SSブログ

プリキュア5 第40話『理事長の正体を探れ!』 [Yes!プリキュア5]

前回その実力がほんの少し露になったものの、まだまだ謎多き存在のデスパライア。
ところがのぞみ達のまわりにはもう一人、近しい存在なのに謎に包まれた人物がいます。
それは、サンクルミエール学園の理事長。
生徒はおろか先生すらその姿を見た事が無いにもかかわらず、
学園の問題には即座に対応する手腕を持つ理事長とは一体・・・?
 
サンクルミエール通信最新号は「学園の七不思議」と銘打ち、
増子さんは正体不明の理事長の素顔に迫るべく、総力取材すると息巻いています。
その姿を見た生徒は誰一人としておらず、生徒会長のかれんでさえも会った事が無いという
常識で考えれば少々おかしな事態です。
生徒会長として生徒達の考えを直接会って伝えたいという
かれんの談話も紙面に掲載されていますが、そこは増子さんの紙面らしく
かれんが抱いている僅かな不信感がややクローズアップされていました。
そこに通りかかったおタカさんは理事長にも事情があるのではと皆を諭しますが、
きちんと顔を見て話したいというかれんの意向は変わりません。
普通ならある筈の理事長の写真や肖像画も無く、
うららの芸能活動の相談に乗ったのも教頭でした。
謎に包まれた理事長の正体を知りたいとはしゃぐのぞみを前に、
思わずため息を漏らすおタカさん。
その胸元には、かつて「あの人」が付けていたブローチが輝いています。

その頃ナイトメアでは、ブンビーさんはハデーニャさんの肩を揉みながら
デスパライアの素顔についての話題に興じていました。
ハデーニャさんだけでなく側近のカワリーノすらその素顔を見たことが無いらしく、
というよりもカワリーノは見ようとも思っていないとの事。
デスパライアが素顔を隠す理由について、
ハデーニャさんはあまり姿を晒さないほうが重々しくなると考え、
そしてその姿を見ようとした者は・・・罰を受ける!と突然どアップで振り返り
ブンビーさんと視聴者の度肝を抜き、そしてそのまま高笑いで出撃して行きました。

りんちゃんはいつものランチタイムに遅れてやって来ます。
旧校舎の煉瓦の塀が崩れそうなので見に行っていたとの事ですが、
ただのやじ馬ではなく、旧校舎はりんちゃんとローゼット伯爵の思い出の場所です。
それを突っ込まれてアタフタとするりんちゃんですが、
とはいえ壁が崩れているのは少々危ない事態です。
早く修復して貰わないとと漏らすかれんの許に、この番組のOPとEDを歌う2人組、
もとい2人の女生徒が、紛失届けが出ていた靴が片方だけ裏庭で見つかったと報告に来ました。
それは3日ほど前から盗難ではないかと案じられていた事件で、
後で調べてみると小々田先生、そして生徒会長のかれんですが、
結局みんなで一緒に調べに行く事になりました。
そしてその会話の一部始終は家政婦おタカさんがテーブルを拭きながら聞いていました。

一連の物がなくなる騒ぎの犯人は迷い込んだ子犬の仕業で、
みんなより早くそれを突き止めたのは教頭でした。
みんなは教頭が理事長の指示で木立の間を調べるよう言われた事を知り、
さらに翌朝、例の壁の穴も理事長の指示で早速修復工事が始まった事を知って
その対応の早さと決めの細かさに改めて驚きました。
理事長を知る数少ない人である教頭が「素敵な人」という理事長に
改めて会って見たいと騒ぎ立てるみんなの中で、かれんだけは一人深刻そうです。

夕方のナッツハウスで、無事にあの子犬の飼い主も見つかったという話題で盛り上がる中、
かれんは理事長に直接会って、生徒に気を配っている事にお礼を言いたいと、
何より先日の取材で少し不満めいた事を口にしてしまった事を詫びたいと考えていました。
しかし教師である小々田先生ですら理事長に会った事がありません。(ねーよwww)
それでもここで考えていても始まらず、結局のぞみの音頭で
明日みんなで理事長に会いに行く事が半ば強引に決定しました。

