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5GoGo 第44話『届け!みんなのプレゼント!』 [Yes!プリキュア5GoGo!]

プリキュアシリーズにおいては構成スケジュール上、
クリスマスに因んだエピソードが日常話の最後を飾ります。
どのシリーズにおいてもこれまでの総括とも言うべき日常話の集大成となり、
間もなく訪れる最終決戦を前にした決意が込められる事もあって
時に緊張感の高い展開になることが多い中、
今回は「運び屋の大先輩」登場というサプライズにより比較的楽しみやすい一編です。
それでものぞみ達が2年間で何をしてきたのか、そして失われたシロップの記憶と、
アナコンディさんが隠している事実が絡み合う終盤らしい展開が見うけられます。
 
『着るのか?これを・・・』
今日はクリスマスイブ。ナッツハウスもクリスマスセールです。
皆でおそろいのサンタ服を着て準備に当たる中、
ナッツは衣装を手にしたまま、ちょっと派手だと及び腰。
満と薫やキントレスキーでさえ難色を示しながら着たと言うのに・・・(笑)
ともあれ準備は進み、この後クリスマスケーキを買ってパーティだと
楽しげな空気が流れていますが、不意にメルポから手紙と共に
おもちゃを満載した袋が飛び出しました。手紙の差出人は無く、
開いてみるとそれはおもちゃをプレゼントする子どもたちのネームリストです。

その頃、エターナルのアナコンディさんの執務室で、
ムカーディアさんはプリキュアに関する報告書を読み漁っていました。
次いでシロップの報告書に手を伸ばして読み進むうち、
ムカーディアさんはシロップに関する重大な秘密を発見します。
と、その背後にいつの間にかアナコンディさんが現れました。
とっさに変わった乗り物を手に入れたので報告しようとしたと弁明するも、
機密書類を勝手に読んだ事に対してアナコンディさんは厳しく咎めます。
『いくらあなたでも許される事ではありません。目をかけてあげていたのに、残念です』
髪を蠢かせているアナコンディさんの本物の怒りを前に、
怒ると美容に悪いと平静を装いながら精一杯の軽口を叩き、
なんとかその場を立ち去るムカーディアさん。
『館長が自ら動き始めている。早く結着をつけないと・・・』
一人残されたアナコンディさんは、自らに言い聞かせるように人知れず呟きました。

さて、のぞみ達はネームリストと配達物の一覧を見て、
袋の中身のおもちゃを配る必要があると察しました。
いずれも12月24日必着。今日中に配りきらなければなりません。
しかしメルポから出てきた以上、誰かの強い想いが込められていると考え、
お店は小々田先生とナッツ、くるみに任せ、
みんなで手分けして配る事に決定しました。

のぞみは花屋の配達で慣れているりんちゃんとペアを組み、スムーズに配達完了。
その際子どもに「若いおじいさんだね」と言われてしまい、
りんちゃんは何とも言えない表情を浮かべました。
うららは運び屋の本職シロップとペアを組み、こちらも道に詳しいため心強いです。
途中通りかかった公園で、力なくベンチに座るみすぼらしい老人が目に留まりますが、
今はとりあえず配達が先決。子どもにサンタさんだとお礼を言われて、
シロップは恐れ多いと妙に謙遜しています。
そしてこまちとかれんのペアも順調にプレゼントを渡しました。
まだ昼だという子どもの疑問に
『みんなの笑顔が見たくて夜まで待ってられなかったんじゃよ』
ちょっと舌を出しておどけて見せるこまち。何だかんだでそれなりに楽しんでいます。
その頃ナッツハウスも大盛況で、店先に立つ小々田先生とくるみも、
裏で梱包や包装をするナッツも大忙しです。
もっとも、ナッツだけ結局サンタ服を着ていませんが(笑)

