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ハートキャッチ第30話『ポプリが家出!いつき、ボロボロです!!』 [ハートキャッチプリキュア]

ずっといつきと一緒にいたいとダダをこね、自分は悪くないと悪びれない今回のポプリ。
かつてのポルン、ミルクの悪い部分を合わせたような態度は、
大人の目からすれば困ったものに見えますが、
同じような子供からは共感されるのかもしれません。
親に構ってもらえない子供の寂しさと、親がいない暮らしの現実、
それを諭すゆりが抱える深い業が垣間見えた一編でもありました。
 
今日から学校が始まるため、ずっと一緒に遊んでいるわけには行かないのですが
幼いポプリにはそういった事情は分からないのでしょう。
ポルンを髣髴とさせるような駄々をこね、いつきを困らせます。
えりかやつぼみ、シプレやコフレがなだめてもポプリは納得せず、
学校で遊べばいいという提案も生真面目な生徒会長であるいつきは却下し、
見苦しい駄々をこね続けるポプリを『メッ!』と叱りました。
幼い子を扱うように充分優しい叱り方なのですが、ポプリは怒られたとショックを受け、
いつきなんか大嫌いだと捨て台詞を残して飛び去ってしまいました。
追いかけなければいけないけれど、学校にも行かなければいけない。
板挟みのいつきを気遣ったのか、シプレとコフレがポプリの捜索に名乗りを挙げ、
いつき達に学校へ行くよう促しますが、いつきの顔は晴れません。

『何でポプリが怒られるデシュか!』
『はるかは悪くないもん!』
公園の土管の上でブーたれていたポプリは、同じ土管に腰かけて
同じようにブーたれている女の子に気付きました。
慌てて土管の中に隠れるもあっさりとみつかり、その女の子、はるかに抱きしめられます。
ちょうどそのすぐ上を飛ぶシプレとコフレからは、はるかの影になってポプリは見えません。

学校が終わり、いつきは生徒会員たちに頭を下げて始業式の片づけを頼み込みます。
生徒会員達は相変わらずメガネを弄繰り回す怪しい姿と態度ですが、
怪しいのは態度だけ、いつきには普段お世話になっていると快諾し、
安堵したいつきはつぼみ、えりかと共にポプリを探しに行きました。

公園のブランコで互いの境遇を語り合うポプリとはるか。
はるかも夏休みに両親がどこにも連れて行ってくれず、ケンカして家出したようです。
『きっとお父さんもお母さんも、はるかの事どうでもいいんだ・・・』
泣き出すはるかを見て、学校へ行くと言っていたいつきを思い出したポプリも共感し、
もう家には帰らないというはるかと意気投合。
幼い2人の家出生活が始まります。
この広い公園全部がはるか達の家!水飲み場が台所!
ブランコが部屋で、鉄棒は洗濯物を干す所!
はしゃぎまわる幼い2人には、楽しい一面しか見えていません。
台所でご飯を作ってくれる人は、洗濯をしてくれる人は誰なのか・・・
滑り台のベッドで寝ようとして滑り落ちてしまい、笑い合う2人ですが、
空が暗くなり、降出す雨に土管の中で雨宿りを始めました。
家出とは、楽しいことばかりではありません。

『僕がもっと、ポプリの気持ちを考えていたら・・・』
降りしきる雨の中、いつきは傘も差さずにポプリを探し回りながら悔やみ続けていました。
つぼみとえりかと合流した後、えりかが差し出す傘も受け取らずに
再び雨の中へと向かう姿は、自分を責め続けているようにも見えます。

傘を持っていなかったと思われるもも姉を家まで送ったゆりは、
もも姉と分かれて途中公園を通りかかり、そこから見える給水塔を見上げます。
あの時、ダーク様と対峙した給水塔を見上げ、何やら思いを馳せるゆりの耳に、
土管の中から声が聞こえました。
雨のお風呂に入ろうと空元気を出すはるか、冷たいお風呂は嫌だと断るシプレ。
それははるかも同じです。心細さ、寂しさがこみ上げてきたところに、
近づいて来る足音を聞いて、お母さんだ!と喜んで顔を出しますが、
そこにいるのは母ではなく、ゆりです。

幼い2人に目線を合わせて話を聞くゆりは、いつもと異なる温かみを感じさせます。
ポプリに一人で出歩くのは良くないと注意し、
いい子のはるかに見つかったから良かったものの、
もし悪い子に見つかっていたらどうなっていたか。
そしてはるかには、両親は忙しいかもしれないけど、
あなたをどうでもいいなんて思ってない筈だと諭します。
それでも意固地になっているポプリは、ゆりさんに何が分かると手厳しいですが、
『あなた達がいなくなると、凄く悲しむ人たちがいる・・・』
そう返すゆりに促されて、幼い2人は家出を止めにしました。

