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スイートプリキュア第43話『シクシク・・・・・・ 不幸のメロディが完成しちゃったニャ!』 [スイートプリキュア♪]

かつてマックスハートにおいて、クィーンの覚醒を促すバルデスに対して
なぎさがきっぱりと言い切った台詞がありました。
『誰かの犠牲の上に成り立つ世界なんて要らない』
大のために小を犠牲にする事は、現実ではやむを得ない事かもしれません。
しかし、たとえ理想論であったとしても、このような決意をはっきりと明言したなぎさの姿は
今なお私の中に燦然と輝いています。
明らかに「仲間」であったひかりの存在のために言い切ったなぎさの意志はシリーズを超え、
さらに昨日の敵を今日の友とする懐の深さを加え、響へと受け継がれていました。
  
アフロディテの下に、メイジャーランドの女性騎士がトリオ・ザ・マイナーを捕らえたとの情報が、
お付のオウムによってもたらされました。
謁見の間へ出向いてみると、確かに縛についたバリトンとバスドラ、
そして平伏する騎士の姿があります。
アフロディテに名を問われたその騎士が名乗る名は・・・
『私は、かつてメイジャーランドの三銃士と謳われた英雄の一人。ファルセット様だ!!』
騎士の衣装をかなぐり捨てて立ち上がるのは、大方の予想通りファルセットです。
同じくバリトンとバスドラも縄を切って立ち上がり、
奇襲を受ける形になったアフロディテは、そのままマイナーランドへと拉致される羽目に・・・
オウムの報告を受けたメフィストが事態を察した頃には時既に遅く、
メフィストの眼前でアフロディテはマイナーランドへと連れ去られる所でした。
妻の名を叫ぶ王、夫の名を叫ぶ女王。吹き荒ぶ風が、メイジャーランドの花を散らします。

調べの館のオルガンは、完成に近付いているとはいえ、まだ微妙なチューニングが必要です。
一刻も早い完成と、それまでの間不幸のメロディ完成阻止に意気込む響達。
その矢先、水鏡からファルセットが呼びかけてきました。
妙ににこやかな呼びかけとは裏腹に、水鏡の向こうには捕らわれたアフロディテ、
そして彼女に鋭い爪を向けるバスドラとバリトンの姿があります。
アフロディテを人質にモジューレを要求する手口を前に、
響と奏は前回一瞬でも悪の心が消えたバスドラとバリトンに対して呼びかけます。
『こんな酷い事をして、何とも思わないの?』
『誰かを悲しませたところで、結局は自分も悲しい想いをするだけじゃない』
バスドラとバリトンに戸惑いの色が浮かび、
『ノイズは不幸のエネルギーを手に入れるためにあなた達を利用しているだけよ』
かつての上司、そして同様に利用されていたエレンの言葉を受けて、
いよいよ彼らの戸惑いは募るばかり。
その状況を察したのか、ファルセットは一方的に要求を突きつけて会話を打ち切りました。
『とにかくマイナーランドへ来るのだ。迷っている時間は無いぞ』

『ぬわーーっっ!!』
水鏡が消えた調べの館に、突如響き渡る雄叫び(笑)。
メフィストが駆けつけました。父の姿に安堵して駆け寄るアコ。
メフィストも派手な登場が恥ずかしかったのか、はたまた娘への照れ隠しか、
軽く咳払いをした後、必ずアフロディテを助けるとアコを宥めます。
メフィストはトリオ・ザ・マイナーの行動はかつての自分が蒔いた種であり、
自分ひとりでマイナーランドへ踏み込む決意を口にしました。
アフロディテの身の安全のためにはモジューレを渡すという最悪の状況も
考慮しなければならないと案じたエレンは、
そうなればノイズが完全復活してしまうと音吉さんに諭され、
モジューレを固く握り締めて決意を新たにしました。
響と奏も顔を見合わせて頷き、マイナーランドにみんなで乗り込む決意を固めます。
「モジューレは絶対に奪わせない」「アフロディテも必ず取り返す」
両方やらなくっちゃあならないってのが、プリキュアのつらいところです(嘘)
音吉さんに見送られて、響達はいざマイナーランドへと赴きました。

