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スイートプリキュア第35話『ジャキーン!遂にミューズが仮面をとったニャ!』 [スイートプリキュア♪]

スイートプリキュアの物語の上で最大の謎、
キュアミューズの正体が遂に明らかになる日が来ました。
守りたいものとは皆の幸せか、近しいかけがえのない者か、
天秤にかける事のできない苦悩に悩む彼女が導き出した答え。
満を持して仮面を外す理由づけに相応しく、
戦う理由そして父と娘の関係について、一つの答えともいえる一編です。
  
前回のミューズの行動と、音符が奪われた事が気がかりで
響の部屋に集まる皆の表情は暗く、強風が窓を揺らします。
エレンはミューズの行動には事情があるのではないかと、
かつての自分を例に挙げますが、ミューズは操られているようには見えません。
何か別の理由があるのではないかと推察しました。

『ミューズがメフィストを守りたい気持ちは分かるドド。
 でもこのままじゃ他のプリキュアはミューズを敵だと思うドド。
 それでもいいドド?もう正直に全てを話したほうがいいドド』
暗い空の下、ドドリーの忠告を聞くミューズ。
仮面の下の瞳は、苦悩の色を隠しきれません。

場面は変わってメイジャーランド。
自ら人間界へ赴こうとするアフロディテを引き留めるのは、なんと音吉さんです。
なぜあなたがここに?と思う我々を他所に、
アフロディテは当然のように音吉さんと言葉を交わします。
ミューズはプリキュアとしての使命を忘れていると指摘し、
これ以上悩ませるわけには行かないと言うアフロディテを、
音吉さんはプリキュアを信じて任せるべきだと止めました。
そしてマイナーランドでは、前回入手した音符を伝説の楽譜へ転写し、
遂に不幸のメロディ完成、と思いきや、まだ音符が足りません。
メフィストはトリオ・ザ・マイナー達を怒鳴りつけ、音符探しへと向かわせました。

再び、響の部屋。
目を覚ましたクレッシェンドトーンに、響達は問います。
ミューズの真意、そして彼女が再びメフィストを庇うなら、
私達はミューズとも戦わなければならないのか・・・?
クレッシェンドトーンはその問いには答えず、逆に響たちにどう思うか問い返します。
『私は、プリキュア同士で戦うなんて絶対に嫌です!』
即答する響に、クレッシェンドトーンはプリキュアは何のために戦っているのか考え、
そして答えは自分達だけで出すよう諭しました。

調べの館のオルガンを前にした音吉さんは、何かの気配を察しました。
物陰から出てきたドドリーに、言い含めるように語りかけます。
『誰にだって守りたい人はおるじゃろう?その人を守るためならどんな犠牲も払う。
 例えそのせいで、一緒に戦うべき仲間を失ったとしても』
その上で、本当に守るとはどういう事なのか、それとなく念を押します。
『どうすればその人を本当に守る事が出来るのか。
 その答えは自分自身で探すしかないんじゃ』
そうドドリーに、否、物陰に潜むミューズに向けて言い含めました。

さて、音符を求めて出動したマイナー達はと言えば、
音符の匂いを嗅ぎ取るどころか、たこ焼きの匂いにつられる始末。
駄目だこいつら・・・早く何とかしないと・・・
『こんなところをメフィスト様に見られたら』
一応バスドラだけは多少自重してバリトン、ファルセットを諌めようとしますが、
『もう見ておるわ!』
既にメフィスト本人が立ちふさがり、3人を睨みつけています。
音符が全く集まっていない事に怒りを露にして、
彼らには楽譜の見張りを命じて追い返すメフィスト。
町中に目を凝らし、からくり時計に潜む音符を見つけ出してネガトーンと化しました。