真っ先に全て配り終えたうららとシロップは、再び先ほどの老人が目に留まりました。
聞くと配達の途中で仕事道具を失くしてしまい、途方に暮れているとの事。
老人も運び屋だと知って、自分よりベテラン相手にシロップは
大切なものは絶対に手放すな、といういつもの座右を持ち出して説教します。
しかし老人が高熱のために倒れてしまうのを目の当たりにして
うららはキュアモでみんなに連絡を取り、
ミルキィノートを持つくるみがみんなとの中継役を務めて的確に指示を出します。
シロップには老人をナッツハウスへ運ぶ役を、
かれんにはナッツハウスに戻ってもらい、老人の看病を、
のぞみとりんちゃんはそのまま配達を続け、うららはこまちと合流して残りの配達。
これまでに培った連係プレイは、戦闘以外にも如何なく発揮されました。

クリスマスセールは大盛況のうちに終了し、
お客さんが退いた後、さすがの小々田先生とナッツも疲れ気味です。
そのナッツハウスの2階でかれんに看病され、目を覚ました老人は、
ミルキィノートを前にして宅配指令センターのように的確な指示を出すくるみを見て、
自分も仕事道具を見つけて配達しなければと立ち上がります。
しかしまだ安静にするよう老人を制するかれんとシロップ。
そしてシロップは老人が失くした仕事道具、そりを探すべく、一人町に向かいました。

シロップは暮れなずむ町中を探し回りますが、そう簡単には見つかりません。
そして、その単独行動はムカーディアさんにとって格好の標的でした。
『僕は君に大事な用があるんだよ。知りたいのさ。君の過去がね』
行く手を遮るようにシロップの前に立ちはだかります。
疲れ切っていた小々田先生とナッツも気配を感じ、
老人も運び屋の少年に危険が迫っていると警告。
かれんとくるみに、シロップの下へ向かうよう促しました。

『君の過去には何か重要な事実が隠されている』
『重要な事実?』
それを知っているのはアナコンディさんとシロップのみ。
アナコンディさんが館長にさえも隠している事実を知れば、
彼女を蹴落としてエターナルナンバー2の座を掴めると野心を抱き、
シロップにその事実を思い出すよう迫ります。
後ずさりするシロップ。丁度そこに6人が駆けつけました。
ムカーディアさんは邪魔をするなとそりを出現させてホシイナー化。
冒頭手に入れた「変わった乗り物」とはこのそりの事で、
老人の持ち物を奪ったのもどうやらムカーディアさんの仕業のようです。
ホシイナーを前に変身する6人。

直後、シロップに詰め寄るムカーディアさん。
みんながシロップを助けに向かおうとしますが、都度ホシイナーが行く手を阻みます。
『お前はかつて、エターナルに来ていたな?』
確かにシロップは運び屋としてエターナルで働いていた事もありました。
しかし、ムカーディアさんが関心を持っているのは、さらにその前の事です。
失われた事実を思い出す度に、シロップを襲う頭痛。
その中で、少しずつ失われた記憶の断片が形を取り始めました。
"手紙" "館長宛" "フローラ" 「フローラから館長への手紙」・・・
耐えきれずに頭を抱えてうずくまるシロップを、さらに煽るムカーディアさん。
その間にローズがホシイナーを強烈なかかと落としで沈め、
ホシイナーを掻い潜って5人が次々とムカーディアさんに攻撃を畳み掛けます。
『お前だって記憶を取り戻したい、そう思っているんだろう?』
居直ってホシイナーをけしかけるムカーディアさんに、
ドリームは無理やり思い出す事は無いと反発。
そしてフルーレを召喚し、レインボーローズエクスプロージョンによって
ホシイナーは無事に元のそりへと戻りました。

そして、エターナル。
アナコンディさんの執務室を、その手に握られた一通の手紙を雷光が照らします。
『館長宛の・・・手紙』
固く蝋封された手紙を見つめるアナコンディさんは、何を思うのか・・・

