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プリキュア5 第27話『りんちゃんイケメン幽霊とデート!?』 [Yes!プリキュア5]

プリキュアシリーズ例年おなじみの怪談話がやってきました。
今回の被害者、りんちゃんはボーイッシュで気が強い反面、
極度の怖がりという一面を持っています。夜の廃校舎の散策という、
プリキュア以外の作品なら確実に恐ろしい事態に巻き込まれそうな展開。
走る骸骨、稲光に照らされる石像、そして悪ノリのこまちと
次々に襲い掛かる恐怖体験に果たして全員が無事に生還することは出来るのか?(笑)
  
『ほら、学校にもう使われていない、昔の古い校舎があるでしょ?
 そこにね・・・出るのよ』

夕闇の迫る学校。薄暗い部屋で、こまちがみんなに学園に伝わる怪談を語り始めます。
手を取り合って震えるのぞみとうらら、冷めているかれんの後で震えるりんちゃんを前に、
こまちは丁寧な語り口で淡々と怪談を続けます。
曰くその旧校舎の敷地にはかつてローゼット伯爵の屋敷があったのですが、
不慮の事故で亡くした恋人を悼み、失意に暮れた伯爵もまた、
後を追うように亡くなってしまったのでした。
そして毎年恋人の命日になると、旧校舎を伯爵の霊が彼女を探して彷徨い、
彼女と同じくらいの年頃の女の人を見つけると・・・
かれんを除き、固唾を呑んで震えるみんな。特にりんちゃんの恐怖心はピークに達しています。
『こぉ~やって、捕まえに来るのォ~・・・』
手を伸ばすこまちの恐ろしさに耐え切れず、
遂にりんちゃんは悲鳴を上げて卒倒してしまいました。

ナイトメア。こちらは別の意味での恐怖体験が待っています。
アラクネアさんはブンビーさんに呼び出されたと思いきや、呼び出したのはカワリーノでした。
カワリーノはアラクネアさんの先日の戦いぶりを敗れはしたものの評価し、
アラクネアさんには恐怖をもたらす力が足りないと指摘します。
いちいちアラクネアさんの恐怖心を煽る様に背後に回りこみ、
そして恐れをなすアラクネアさんの眼前に突然現れ、
プリキュア達を恐怖で支配し、絶望の底へ突き落とすよう指示を出しました。

夜の帳が下り、空には満月が浮かびました。
そう、今宵は伯爵の幽霊が出ると言われる日です。
流石のかれんも少々怖いと言い出す中、旧校舎へと向かう5人。
既にりんちゃんはこわばった表情で冷や汗を流して震え続け、
のぞみとうららも手を取り合って怖さを隠し切れませんが、先頭に立つこまちはと言えば・・・
『・・・わくわくするわね!』
余裕たっぷりの笑顔で振り返り、一人だけ明らかに感性がズレています。
不意に飛び上がる鳥の羽音に怯えたりんちゃんはかれんにすがりつき、
のぞみはりんちゃんが昔からお化けが苦手だと説明しました。
準備万端、しっかり懐中電灯を用意して来ているこまちを先頭に
旧校舎へと足を踏み入れる5人をアラクネアさんが見下ろしていますが・・・
校舎の窓ガラスに注目して頂きたい。
おわかりいただけただろうか?アラクネアさんとは異なる人影が浮かんでいる。
これが少女を霊界へ引き込む、伯爵の亡霊とでも言うのだろうか・・・

朽ちた壁に、死人の呻き声のような音を立てる床板。
夜の旧校舎はさすがに不気味で、みんな恐る恐る進んで行きます。
(約一名、笑顔のこまちを除き)
廊下を行く5人を見送ったアラクネアさんが指を弾く音が響き、
何か怪しい音が聞こえた気がしたと感じるみんなを
全然聞こえないと無理矢理否定しようとするりんちゃん。
そして最後尾を行くりんちゃんの肩を何者かが叩きました。
りんちゃんが振り返るとそこには・・・
ケタケタと歯を鳴らして笑う骸骨が立っていました。
りんちゃんは凄まじい悲鳴を上げて一人廊下を逃げ去り、
呆気にとられる4人が振り返ると骸骨はタイミング良く姿を消します。
『大丈夫かなぁ。ただでさえ怖がりなのに』