街の人々を悲しみの音波が襲い、町中に潜む音符がネガトーンに引き寄せられ、
その度にネガトーンの身体が大きくなり、さらなる凶悪な音波が街を襲う。
恐ろしい悪循環をもたらしたメフィストの高笑いが響く中、
ミューズは苦しむ人々の姿を目の当たりにしました。
先日メフィストを助けたがために、人々が苦しむ羽目になっている、
これがミューズの望んでいた事なのかとドドリーに問い詰められ、
ミューズは瞳を苦悩に滲ませ、拳を固く握りしめます。
メフィストを本当に守るにはどうするかを決めるのはミューズだと説くドドリー。
しかし、ミューズは動けません。子供の泣き叫ぶ声が、突き刺さります。

ようやく現場に駆けつけた響達は、ネガトーンと共にメフィストがいるのを見て、
もしもミューズがメフィストを庇うような事があればどうするか、一瞬躊躇します。
『それでもネガトーンは倒さなきゃ』
しかし、響の言葉に顔を見合わせ、自分達の力でみんなを守るべく変身。

プリキュアを追い込んでいくと思いきや、反撃に遭うネガトーンを、
メフィストは手ぬるいと一蹴。更なる悪の心を送り込んで強化します。
その様を見て、ビートはかつてセイレーンだった頃、
ハミィを想う心を取り戻しかけた際に、ヘッドホンから鳴り響く悪のノイズによって
心を悪に染められた事
を思い出しました。
そのヘッドフォンがメフィストの耳にも付いているという事は・・・?
メロディはメフィストも何者かに操られているのではないかと気づきました。
メフィストを操る更なる悪こそが本当の敵であり、
ミューズはその事を知っていたとすれば・・・
「私は誰の味方でも無い」「私はまだ仲間にはなれない」
これまでの発言の意味を知り、悪に操られているメフィストと戦うべきか、
ずっと苦しんでいたのかもしれないと、ミューズの心境を想う3人。

ミューズは未だ、ネガトーンに追い込まれて行くメロディ達を
見下ろす事しかできません。
しかし、路地裏に逃げ込んだ3人の、特にメロディの発言を聞いて息を飲みました。
『私はメフィストと戦うわけじゃない。私達はメフィストを操る悪の心と戦うの。
 プリキュアが何のために戦っているのか。私は、全ての人の幸せを守るためだと思う』
メフィストが相手であっても、彼を操る悪の心と戦う事が
メフィストの幸せを守る事になると言うメロディに、リズムもビートも同意します。
身を潜めていた路地から飛び出し、ネガトーンの前へと躍り出て、
スイートセッションアンサンブルを放ちネガトーンを撃退しました。

無事に音符も回収し、喜ぶハミィ。しかし無警戒が仇となり、
その背後に忍び寄るメフィストにあっさりと音符を奪い取られます。
さらにメフィストは奪った音符をもとに、自らをネガトーンへと化しました。
操られているメフィスト本人と戦う事に若干躊躇するも、
悪の心を打ち消せば元に戻る筈だと戦う意思を固める3人。
しかし流石はマイナーランドの王を名乗るだけあります。
ネガトーン化によってパワーアップした拳はビートバリアを簡単に打ち破り、
無数の光弾がプリキュア達を襲います。
3人を追い込み、高笑いするメフィスト。そして、見下ろすミューズ。
それでも決して3人は逃げません。
『正々堂々と戦って、悪の心を打ち消してみせる!!』

メロディの言葉に、ミューズは息を飲むと同時に思わず声が漏れました。
3人にメフィストの拳の一撃が、今振るわれようとしています。
その時、プリキュア達の前にミューズが立ちはだかりました。
前回とは逆の構図に、拳を寸止めするメフィスト。
そしてミューズが遂に自分の言葉を放つ時が来ました。

『もうやめて、パパ!』
切実な訴えを聞いて、はっとするメフィスト、
メフィストとミューズが父娘だという事実に愕然とするメロディ達。
厚い雲の合間から差し込む陽の光の下、
ミューズは仮面と黒い衣装を脱ぎ捨てました。
その下から現れるのは今までのクールな姿と裏腹に、黄色を基調とした小柄で愛らしい姿。
その見覚えのある顔に皆が息を飲む中、メフィストの口から意外な名前が出ました。
『お前は・・・アコ・・・?』

