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プリキュア5 第11話『のぞみとココの熱気球』 [Yes!プリキュア5]

モンゴルフィエ兄弟により成功を収めた熱気球は飛行船へと発展し、
空を飛びたいという人間の夢はリリエンタールの犠牲を経てライト兄弟によって
飛行機時代が始まりました。気球の原理は暖かい空気の温度差を利用して・・・
など、興味を惹いた事柄からはいろいろ発展して学び深める事が出来、
勉強が苦手な者でも好奇心がある限り知識の幅は広がっていくものです。
プリキュア史上最も成績が悪い?と思われるのぞみをやる気にさせるのは、
厳しい叱責や説教ではなく、可能性を伸ばそうとするココの言葉。
一方でココとのぞみが教師と生徒の関係を超え始める問題作?でもありました。
  
みんなが集うテラス席に、りんちゃんが嫌がるのぞみを引っ張って来ました。
数学の小テストの結果を見せるよう促し、渋々のぞみが開いた答案は18点。
養豚場のブタでもみるかのようなかれん、可愛い数字だと言いにくそうなこまち、
難しいテストだったんんですねとのぞみを気遣うようなうららと
三者三様の反応ですが、そのテストは難しいどころか平均点80点というものでした。
のぞみは勉強出来なくてもいいなどとと開き直るも、
会話の輪に入ってきたおタカさんに勉強は全てではなくても努力は必要だと諭されます。
数学が役に立つのかとこぼすのぞみの前で、購買の商品計算を
すらすらと暗算でやってみせるおタカさん。最後に「万円」をつけるのはご愛嬌ですが・・・
ともかく、もうすぐ中間テストを控えているのに危機感の無いのぞみを注意するかれん。
そしてこまちが提案した勉強会に、強制参加することになりました。

こまちがうららに漢字の覚え方を教え、
かれんがりんちゃんに数学の解法のコツを教える等、
頼れる3年生の指導で勉強会は順調に進んでいると思われますが・・・
のぞみは鉛筆で遊んだり、窓の外に膨らむ気球に目を奪われるなど、
小さな子供のように落ち着きがありません。
のぞみの答案は真っ白で、どこが解らないのかすら解らないという深刻な事態です。
丁度一息入れようと3時のおやつになりますが、
のぞみだけは問題が解けるまでお預けを食ってしまい、しょげ返りました。

その頃、ナイトメア。
右肩上がりの成績グラフを見て、アラクネアさんは私の昇進も近いと期待を膨らませます。
しかしそれはプリキュア達のグラフで、実際のアラクネアさん達のグラフは右肩下がり。
ブンビーさんは前回カワリーノに責められた鬱憤を晴らすかのように、
嫌味たっぷりにアラクネアさんを責めつけ、十八番の「言い訳はいいわけ」を出して
アラクネアさんに確かな結果を要求しました。

うららも、りんちゃんも課題を終えておやつタイムを迎えますが、
のぞみは一年生の問題にも関わらず、ペンは全く進みません。
のぞみは開き直り、小々田先生に問題を教えてもらうなどと主人公らしからぬ軽口を叩き、
ズルはだめ、不正行為は許さない、それは悪役のやる事、サッカーだったらレッドカード、
などなど、全員に一斉に非難されました。冗談だと弁解するものの、
かれんはプリキュアをやっている場合ではないと手厳しく、
プリキュアを休んで勉強に集中した方が良いとこまちも追随するのを聞いて、
ようやく危機感を覚えるのぞみ。みんなどんどん手厳しくなっていきます。
勉強すら真剣に出来ないようではプリキュアは無理、
キャッチが愛想つかしてしまうかも、ナイトメアは4人で何とかする、など
話題が進んでいく中でのぞみはどんどん思いつめていきます。
『私、プリキュアやるもん!』
机を叩いて主張するのぞみを、間髪を入れずかれんが注意します。
『のぞみ、まだ全部解けてないわよ』
これが決定打になり、外へ飛び出していくのぞみ。
その後をすかさず小々田先生が追っていきます。
そして取り残された4人のうち、うららとこまちは言い過ぎたかもしれないと気遣うものの、
りんちゃんとかれんはアレくらい言わないと本人の為にならないと考えていました。

『本当に本人のためになるのか?あれでのぞみのやる気が出るとは思えない』
逆に4人に問いかけるナッツ。みんなも悪気があってキツく言ったのではなくても、
学ぶ気の無い者に無理矢理勉強させても苦痛なだけ、
というナッツの言葉がみんなに突き刺さります。
改めてのぞみの事が心配になる4人を、ココに任せれば間違いないと安心させるナッツ。
パルミエ王国で大勢の国民から慕われ、勉強を教え、相談に乗ってきたというココの事を語り、
誰にでも出来る事ではない、と素直にココを敬うナッツは、
珍しく他人を褒めている事を突かれて口ごもるも、ココに全幅の信頼を寄せている事が伺えます。

