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花の都で聖地巡礼・・・ですか?(モン・サン・ミッシェルその1) [プリキュアにちなんだ旅]

プリキュア映画の舞台というだけでなく、
以前から行ってみたいと思っていたモン・サン・ミッシェル。
せっかくなら日帰り観光ツアーではなくじっくりと滞在したかったので、
TGVと路線バスを乗り継ぎ、パリから1泊2日の日程で訪れました。
実は結構「鉄」でもある私、TGV初乗車も楽しみです。
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パリ・モンパルナス駅を09:05発、TGVでレンヌに向かい、
そこから路線バスに乗り換えて12:50着、4時間弱の行程です。
ちなみにTGVに限らずヨーロッパの鉄道座席は回転・リクライニングしないものが多く
今回の私の席は進行方向後ろ向きの通路側、そして窓側が壁、という席でした(泣)
さて、いつ発車したか気が付かないほど静かに、滑らかに発車し、
しばらく慣らし運転のように走っていたと思いきや、
気が付いたら猛スピードで突っ走っていました。
ただ窓の外は霧がかかっていた事と
前述の座席位置と相俟って景色はあまり望めません。
また走行音は大変静かなのですが、トンネルに入った時の「耳ツン」と
カーブを曲がる際の遠心力は新幹線よりキツい気がします。

なおTGVに限らず、フランス国鉄の駅・車内で放送前に鳴るチャイムは
初代からのプリキュアファンなら反応してしまいそうなものです。
というのも初代シリーズ第26話、ならびに第46話で流れる名曲
「SHINING STAR」の歌い出しの3つの音と全く同じで、
その都度あの曲が脳内再生されてしまいました。

TGVに揺られる事約2時間。レンヌへ到着し、ここからバスへ乗り換えます。
ところがこのバス乗り場が分かり辛く、駅前バスターミナルではなく
駅を出て右側にあるレンタカー屋の裏手にあるバスターミナルからの発着で、
駅前のどこにも案内が無く、見過ごすところでした。
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ともあれ、何とか出発に間に合いここから1時間半、バスの旅が続きます。
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このような大地がどこまでも続く車窓に、時折小さな町が見える程度。
フランスの広さを実感する一方で、途中通過した
「Boucey」という村の名前に反応してしまうのがプリキュアファンの性というべきか、
フランス語読みなら「ブスィ」だと思われますが、「ブッキー」としか読めなくなりました(笑)

そしてついに、この地に降り立ちました。
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バスを降りたら、そこはもうモン・サン・ミッシェルの真ん前です。
車窓の反対側に座っていたため、徐々に近づいてくる遠景が望めなかったのが
少々心残りですが、この荘厳な佇まいには圧倒されるばかり。
チェックイン時間前のため、とりあえずホテルへ荷物を預けた後
まずは島へと通じる道を歩いて戻り、島の全景を撮ってみました。
DSCF0229.jpg
そして島内へ戻り、修道院へと向かいました。
ちなみに全景を見ての通り、とにかく坂や階段を沢山登りますので、
本当に歩きやすい靴でないと辛いと思います。

修道院の切符売り場抜けた先にある大階段は、
サラマンダー男爵の声を聴いたオリヴィエが降りてくる階段です。
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そしてこの階段を登った先には、サラマンダー男爵とオリヴィエ、
父と子のクライマックスの舞台となった、あのテラスがありました。
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他の観光客の方々はさほど気に留めていないこのテラス。
しかし、あの映画を観た者にとっては、この場所は強く印象付けられています。
『世界は僕らを受け入れないかもしれない。でも、少なくとも僕の世界には男爵がいたよ』
『たった数年でお前、ずいぶんと大きくなったんだな・・・』
父と子が向き合う数々の名台詞、名場面の舞台となったこのテラスを、
尖塔の上から見届けるかのようにミカエル像が見下ろしています。
DSCF0241.jpg

そしてこのテラスから眺める景色は、
サラマンダー男爵をして「この景色が見られなくなるのは惜しい」と
言わしめるだけの素晴らしいものです。
DSCF0242.jpg
DSCF0243.jpg
果てしなく続く干潟、陸地には草原が広がり、干潟に浮かぶ小島など、
我を忘れるほどの美しさ。風が強く吹き付けてさえいなければ、
何時間見ていても見飽きない景色でした。
そう、このような立地のため、モン・サン・ミッシェルは風がとても強いんです・・・