『パパ、もう目を覚まして。これ以上パパに悪いことをして欲しくないの!
 お願い!優しかったあの頃のパパに戻って』
切々に訴える声に、次第にメフィストの表情に戸惑いが生まれます。
『私は例え悪に操られているパパでも守りたかった。
 でも、みんなが大切な事を教えてくれたの。
 私がパパを守りたいと思うなら、パパを操る悪の心とも戦わなければならない。
 例えそれが、どんな辛い戦いになっても、乗り越えなければならない・・・』
瞳に涙を浮かべながら、ミューズは父に向かって構えを取ります。
悲しくも美しい、凛とした表情で―
『それが、パパを本当に守ると言うことだから』

『アコ・・・』
そこにいるのはマイナーランドの王メフィストではなく、紛れもない父親の姿でした。
ところが娘に手を差し伸べようとした矢先、メフィストを容赦なく悪のノイズが襲います。
『来るな!来てはならん!』
苦しむ父に駆け寄ろうとする娘を制し、空の彼方へと連れ去られるメフィスト。
父を引き止められなかったミューズ、ミューズの苦しみを理解したメロディたち。
厚い雲から覗く光は輝きを増すものの、彼女たちの心は晴れません。


罪を憎んで人を憎まず。
プリキュアシリーズに於いて、この言葉はラブがイース様と決着をつける際
迷いを吹っ切るものとして効果的に用いられていました。
今回、まさにこの言葉がふさわしく思われます。
憎むべきはメフィストという人物そのものでなく、メフィストを操る者という点も、
音楽の善悪は長調や短調などではなく、奏でる者によって変わってくるという
この作品らしい切り口だと感じました。
アクション面がやや物足りない気がしたものの、
伏線を巧みに解消する事でストーリーを彩り、
かつ戦う意味を考えさせる良作だったと思います。

音楽だけでなく、このシリーズでは響と団パパによる「父と娘」が鍵になっており、
それが今回にも十分に活用されています。
ミューズが正体を隠していたのはストーリー上の都合というのも大きいですが、
父と正面から向かい合えていない事を暗に示しているように思えます。
メフィストの所業に胸を痛めつつも、これまでは仮面を通じて目を背けており、
仮面を脱ぎ捨てる事で初めて父と正面から向かい合えたような気がしました。
何より今回、きっかけになるのが響=メロディの言葉の数々というのが大きいです。
つい2週前まで父と向き合う事ができなかった響が、
迷うことなく「正々堂々と」ぶつかる事を宣言する。
何にでも真っ直ぐ正直に向き合う事が出来るように成長した証とも取れました。
ただ、メフィストが操られている事を推察するのはリズムの役目でも良さそうですが・・・
明晰な頭脳という設定が、あまり活きていないのが少々残念な気もします。

音吉さん、クレッシェンドトーンの発言では、
大人が子供の事に口を出しすぎず、それでいて突き放す事も無く、
最低限の助言を与えて考えさせるという姿勢が好印象でした。
その一方、アフロディテ自らが赴こうとする際の描写は
過剰に干渉している大人を皮肉っているようで、
さらにミューズの事をプリキュアの使命を忘れたなどと評する等、
実は彼女は何も解っていないのではないかと妙な事を感じさせます。
果たしてこの人は本当に善玉なのか、イマイチ疑わしいのですが・・・
元のメフィストが良い人となると、メフィスト=ザラストロ、アフロディテ=夜の女王と、
ますますモーツァルトの「魔笛」がダブって見えます。

さて、そのメフィストは普段がひょうきんなおじさんであるがために、
敵の頭目であっても今一つ貫録に欠けていました。
ところが今回のミューズを前にした表情や、
悪のノイズに苦しみながらも娘を近づけようとしなかった姿からは、
素の性格は高潔な人物であり、良き父である事が伺えます。
これまでの情けない姿が目に付くだけに、
かえって今回のミューズを前にして以降の表情や仕草が際立っていました。
もっとも、予告の「きれいなメフィスト」には吹いてしまいましたが(苦笑)
また、これまでは近しい人であっても、
初代の支倉であったり、5シリーズの増子さんであったり、
フレッシュの大輔達ハートキャッチのもも姉やさつきお兄様達など、
変身後の姿を見て正体を見抜く事はほとんどありませんでした。
例外は正気に返った折、ムーンライトを「ゆり」と呼んだ月影博士くらいでしょうか。
その点、ミューズを即座に「アコ」と呼んだメフィストと通じます。

