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スイートプリキュア第45話『ブォ~ン♪ ノイズの好きにはさせないニャ!』 [スイートプリキュア♪]

皆様、明けましておめでとうございます。
・・・と行きたいところですが、新年最初のプリキュアは佳境に入るため、
一昨年はウエスターさんとサウラーが昨年はクモジャキーとコブラージャさんが
それぞれ最期の戦いを繰り広げ(もっとも西南コンビは2週後に生還を果たしますが
「おめでとう」とは言えない展開になる事は例年通りでした。
届いた筈の手が離れてしまったミューズの受けた衝撃はいかばかりでしょうか。
これほどまでに悲しいプリキュアの顔を、私は知りません。
  
深手を負い、未だ床についたままのメフィストを看病するアフロディテの元に、
ノイズが来襲しつつあるとの報告を携えて、けたたましくオウムが飛び込んできました。
(またお前かwww)
ノイズは既にメイジャーランドを襲い、人間界同様に逃げ惑う住人達を石と化し
その脇でノイズの威を借りたファルセットがはしゃいでいます。
なんとか宮殿近くの国民は収容したものの、このままでは・・・
この事を早くプリキュアへ伝えようとするアフロディテの考えを打ち砕くように、
ノイズは宮殿のすぐそこまで来ています。
プリキュアはコテンパンにやられていると、まるで自分の手柄のように
嬉々として告げるファルセットを、黙っていろと一喝するノイズ。
アフロディテはオウムに急を告げる役を任せてこの場を引き受け、
ハープを手に防戦の構えを取ります。
ハープを奏でると宮殿にバリアが張られ、ノイズの攻撃を弾きますが、
果たしていつまで持ちこたえられるのか。
そしてオウムの急報を受け、4人のプリキュア達も調べの館から
虹色の鍵盤の上を飛び、宮殿へと急行します。

宮殿を守るバリアはノイズの攻撃に耐えきれず、あえなく破れました。
衝撃に倒れたアフロディテに、今まさにノイズの攻撃が迫ろうとした矢先、
虹色の鍵盤と共にプリキュア4人が降りたちます!
湧き立つ国民達。そしてミューズも母が無事と知り安堵しました。
もう変身できない筈だと訝るノイズに、4人は決意を新たに挑みかかります。
『私たちは何度だって変身する!』『ノイズ、この世界をあなたの好きにはさせない!』
『メイジャーランドは幸せな音の溢れる国!』『その音を消すなんて、私達が許さない!』
ノイズが翼を開いただけで巻き起こる衝撃に吹き飛ばされ、
宮殿のテラスから落とされる4人ですが、
すかさずハミィが虹色鍵盤を伸ばして巧みに護ります。
それを見たノイズは、プリキュア以上に厄介な者の存在を感じ取っていました。

『ずいぶん頼もしい用心棒を連れているようだな』
『仲間と呼んでください』
ノイズの言葉に反抗するように、相対するクレッシェンドトーン。
かつてノイズが世界中の音を消し去るべくメイジャーランドを滅ぼそうとした時に、
音吉さんと共に戦った日の事を語ります。
ノイズとクレッシェンドトーン、それぞれの力がぶつかり合って互いに深手を負い、
クレッシェンドトーンはヒーリングチェストと共にノイズによって魔境の森に封印され
そのノイズもダメージが大きく、音吉さんによって封印されてしまった事
しかし封印されながらも恨みを忘れる事は無く、
ヒーリングチェストを求めて魔境の森を訪れたメフィストを操り
いつか世界中から全ての音を消し去るためにマイナーランドを作らせたのでした。

『そのためにパパとママを引き裂いたって言うの!?』
ノイズの話を聞くや否や、ミューズは怒りを露わにして真っ先に飛び掛かり、
ノイズの胸元に拳を叩き込みます。
『ママがどんなに辛い想いだったか、あなたにわかる?』
『・・・わからんな』
共に過ごしたピーちゃんにはアコの気持ちは全く届かず、
いとも簡単にミューズを跳ね飛ばしました。

