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プリキュア5 第9話『プリキュアがばれちゃった!?』 [Yes!プリキュア5]

フレッシュプリキュア、ハートキャッチプリキュアの世界ではプリキュアという存在が
作中世界で認知されていますが、プリキュア5以前の世界では常に人知れず戦っていました。
その存在にシリーズ屈指のお騒がせ娘、
サンクルミエール通信編集長増子さんが目をつけて・・・
初登場にして強烈な存在感を示す増子さんだけでなく、質問攻めに対する5人の反応、
そしてのぞみ=ドリームのリーダーとしての資質が伺える一編でもありました。
  
のぞみ、りんちゃん、うららが登校すると、掲示板に面白いと評判の校内新聞
「サンクルミエール通信」が張り出されているのが目に留まります。
ところが今回のトップ記事は・・・
"スクープ!アイドルのお昼ごはん☆ ~春日野うららちゃん密着レポ!~"
記事の中身は見た目に反するうららの大食漢ぶりが書かれているだけでなく、
りんちゃんやのぞみも取り上げられ、最初は普通に読んでいたりんちゃんも声が高くなります。
メロンパンも食べていたのに、とズレた不満を現すのぞみと、
結構可愛く撮れていると論点が違ううららに頭を抱えるりんちゃん。
そこに記事を書いた張本人が、今後おなじみとなるフレーズを引っさげて登場しました。
『みんなが知りたい、私も知りたい。サンクルミエール通信編集長、増子美香。
 続けて読めばマスコミか!!』
早速うららにICレコーダーを向け、学園初の現役アイドルに密着取材と切り出す増子さん。
反射的に営業スマイルで応じるうららを制し、りんちゃんは増子さんに抗議しますが、
全校生徒の知りたい情報を迅速に、ありのままに伝えるのが使命と言い切る増子さんは
まるで動じません。続けてボーイフレンドはいるのかと水を向けると、
うららは尊敬する人ならいると答え、それがのぞみだという回答に
周囲に集まる生徒たちも、増子さんも、そしてのぞみ本人も驚きの声を上げました。

その日のランチタイムもうららの昼食のフォーカスを試みる増子さんに、
おタカさんはそれとなく同じネタが続くと飽きると忠告します。
そんな折、増子さんは記者の勘で、一緒にランチを採る5人の異色な顔ぶれに気がつきました。
生徒会長、図書委員、スポーツ万能、現役アイドル。
学校の注目を集める4人の中に、なぜ無名ののぞみが紛れているのか。
増子さんの疑問は、のぞみがその面子に「リーダー」と呼ばれている事でますます深まります。
もっとも、この時のリーダーの役割はただのパシリで、それに疑問を抱かずに
引き受けるのぞみはこれでいいのでしょうか・・・(笑)

翌日、サンクルミエール通信の号外が張り出されます。そのトップ記事は・・・
『号外スクープ!五人の怪しい関係!?』
関係者のインタビューとして、プライバシーに配慮した証言者の写真が掲載されていますが、
証言者は誰がどう見てもおタカさん、という突っ込みどころ満載の紙面ながら、
新聞の前で戸惑う5人に対し、増子さんが突撃取材を敢行します。
校内でも有名な4人と無名ののぞみがなぜ急接近したのか。
そして5人が仲良くなる前に謎の幽霊騒ぎが起きている事まで調べており、
増子さんはズバリその疑問をかれんへぶつけました。
かれんがいつものように理路整然と答えられないと見るや、さらに追求が続きます。
真実のためにはどんな権力にも怯むことなく徹底追及し、
それがサンクルミエール通信のモットーと言い切る増子さんは、
続けてのぞみに何のリーダーなのか質問しました。
のぞみは考えた挙句、「正義の味方」とある意味正解を答えてしまいますが、
当然増子さんは本気にしません。
『今時正義の味方って・・・』『普通言わないわよね・・・』
歯切れ悪くごまかすりんちゃんとかれんの態度に、増子さんはますます疑念を深めました。