父が敵だったと言う点でも昨年の月影博士=サバークに通じるものの
その事情を知っているミューズと、知らないムーンライトという点が異なります。
事情を知らずに不倶戴天の敵として相対する事も悲劇ではありますが、
事情を知りながらこれまで沈黙せざるを得ず、
全てを一人で背負いこんでいたミューズの心痛は計り知れません。
さらに歴代最年少となる小学生ということもあり、多少生意気であっても
いたいけな子供がこんなに重いものを背負って生きてきたのかと思うと、
これから先の展開で子供らしく、生き生きとしたアコの姿を見たいものです。

とはいえ、仮面と衣装を脱ぎ捨てると同時に明らかに背が縮んでいたり、
あの脱ぎ方でズボンまで脱げるのかといった点であったり、
あのスタイルの良さはいったいどこへ?と思ってしまったり、
突っ込みどころもありますが、そこは流して、見なかった事にします(笑)
次回予告のあまりに可愛らしい姿もインパクト抜群で、
レモネード→パイン→サンシャインと続いてきた黄色の特権?とも言える
変身バンクと技バンクに、大いに期待したいものです。
また指を弾いてラブギターロッドを出すビートがカッコ良かったのですが、
あっさりバリアを破られてしまい、プリキュアにおけるバリアとはルミナスを除き、
破られるためにあるという伝統(笑)もしっかり感じました。

また今作におけるプリキュアの技について、
相手が操られている者だと知っており、それを取り戻すために放つと悪の心だけを倒す。
ただし取り戻すためではなく、倒すために放つと
相手を完全に倒してしまう技なのではないかと思いました。
フィナーレ!の後の爆発など殺傷力が高そうなのに
元の素体に影響を及ぼしていないのは、こういった事情があるように感じます。
その点、前回あのままメフィストに突っ込んでいたら
本当に倒してしまっていたのではないでしょうか。
そうすると前回殺る気マンマンに見えたクレッシェンドトーン(笑)や、
テストの答案を破壊しなかった事が疑問になってはしまいますが、
ふと、そんな気がしました。

ところで、セイレーンもメフィストもヘッドホンで性格まで変わっているのに、
マイナー達は性格が変わっていない事が少し気になりました。
音符集めの仕事も出来ず、登場したと思えば食べる事ばかり、
そんな姿に成り下がったトリオ・ザ・マイナーですが、
前回のメフィスト呼び捨てに続いて、
果たしてメフィストの配下なのかという疑問が再び沸いてきました。
未だ明らかになっていない謎解きと共に、今後の展開が楽しみです。
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幸下人

スティクスさん、こんにちは。幸下人です。

気分スッキリ、久々に枕を高くして眠れそうです。

ミューズの等身がアコのままだったので。

仮面ミューズから黄色ミューズに二段変身するものと思いきや、黄色ミューズに変身後、怪傑ズバットのギターの中よろしく仮面とスーツどこかから引っ張り出して人目につかないところでせっせこ重ね着するアコのいたいけな姿を想像しただけで今日はいい夢が見られそうです。

変身後も背丈はそのままなのは、単にスーツのひざ下が上げ底だったということで説明がつきますね。前回竹馬に乗っていたのも、もしかしたらヒントだったのかもしれません。

ミューズはアコでもよかったのですが、とにかく等身変化は避けてほしかったので、本当にスタッフに感謝しています。

トリオザマイナー、今回はストーリー後半のシリアス展開とのバランスで前半の道化に徹したと解釈しています。このままのキャラで終わってしまっては、仮にも1年間悪役を張った甲斐がありませんからね。

アコミューズ登場でプリキュアに新たな成人男性ファン層が出現しちゃうんでしょうか・・・?