『ついてこないでよ!』
『・・・どうして?』
意固地になっているのぞみに、小々田先生は勉強しろというような事は言わず、
広場で膨らみつつある気球のところへ言ってみようと提案し、
のぞみの手を取って走り出しました。
むくれていたのぞみも、広場で気球を見上げ、
熱した空気で膨らませているという説明を聞いて目が輝きました。
そして、小々田先生と2人、気球の試乗体験に参加します。

気球の上から見下ろす街並みに胸を躍らせ、楽しんでいたのぞみは
ナッツハウスを見下ろした際、先ほどのやり取りを思い出し、少し元気がなくなりました。
みんなの事が気になるのかと問われても、
みんな自分の勉強してるんじゃない?とそっけなく強がるのぞみに、
小々田先生はみんなが少しでものぞみのやる気が出るよう、
わざとあんな言い方をしたと言い聞かせます。
しかしのぞみはずっと勉強が苦手で、九九や漢字を覚えるのも倍かかった事から、
才能が無いと思い込んでいました。
そんなのぞみに、小々田先生は気球はどうして浮かぶのか問題を出しました。
熱した空気で浮く、という事をきちんと答えられたのぞみに、
面白いと思ったり感動した事は自然と覚えるものだとアドバイスする小々田先生。
そしてのぞみの可能性を、気球に例えて言い聞かせます。

のぞみの「可能性」という気球はまだ地上で空気を入れているところで、
いろいろ見聞きし、感じて学ぶ事で気球は膨らんでいく。
テスト勉強は将来の夢が出来たとき、高く飛べるように気球を膨らませる
一つの方法だという小々田先生の語りで、のぞみも少し意欲を膨らませました。
『私の気球、飛べるかな・・・?』
炎を見上げて呟くのぞみに、きっと素晴らしい未来が待っていると確信する小々田先生。
回り道をしても、時間がかかっても構わない。
そしてのぞみには、力になってくれる友達がたくさんいます。
もう、のぞみの顔は曇っていません。

その「力になってくれる友達」はのぞみの事が気になって集中できません。
厳しくしすぎた事を悔やみ、ココを信用していないわけではありませんでしたが、
のぞみを迎えに出発します。

自分のやる気を引き出してくれたココは凄いというのぞみに、
ココは望みの方が凄いと返答します。
初めて会ったあの日、初対面の相手に夢を叶えて上げるとは中々言えるものではありません。
今はココの夢をかなえるのが一番の願いだというのぞみの優しさを評する小々田先生。
ところが突如突風が吹き、気球体験は一時中止になりました。
突風に煽られた際に、小々田先生の胸元にしがみついていた事に気付いて赤面するのぞみ。
地上に降りた気球を係員が固定する間に、小々田先生は改めてのぞみに語りかけます。
『君には本当に心から感謝している。でものぞみにとって一番大切なのは、のぞみの未来だ。
 君の未来には無限の可能性がある。だから、他にやりたい事がもし見つかったら、
 僕の夢よりも優先させていいんだよ・・・』

2人の世界は、アラクネアさん登場で終了します。
気球に仮面を被せると、気球を繋ぎとめていたロープが切れて
のぞみと小々田先生を乗せたまま気球は上空へと上がって行きました。
その頃、地上でのぞみを探し回っていた4人は不気味な形の雲に気球が吸い込まれるのを、
その気球にのぞみが乗っているのを目撃します。
(りんちゃんはサンコンさん並に目が良いんですね。まあ、なんでも、いいですけど)
雲の中に投げ出されるのぞみとココを、先回りして待ち構えていたアラクネアさん。
今の内にドリームコレットを渡せば痛い目を見なくて済むという通告を振り切り、
のぞみは変身して立ち向かいます。

気球コワイナーの攻撃からココを庇いながら戦うも、
アラクネアさんの糸に縛られ、身動きが取れなくなるドリーム。
下から見上げる4人も変身しますが、プリキュアのジャンプ力をもってしても雲まで届きません。
ココは懸命にドリームに絡みつく糸を切ろうとしますが、非力なココの力では切れません。
無力を詫びるココを、先ほどと逆にドリームが励まします。
今は何よりココの夢を叶えたいと、夢があるから頑張れると。
奮い立ったドリームは自力で糸を断ち切りますが、
すかさず襲い掛かるアラクネアさんに弾き飛ばされ、
仕掛けられていた蜘蛛の巣に絡みつかれました。
さながら蜘蛛の巣にかかった蝶のようなドリームの目前に、
気球コワイナーから高熱のガスが噴射されようとしています。

