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ハートキャッチ第31話『悲しみの正体!それは、ゆりさんの妖精でした・・・』 [ハートキャッチプリキュア]

「悲しい思い出」「あきらめ」
今回、冒頭とラストで咲いている彼岸花の花言葉です。
かつて失った妖精との悲しい思い出を秘めるゆりと、
ゆりにいつも後塵を拝する「2番目の人」が味わう挫折を象徴しているようですが、
彼岸花には「情熱」そして「再会」という花言葉もあるようです。
いつも通りデザトリアンに対して向けられるブロッサムの言葉はゆりをも突き動かし
いよいよムーンライト様が動き出す、その契機となるような一編となりました。
  
開幕と同時に繰り広げられる、工事現場での戦い。
サソリーナが操る重機デザトリアンに、ブロッサムはいつものように呼びかけます。
『あなたは萎れた心の花を利用されているだけなんです。元のあなたに戻って下さい!』
いい加減サソリーナもいつもの負けパターンを学習し、
その通りに間髪を入れず繰り出されるブロッサムとマリンの
「フォルティッシモ!」によってデザトリアンは浄化されました。
サソリーナはいつもの捨て台詞も無く、悔しそうに目を伏せて撤退。
砂漠に帰還し深いため息をつくサソリーナは、ふと過酷な砂漠に咲く一輪の花に目を留めます。
『花って、こんなに綺麗だったっけ?』
サボテンの花に手を伸ばすサソリーナ。彼女に花を愛でる心が芽生えたのか、それとも・・・?

植物園を訪れているゆりに気付いたつぼみは
ゆりが眺めていた彼岸花を共に見ていたところにコフレとポプリも登場。
飛びつくポプリからそっけなく身をかわしたゆりはそのまま立去ります。
その後姿はどこか寂しげで、気遣ったコフレだけでなく、つぼみもそう感じています。

学園祭でのファッションショーを控え、えりか部長の鼻息は荒いです。
まだ一ヶ月以上あるというななみに対し、夏休みの宿題を引き合いに出して
ぎりぎりになってから始めるようじゃダメだと部員達を鼓舞します。
・・・ぎりぎりに宿題をしていた自分の事は棚に上げていますが・・・
服の製作は合宿で既に終えているために
ファッションショーを盛り上げる目玉企画の立案が課題ですが、
売れっ子モデルであるもも姉を特別ゲストとして招聘しようと意見が上がり、
姉への複雑な気持ちを抱いているえりかも微妙な心情を伺わせながら乗り気です。
そしてつぼみは更にゆりをモデルとして招こうと提案しました。
部員達もゆりの事を「もも姉の友達の超美人」と説明され、
いつきもゆりを起用する事に賛成。早速高等部へと頼みに向かいます。

相変わらず忙しいもも姉のためにノートを渡すゆりの元に
つぼみ、えりか、いつきの三人が訪れた際、話を切り出す前に
モバイルPC片手に腰巾着を引き連れて現れる玉ネギ頭のメガネの男子高校生が登場。
彼は毎回テストでトップを取るゆりの後塵を拝し、
二番目の人という不名誉なあだ名をつけられた才谷秀雄。
一方的にゆりをライバル視し、次のテストで必ず一番を取ると言いたい事だけ言って立去る
二番目の人をため息交じりで見送ったゆりは改めて三人に高等部に来た理由を問いました。
モデルの話を持ちかけられ、そしてつぼみがデザインしたいというゆりの服のテーマ
「新しい自分」を聞いて、ゆりの心に波風が立ちます。
『悪いけど、出来ない・・・』
辞退して立去るゆりを見送るつぼみは、今回2度目となるゆりの後姿を心配そうに見つめます。

小惑星を破壊しながら宇宙空間を行く枯れ果てた星。
サバークの上位に立つ者、デューンはここからサバークに指示を出していました。
ほんの少し明らかになったデューンの姿は子供のようにも見え、
生気のない大きな緑色の目が何ともいえない不気味さを醸し出しています。

三幹部の控え室でも、サソリーナは妙に元気がありません。
パックをしながら負け方が美しくないと言うコブラージャさん、
言い訳は美しくないと注文をつけるクモジャキーの言葉を流して、
サボテンの花を手に旅にでも出ようと呟く姿に驚いたのか、
サソリーナを気遣う2人。最もコブラージャさんは少々勘違いしていましたが・・・
そして召集を受けた三幹部たちはサバークの前に赴きます。
サボテンの花を手にしたまま、サソリーナも。
サバークは三幹部達に、デザトリアンをさらにダークに、さらに悪く、さらに凶暴にできる
ダークブレスレットを渡します。早速受け取ったサソリーナでしたが、
突如ブレスレットから大量の砂が溢れ出し、衝撃に襲われ悲鳴を上げます。
サソリーナはプリキュアの聖なる光を浴びて、少しだけ心が浄化されていたのだ』
サソリーナの手の中で無残に枯れ果てるサボテンの花と引き換えに、
ダークな心を取り戻したサソリーナ。
いつもと変わらない、いつも以上なテンションを見せますが、
その瞳は時折虚ろな光を帯びています。
コブラージャさん、クモジャキーもブレスレットを受け取りますが、
今回はダークな心を取り戻したばかりのサソリーナがリハビリのように出撃を申し出ます。