ナッツハウスに雪が降り始めます。
そりは無事に持ち主の老人の元へと戻りました。
配達の途中で何者かに襲われてそりから転落し、木に引っ掛かった際に上着が破れ
寒空の下に薄着で放り出されたために風邪をひいてしまったとこれまでの顛末を語り、
すっかり元気になった老人はみんなにお礼を言います。
その正体に気づいて、シロップは途端に神妙になりました。
『まさか爺さん、じゃなくてあなた様は本物の・・・』
尊敬する運び屋の大先輩に偉そうな事を言ったと焦るも、
老人はシロップが無くしたものはみんなと一緒なら必ず見つかると励ましました。
そして老人は気を取り直し、配達へと出発。
また風邪をひかないようナッツが手渡した衣装を纏い、
迎えのトナカイが引くそりに乗る姿で、もうその正体は決定的です。
『凄い!まるでサンタさんみたいだね』
『だからサンタさんなんだって・・・』
『本物!?ええーーーっ!?』『ええーーっ!?』
毎度のことながら、のぞみと一緒にうららも驚くお約束のやり取りを見下ろしつつ、
老人、いやサンタクロースは雪空へと飛び去って行きました。
サンタクロースを見送った後、この騒動でケーキを買うのを忘れていた事に気づき、
再びけたたましい声をあげるのぞみ。
丁度その時、メルポを通じてプレゼントが届きました。
その中身はサンタクロースからのプレゼント、クリスマスケーキ。
これから楽しいクリスマスパーティーが始まります。


前作のようなココとの別れを予感させる重い内容でもなく、
次作フレッシュのような最終決戦への決意を強く打ち出す内容でもなく、
ある意味今回は独特の展開と言えるでしょう。
ナッツハウスのクリスマスセールからはSSに通じる部分もありますが、
実際にクリスマスセールに精を出すのはのぞみ達ではなく
ココ、ナッツ、ミルク(いずれも人間姿)という点が異なりますし、
のぞみ達の誰にもメインとなるドラマが与えられていないのが特徴的です。
というよりも、今回のメインは6人全員と言えるでしょう。

頼まれたわけでもなくおもちゃを配り始めるのぞみに対し、
誰も不審を抱いたり不満を持ったりする事はありません。
前回言及された「木」と「森」の関係そのままというか、
時に適材適所、皆の持ち味を巧みに活かし、どこかで困っている誰かが
メルポを通じて送ったメッセージに応えるべく走り回る姿は
彼女たちがこの2年で築き上げた関係の総括と言うべきものが見受けられました。
その中にも派手な衣装を着る事に抵抗があるナッツ、
おじいさん呼ばわりされるりんちゃん、妙にノリの良いこまちと、
随所に思わず楽しくなるような小ネタが挟み込まれて、
クリスマスならではの愉しさが感じられます。
もっとも、ナッツの体型とサンタクロースの老人の体型があまりに異なるのに
すんなり着こなせるという突っ込みどころもありますが(笑)
そして欲を言えば、SSにおけるパンパカパン看板娘の5人のように、
のぞみ達のサンタ服もスカートだったら良かったのですが・・・

誰かが困っているから無償で走り回り、奮闘するのぞみ達に対し、
エターナル側からはそれぞれの思惑や打算が渦巻く姿が伺え、対称的です。
館長のためではなく、明らかに自分の利のために手紙を隠し、
事実をひた隠しにするアナコンディさん。
自らの立場が危うくなった事を危惧し、
掴んだ情報を手に一気に逆転出世を企てるムカーディアさん。
2人の行動や考えこそが人間らしいと言えるかもしれません。
人間は生きている以上、欲を持って当然です。
しかし、それを超えた無償の善意には気高い尊さがあります。
世の中全てに於いて、無償こそ至上と言い切るつもりはありませんが、
このギスギスした世の中にあって、のぞみ達の団結ぶりと行動力は
見ていて素直に胸が躍るような爽快感がありました。
それにしてもムカーディアさんというより百井さんに、
単身蹴りつけるルージュは、乙女心を弄ばれた恨みが込められていたのでしょうか?
もはや躊躇いもせず次々に攻撃を仕掛けるプリキュア5人には恐れ入りました(苦笑)

そんな彼女たちの日常を描いた作品は今回で終わります。
今回片鱗が見えたシロップの失われた記憶と、
アナコンディさんがひた隠しにする事実、そしてキュアローズガーデンの扉。
これらが絡み合い、のぞみ達の物語は最後の佳境へと進みます。
再見を始めた頃には長く感じられた、5からの物語の結末が見え、
今回の楽しげな雰囲気に反比例し、今更ながら寂しさを覚えた次第です。
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