マイナーランド。そこは淀んだ空気に包まれて、混沌を絵に描いたような奇怪な世界。
宮殿に捕らわれたアフロディテの前に、案じたとおり響達がやってきました。
『私の事なら心配いらないわ。それよりもモジューレは決して渡してはいけません』
人間界に戻るよう毅然とした態度で言い含めるアフロディテを鼻で笑うファルセットの前に、
次々と滑り降りてモジューレを掲げる4人。
前回の失策を繰り返さぬためか、しっかりと本物である事を確認した上で
ファルセットは改めてモジューレを要求しました。
アフロディテ開放が先だと主張する響の要求は一蹴され、
バスドラとバリトンの鋭い爪が、アフロディテに突きつけられます。
それでも響は、顔色を変えるアコを冷静に制して、
ファルセットと堂々と駆け引きを続けます。
『もしもアフロディテ様に手出ししたら、この場でト音記号ごとモジューレを破壊するわ!
 私達はプリキュアになれなくなるけど、あなた達も不幸のメロディを完成できなくなるわ!』
苦虫を噛み潰したようなファルセット、不愉快そうにギャーギャー喚き散らすノイズ。
そのノイズの意志をファルセットは代弁し、
モジューレさえ手に入ればアフロディテを帰すと約束。
響も了承し、フェアリートーン達にモジューレを託します。

フェアリートーン達は、モジューレを両陣営の中間点に置きました。
怪訝そうなファルセットに対して、響はさらに交渉を続けます。
『もしもあなたたちがアフロディテ様を解放することなくモジューレを奪おうとするなら、
 私達はモジューレを取り戻してプリキュアになる。そして・・・必ずあなた達を倒す!!』
しかし響の意気よりも、ファルセットの奸計の方が上を行きました。
交渉に応じる素振りを見せた矢先、突風を巻き起こして響達を壁に吹き飛ばし、
暴風の中、余裕の態度でモジューレに歩み寄るファルセット。
そしてバスドラとバリトンにアフロディテ始末を命じました。
命令どおり、威勢よく爪を振りかざす2人ですが、いざ事に及ぶとなるとやはり及び腰です。
その隙にメフィストがバスドラとバリトンをねじ伏せ、
ファルセットがそちらに気を取られた隙を突いてハミィがモジューレを4人に投げ返しました。
『みんな!今こそノイズを倒す時!』
いざ変身してファルセットと、ノイズと対峙します。

プリキュアと相対したファルセットは、
メイジャーランド国王夫妻に対してバスドラとバリトンを差し向けました。
ノイズが力を貸す、という名目の下、空には雲が立ち込め、
赤黒い稲妻がバスドラとバリトンを直撃。
稲妻に打たれた2人の目は、血に飢えた野獣そのものです。

『いよいよ俺様の本当の強さを見せるときが来た』
ファルセットが放つドラゴンボールばりのエネルギー弾の破壊力は強烈です。
身をかわしたとはいえ、その弾がもたらす爆風の威力を目の当たりにした4人は
一気に決めるべくミュージックロンド×2、ハートフルビートロック、そしてスパークリングシャワーを
ファルセットに叩き込みました。久々の3拍子、そしてフィナーレ。
その爆風の中でも、ファルセットは平然としています。
間髪入れずメロディは、単身ファルセットに徒手空拳の戦いを挑みかかりました。
しかし素早い攻防のやり取りの末、ファルセットの鞭がメロディを打ち据え、
さらに電撃を送り込むというえげつない攻撃を受けて倒れ、
メロディを受け止めた3人に対しても容赦なくファルセットの追い打ちが加えられます。