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みるくてぃ

映画ハートキャッチプリキュア!を再視聴してみました。本当によく書き込まれてますね。最終決戦の地、モン・サン・ミッシェル。サラマンダー男爵を力尽くで止めようとするオリヴィエ。狼男化したオリヴィエとサラマンダー男爵VSプリキュア。最終形態のサラマンダー男爵VSプリキュア。そして大団円。写真そのもののテラスで繰り広げられるドラマに熱くなります!映画を知る人にとっては、本当に感慨深い地です。写真の掲載ありがとうございます!
by みるくてぃ (2011-11-25 20:39) 

スティクス

>みるくてぃさん
私も旅を終えてから映画を観て、
モン・サン・ミッシェルの描き込みの細かさにも驚嘆しました。
それ以上に、あの戦いの場となったテラスに立ってきたという事が、
今まで見返した時以上にある種の感動をもたらし、
本当に行ってきて良かったと思います。
ハートキャッチ劇場版の再視聴レビューまでには
「お菓子の国」「DX1」「おもちゃの国」「DX2」のレビューを
執筆しなければならないため、早く書きたいと言う気持ちもありますが、
楽しみは先に残して、じっくり書き上げたいと思います。
そして、機会があればぜひこの舞台に足を運んでみて下さい。
プリキュアの舞台であるというだけでなく、
この風景を感じると、人生が変わるような感動を味わえると思います。
by スティクス (2011-11-26 23:08) 

みるくてぃ

何度見ても映画ハートキャッチプリキュア!は深い感動をもたらしますね。その舞台となった場所に行かれたことは、言葉に尽くせない感動があったと思います。本当にうらやましい!

この映画は掛け値なしに「名作」といえるアニメです。
何度か視聴していると、伏線の数々が些細なセリフや描写に散りばめられていているのに驚かされます。

サラマンダー男爵とオリヴィエの物語にフォーカスを当てて再視聴すると、新しい気づきがありました。

サラマンダー男爵がオリヴィエのことを、自分の望みを叶えるためのただの道具ではなく、オリヴィエ自身を大切に思っていると感じさせる描写がところどころにあります。

男爵は自分の寿命が長くないことを知っていたので、最終的には世界を破壊し、同時にオリヴィエとの玉砕を考えていたのではないかと思います。

もしオリヴィエを一人残しても、また孤児に戻ることになると考えたのであれば、寿命が尽きる前に、自分がやろうとしていること(世界の破壊)をオリヴィエと共に成就して、一緒に消滅しようと考えてもおかしくないでしょう。
それは男爵の愛情の表れだったのかもしれません。

オリヴィエが男爵を止めようとテラスで戦ったときに、オリヴィエの本当の気持ちを薄々知っていたけれど、初めて男爵はオリヴィエから直接伝えられました。
小さな子供だったオリヴィエが成長していたことを知り、内心は嬉しかったと思います。

最終決戦でムーンライトとサンシャインの説得を否定して、(おそらく残された最後の力であろう)魔方陣を発動させたときに、「どうせ一人に戻るんだ、わざわざ知らせてやるまでもないさ・・・」とつぶやいたのは、オリヴィエと別れる寂しさと、残されたオリヴィエを案じる気持ち、自立できるだろうと成長したオリヴィエを信じる気持ち、複雑な気持ちが絡み合って、口をついて出たものと思います。
(中の人、上手すぎです)

世界を破壊して望みが成就しても、力の発動と立て替えに寿命が尽きてしまうだろうことを男爵はわかっている。そしてこの今際の際に発せられた言葉だからこそ、オリヴィエのことを気にかける男爵の心の内が伝わってくる。泣ける場面です。

ここで、視聴者ははっきりとわかります。オリヴィエは男爵に愛されていたんだと。

だから次に、狼男から正気に戻ったオリヴィエが、入れ違いにドラゴン化して暴走する男爵を見て「もう元には戻れないかも・・・」と、男爵を失うつらさに打ちのめされる描写は、胸がぎゅっと締め付けられます。

この辺りの物語の展開は本当に素晴らしいです。

ドラゴン化した男爵を、ハートキャッチオーケストラで浄化して、元の姿に戻るわけですが、その後も泣ける。

死んだように動かない男爵の側で、やっぱりダメだったとオリヴィエが泣きじゃくる場面。
男爵が目を覚まして「・・・泣いてるのか?」
自分のために泣いてくれる人がいることを、男爵は知るわけですね。

砂漠の使徒としての力の源(クリスタル)は、粉々に砕け散ってしまいます。
これで、男爵は浄化されて普通の人間(?)として再生したことが分かります。
またオリヴィエが狼男になることもありません。