次回予告の笑顔のラストカット1枚だけで、100万人は虜にしましたね。

エンディング、いつ変更されるのでしょう。ハミィが一回転する「テン・ケ・テン・テン・テン」のカットが、そのままミューズに差し替わるなら、プリキュア史上「最萌」ほぼ確定では・・・・。

期待膨らんで、やっぱり今夜は眠れそうにありません。


by 幸下人 (2011-10-16 22:02) 

龍

こんばんは。今回はかなり長くなりますので、前半は軽く受け流してもかまいません。

まずは、前作「ハートキャッチ」のボス・デューンについてです。これは尺の都合でアニメ本編で語られていない設定なのですが、「なかよし」で連載された漫画版ではその生い立ちと憎悪の発端が本人の口から語られました。場面は、サバークを始末した直後です。

そもそも砂漠の使徒とは、故郷の惑星を失い、1000年以上も宇宙をさすらい続けた流浪の民。その生き残りこそデューンでした。長きに渡って定住の地を探し求めていた彼は400年前、ついに地球を見つけます。「地球を砂漠化すれば、自分達に最も適した環境になる」と気付いた彼は、幹部を送り込んで行動を起こします。

しかし、これに危機感を抱いたのが「こころの大樹」でした。地球の環境を大きく変え、やがてはそこにいる生物達を滅ぼしかねないと考えた大樹は、プリキュアを遣わしてデューンの前に立ちはだかります。以後、キュアアンジェとサラマンダー男爵の対決から400年間、プリキュアと砂漠の使徒との闘いは現代まで続いたのです。

デューンの憎悪の源、それは、自分達の都合も考えずにただ拒絶し続けるこころの大樹と、まるで見せつけるかのように定住の地でのうのうと暮らしている地球の生物達に向けられたものでした。そして、「自分の行動は種の存続を目的とした当然のものである」と主張し、「自らを守るために月影博士の娘を闘いに巻き込んだこころの大樹と違いはない」と言い放ったのでした。

閑話休題、スイート本編に入ります。ミューズの正体は、かねてからの予想どおりでした。メフィストとの関係も、音吉さんとアコちゃんの眼鏡のフレームにヘ音記号がついていたので、もしかしてと考えていました。身長が違ったのは底上げ靴だったんですね。確かに腕と脚のバランスが悪い気がしなくもなかったですが。それにしても、結構ボリュームありましたが、以外と柔軟に折りたためるんですね、あの衣装(苦笑)。

33話でのミューズの複雑な表情は、やはり北条親子に自分とメフィストを重ねていたんですね。まだ小学生なのに、こんな重い運命を背負わなければならないとは。響が出した答えは、完璧な正解ではないでしょう。そんなものはありません。でも、物語開始時点での彼女達では決してたどり着けなかった答えですし、それこそが彼女達の成長の証です。そして、その答えがアコの心を動かした。いままで半年近く積み重ねてきたものが、また一つ結実した瞬間だったと思います。

「戦うこと」の意味、「本当に何かを守る」ということ、「罪を憎んで人を憎まず」、「憎しみではなく愛で」・・・全て過去のシリーズで問われたものと繋がってきます。こういうことを損得勘定なしにストレートにぶつけてくるのがいいですね。世界観もテーマもそれぞれ違うけれど、全てが繋がっている、そんなプリキュアシリーズが私は大好きです。

さて、29話でほのめかされた黒幕の存在が改めて示唆されました。目的は、もしかしたら音楽そのものの消滅かもしれませんが、現時点ではまだわかりません。だとしても、メフィストやセイレーンを利用してまで遂行しようとするその理由は何なのでしょう? 一連の行為は許されるものではないにしろ、向こうには向こうなりの道理があるように思えてなりません。何がそうさせたのか。

最初のデューンの境遇を引用したのは、ここに注目したからです。今までの敵の言い分も、一見筋が通っているように見えるものばかりでした。しかし、館長の「価値」は何らかの形で生み出されたものばかりなのに、その源であるはずの「種」を否定しました。「管理された世界なら悲しみも不幸もない」というメビウスも、そのために幸せを奪い、不幸を生み出しました。デューンも憎悪に捉われるあまりに、ミラージュに映るまで、戦慄するほど変わり果てた自分に気付けませんでした。その穴を、矛盾をどう突いてくるのかが楽しみです。