一方メフィストはアフロディテを庇いながら、バスドラとバリトンの攻撃に耐え続けていました。
『バリトン。バスドラ。やめるのだ!・・・もはや私の言葉も届かぬ野獣となってしまったか』
説得が届かぬと悟り、反撃に転じようとするメフィスト。
しかしその脳裏に優しい笑顔を浮かべていた頃のバスドラの、バリトンの姿が浮かび、
手を出す事が出来ません。そのまま2人に殴り飛ばされてしまったメフィストは
駆け寄るアフロディテに自分の過ちのために彼らをこうしてしまった事を語りました。
『バリトンたちがこんな風になってしまったのは、元を糺せば私のせいなんだ』

彼ら3人は、かつてはメイジャーランドに使える三銃士でした。
ところがメフィストがノイズに操られて帰参したあの日
彼らをマイナーランドの幹部トリオ・ザ・マイナーにしてしまったのは他ならぬメフィスト自身です。
彼らを変えてしまったメフィストはアコや皆の愛を受けて元に戻れたものの、
未だ元に戻らぬ彼らに対し、ずっと負い目を感じていた事でしょう。
『私がこいつらにしてやれることは・・・』
とどめを刺すよう指図するファルセット、拳を振り上げるバスドラとバリトン。
逃げてと叫ぶミューズの声も聞かず、メフィストは彼らから逃げません。

『バスドラ。バリトン。これが私の償いだ。
 ノイズが叩き込んだ悪のエネルギーよ、私の身体に入るがいい!』
バスドラとバリトンの拳を、メフィストは拳で受け止め、
そのまま悪のエネルギーを自らの体内へと移していきました。
苦しむメフィストとは反対に、バスドラとバリトンには徐々に表情が戻って行き、
呆けたように腰を落とすと同時に人の姿を取り戻しました。
『後を、頼むぞ・・・』
そしてメフィストは自らの身体と共に悪のエネルギーを滅ぼすべく、
止めるアフロディテを振り切って自らに聖なる雷を放ちました。
『バリトン、バスドラ!かつての、優しかったお前達に、戻ってくれ・・・』
妻と娘の悲痛な呼び声が響き渡る中、
誇り高きメイジャーランドの国王は地に倒れ伏すのでした。
メフィストの決死の行為を嘲笑うように、ノイズの鳴き声が響き渡ります。

『まったく、悪のエネルギーを吸い込んで己自身にとどめを刺すとは愚かだな』
ノイズの嘲り、ファルセットの発言に怒りを燃やし、もう一度力を振り絞って立ち上がる4人。
しかしファルセットの鞭は強力で、分割して4人を打ち据えて縛り上げ、
さらに稲妻を送り込むというえげつない攻撃になす術もありません。
ファルセットはこの状況に、既にプリキュアとメフィストは倒したも同然とみて
バスドラとバリトンにアフロディテを討つよう命じました。
未だ戸惑う2人を説得するプリキュア達。
『お願い。メイジャーランドに居た頃のあなた達に戻って!』
踏ん切りがつかない2人に業を煮やし、ファルセットは自らとどめを刺そうと、
アフロディテにその鞭を向けます。が・・・

バスドラとバリトンがアフロディテの盾として、その身を投げ出しました。
『貴様らよくも・・・裏切り者は消えてしまえ!』
苦しむバスドラとバリトンの姿を見ても、かつての同士ファルセットは眉一つ変えないどころか
その髪を逆立ててさらに電撃の威力を増しました。
『ヒャッハー!いいぞ、悲鳴こそ最高の音楽だぁ!!』
この光景を、もはやプリキュア4人は正視できません。