月はいつしか厚い雲に覆われ、雷が鳴り雨が降り始めます。
どこをどう走ったのか、りんちゃんはすっかり4人からはぐれてしまい、
廊下の影に身を隠して一息つくのも束の間、再びその肩を何者かが叩きました。
そこには闇に浮かぶ大きな眼の「何か」が立っており・・・。
りんちゃんが大声で悲鳴を上げると、「何か」も悲鳴をあげます。
良く見るとそれは増子さんでした。
ローゼット伯爵の幽霊をスクープするために来た増子さんは、
名乗りを上げる時だけはいつもどおりですが、
雷が落ちると流石の増子さんもりんちゃんと抱き合って震え上がりました。
『ま・・・ま・・・増子さん。良かったら取材手伝わせてくれない・・・?』
『そ、そうね。一緒に取材しましょう・・・』
一人よりはマシ、二人は引きつった顔で笑い合います。

りんちゃんを探して4人が入った部屋はどうやら美術室のようです。
不意に何かにぶつかり、それを見上げたかれんは
稲光に照らされて浮かび上がる彫刻を見て柄にも無く大声で悲鳴を上げました。
『ちょ、ちょっと驚いただけよ!・・・雷にね』
取り繕ったかれんが改めて彫刻を見てみると穏やかな顔立ちで、
その手には髪飾りのようなものが握られており、
この人がローゼット伯爵ではないかと予想します。
そしてもう一つ、この美術室には驚くべきものがありました。
壁に掛けられた貴婦人の肖像画は、りんちゃんそっくりです。
その頃りんちゃんはといえば・・・

増子さんと二人、なぜか理科室を彷徨っていました。
理科室と言えば幽霊!と記者魂を燃やす増子さんにすがりつき、
全然燃えていないりんちゃんを嘲笑うように、用具棚の後ろにアラクネアさんが潜んでいます。
流石の増子さんも稲光に驚き、そして理科室の片隅に気配を感じて振り向くとそこには・・・
雷光に照らされた骨格標本が、今まさに動き出すところでした。
もはやスクープどころではなく、凄まじい悲鳴を上げて廊下を駆け逃げる2人。
『待ってよ!置いてかないでよお!!』
増子さんは途中でりんちゃんが転んだのに気付かず、一人逃げて行ってしまいました。
そしてりんちゃんの耳に乾いた足音が迫ります。
まさか・・・恐る恐る振り返ると、廊下の向こうから骸骨が走って来ました。
前後不覚に陥り、りんちゃんは近くの扉に逃げ込みます。
怖がらせる事にノリすぎたのか、アラクネアさんも行方を見失っていました。

りんちゃんは扉の影にうずくまり、ほっと一息ついたのも束の間、
何やら妖しい影が傍らに立っています。それはりんちゃんに手を伸ばし・・・
『で・・・出た・・・!』

気がついた時、りんちゃんは心配そうに見つめる4人に囲まれ廊下に寝ていました。
りんちゃんはローゼット伯爵の幽霊を見た事を怯えながら語り、
暗くてよく分からなかったけど背の高い男の人で、
右手を伸ばして来たとの証言に、4人は先ほどの彫刻を思い出します。
後の迷探偵こまちは間違いなくローゼット伯爵だと力説し、
伯爵の彫刻と髪飾り、そしてりんちゃんそっくりの肖像画から
あの絵の女性が恋人と推理しました。
そしてローゼット伯爵は死に別れた恋人に髪飾りを渡そうと、ここで待っており、
りんちゃんに髪飾りを受け取ってあげるべきだと主張します。
怯えるりんちゃんをよそに、みんなも伯爵の想いを遂げさせてあげようと力説しました。
『またあの幽霊に会うなんて怖い!怖い怖い怖い絶対無理!』
半べそになって断ってものぞみとうららに迫られて、結局りんちゃんは折れる事になりました。

いかにも出そうな大広間の中心に足を踏み出すりんちゃん。
『やっぱり行かなくちゃダメ?』
涙目のりんちゃんに頷く4人は楽しんでいるとしか思えません。
しかし稲妻が鳴り響き、りんちゃんが振り返るとそこには・・・再び霊が立っていました。
先程と同じく手を伸ばしてくる霊に怯えて眼を閉じるりんちゃんですが・・・

『やっと来てくれたんだね』
りんちゃんが目を開くと、そこは柔らかな陽光に包まれた美しい庭園です。
りんちゃんだけでなく、みんなが同じ空間に引き込まれており、
そして目の前には穏やかな笑顔を浮かべる青年が立っていました。
『ずっと君が来るのを待っていたんだ。これを君に渡せる日を、ずっと待っていたんだ』
そう髪飾りを差し出す伯爵に戸惑いながら、りんちゃんは申し訳無さそうに口を開きます。
『あの、私はあなたが待っている人とは・・・』
ところがそこにアラクネアさんが現れて空気は一変、
先ほどの骸骨をコワイナー化するアラクネアさんに変身して立ち向かう5人。