そのためにも、まずはメフィストを救わなければなりません。2004年にたった2人の少女から始まった物語は、7、8年もの間にここまで壮大な1つの「組曲」になりました。もちろん、まだまだ完成などしていません。先輩達から受け継がれてきたプリキュアの真価、見せてもらいましょう。
by 龍 (2011-10-16 23:36) 

やまぴょん

結局、仮面ミューズ=アコ=黄色のプリキュアということになりましたが、

> 仮面と衣装を脱ぎ捨てると同時に明らかに背が縮んでいたり、

もそうですし、視聴者に対して正体を隠すために
あちこちで歪みができてしまった印象が拭えないのですが、

> そこは流して、見なかった事にします(笑)

と考えるしかないようですね。きっと。(苦笑)
(ちなみに、背やスタイルの変化にはもちろん家族全員で
ツッコミ入れてました。(笑))

ですので、その点は忘れることにして、
ミューズが仮面をつけていた理由、はずすタイミング、
プリキュアが戦う意味、など、実に納得のいくものでした。
このところのミューズ=アコの苦悩や、
当初からこれまでのアコの態度も何となく納得がいきます。

あ、蛇足ですが、
私のこのところの批判は、仮面そのものではなく、
ミューズの正体を隠すために体形・性格ともに
わざと年上に描いていた点です。
(と、忘れると言ってたのに話を戻しているし…(汗))
どうせ隠すなら、
奏太の友達の小学生女子をもっと出すとかしても良かったような…
って、大きなお友達に喜ばれそう。(笑)
(一方で、奏太は目の敵にされそう。(苦笑))

音吉さんやクレッシェンドトーンからの助言が
これまでのプリキュアに出てくる大人と同様、
押し付けではないけど、突き放してもいない点も非常に好感がもてます。

一方、アフロディテについては、何となくの印象ですが、
メフィストがマイナー側に行ってしまった理由に、
精神的なところで何か関係しているのではないかという気がしています。
アフロディテとメフィストの間に何かすれ違いがある、みたいな。
しかも、予想じみた言い方になってしまいますが、
実はアコがアフロディテとメフィストの子供で、
プリキュアの使命と口では言っているけど、
母親としてのそれに近いような感じを受けました。

実際、メイジャーに音吉さんが登場して、諫めているところ、
前話のアフロディテがミューズの正体に気がついた際の表情を見ると、
アフロディテとメフィストとアコの間につながりがありそうに感じます。
(あ、まだ音吉さん=アコの祖父って一言も語られてないですね。(汗))

事実のほどはともかく、今回の話にしても、
第1話のメフィストを見下しているようなアフロディテの態度にしても、
アフロディテが100%の善ではなさそうなのは、私も感じます。
なので、アコ=ミューズが本来のメフィスト=父を取り戻すだけでなく、
メフィストとアフロディテの関係の修復、もしくは、
アフロディテが変わることも必要あるのではないかと感じました。

まだ本当の敵(ラスボス)は分かっていませんが、
いよいよ終盤という感じで、どのような結末を迎えるのか
今から楽しみです。
by やまぴょん (2011-10-17 17:26) 

スティクス

>幸下人さん
早速のコメントありがとうございます。
私もこれまでの追加戦士達の初登場回の例に漏れず、
1日を経ても未だ興奮冷めやらず、といった感があります。

>快傑ズバット
懐かしい(笑)。そのうちマイナー達に何かをやらせて褒めた後、
日本じゃ二番目だなどと扱き下ろす姿が思い浮かびました。
頭身が変わらない事に関して、私としては昨年のいつきの長髪化のように
身長やスタイルが変わるのもアリかと思っていたのですが、
幸下人さんのご意見を見て考えを改めました。
あの幼い姿だからこそ、これまでのクールな雰囲気とのギャップが楽しめ、
私も良い夢が見られそうです(笑)