『アフロディテ様、すみません・・・』
メロディだけでなく、4人の心は同じです。
同時に変身を解き、モジューレを差し出しました。
『モジューレを差し出すというのか?だがそのせいで、世界がどうなるか・・・』
『わかってる!でも、目の前で苦しむ仲間を放ってはおけない。
 仲間の苦しみの上に幸せの世界なんて築けない!』
メロディ、いや響の「仲間」という言葉に、倒れたバスドラとバリトンの目に涙が浮かびました。
しかしノイズは無慈悲に、淡々と、己の目的を遂行します。
けたたましい雄叫びを上げると共に、モジューレからト音記号を抽出。
周囲の篝火に火が灯って行き、遂に4つのト音記号が楽譜に収まりました。
不幸のメロディ完成を宣言し、高笑いするファルセット。
そしてノイズの鳴き声、いや禍々しいまでの笑い声が、
篝火と共にマイナーランドに響き渡りました。


今回のアバンタイトルを見た時、あっさりと謁見の間まで不審人物の侵入を許すなど、
メイジャーランドには警備をする者すらいないのかと突っ込みたくもなりましたが、
トリオ・ザ・マイナーの過去の姿である「メイジャーランド三銃士」の逸話を見てから、
その認識が徐々に変わってきました。
英雄であり、騎士である彼らこそが警護を担当していた、という事は
メイジャーランドを守るべき者は現在不在という事になるのでしょう。
警護をしていた者たち自身が侵入者になるとはなんとも皮肉な展開です。
もっとも、あっさりとこんな簡単な手に引っかかるオウムとアフロディテは
少々抜け過ぎているかもしれませんが・・・。
不用意な行動が原因で世界の危機を招くという点で、
フィーリア王女に匹敵する逸材と言えそうです(笑)

トリオ・ザ・マイナーの過去の姿、メイジャーランド三銃士という設定は、
かつて「アニメ三銃士」を見て育った私としては色々と想像が膨らみます。
照らし合わせるとバスドラ=ポルトス、バリトン=アラミス、ファルセット=アトスでしょうか。
それはさておき、ファルセットもメイジャーランド三銃士の一員として描かれていたところを見ると、
彼もまた操られている事が明白です。
さらに今回、アフロディテに謁見した際自ら「かつて三銃士の一人と謳われた英雄」
と名乗っているところを見ると、本人にもその自覚がある事が伺えます。
三銃士を名乗る以上、彼らの間にはいわゆる「桃園の誓い」のような
絆があっても不思議ではありません。にもかかわらず、これでもかというほど外道に振舞い、
「仲間」という響の訴えや、主君であったメフィスト、アフロディテの声に応じないのは
それだけ彼の受けている洗脳が強力なのでしょうか。
おそらくファルセットは3人の中で最も優しく繊細であるが故に、
ノイズの影響をもろに受けてしまっているように思えます。
だからこそ、我に返ったときに罪の意識に苛まれなければ良いのですが・・・
今回バスドラとバリトンは我に返った際、身を挺してアフロディテの盾となった事で
償いを果たしたと言えそうです。そうするとファルセットが我に返ったとき、
今回のバスドラとバリトン以上に凄惨な代償が待ち受けていそうで心配になりました。

償いといえば、メフィストの誠実な振舞いはまさに王たる者にふさわしく、
中でもアフロディテとミューズの呼びかけに背いてでも
バスドラとバリトンから目を逸らさずに責任を取る様は見事なものでした。
ただ、同時にファルセットに呼びかけていたらどうなっていた事か、
ファルセットだけが一人取り残されてしまったようで少々残念な気もします。

メフィスト、バスドラ、バリトンといった、いわば「大人」が見せた償いとは
いずれも自己犠牲の伴うものです。
それに対して響が切り出したのは「子供」ゆえの青い理想論かもしれません。
現に私が冒頭で挙げたなぎさの台詞も同様でしょう。
現実には理想論だけでは片づけられないものもありますし、
「小を捨てて大を得る」ではなく、「小を捨てずに大も得る」と欲張る事など
高望みなのかもしれません。
しかし、理屈では片づけられない想いの強さは見るものの胸を打ちます。
響の、そしてなぎさのこれらの想いは、大人になるにつれて忘れてしまう
大切なものを思い出させてくれたように感じられました。