ところで・・・大切なものを探している人がここにもいました。
鏡を前にコブラージャさんは化粧品が見当たらないと慌てふためいています。
こんな物にかまけているからプリキュアを倒せないと切り捨てたクモジャキーが
捨ててしまったようで、ショックのあまりよろめきながら、
君達とはやっていけないと出撃していくコブラージャさん。
彼の心の花は今、確実に弱っている筈です(笑)
悲しみを洗い流してくれると、雨に打たれていたコブラージャさんは
一心不乱に娘を探す母親に目をつけました。その母親こそが、はるかの母です。

ゆりに手を引かれて土手を行くはるかは、目の前の河川敷を探し回る母に気付きますが
怒られるのではと踏ん切りがつきません。
そしてポプリもシプレ、コフレに見つけられますが、
「いつきは学校に行った」「代わりにシプレたちが探している」
という発言で、ポプリの顔は曇ります。

『何ですか?あなた』
母の声に、はるかと一緒にいるゆりが不審者扱いされたのかと思いましたがそんなことは無く、
声が向けられているのは母の前にいつのまにか立ちはだかるコブラージャさん。
娘の目の前で心の花を抽出し、電柱と合わせてデザトリアン化します。
とっさにはるかを抱きかかえて走るゆりですが、
飛び上がってその先に着地するデザトリアンに行く手を阻まれました。
振るわれるデザトリアンの拳はポプリが防ぎますが、長くは持ちそうにありません。
たちまちヒビが入って打ち砕かれ、反対の拳が振るわれるその瞬間、
いつきが飛び込んでポプリを救い出し、ゆりと共に土手を滑り降りて橋の下へと逃げ込みます。

いつきの腕の中のポプリは、いつきがずぶ濡れな事に気が付きました。
そしてそれは、自分を探していたためだとも気が付きます。
いつきが顔を上げた時、ポプリは怒られると思ったのか身をすくめますが、
いつきは優しくポプリを抱きしめ、真剣にポプリの気持ちを考えなければいけなかったと謝ります。
ポプリもいつきの気持ちを知り、泣きながら謝りました。
ここで初めて第3のプリキュアとしていつきと対面したゆりは、
相変わらず後輩に厳しく指摘します。
『あなたは今、一歩間違っていればパートナーの妖精を失うところだったのよ。
 それを忘れないで・・・!』
その間にもデザトリアンは橋に迫り、シプレとコフレがつぼみとえりかを呼びに行く間、
2人一緒にデザトリアンを食い止めようとポプリに呼びかけ、変身するいつき。

単身デザトリアンと空中での激戦を繰り広げ、
サンシャインの重い一撃に怯んだデザトリアン。
と思いきや、至近距離でデザトリアンが放つ光線を受け、
サンシャインは川へ落とされました。
雨のために増水しているのか、サンシャインが川から上がるのに手間取っているうちに
デザトリアンは橋の下のはるか達へ迫ります。
必死で食い止めるポプリですが力の差は歴然としており、砕かれるバリア。
そして続くデザトリアンの攻撃を食い止めるにはサンシャインは間に合いません。

間一髪の状況は、ダブルおしりパンチ(俺にも喰らわせてください)
を喰らわせて現れるブロッサムとマリンによって脱します。
川に落ちたデザトリアンですが、今度ははるかの名を呼びながら川から上がり、
思わず飛び出しそうになるはるかをゆりが制します。
『大丈夫はるかちゃん。プリキュアが必ず助けてくれるわ』
初めてゆりが現役のプリキュアを認めたような発言に後押しされたのか、
サンフラワーイージスで動きを封じ、ダブルパンチを繰り出してデザトリアンを圧倒。
サンシャインフラッシュ、マリンシュート、そしてブロッサムシャワーと
立て続けの攻撃でデザトリアンを再び川へ突き落とします。
しかし川から上がったデザトリアンが組んだ手は巨大なハンマーとなって三人を襲い、
その攻撃を必死に受け止める三人。(特にマリン)

毎度余計な一言のためにプリキュアが逆上するのを学習しないのが砂漠の使途の幹部達です。
『何て醜い光景なんだ。たかが子供がいなくなったくらいで喚いてうるさいなぁ』
『そんなに大切なものなら、どうして自分の傍にずっと置いておかないのさ』
今回もそのコブラージャさんの発言がプリキュアの闘志に火をつけますが、
反論するのはサンシャインではなく、ポプリです。
ずっと傍にいる事と、大切にする事は違うと反論し、
いつきはどこにいてもポプリの事を想ってくれていると熱弁を振るいました。
サンシャインもポプリを大切に想う気持ちと、母がはるかを想う気持ちは同じだと同調し、
三人で、そしてポプリも力を合わせてデザトリアンを押し返します。
そしてゴールドフォルテバーストでデザトリアンを無事に浄化し、
お手入れ無しで外出したせいにしてコブラージャさんも撤退していきました。