ルージュはローゼット伯爵を庇うように手を引く前で、
コワイナーは屋敷の壁を破壊し始めました。
『よくも伯爵の大切なお屋敷を』
アラクネアさんはここは偽りの世界だと笑い飛ばしますが、4人は口々に反論します。
『伯爵が恋人を思う気持ちは本物です』
『ここは伯爵の本物の想いが詰まっている世界よ』
『偽りの世界なんかじゃない!』
『長い間ずっと待ち続けた伯爵の思い、踏みにじるなんて許さない!』
それでもさっきまで怯えて震えていた事を嘲笑うアラクネアさんに
伯爵の心を理解したルージュははっきりと言い返しました。
『気持ちが通じれば、怖い物なんか無い!』
上級生組がコワイナーを蹴り倒し、ドリームとレモネードがアラクネアさんの糸をあしらい、
そしてルージュは新たな力、プリキュア・ルージュバーニングでコワイナーを一気に撃破。

アラクネアさんが引き上げると再び穏やかな光景が戻ります。
改めて髪飾りを差し出す伯爵に、りんちゃんはあなたの待ち人では無いと言いますが、
伯爵はりんちゃんの手を取って髪飾りを手渡しました。
『受け取って欲しいんだ。私のために一生懸命頑張ってくれた君に、貰って欲しい。
 受け取ってくれるね?』
柔らかな笑顔を浮かべる伯爵に、りんちゃんも少し照れながら頷きましす。
互いに見つめあう2人。そして成仏したのか、伯爵の姿は消えて行きました。
伯爵が消えると同時に元の大広間に戻りますが、
りんちゃんの手の中には確かに髪飾りがありました。

伯爵がかっこよかったと語りながら校舎を出る5人に、
増子さんが駆け寄って来て先ほど骸骨に追い回された恐怖体験を語ります。
あいにく写真が撮れなかったけれど、本当に体験したと力説する増子さんですが、
笑顔のこまちに今から写真を撮りに戻ろうと言われると、
あんな怖いものもう沢山だと断りました。
しかし一番怖い体験をした筈のりんちゃんは、もう怖がっていません。
『お化けも幽霊も怖くないよ。人を思う気持ちは、私達と同じなんだもん。
 想いが通じ合えば怖いものなんて無い・・・』

伯爵の名残を追うように空を見上げるりんちゃんの髪に、
先ほど受け取った髪飾りが輝いています。


なぜ日本に伯爵の屋敷があるのか、
なぜ夏休みの学校に忍び込めるのかという点はさておき(笑)
恐怖に襲われる様がどこかコミカルに描かれるのが、
プリキュアらしく楽しめる要素になっています。
5人それぞれの(約一名除き)怖がる仕草もそれぞれの性格が出ており、
特に不意を突かれたかれんの取り乱しっぷりとクールを装う様からは
初期のお堅い雰囲気は微塵も感じられません。
常に平然としているこまち、のぞみとうらら1セットで手を繋いで怯え続ける中、
ヒロインにあるまじき顔面の崩れっぷりで恐怖を現してくれたりんちゃんには気の毒ですが、
これこそがりんちゃんの可愛いところの一つだと思っています。

冒頭、淡々と怪談を語るこまちのノリノリっぷりは実に楽しく、
この場面でのココ、ナッツ、ミルクの描かれ方も楽しめます。
お化けヤダヤダ!と泣き喚くココ(小々田先生姿とのギャップが激しすぎます)
平然としているようで、よく見ると耳を塞いでいるナッツ、
そして怖がる周囲を見回して、強気な表情で強がって聞き入るミルク。
今回の本編ではあまり珍獣達が動き回りませんが、
細かいところが生き生きと描かれていたと思います。
それにしても旧校舎に入る前にお化けなんかいる訳無いナツ、などと言っていたナッツですが、
DX2で『お化け怖いナツ~!』と泣いていたのはどこの誰でしょう?

たとえ相手が幽霊であっても、ただ闇雲に怖がるのでは無く、
その想いに触れて相手の気持ちを知り、理解する点がプリキュアらしい展開でした。
最初から相手を恐れてコミュニケーションを拒絶するのではなく、
理解しようと努めれば理解し合う事が出来ると言うメッセージ性を感じられます。
しかしこれをきっかけにりんちゃんの怖がりが直れば良かったのですが、
あいにくとりんちゃんには5GoGo!でも大江戸妖怪物語で
こまちに乗せられて怖がっていただく役が残っていますので・・・(苦笑)

そして、なかなか実らぬりんちゃんの恋心は、
ここでも相手が幽霊と言う事で淡く消え去るのでした。
次のお相手は約一年後、高原でイケメン相手にテニス!なのですが・・・
いつかりんちゃんにもしあわせゲットして頂きたいものです。
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