植物園を訪れたつぼみは、先客として訪れていたゆりと薫子さんの話を
はからずも立ち聞きすることになりました。
モデルをやってみることでゆりの心の花も・・・と勧める薫子さんですがゆりの事情は深刻です。
『私の心の花は妖精と共に失われました。
 その時、私の心も半分に引き裂かれてしまったのです』
割れたプリキュアの種に目を落とすゆりを、薫子さんは諭し慰めます。
『あなたの妖精さんは今の状態を望んでいるのかな?
 きっとゆりちゃんの心の花が、もう一度咲くことを望んでいると思う』

その夜、酷い寝相ながら気持ち良く眠るえりかと対照的に、つぼみはなかなか眠れません。
寝入ったシプレを撫でているうちに、ふと涙がとめどなく溢れてきて・・・
それでもいつしか眠っていたつぼみを翌朝起こしに来るポプリ。
つぼみもえりかも寝ぼけ眼をこすりながら起きてきますが、
今日から道場で朝稽古をするといういつきとの約束をすっかり忘れており
慌てて着替えて明堂院家の道場へ向かいます。

準備運動、フラフープ、そしてジャンプ。
しかしつぼみは昨日のゆりと薫子さんの話が気になって集中力に欠けて危なっかしく、
いつきとえりかに事情を打ち明けました。
ゆりがパートナーの妖精を失ったという事情を知り、
いつきも前回のゆりの厳しい発言を思い返します。
ゆりと同じ境遇に置かれたら、シプレ達がいなくなったら・・・
つぼみは想像しただけで涙を抑えられなかった昨晩の出来事を語りました。
尺取虫の動きに合わせて、マネをするように動く妖精たち。
その愛らしい妖精たちを失う事は、身を切られる想いだと理解します。

そんな折高等部ではテストの結果が張り出され、ゆりは当然のように今回も1位。
そして2番目の人は見事ナンバー2の座を死守して(笑)
屋上で悔しがった後、やる気を失いかけ、弱った心の花はサソリーナに目をつけられました。
その間に割って入り2番目の人を庇うゆりを茶化すように言い放つサソリーナ。
『お情けで見逃してあげるから、とっとと消えるがいいわよ、負け犬ちゃん♪』
見逃すと言いながらもサソリーナの髪がゆりを襲います。
生身の状態にもかかわらず、相変わらず見事な身のこなしで避けるゆりですが、
その隙に2番目の人は心の花を取り出され、PCと合わせてデザトリアンが生み出されました。

明堂院道場にいる三人に妖精たちが急を告げ、変身して高等部へと向かうプリキュア達。
ゆりはその間にも学校からデザトリアンを引き離すべく、裏手の林へ走ります。
『遅いわよ。なるべく校舎から遠ざけなさい』
合流したプリキュア達に指示を出し、言葉通りにマリンが、続けてサンシャインが、
そしてブロッサムが、連携によって林の奥へと戦いの場を移します。

『ドンダケ頑張ッテモ月影ニハ勝テナインダァー。
 モウ勉強ナンカ辞メテヤル。何モカモ嫌にナッタァー』
吐露される2番目の人の本音を煽り、負けたらさっさと諦めろと言うサソリーナに対し
ブロッサムの反論がぶつけられます。
例え負けても、新たに挑戦する諦めない強い心が大切だという言葉は
デザトリアンだけでなく、ゆりの胸をも打ちました。
動きが止まるデザトリアン。またいつもの負けパターンと思いきや・・・

流石にサソリーナもそこまで無能ではありません。
今こそブレスレットの出番だと、その力を解放して
兇悪な顔つきになったデザトリアンの体内へと潜り込みます。
そして体内の心の花を通して直接デザトリアンを操るサソリーナ。
心の花が一気に枯れて行き、花を奪われた2番目の人は水晶の中で苦しい呻き声を上げます。
パワーアップしたデザトリアンの攻撃は、
これまで鉄壁の守りだったサンフラワーイージスをもってしても防ぎきれません。
素体のPCを駆使して迎撃体勢をはじき出し、絶対に逃げられない攻撃を計算して
デザトリアンのCD-ROM攻撃は三人の動きを完全に封じます。
その時妖精たちが、危機に晒されたプリキュアを守るべく立ちはだかり・・・