『メフィスト様もトリオ・ザ・マイナーも、音楽を愛するメイジャーランドの住人だったのに!』
ビートもまた、メイジャーランドの住人です。
鋭いかかと落としに続き、幾度となく蹴りを叩き込みながら、怒りを露わにしました。
『彼らに罪は無いのに、大好きな音楽でみんなを苦しませるなんて、酷すぎる!』
『人の心など簡単に染まる。愚かな奴らだ』
今病床でうなされるメフィストも、かつてのエレンも心を染められた者でした。
そして、ノイズに能天気な声援を送るファルセットもまた・・・
『ファルセット、まだわからないの?あなたはノイズに利用されてるだけなのよ!』
しかしビートの呼びかけは未だファルセットには届きません。
ビートもまたノイズにあしらわれ、
追い打ちを掛けるように、ノイズの一撃が4人を襲います。
プリキュア達は倒れ、静寂が訪れました。

『許さない・・・!よくも今まで、罪もない沢山の人を悲しませてくれたわね!』
それでも4人は、静かに怒りを燃やすメロディに続き力を振り絞って立ち上がります。
『私たちはあなたを・・・』『絶対に許さない!!!!』
ミュージックロンド、ハートフルビートロック、スパークリングシャワーを
1度にノイズへと叩き込みます。が・・・
ノイズには全く通用せず、直ちにノイズの反撃がプリキュア達を襲いました。

その攻撃はクレッシェンドトーンが防ぎ、
そしてパイプオルガンを内蔵した調べの館と共に音吉さんが上空へとやって来ました。
音吉さんが奏でる究極のパイプオルガンの音色が辺りに響き渡り、
途端に悶えて地に落ちるノイズ。この機を逃さず、
クレッシェンドトーンと共にスイートセッションアンサンブルを叩き込みます。
聖なる音の旋律、そしてスイートセッションアンサンブルによって、
ノイズを永遠に封じ込める!・・・と思いきや、
音符を吸収したノイズはかつてよりパワーアップしており、この攻撃に耐え抜きました。
『いまのはいたかった・・・いたかったぞーーーーーーっ!!』
スイートセッションアンサンブルを押し返し、
調べの館の船首を穿つノイズの攻撃によって、
ここまで音吉さんが築き上げてきた切り札、パイプオルガンは無残に破壊されました。
バランスを失い墜落する調べの館。
さらにノイズは同じ目に遭わせてやると音吉さんを捕え、
封印しようと引きずり込み始めます。
祖父を救うべく、ミューズはダメージを押して跳び発ち、
懸命に伸ばした手が、引き込まれつつある音吉さんに届きました。
繋いだ祖父の手は、あの時と変わらず暖かかった事でしょう
ミューズは思わずほっと安堵の表情を見せますが、
しかしその安堵は直後、残酷に破られました。
『後は頼む・・・』
『え・・・?』
安堵の表情を浮かべたまま、祖父の言葉に戸惑うミューズ。
そして、その手を突き返す音吉さん・・・

『おじいちゃあああん!!!』
目の前で封印されて行く音吉さんを成す術もなく見送るミューズの目から
とめどなく涙が溢れ、そのまま地に叩きつけられました。
父を封じられたアフロディテも相当の衝撃を受け、騒然となる国民達。
ノイズの高笑いが響き渡り、音吉さんはマイナーランドへ、
かつてのノイズ同様に石版へと封印されました。

音吉さんのパイプオルガンも通用せず、これからどうすれば・・・
『諦めないで。信じるのです、自分たちの力を。
 プリキュアの力の源。それは誰かを守りたいという心。
 その心がある限り、あなたたちは新たな音楽を奏でる事が出来る筈』
打ちひしがれる4人を、クレッシェンドトーンが叱咤します。
守りたい心・・・メロディたちには守るべき、守りたい人たちがいます。
北条夫妻、南野一家、王子先輩に聖歌先輩、和音・・・

クレッシェンドトーンをも封印しようともくろむノイズに、
ビートソニックの音符が畳み込まれました。
『ノイズ!あんたの思い通りにはさせない!』
『これ以上、悲しみを増やしたくない!』
ミューズも涙を浮かべたまま続き、リズムが、メロディが次々に立ち上がります。
『絶対に、守って見せる!』
『世界のみんなを!』
4人一丸となって鋭く蹴り込み、拳で、足で、肘で、ノイズを叩きのめしました。
そして音楽など必要ないとのたまうノイズに、
勇気をくれる大切な力、パッショナートハーモニーをぶつけます。