ミントとアクア、上級生チームが組んだ手を踏み台にして、高く飛び上がるルージュ。
今まさにドリームにガスが吹き付けられる瞬間、
雲に飛び込んできたルージュによって窮地を脱しました。
アラクネアさんの標的はルージュに移り、同様に糸で縛り上げられますが、
続けて駆けつけたレモネードがコワイナーを牽制する間に、
ドリームもルージュも自力で糸を断ち切りました。
ドリームアタックでコワイナーを撃退すると同時に、不気味な雲も消えうせます。
が、ここははるか上空。
足場を失い落下するみんなは、ミントプロテクションで受け止めた後、
アクアストリームの流れに乗せて地上へと降り立ちました。

再び気球に火が灯り、気球上ののぞみに、4人は言いすぎたことを詫びて
ナッツハウスで待っていると戻っていきました。
『私、プリキュアやってて良かった』
ココのためだけでなく、自分のためでもあると気付いたのぞみは、
ココの夢を叶えたら自信が持てるような気がしていました。
そして、きっといい未来が開けると思い、改めてこれからもよろしく、と
小々田先生に申し出ます。
『問題です。思っている事が言葉を使わずに相手の心に伝わる事を四字熟語で何て言うでしょう』
唐突に小々田先生が出した問題にしばし考えた後、
のぞみは小々田先生と同時に答えました。
『以心伝心』

中間テストが終わり、のぞみの結果は38点でした。
かれんにしてみれば不満な点数でも、のぞみにしては上出来です。
勉強の傍ら、試験期間中に「ききゅうであそぼう」という本を読破したと胸を張るのぞみに
おタカさんも学ぶ楽しさがわかってきたようだ、と嬉しそうです。
この点で満足している事に疑問を持つかれんには、
のぞみの良き理解者であるりんちゃんが、長い目で見てやって下さいと申し出ました。
かれんも少し柔軟になり、次の目標は平均点だと意識させます。
千里の道も一歩から。のぞみの可能性は少しずつ膨らみ始めていきました。


のぞみの前の主人公たち、なぎさや咲も勉強が苦手でしたが、
のぞみの場合は苦手意識が一種のトラウマとなって意欲が沸かず、
そのために成績が振るわずにますますやる気が失せるという悪循環に陥っています。
私自身も英語と古典が大の苦手で、のぞみの境遇には同情します。
しかし大人になってから受験と切り離してみると古典文学の面白さが解ってきたので、
もっと早いうちに興味を持ちながら受験勉強に活用できていれば、と悔やむ気持ちもありますが、
これからの人生を豊かにするための勉強に活用できると考えたいです。

のぞみが主役の一編であり、のぞみが勉強嫌いを克服する話なのですが、
のぞみを諭すココに対比して、4人を諭すナッツという風にも見る事が出来ます。
出来る者は出来ない者の目線で考える事が難しく、のぞみのやる気を出すためとはいえ、
ナッツハウスでの4人の言動はいささか厳しいものがありました。
それに対して小々田先生の話の持って行き方は、
まがりなりにも教師だけあって、4人の「子供」とは違った大人な雰囲気を持ち合わせています。
一見冷たいようでも人の本質を理解し、人のためにならない事を指摘し、
それとなく注意するナッツも同様で、私も部下のモチベーションアップの参考にしたいくらいです。
同じく大人の世界でもアラクネアさんに対するブンビーさんは、
嫌味やパワハラでは部下は結果を出せませんという反面教師のようでした。

一方、のぞみとココの関係が深くなる第一歩の話であり、
戦闘場面でも変身しても全員が戦わないという、
後のシリーズで見られる展開が初めて行われた話でもありました。
ルージュとレモネードを送り込んだ後、下界で手をこまねいて見ているミントとアクア、
というシュールな光景が想像されますが、実際のところはどうだったのでしょうか・・・

また、既におタカさんの素性を知った上でこのシリーズの再見をすると、
今までも生徒達を暖かく見守り、適切なアドバイスを贈るものの
生徒達自身に考えさせるという姿勢が伺え、この点でも興味を惹きます。
まさかおタカさんに注意して再見する事になろうとは思いもしませんでしたが、
一度の視聴では気付かない発見がありそうで今後の展開が楽しみになってきました。
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