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今更初めて『侵略!イカ娘』を視聴して [その他]

私は「隠れヲタ」を名乗っていながら、ここ数年プリキュア以外のアニメを殆ど観ておらず、
それ以前に欠かさず観ているTV番組自体も
「プリキュア」「大河ドラマ」「題名の無い音楽会」「大相撲中継」くらいで、
最近のアニメ事情には疎い日々を過ごしておりました。
そもそも第1話を見逃すとなかなか入り込みづらいという事も拍車をかけております。
しかしこの3連休、あまりに寒く外出する気も起こらずに時間を持て余していた私は、
かねてより機会があれば観たいと思っていた「侵略!イカ娘」の第1話を
公式にニコニコ動画で観られると知り、試しに昨日の夜中に視聴したところ・・・
見事にハマってしまったではなイカ。
  
1話だけでなくそのまま衝動的に全12話有料パックを購入してしまい、
途中デーモン小暮閣下の「魔覧相撲中継」を挟んで
インターバルを置きながらも、結局1日で全話を観てしまいました。
私は原作を読んだ事も無く、世界観、設定、内容なども全く知りませんでした。
しかし何の予備知識が無くとも、むしろ原作を知らなくてもその世界に入り込める作り、
一人一人に確固たる個性が与えられ、作品世界内で生き生きと描かれる登場人物達。
そして主人公のイカ娘の愛らしさと、舞台となる海の家れもんを取り巻く
ユルくも独特な空気は実に居心地良く感じられました。

ストーリーに深い意味合いがあるわけではなく、
全然怖くない海からの侵略者イカ娘、なりゆきで彼女をバイトとして働かせる
海の家れもんの相沢姉妹、そしてその周りの人々の風景を描くものですが、
観る者にただこの世界をずっと観ていたい、この空気を味わいたいと思わせます。
わずか全12回×3話=36本のストーリーを1日で観ただけなのですが、
ずっと前からこの世界観を見続けてきたような感覚を受けました。
そして、最終回が終わった時にはこの世界観をもう観られないという
奇妙な寂しさを覚え、続編を望む声が多いというのも頷けます。

プリキュアファンの端くれとしては、九条ひかり=シャイニールミナスを演じた
田中理恵さんが海の家れもんの経営者、相沢千鶴さんとして出演している事も楽しめます。
海の家れもんには「渚」というアルバイトがいるため、
田中さんの声で「渚ちゃん」と呼んでいるのを聞くと妙に感じ入るものがありました。
それだけでなく夢原のぞみ=キュアドリームの三瓶さんや、
その父親でサンドアートの達人としてサバーク博士の楠さん、
そしてポプリの菊地さん等、プリキュアシリーズ以外の作品に疎い私にとって
プリキュア出演者の方々を見受けると違った楽しみ方が出来ました。

そのように理屈抜きに楽しめる作品群の中、
第5回の3話目に描かれた「飼わなイカ」という一編には非常に感銘を受けました。
普段のイカ娘は登場せず、「ミニイカ娘」とそれを拾った相沢栄子との交流を
一切の台詞を用いずに描いた作品で、
劇中BGMの曲調とも相俟って上質のサイレントムービーを観たような、
優れたショート・ショートを読んだような後味を感じました。
未見の方のために詳しい内容描写は割愛しますが、ホロリと来る展開。
そして感動を良い意味でブチ壊しにするオチが楽しめますが、
真に感銘を受けたのは改めて日本のアニメ技術の水準の高さを感じさせる
水槽内でのミニイカ娘と栄子の指の交流を描いた描写でした。
サイレントムービー、パントマイム、そしてバレエなど台詞を用いない表現形式は
動きそのものであらゆるものを表現する必要がありますが、
映画やOVA等ではなく、毎週放送のこの作品で見事それをやってのけました。
もっとも優れた一編といえど、この話は全話の中でも異色のため、
いきなり初見でこの話だけを観てもその感動は伝わらない気がします。
あえてプリキュアで例を挙げるとすれば、傑作と名高い無印第42話
プリキュアを知らない人が初めて観るようなものでしょうか。
私のようにシリーズそのものを未見の方は、
ぜひとも1話から順にこの世界観を知ってから視聴される事をお勧めしたいと思います。

本来子供向けである「プリキュア」シリーズを語っている私が言うのも何ですが、
現在のTVアニメは「子供向け」と「マニア向け」の二極化が顕著で、
普通に何気なく観られる作品が少ないのではなイカと感じます。
「子供向け」は玩具の販売を、「マニア向け」は各種グッズやDVD等を販売する事で
スポンサーが付き、利益を上げるというビジネスとして当然の流れがあるため、
致し方ない事ではありますが、私が学生の頃までは「子供向け」「マニア向け」以外にも
アニメを観る選択肢がもっとあったのではなイカと思えます。
その結果、せっかく高い水準を誇る日本のアニメ技術が広く一般に知られ難く、
海外からの好評価で「Cool Japan」を認識するようになったような現状は
いささか寂しいのではないでしょうか。

「侵略!イカ娘」は深夜枠故の少々過激?な描写もありますが、
深夜枠ではなく、もっと多くの人に受け入れられるポテンシャルを持っています。
多くの人の目に触れるような時間帯ではスポンサーが付かない、
ビジネスとして成り立たないのであれば、
無料で見られるならそれに越したことはありませんが、
ネットの有料配信というのももっと市民権を得るべきではないでしょうか。
そう言っている私も今回初めて利用したのですが、
これをきっかけにプリキュア以外の様々な作品に目を向けて行くようにしたいと思いました。
その結果、僅かでもアニメ文化の裾野が広がれば幸いです。

さて、有料配信の有効期限は14日間です。
この寒さを紛らわせてくれそうな、夏の海の家が舞台の「侵略!イカ娘」を
その期間内に観られるだけ観返して、ユルい空気に癒されながら日々の業務と
プリキュア5の再見、そしてハートキャッチのクライマックスに備える事にするでゲソ。
また観たくなれば再び有料配信を買うかBDを購入して、
さらに機会があれば原作を読んでみて・・・私はすっかり侵略されたようでゲソ。
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