面白半分の4人と3匹を、やや呆れ気味で先導するかれん。
理事長室は教頭室の奥にあり、かれんはまず教頭室をノックしますが、反応がありません。
ノブに触れるとドアは開いており、教頭室は不気味に静まり返っています。
『何かご用?』
不意にその隣の理事長室から声がしました。
かれんは生徒会長の水無月だと名乗り、どうしても理事長に会いたい旨を告げると、
理事長室からはそっけなく招き入れる声がしました。
その声のままに理事長室へと向かうみんなですが・・・
この時誰も気付きませんでした。教頭室の机の影に倒れている2人の存在には・・・

理事長室では、入り口に背を向けて立つ恰幅の良い女性が待ち受けています。
理事長だと名乗るその人物に、かれんはいつも生徒達を気遣っている事のお礼と、
良く理解せずに不満を感じていた事のお詫びを言いに来たと訪問の目的を告げますが、
理事長と名乗る者はその程度の事で私に会おうなんて図々しいと冷たくあしらいました。
その物言いに引いてしまうみんなの中、のぞみはこの人は理事長ではないと直感します。
あんなに学校のために色々してくれる理事長がそんな事言う筈無いとの指摘に、
振り返る相手はバレバレでしたがハデーニャさんでした。
同時に空が暗くなり、学校が廃墟と化すという初代~MHを髣髴とさせる展開になり、
ハデーニャさんが煉瓦の壁に仮面を被せて生み出した
ムカデのコワイナーを前に変身する5人。

今回のコワイナーは大きな図体にもかかわらず素早く、
一部分を砕いてもすぐ再生する等決め手に欠きます。
いつの間にか5人の周りを囲み、徐々に輪を狭め、そして締め付けられる5人。
『理事長だの学校だのつまらない事にこだわるからこんな事になるのさ』
吐き捨てるように言い放つハデーニャさんに対し、
学校や生徒みんなを気遣い、いつも優しく見守ってくれる教頭と理事長、
2人を傷つけるような事は許さないと、ドリームを除く4人が力を込めて
締め付ける輪をほんの少し広げ、その隙にドリームが抜け出します。
反撃開始。ドリームがムカデコワイナーを蹴り飛ばした勢いでみんなも脱し、
アクアトルネードがムカデコワイナーを足止めした後、
クリスタルシュートで撃退します。
撤退するハデーニャさんも、いよいよ立場が危うくなってきました。
ハデーニャさん撤退と同時に、学校も元に戻ります。

教頭室の机の影に倒れていた2人に気がつき、みんなで介抱します。
既に知った顔の教頭はともかく、もう一人の理事長と思しき女性がおタカさんにそっくりで、
その胸元のブローチもおタカさんの物と同じ事に気がつくみんな。
意識を取り戻した理事長に、たまたま通りかかったら妙な物音がしたので、
中に入ったら2人が倒れていたと弁明するかれん。
遅れて意識を取り戻す教頭は、みんながいる事に気がつき
慌てて理事長の正体を誤魔化そうとしますが、
理事長本人が今更隠す事も無いと口を開きました。
隠し事をしていた事を詫び、理事長室へと招きいれる理事長。
のぞみだけは状況を素で理解しておらず、
おタカさんが勝手に理事長室に入っていくと勘違いしていますが・・・
さらに続けて理事長の椅子に座るのを見て再び的外れな事を言っているのぞみに見かねて、
りんちゃんはおタカさんが理事長だと説明すると、
のぞみの驚く声にワンテンポ遅れてうららまでもが驚愕する始末。
(後のミルキィローズの正体の時といい、ちょっとわざとらしいのですが・・・)

何故理事長が売店のおばさんをやっているのかという理由。
それはおタカさんがかつてこの学園の教師を務めていた頃、
生徒達に囲まれ、相談に乗ったりと楽しい毎日を過ごしていたのですが、
理事長に就任した後は、望まずして生徒達から距離が出来てしまいました。
生徒が感じている事を同じように感じ、困っている事や不都合をすぐに聞くために、
おタカさんとして生徒のそばにいる事を選んだと語る理事長に、
かれんはそこまで私達の事を考えていてくれて嬉しいと、
そして考えも知らずに不満めいた事を言ったり無理に会いに来た事を詫びました。
それでもこうして会えた事を喜び、理事長もまたかれんのように
しっかりとした生徒会長がいる事を誇りに思っていました。
そして、とてもいい仲間に恵まれている事も・・・
しかし、おタカさんとしてこれからもみんなの感じている事を一緒に感じたいため、
このことは内緒にするよう、理事長としてではなくおタカさんとしてお願いします。
『よろしくね』
そう言ったた時の仕草や口調はは理事長のものではなく、おタカさんのものでした。