それにしても響の駆け引きの上手さと胆力は見事なものです。
前回、プラフの駆け引きが見てみたかったなどと書いてしまった私ですが、
プラフどころか真っ向勝負でこれだけの交渉を成し遂げるなど、
今回の響の格好良さには本当に惚れ直した次第です。
ファルセットとの一騎打ちアクションも見ごたえがあり、
この響の活躍があと数回で終わってしまう事が、今更ながら寂しくてなりません。

次回は毎年恒例クリスマスの筈ですが、ここまで不穏な予感が立ち込めている以上、
これまでにない緊迫したクリスマスになりそうで気がかりです。
言葉を発しないために、これまでのどのラスボスよりも意志が伝わってこない、
だからこそ不気味さが際立つノイズが成長した姿ともども、
どんな波乱が待ち受けているのでしょうか。
「変身をあと2回残している。この意味がわかるな?」などとは言わないと思いますが(笑)
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龍

今週もいい意味で期待を裏切ってくれましたね。私の予想の斜め上どころか、さらに上を行ったと思います。

トリオは元々メイジャーランドの三銃士…「トリオ・ザ・メイジャー」といったところでしょうか(笑)。これで公式ホームページの「しかし、実は」が全て埋まったことになりますが、やはり物語序盤のバカやってる感じが本来の彼らの姿なんでしょうね。凶悪になってもファルセットは何となく以前のノリが見受けられる場面がありましたが、これで彼にも希望が見えてきました。

お互いに顔を見合わせて気持ちを確認し合う響と奏、出撃前に最悪の事態もちゃんと想定するエレン、家族を心配して動揺するアコ(このような一面は36話以来でしょうか)というように、この場面だけでもキャラの心情がしっかり描写されていますね。特にアコはここしばらくいつもの調子が戻っていただけに、普段滅多に見せない弱い一面を父親の前で見せる、というのはとてもいい描き方だったと思います。

メフィストの熱血ぶりには痺れましたね。夫・父としての妻子とのやり取りしかり、バスドラ・バリトンへの誠実な対応しかり。
ファンキーさや親馬鹿ばかり目立って気付きませんでしたが、彼は家族を苦しめ、部下であるトリオを苦しめ、さらには多くの人々を苦しめたわけで、自分が元に戻ってからも、取り残されたトリオのことをずっと気にかけていたんでしょう。ノイズの虜となったファルセットにはまだ通じないと判断したのでしょうが、自分の苦い過去から目を背けずに責任を果たす姿は、本当に美しいです。

「日曜朝からSMかよ」という突っ込みはさて置き、ファルセットの外道さは、かつてのセイレーンを連想させますが、思えば彼女もお人好しというか、繊細な心の持ち主です。おそらくノイズの影響で、負の部分が前面に押し出されてしまったんでしょう。だからこそノイズはリーダーに彼らを選んだ。そのほうが自分にとって最も都合が良かったはずです。

今のご時世でも、凶悪犯罪に手を染める人達は大体彼らのように傷つきやすい人達で、せつなやエレンがそうだったように、立ち直るのも難しいのが現実なんですよね…。メフィストがバスドラ・バリトンを見捨てなかったように、彼らも仲間であるファルセットを見捨てることはないはず。なんとか立ち直ってほしいものです。

実は今年のポケモンの映画で、似たような立場に置かれたサトシの「犠牲が必要な理想や真実なんていらない!」という台詞がありまして、それと同じものを感じてグッときました。響は本当に度胸がありますね。「モジューレを壊す」のくだりはかつてののぞみを連想させますし、この1年間の成長をずっと見守って来ただけに感慨深いものがあります。それと、おそらく事前に打ち合わせていたんでしょうが、メフィストの別行動のみならず、ハミィを待機させたのは見事な判断でした。

もっとも、ハミィの「ニャ!ピ!プ!ペ!ポ~!」には笑ってしまいました。ちなみに、39話のところの追記コメントでは書かなかったんですが、ばいきんまんの「ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ~」「出たな、お邪魔虫」は元々アドリブだったそうです。