目を覚ました母ははるかを抱きしめて涙し、
はるかもまたポプリ同様、泣きながらお母さんに謝ります。
母の心の花の花言葉、家族愛に思いを馳せつつ見守るいつき達に、
ポプリはこれから一緒に学校に行けるよう、ぬいぐるみの特訓をすると申し出ました。
シプレとコフレによってぬいぐるみの心得を伝授されるポプリ。
微笑ましく見守るいつき達。
しかしその陰では・・・彼女達の賑やかなやり取りを見下ろし、
人知れず橋の上を立去るゆりの姿がありました。
彼女は、孤独です。


親の心子知らずといった視点で描かれたエピソードは過去にも複数ありますが、
今回は逆に、子の心親知らずといった印象を受けました。
大人(中学生)目線からすれば当然の日常は、子供からすればどう見えるのか。
学校だから仕方が無い、仕事が忙しいから仕方が無い。
子供はそれでは納得しないのでしょう。
そんな子供の身勝手な行動を省みさせるには、
偽り無い愛情を持って接するしかありません。
しかし今回のいつきもはるかの母親も、とにかく優しく迎え入れ、
ともすれば己が間違ってい風に見受けられた事が少々残念に感じた点でもあります。
かつてポルンは本気で叱ってくれる事を望んでおり、
その結果叱ってくれたひかりとの間に強い信頼関係が結ばれました

ポプリやはるかの行動がどれだけ心配をかけたのかを理解させるために、
時には叱る事も必要だったのではと思います。

とはいったものの、幼児の心理を巧みに描いていたり、
コブラージャさんの発言が自分自身への皮肉となっていたりと
細かい点までよく練られた話だと思います。
はるかの世代、幼稚園児はおそらくプリキュアの主な視聴者層であり、
かつ第一次反抗期でもあります。家庭によっては弟や妹もできる頃で、
親にかまって欲しいけれども今までのようにかまってもらえない寂しさもあるでしょう。
かまって欲しい=叱って欲しいが故に困らせる行動をとりがちです。
かまって欲しいために行った家出も、幼児らしく楽しい一面しか考えておらず、
雨が降る事は想定しておりませんでした。
夜になって真っ暗になれば、さらに心細い思いをしたことでしょう。
こういった話はドラえもんやオバQなど、我々も幼少時に見た記憶があり、
自由と引き換えに失うものもある事を警告する意味合いがあると思います。

大切なものならば傍に置いておけと切り捨てたコブラージャさんは、
自分の事を言っていると気付いていないようでした。
化粧品が大切ならば、クモジャキーに捨てられないようにきちんと保管しておくべきで、
どれだけ大切に思っていたのかとポプリにまでも指摘されているような、
敵役として反面教師を演じるように描かれていました。
別の意味では「君達と一緒にやっていけそうにない」発言が、
彼ら三幹部の行く末を暗示しているようで少々心配ではありますが・・・

また、月影ゆりが与える印象が初見と2回目以降で大きく異なるのも特徴の一つです。
本当は優しい性格なのでしょうが、普段はそれを感じさせない雰囲気を醸し出しているゆりは、
明らかに弱い存在であるはるかやポプリに対しては素の優しさを見せました。
しかしいつきの登場と共に、後輩プリキュアには手厳しいといういつもの一面を見せ、
途中初めて後輩達を認めるような発言をしたものの、ラストで一人立去ります。
しかし次回予告を見た後だと、今回のゆりの発言一つ一つが違った印象で捉えられました。
  『あなた達がいなくなると、凄く悲しむ人たちがいる・・・』
ポプリとはるかにかけた言葉は、最初一般論を述べたものだと思いましたが、
実はゆり自身が「凄く悲しんだ」経験の持ち主である事。
  『あなたは今、一歩間違っていればパートナーの妖精を失うところだったのよ』
いつきを叱責した言葉は、後輩に手厳しいいつもの理不尽な台詞かと思いきや、
自分と同じ苦しみを後輩に味合わせたくないという解釈もできます。

果たしてダーク様こそがムーンライト様のパートナーだったのか、それとも・・・
いろいろと憶測を招きそうな予告によって、次回以降の展開に俄然興味が出てきました。
しかしダーク様が元・妖精だとすれば・・・
語尾に「です」をつけていたり、心の種を排便産んだりしていたのでしょうか。
イマイチ想像し難いのですが・・・
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