あれだけ調べまわっても一行に理事長の正体が掴めず、途方に暮れる増子さん。
ついうっかりいらん事を言ってしまいそうなのぞみをりんちゃんが慌てて留める中、
かれんは理事長は姿を見せないけど、生徒の事をとても良く考えているし、
これ以上詮索するのは止めようと申し出ます。
次号の特集のネタが無くなってしまい途方に暮れる増子さんの後ろから、
タイミング良く「おタカさん」が新作のパンを披露しました。
これが次号の特集になると喜ぶ増子さん。
『よろしくね』
理事長はいつでもサンクルミエール学園の生徒達の事を、すぐそばで見守っています。


構成員を恐怖で縛り付けるために正体を隠すのか、
生徒達の生の声を聞くために正体を隠すのか。
理事長とデスパライア。正体を隠していた2人の組織のトップである女性ですが、
その考え方やあり方が見事に正反対で、
今回はその構図を非常に解りやすく描いている事を高く評価したいと思います。

生徒はともかく教師でさえも理事長の姿を知らないという状況はやや不自然なのですが、
今回描かれる理事長の人格と理念はなかなか優れています。
本来であれば理事長と言う立場に就任したとしても、
生徒達に分け隔てなく入っていくよう務めるのがあるべき姿かもしれませんが、
現実には中々難しい事でしょう。
私も学生時代に校長や学長と話す事など全く考えられず、
案外同じようなジレンマを抱いていらっしゃる校長や理事長さんも多いと思います。
生徒からも分け隔てなく接してもらうという一つのあり方かもしれません。

一方、ある程度の立場の者はあえて姿を晒さない事で
謎めいた存在である事をアピールする、というハデーニャさんの考えも現実には見受けられます。
そうする事により構成員、民衆を巧みに統率するというのは、
プリキュアシリーズでもデスパライアだけでなく館長、メビウス、デューンなど
後のシリーズに繋がる系譜に繋がりますが、
その最たるものはやはりSSのゴーヤーンでしょう。
巧みに腰巾着のような存在をアピールし、強大な力を隠して時には道化に徹する等、
これがあるために謎めいた強さや恐ろしさが際立っており、
それはこの時点でのデスパライアも同様です。
スイートのメフィストが小物っぽさを漂わせているのは、
このあたりの謎めいた雰囲気に欠けるからかもしれません。

理事長=おタカさんというサプライズだけでなく、
細かいところの描写にも目を惹く点が多々あり、特にりんちゃん好きの私には楽しめました。
ローゼット伯爵の事を持ち出された時の何ともいえない表情の変化や、
紛失事件の犯人の子犬に触りたそうなのを我慢しているような仕草、
そして我慢できずにそっと手を触れる辺りなど、
りんちゃんはやっぱり一番女の子らしいと感じるところがあります。
さらに本当に正体がわかっていなかったのか、
はたまたのぞみに付き合って驚いたのか、理事長の正体を知った時のうららの反応も楽しめ、
一方で理事長の本心を知った時の申し訳無さそうなかれんの表情など、
なかなか繊細な心理が滲み出ているように伺えました。

そして本編OPを担当している工藤真由さんとED担当の宮本佳那子さんの
唐突なゲスト出演もネタとして当時は盛り上がったと記憶しています。
特に工藤さんはハートキャッチでも本人役で出演し、
スイートに至ってはフェアリートーン役を射止める事になりますが、
その初出演が今回だと思うと感慨深いものがありました。

さて、プリキュアファンという正体を隠している私もまた、
これからじっくりと本日届いた「プリキュアぴあ」をむさぼり読む事にします。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アニメ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。