さて、ファルセットもメイジャー側だとすると、ノイズの周囲には仲間と呼べる者が本当にいないということになります。音吉さんから「絶対悪」のような言われ方をしているように、彼は常に周囲から拒絶され、不幸、憎悪、孤独、悲しみをその身に背負わなければならない存在だったのでしょうか。

そう考えると、今までのメフィスト、ゴーレム(29話)、ファルセットの言動は全てノイズの叫びのような気がして、ラストの高笑いにしても哀れに思えてきます。「裏切り者」といっても、それは相手に一定の信用(信頼)がなければ出てこない言葉ですから、彼の本質は響達と何ら変わらないはずです。

前回のコメントで、響達とトリオには取っ掛かりが少ないと言いましたが、それはむしろノイズにこそ言えることです。果たして彼の心に救いはあるのか、まずはその序章、クリスマスの奇跡をしっかりと見届けたいと思います。
by 龍 (2011-12-18 22:02) 

Merci

いや~、熱かったですね。前週、響が直接バスドラとバリトンを救えなかったわけですが、彼らとの絆があるメフィストなら、彼らを救えた・・・というわけですね。ミューズがメフィストを救ったときと同様、1度「現在の彼らは昔の彼らではない」ことを受け入れる段階があるのが、大人から見るとうならされます。「スイート」が「再生」の物語であるのが、これで明確になりましたね。響と奏の「昔とは違うけれども良い関係」の構築、ハミィとセイレーンの友情の復活を思い出し、感慨深くなりました。

そして、響は直接救うことはできないけど、彼らを救える「誰か」とつながりを持ち、支えとなることで、新たに直接つながりを持つことができるんですね・・・アコを介してメフィストとつながり、メフィストを介してバスドラ・バリトンとかかわり・・・。人間関係の何たるかを見せてもらっています。思えば、アコとの関係も奏太という媒介があってこそでした。

ファルセットをどうやって救うのか、そしてノイズを救えるのか・・・最後までわくわくして見守りたいと思います。
by Merci (2011-12-19 08:20) 

まるっさ

相変わらず物事が唐突に起こるスイート界。同じアフロディテ誘拐なら今回冒頭でいきなり、ではなく、前回の終盤にやって『次回に続く!』で盛り上げた方が唐突感もなく良かったと思うのですが・・・とりあえず大野さんはもう二度とプリキュアには関わってほしくないないな、と改めて思いました。(いや今回の脚本自体は米村さんでしたが・・・)カワリーノさんじゃありませんが、彼が加わってから本当にプリキュアがおかしくなってしまってます(涙)。

そしてここでいきなりトリオ・ザ・マイナーを償おうと言い出すメフィストさんwww かつてのエレンの『メフィスト覚悟!』の次の回での突然の『メフィスト様!』同様、確かに彼らの正体については最後までとっておきたいのは判るのですが、フツーは洗脳が解けた時点でトリオ・ザ・マイナーも救おうと動いたり、メフィストが実はメイジャーランドの王であることを(ハミィ言った言わない関係なしに)みんなに告げるんじゃないかと。 最早子供も騙せない、いやむしろ大人より妥協を許さない子供に対してこれは失礼なのでは?と思ってしまいます。

ただそれでも今後のバスドラたちがどうドラマを魅せてくれるのかは、非常に楽しみなので、残り5回、もちろん観るつもりであります。フレッシュ、ハートキャッチと無難な美形ばかりの幹部が続いた中で、彼らは
『ああ、やっぱりプリキュアはおっさん幹部が必死に頑張る姿を描いてこそだな(おい)』
というのを再認識させてくれた良きキャラクター達ですので。どういう顛末になるのであれ、期待したいです。
by まるっさ (2011-12-19 12:15) 