『駄目よ!そんな事をしたら、あなた達まで失ってしまう!そんなの・・・!』
常に冷静だったゆりが思わず血相を変えて妖精達を制止すべく飛び出しますが、
妖精達のプリキュアを守るという気持ちは曲がりません。
その想いを受け、それぞれパートナーの妖精達と心を交わすプリキュア達。
『シプレ、私達は大丈夫です』
『コフレ、私達は絶対に負けない』
『ポプリ達もみんなも必ず守ってみせる』
デザトリアンの拳が振るわれる刹那、各自拘束を解いて朝練の成果を披露します。
サンシャインのゴールドフォルテバーストの中に、
フローラルパワーフォルテッシモの体勢で飛び込むブロッサムとマリン。
金色の光を纏う2人がデザトリアンに突撃し、浄化する新技。
シャイニングフォルテッシモが炸裂しました。

『何がプリキュアの絆よ!次は必ず倒してやるわよ!』
ひょっとして体内のサソリーナも浄化されてしまったかと心配しましたが、
無理な体勢で木に引っかっており、いつものような捨て台詞を残して撤退して行きました。

意識を取り戻した2番目の人は、夢で言われた言葉
「大切なのは負けても諦めない、強い心」に元気を取り戻し、
またしてもゆりに対して勝手なライバル宣言をして行きました。
(貴様にゆりは渡さん。絶対に、絶対にだ!)
しかし2番目の人の心の花は元気になりましたが、ゆりの心の花は・・・
『私、ゆりさんの心の花がもう一度咲くような服をデザインしたいんです。
 生意気なことを言ってすみません。でも私、ゆりさんの心の花を感じるんです』
つぼみは観ているとこちらが励まされるような、可憐で美しい花をゆりに感じていました。
そしてモデルを改めて頼み込みますが、再び立去るゆり。しかし・・・
『また、私の心の花が咲くのなら・・・』
去り際にそう告げ、事実上のOK回答に喜ぶつぼみ。
去っていくゆりを見送る三人の背後では、彼岸花が咲き誇っています。


予告を見た時から非常に気になっていた今回のエピソードですが、
やはり1回では全てが明らかになりませんでした。
最もその方が、後々の楽しみがあって良いのですが、先の展開が気になるのもまた事実です。
ゆりの失われた妖精とは何なのか。どのように再びムーンライト様になるのか。
中盤のサンシャイン誕生エピソードが比較的あっさりしていたため、
9月はこちらの展開が大いに楽しみになりました。

そして同じく予告で死亡フラグを立てていたようなサソリーナが無事でなによりです。
冒頭の戦闘で敗れた後の描写や、ブレスレットを受け取った時のやり取りからは
プリキュア5でのアラクネアさんが黒い紙を受け取る場面をを思わせ
危険な雰囲気に満ちていましたが、本編後半の戦闘後はいつものサソリーナに戻っており、
またしばらくサソリーナ以下この3幹部の珍妙な振る舞いを楽しめそうです。
とはいえ、最終的にこの三人の処遇をどうするのか予測がつかず、
まだまだ予断を許しません。ウエスターさんやサウラーのように終盤で寝返っては
2年連続で同じ展開となりますし、かといってこれだけ個性的で楽しいキャラクターを
葬り去るのも少々勿体無く思います。

少しだけ素性が明らかになるデューンは、今までのどの敵の親玉よりも不気味に感じます。
威圧感がある(ジャアクキング、アクダイカーン)
仮面や影で姿を隠し、素性がかなり後まで不明(デスパライア、館長、メビウス)
いかにも敵のボスと言った風格を醸し出しているこれら前例に比べ、
わずかに晒した一見子供のようにも見える姿とのミスマッチ。
そしてぞっとするほど生気のない大きな瞳が何とも恐ろしく、
ペットらしき動物の造形も気色悪く思います。

それを踏まえた上での本編は、ゆりの深い悲しみと、
それを案ずるつぼみという構図は良かったものの、もも姉のゆりに対する態度が残念でした。
彼女はゆりを本当に親友として考えているのでしょうか。
ノートをとってもらっているにも関わらずイマイチそのありがたみが感じられず、
前回の傘を差してもらって送り届けられた姿も相俟って、
体良く利用しているだけのように受け取られました。
決してそのような意図は無いと思いたいですが、もう少し深みを持たせて欲しいと思います。

しかし2番目の人の、ステレオタイプな「一昔前の秀才キャラ」は懐かしさを感じました。
プリキュアシリーズに登場した男子高校生としては幼い印象を受けますが、
藤Pや牛乳のような理想化された高校生では無く、現実はこんなものでしょう。
しかし彼は救われた後でも勉強の目的を履き違えているようで、先行きが少々心配です。
ゆりに勝つためだけが目的の勉強では自分のためにならないと思いますが・・・

彼の心の花「ほうれんそう」の扱いがぞんざいなのは、
「彼岸花」を暗に示したかったからではないかと思いました。
冒頭のゆりが見つめる彼岸花は「悲しい思い出」を、
ラストに咲き誇る彼岸花は「再会」を。
近い将来、パートナーの妖精との再会を暗示しているのかもしれません。

次回予告ではついにムーンライト様の姿が拝めましたので、
どのような形で現れるのか、また来週の日曜までの1週間を楽しみにしたいと思います。
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