下校するのぞみ、りんちゃん、うららの中に小々田先生も混じっている事に
増子さんは不審を抱き、その後を尾行します。
増子さんが目を放した一瞬の隙に小々田先生の姿が消えたりと
(単にココになってのぞみに抱えられているだけですが)
3人を取り巻く事態に驚き、3人の会話が聞き取れずにやきもきしながらも、
そのまま尾行を続けてナッツハウスへと辿り着く増子さん。
店内には既にこまち、かれんがいる事、そして
卓上にあるぬいぐるみ(ココとナッツ)が動いた事で、外から様子を伺うのに我慢ならず
遂にナッツハウスに突撃を敢行します。

ここで何をしているのか、ここは何の店なのか、
さっきそのぬいぐるみが動いていたような気がする、
店員さんはどこにいるのか、店員のいない店で何をしているのか。
いずれの質問もごまかし、はぐらかそうとする5人の答えに
増子さんは一層疑りを強め、ひとまずナッツハウスを出るものの
この店は絶対怪しいとカメラに収めます。
ところがその背後にアラクネアさんが忍び寄って・・・

増子さんの悲鳴を聞いた5人が外に飛び出すと、
今まさにアラクネアさんが増子さんを連れ去るところでした。
暴力反対とのたまう増子さんを小脇に抱え、アラクネアさんは5人をおびき寄せるように
人気の無い廃デパートのような建物へ駆け込みます。
マネキンが転がる不気味な空間に気圧される5人を前に
アラクネアさんは増子さんを人質にしてドリームコレットを渡すよう迫ります。
増子さんを助けたくても、増子さんの前ではプリキュアに変身できずに戸惑う5人ですが・・・
こんな状況でも増子さんの記者魂は衰えず、アラクネアさんにICレコーダーを向けて
ドリームコレットとは何なのかインタビューを試みます。
当然アラクネアさんが答えるはずも無く、ICレコーダーを弾き飛ばして蜘蛛女へと変貌するも、
まだまだ増子さんの意欲は衰えず、怪人化したアラクネアさんにシャッターを切りました。
アラクネアさんはそのカメラを奪い、仮面を被せてコワイナー化すると
ようやく増子さんも怯えはじめ、自力でアラクネアさんの手の内を抜け出して(火事場のクソ力?)
柱の影にうずくまって(肉のカーテン?)震え上がり、
増子さんが見ていない隙に5人は変身します。

目の前で繰り広げられるプリキュアVSコワイナーの戦いに驚く増子さん。
カメラもICレコーダーも手元に無いため、戦いを眺め続けていたのが仇となり、
再びアラクネアさんの糸に絡まれて人質にされました。
ドリームコレットの要求を突っぱねると、増子さんが締め上げられてしまい
再び手出しが出せずにコワイナーに追い回される5人。
それでも5人はいつしかドリームを中心に集まり、
それぞれの持ち味を活かして反撃体勢と整えます。
ドリームとアクアがアラクネアさんに立ち向かい、
ミントは2人を援護、そしてコワイナーはルージュとレモネードが引きつけます。
攻撃をミントプロテクションで弾かれて体勢を崩したアラクネアさんに
アクアストリームの水流が直撃して、その間に逃げ出す増子さん。
コワイナーにはレモネードフラッシュが、ルージュファイヤーが叩きこまれて
締めのドリームアタックで元のカメラへと戻りました。

カメラを返してもらった増子さんはお礼を言った後、改めて質問しました。
『あなた達は誰なんですか?』
『な、名乗るほどの者じゃないから・・・』
質問慣れしていないのか、相変わらず歯切れの悪いアクアに反して
レモネードはカメラを向けられた際、とっさに
『写真はNGですから』
と断るなど、応対慣れしています。
ともかくミントに促されて去っていく5人を見送った増子さんは、この街で何が起こっているのか、
あの5人は誰なのか、と大スクープの糸口を掴み、意気が上がります。
再びナッツハウスへ向かい、店の前にいた人間形態のナッツに声をかけた増子さんは、
振り返ったナッツの美形ぶりにすっかり魅せられてしまいました。
気を取り直し、化け物の事とそれを撃退した5人の女性の事を問うものの、
『お嬢さん。世の中には、知らなくて良い事もあるんだよ。忘れた方が良いんじゃないかな』
静かに諭すナッツの言葉にメロメロの増子さん。そして・・・