なぎほの

ハートキャッチの月影博士のセリフであった「・・・幸せは、みんなが少しずつ頑張って掴むもの」が、スイートでは具体的にエピソードで表現されていますね。

プリキュアだけが頑張るのでは無くて、メフィストとバスドラ+バリトン、ハミィとセイレーン、アコとメフィスト他、当事者同士の問題は当事者で解決させているのは、非常にシビアだと思います。

この点を、子ども達が受け取れるか、また、わからない子ども達に、一緒に視聴している大人がどう伝えるのか。私はその点にも関心があります。

スイート(組曲)は一人の力では演奏できない。
みんなの力で奏でられるもの、ということなのでしょうね。
by なぎほの (2011-12-19 19:32) 

なぎほの

>まるっささん
こちらでもお会いしましたねw

この作品は、シリーズ構成に難があるため、視聴者が余計なところに引っかかってしまうんですね。
そして、それに邪魔をされるので、せっかくのスイートで打ち出したいメッセージが素直に感じ取りづらくなっている気がします。
初代~フレッシュで、こういうことはありませんでした。

スイートを見て、「プリキュアって、こんなのか」と思った人がいたら、是非、初代から全部見て欲しいですねw

構成の問題が無ければ、放送開始前に梅澤Pが発言していたように、「シリーズ最大のスケールの作品」になったと思います。
それだけのテーマを扱っていると作品だと思いますので、本当にもったいないです。
まるっささんが仰るように、大野さんはアニメの構成には向かないのかもしれませんね。

私はプリキュアが大好きなので、東映アニメーションに時々意見を伝えています。
41話で、響きが生身で屋根より高くジャンプしたりは、やっぱりやり過ぎだと思い、それも伝えました。

まるっささんのご意見も是非、東映アニメーションに伝えて下さい。
作品を育てるのは視聴者だと思いますのでw
(すでにお済みでしたらごめんなさい)

※ここまで観てきて、スイートはコミュニケーション、絆の再構築、人間には善悪両面があることを明示していることがわかります。
その善悪両方の心を持つもの同士が、あるときは喧嘩をし、あるときは和解して、絆をつないでいく過程が描かれています。
「みんなでハーモニー響かせよう!」ということは、プリキュアだけが頑張るのでは無く、それぞれが当事者として、当事者同士のトラブルを解決し、そしてみんなで仲良くやっていこうよ!ということかなと思います。

その「みんな」の中にノイズは入るのか。

ノイズと和解するのかしないのか。
するならどんなプロセスで和解するのか。
私はそこに注目しています。

by なぎほの (2011-12-19 20:51) 

Merci

横レスすみません。

見ていて引っかかるというのは、脚本の巧拙じゃなくて相性なんじゃないかなーと思います。私は、ハトキャ次いでフレッシュで引っかかるところが多かったんですが、スイートは違和感なく見られていますので(むしろ、今までで1番メッセージ性自体はストレートに響いてくる感じです)。
by Merci (2011-12-20 08:18) 

スティクス

>龍さん
私は最初はあっさりしているかな、と感じてしまったのですが、
2度・3度と見返す度に、徐々に認識が変わっていきました。
特にトリオ・ザ・マイナー達の設定に関しては
ようやくピースが埋まった感があると同時に、
のほほんとバカやっていた頃の彼らが案外素に近いのだと思わせ、
ファルセットの今後の安心感と共に胸を撫で下ろしたものです。

奏、エレン、アコは出番や台詞が少ないのが惜しいものの、
奏は響との絆を、エレンはマイナーランドを知る者としての冷静さを、
そしてアコは家族の絆を、
ご指摘の通り個々の役割をきちんと演じているのが良いですね。

ファルセットに関しては、かつて心を病んだ私にとっては他人事と思えず、
セイレーンがそうだったように是非とも立ち直っていただきたいものです。
一歩間違えれば、私も多くの人を傷つけたかもしれない・・・
現に社内で親身になってくれた方々を裏切る事になったりしましたし、
このように社会復帰が叶わなかったかもしれず、
事によっては凶悪犯罪に手を染める可能性もあったかもしれません。