>次回予告の笑顔のラストカット1枚だけで、100万人は虜にしましたね。
ええ、私もどうやらその100万分の1となったようです(笑)
てゆーかてゆーかてゆーか、マジでマジでマジであれは反則ですよね。
思わず志穂が憑依する程魅せられました。

あとはマイナー達の今後の立ち位置と、
EDの差し替えがあるのか、こちらも気になります。
EDについては今のハミィ版も独特の愛嬌があって好きなのですが、
やっぱりミューズが画面狭しと踊る様を想像すると期待が高まりますね。
by スティクス (2011-10-17 22:38) 

スティクス

>龍さん
「なかよし」版はノーチェックだったのですが、
このようなストーリーが展開されていたのですね。
今更ながらハートキャッチの解釈が大きく変わりそうです。
デューンそして砂漠の使途は、まるでバルタン星人ではないか!
大人になってから抱いた、バルタン星人に対する同情の念が、
このような形で再燃するとは思いもよりませんでした。

さて、ミューズについては、やっぱり皆様、
あの衣装とスタイルの変化が気になるようで、という私もそうですが(笑)
ご指摘の通り、響の言葉に動かされるミューズという点に
私も心惹かれました。
本当にシリーズ開始当初の響と奏はとにかく危なっかしく、
色んな意味でハラハラさせられたものです。
だからこそ、彼女達の成長を喜ぶ心境と共に
ミューズの転機という劇的な構成が重なって、
まさに感無量といった感がありました。
完璧な答えは無く、完璧な人などいませんが
(美希は完璧であるよう心掛ける事で自らを律していると考えています)
それでも、ひたむきに、青くても、真摯に生きる少女達の姿に
私も初代以来、このように虜にさせられています。

>敵の言い分も、一見筋が通っているように見えるものばかり
スイートで気になるのはこれかもしれません。
メフィストが傀儡である以上、その上に立つ者の目的は何なのか。
音楽の消滅というものであれば、静かな世界を望むという
ゴーヤーンのような目的なのか、それとも・・・?
いずれにせよ、脈々と受け継がれてきた組曲のコーダ、
そしてフィナーレが楽しみでもあり、
この物語のラストが見えてきた事に寂しさを覚えます。
by スティクス (2011-10-17 23:11) 

スティクス

>やまぴょんさん
ミューズが正体を現した際の描写に
ご家族で突っ込みを入れていらっしゃる姿が目に浮かぶようです(笑)
突っ込んだら負けというか、野暮といえるような程の開き直り?に
ある意味清々しさすら感じた次第です。
ただ、それを差し置いて仮面を外すに至る理由や、
これまでのアコの態度・振る舞いの数々に納得が行く様な構成は見事でした。

>奏太の友達の小学生女子
女子に限らず、奏太以外の同級生が登場していない事が、
何か意味があったりするのかもしれないと考えた時期もありました。
満と薫のように不思議な力で入り込み、
いなくなった途端に存在そのものが無かった事にされている。
アコも実は奏太にしか見えていない、知られていない子だったりとか・・・?
などとシックス・センスのような妄想を抱いた事があります。
流石にそれは無いと思いますが(苦笑)
小学校の描写があっても良かったかもしれませんね。

>アフロディテ
第1話でのメフィストに対する態度や、これまでの描かれ方で
不審なものが見受けられますが、これはアフロディテを怪しく描くという
ミスリードなのか、それとも本当に怪しいのか、
未だに判断が付きにくいところです。
案外人の痛みに鈍感そうにも見受けられるので、
メフィストに対して意図せず冷たい態度をとったとか、
この2人の関係についても気になりますね。
十中八九音吉さん、アフロディテ、メフィスト、アコは身内だと思いますが、
これが公式でどのように明らかになるのかも注目したいです。

私は独り者ですので、父と娘のエピソードに関して
父の視点から見る事ができません。
もし、今後父となる時にはこれらのストーリーで感じた事が
活かされれば良いのですが・・・
by スティクス (2011-10-17 23:30) 

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