貫禄が感じられました。
そして終盤での驚異の活躍を見せる事になるのですが、それはいずれ語ることになるでしょう。

ラストの日向夫妻の描写は短いながらも、
・連れ添った夫婦らしく大介パパの優しさを理解している沙織ママ。
・夫婦とコロネが共に咲を見守っていると感じられる会話。
・大介パパの優しさが咲に受け継がれている事への嬉しさ
が感じられる、印象深い場面となっています。
キントレスキーの圧倒的な存在感に隠れているだけに、
こうした細部の家族の描写が描かれている事に今更気付き、
再見することで色々な発見があるものだと改めて感じました。
これからのSSシリーズの残りと、その後の5シリーズでの再見で
新たな解釈や発見が出来ることを改めて楽しみにしたいと思います。

ところで蛇足ながら・・・
研究員やビジネスマン、学者といった職業が多い歴代シリーズのお父さんの中で
ブッキーのお父さんこと山吹正さんとマッチョパパの双璧を成す大介パパ。
パン職人やパティシエという職業は意外と力仕事ですので、
あのガタイの良さも納得ですが、
キントレスキーと並んで立つ大介パパの逞しさはインパクトが大きく、
この2人がガチで戦ってもいい勝負しそうだと思いました。
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