「また旅をしようよ」
オリヴィエの言葉に、男爵が目の表情で答えるところも見逃せません。
自分を必要としてくれる人がいることを実感している。

そしてED。
ここでも細かな描写で、物語をしています。
ホント、芸が細かい。

つぼみがオリヴィエのマフラーをしています。
オリヴィエが旅に出る前に、つぼみ達に挨拶に来たようですね。

一番最後のシーンで、右端にさりげなく、髪をカットして、黒のタートルに白いジャケットを着た男爵がいますw 
ムーンライトと戦ったときの、手の傷跡も見えます。
それから、後ろ姿で新聞を読む男爵の手前に、マントでは無く普通の洋装のオリヴィエww
二人とも世界に溶け込んでいる感じが伝わってきます。

こういう描写は、大人は読み取れるけど、小さいお子さんはちょっとむずかしいかな?

とにかく素晴らしい作品です。

スティクスさんの旅行記のおかげで、最近この作品をリピートして見ていますwww 
スティクスさんの再視聴レビューのときに投稿しようと思ったのですが、我慢できず書いちゃいました(*^_^*)




by みるくてぃ (2011-11-28 17:45) 

スティクス

>みるくてぃさん
映画ハートキャッチに対する熱い想い、受け取らさせて頂きました。
私も同意しつつ、書きたい事が本当に沢山あるのですが、
今ここで書いてしまうと、後の再視聴の際に書く事が減ってしまうので、
私は逆に我慢して、ここでは抑えたいと思います(笑)

サラマンダー男爵がオリヴィエをどう思っていたのかについての見解は
こういう見方もあったのかと参考になりました。
このテラスでサラマンダー男爵がオリヴィエに何かを告げますが、
それは言葉の形をとらず、男爵の口だけが動く場面があります。
この時男爵が何を言ったのか、私はその解釈に迷ってきましたが、
ヒントを掴んだ気がします。
そしてもちろん、モン・サン・ミッシェルの空気に触れて感じた事も踏まえて
いずれ再視聴レビューを仕上げたいと思いますので、
誠に恐れ入りますが、しばらくお待ちください。

なお、モン・サン・ミッシェルの周囲には草原が広がっており、
ここに男爵が斃れたのか、と思うと感慨深いものがありました。
今回のみるくてぃさんのご意見を見て、
男爵にすがって泣くオリヴィエの姿が思い起こされました。
私はこの場面を観る度に、いつも涙してしまいます・・・
by スティクス (2011-11-28 23:00) 

なぎほの

スティクスさん、こんばんは。

ハンドルネーム「みるくてぃ」改め「なぎほの」で書かせていただきますw
ひょんなことから、知人とハンドルネームがかぶっていたことが分かり、どこか居心地が良くない気がするので、思い切って変えました。

この作品は色々な切り口で語れますね。

本編もそうですが、他のシリーズに比べて、ハートキャッチはセリフ以上に絵で見せている作品だと思います。

セリフが無いと言うことは含みが多く、観る人によって様々な解釈ができますよね。

そこが小さな子共にはちょっと難しいかも。
また扱っているテーマが「心」なので、話がシリアスになりやすいです。
特に本編37と38話や、最終回までのラスト4話など。

これまでのシリーズで一番重いテーマといえるでしょうから、作画はシリーズ中一番デフォルメされていて、可愛い絵柄にしたのだと思います。

スイートの絵柄でこのテーマだと、シリアスになってしまうと思われwww

伝えるべきメッセージは伝えながら、重くなりがちなテーマを、ここまで女児向けアニメにまとめたハートキャッチのスタッフには、心から敬意を表します。


by なぎほの (2011-11-30 22:57) 

スティクス

>みるくてぃさん改めなぎほのさん
本当にハートキャッチ劇場版は、というよりもハートキャッチそのものが
深い内容ですね。他のシリーズも様々な解釈や見方がありますが、
その中でもハートキャッチの多面性というか切り口の多さは
頭一つ抜き出ていると私も思います。

ハートキャッチ以外でも台詞ではなく絵で魅せるもので
印象深いものも多々ありますが、
とりわけハートキャッチが印象的なのは、
ご指摘のとおり絵柄と内容のギャップの大きさにあると思います。
確かにスイートやフレッシュの絵柄で48話や
この劇場版をやったら重そうですね(笑)

もともとプリキュアシリーズ自体の「伝えるべきメッセージを伝える」姿勢には
私も敬意を表し続けています。
だからこそ、ここまでどっぷりと浸かってしまったのですが・・・(笑)
by スティクス (2011-12-03 00:30) 

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