そしてノイズにもその救済があるのか、それとも絶対悪として描ききるのか。
私としては後者でもストーリーは成立すると見ていますが、
やはり前者を期待したいものです。
「友情・愛情・信じる心」をまやかしだと言わしめているだけに、
一筋縄では行かないと思いますが、
だからこそどのように気持ちを通わせるのか。
これまで響の成長物語を見続けた今、
彼女がどんな答えをノイズにぶつけるのかに期待したいものです。

あとはハミィの台詞ですが・・・
私もなんとなくばいきんまんっぽいとは思っていました(笑)
あれも元は中尾さんのアドリブだったとは・・・
今後ノイズがどのような台詞を口にするのか、こちらも楽しみですね。
私も毎年のように一人で鶏肉でも調理しながら
クリスマスの奇跡を見届けたいと思います。
by スティクス (2011-12-20 22:43) 

スティクス

>Merciさん
ワンクッション置いてから、バスドラとバリトンの救済を描くというのが
私も新鮮でした。彼らだけでなく、ひいてはメフィストをも罪悪感から
救い出したと見る事が出来、熱い展開になったと思います。
単に改心するだけではなく、己の行動に責任を持つことで
「再生」へと繋げるのも良いですね。

そして響の「つながり」に関するご意見、頷かされました。
確かに直接救っていないものの、響が行動する事で
誰かに影響を及ぼしていく様は、まさに「鳴り響き交わし」というべきか、
響の名の由来でもある、人々の生活の音のつながりを思わせて、
こうした点が見えてくるとますます響に対する魅力が感じられます。
あとはファルセットだけですが、果たしてどう結着をつけるのか、
私も期待している反面、あと数話という事が残念ですね。
by スティクス (2011-12-20 22:54) 

スティクス

>まるっささん、なぎほのさん
一くくりの返信となってしまい、申し訳ございません。

感じ方は人それぞれ。
私も唐突な展開が気になったり、
全てを手放しで賞賛できる訳ではありません。
しかし、その責任を特定の方へ全て押し付けてしまうのは
いかがなものかと・・・

私も、まるっささんも、なぎほのさんも、
プリキュアシリーズに対する想いは同じだと思います。
だからこそ、過去のシリーズと比較して歯痒い想いを抱いたり、
プリキュアとはこうあってほしいという、その気持ちも理解できます。
かつて一部のエピソードで批判一辺倒の文章を掲載した私が
偉そうな事を言う資格は無いかもしれません。
が、このシリーズが言わんとしているメッセージや、
キャラクターの生き方に魅せられてきている者として、
「おかしくなった」とまで言われてしまうと正直複雑な想いです。

お二人とも、批判一辺倒ではない事はこれまでのコメントや
今回のコメントを拝見する事でよく分かります。
「おっさんの活躍」を楽しみにされるお気持ちは同様ですし、
コミュニケーションやハーモニーを解決するのはみんなで一緒に、
という視点は私も大賛成です。
そして当然反対意見から学ぶ事、新たな視点を得られる事もあり、
貴重なご意見として受け止めたいと思っています。
しかし、以前も記述した事ではありますが、
私はここに寄せられたコメントからは目を背けることが出来ません。

私が常日頃からこのシリーズの批判を口にしている、
あるいはこのシリーズを過剰に持ち上げるあまり、
他のシリーズを貶めているのであれば、
批判的なご意見が集中するのも頷けますし、やむを得ないと思います。
しかしそのつもりが無い私としては、正直辛いです。
異なる意見に耳を傾ける余裕が無い、という点では
私もノイズと大差無いのかも知れませんが・・・

「私はあなたの意見には反対だ。
 だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」
この精神を尊び、今後もご自由にコメントを頂きたいとは思います。
ご意見を頂戴したというのに、泣き言を述べてしまい申し訳ございません。
が、私の考えと立場をご理解いただけると幸いです。
by スティクス (2011-12-20 23:22) 

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