翌日、昨日の事が記事にされていると思いきや、サンクルミエール通信のトップを飾る記事は
『街で見つけた超♥イケメン!!』
苦笑いを浮かべるナッツの写真が大々的に取り上げられていました。
増子さんの興味はすっかりナッツに移っており、
プリキュアの事を大々的に取り上げられずに済んだものの
残念そうな複雑な気持ちを抱くりんちゃんとうらら。
良く見ると申し分程度に、紙面の隅にプリキュアの記事が書かれていました。
『不審者を女性5人が撃退』
その記事も巻き込まれた増子さんが主役のような文面で、
5人は苦笑いと共に紙面を見上げました。


無印シリーズではプリキュアの存在を京子・夏子が目撃していたり
支倉がおぼろげに見たりした事がありましたが、それ以降はMHに至るまで、
作中でプリキュアという存在が目撃された描写は無かったと思います。
そして続くSSでも誰一人としてプリキュアの姿や存在を知らなかったと記憶しています。
今回は久々に一般人に目撃される展開となりますが、
プリキュアがばれてしまう事によるペナルティが存在しないため深刻な話にならず、
質問に対応する際の(特にかれんの)対応などを気軽に楽しめる一編だと思います。

ところで増子さんの決め台詞「みんなも知りたい、私も知りたい」は
加熱するジャーナリズムへの皮肉のようで考えさせられます。
報道する義務があると考えているのはマスコミ側の見方であり、
世間が本当に知りたいと思っている事を伝えているのでしょうか。
単に「私も知りたい」事を「みんなも知りたい」という理由で正当化しているような、
一部で顕著な報道姿勢には辟易させられる事も多いです。
後にそれに気がつき、報道という名の言論暴力を後悔するエピソードまでは
とにかく傍若無人な振舞いが目立つ増子さんですが、
良くも悪くも強烈な個性ゆえに、後々まで印象に残るサブキャラクターになったと思います。
それにしても、いくらなんでもあの状況で変身して戦ったら
増子さんにバレバレだと思いますが・・・
気付かない増子さんが鈍いのか、それで記者が務まるのかいらぬ心配も抱きます。

一方、ほんのさりげない描写ながら、決め手に欠く戦況を打開したのが
ドリームの統率だという点に目を惹きました。
増子さんが疑問に思うとおり、4人の中で凡人ののぞみがなぜリーダーなのか。
とりたててプリキュアになっても秀でた能力がある訳でもないのですが、
ドリームだけが持つ独特のカリスマ性というか、安心感があり、
それを前面に押し出すのではなく、ほんの少し滲み出るだけで状況が変わる。
真に頼れるリーダーとは、そこにいるだけで安心するような人だと思いますし、
だからこそのぞみ=ドリームがリーダーたり得るのだと思います。

今回もナイトメアの描写ではブンビーさんが見事な嫌味と存在感を発揮しましたが、
(今日から仕事だよ、とサザエさん症候群を引きずっている等、現実的すぎて共感します)
管理職として組織の上に立つ上で、そのようなリーダー像を感じさせないのは、
のぞみと対比しているのか、というような印象を感じました。
ブンビーさんに限らず、カワリーノやデスパライアも、
次作のアナコンディさんや館長もそれは同様です。
すべてのシリーズを見渡して、その条件を満たす敵は
イルクーボやバルデスなど僅かな者しかいません。
これからサバークやデューンがどんな描写をされるのか、
敵側の組織力という点にも注目してみたいきっかけともなる一編でした。
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