響き渡る4人のハーモニーパワーは今度こそノイズを圧倒すると思われますが、
ファルセットはただの腰巾着ではありませんでした。
ファルセットの攻撃が4人を襲い、打ち消されるパッショナートハーモニー。
しかしノイズもかなりのダメージを受け、倒れ伏しました。
『だが、最後に勝つのは私だ・・・』
音吉さん同様、4人を封印せしめんとするノイズ。
その窮地はクレッシェンドトーンが救い出しますが、
4人の代わりにクレッシェンドトーンが捕らわれの身に・・・
『プリキュア。この世界の未来をあなたたちに託します。
 今の強くなったあなたたちならきっとやってくれる。そう信じています』
クレッシェンドトーンもまた石版へと封じられ、
身代わりになるとは馬鹿な奴だと嘲笑うノイズですが、
受けたダメージは相当のものだったのか、そのまま意識を失いました。
ひとまずノイズを連れて撤退するファルセット。
クレッシェンドトーンは封じられてしまい、
墜落した調べの館、石と化したヒーリングチェスト・・・
絶望的な状況が、4人を囲んでいます。


改めまして、再び明けましておめでとうございます。
年を跨ぎ、2週間ぶりとなるプリキュアは過去の作品同様、
なかなか緊迫感に満ちたものでした。
昨年一昨年のように固唾を呑んで見守る、という程ではないものの
加音町のみならずメイジャーランドをも巻き込むカタストロフィー、
そして音吉さんとクレッシェンドトーンという頼るべき者たちの退場と、
来るべきクライマックスを盛り上げるための幕間としては
十分なものが描かれたと思います。

さて、冒頭で触れた「これほどまでに悲しい顔」は
泣き叫ぶミューズではなく、その直前の「え・・・?」の時の顔です。
昨年のこの時期、父を目前で喪った直後のゆりが見せた表情が比肩し得るものの、
今回は繋いだ手が直後に引き離される事の衝撃と、
ミューズが歴代最年少である事が相俟って、一層の悲愴感を感じさせます。
手を突き返した音吉さんの行動に、何が起こったのかわからない、
けれども何をしたのかは聡明なアコならば解った事でしょう。
その結果、どうなってしまうのかも・・・
この表情からはさまざまなものが伺え、
泣いている顔以上に悲しいものだと感じました。

音吉さん、そしてクレッシェンドトーンの退場は確かに衝撃的です。
しかしこれは、4人の力でこの事態を解決する伏線とも言えるでしょう。
パイプオルガンの援護も無く、スイートセッションアンサンブルも使えません。
それだけでなく、この2者の存在は精神面でも皆の支えとなって来ました。
その頼るべき存在はもうおらず、自分たちで何とかするしかありません。
再び原点に戻り、互いのハーモニーパワーで対処するのか、
はたまた新たな力で対処するのでしょうか・・・?
新たな力があれば頼もしいですが、私としてはやはりこれまでの積み重ねである
人との繋がり、互いを想う気持ち、そして調和を示すハーモニーパワーで
対処する事を期待したいです。

ところで音楽の総譜には、一見無駄に見える音符やフレーズがありますが、
実際には無駄ではなく、楽曲を構成する一部となり得るものです。
それは今回の登場人物達も同様でしょう。
例えば登場する度に厄介事を運んでくるオウム(笑)ですが、
宮殿近くの国民の収容や、プリキュア達に急を知らせて
メイジャーランドへと導く役割をしっかりと果たしています。
ただついてきただけのようなハミィもまた、
宮殿から落下したプリキュア達を見事に救い出していました。
そして敵側で見れば、ファルセットも同様です。
ノイズに黙るよう言われる等、彼の存在はノイズにとって大したものではなさそうです。
それでもパッショナートハーモニーを妨害したり、
ノイズのダメージが大きいと見るや即座に撤退したりと、的確な役割を果たしていました。
このことから、価値の無い者など無いというテーマも見出す事が出来ると思います。

そのファルセットは、今回ビートに呼びかけられた事が大きな意味を持ちそうです。
おそらく今後、洗脳が解ける事の伏線と思われますが、
呪縛から解き放たれた時、ファルセットがどのような行動をとるのかが気がかりです。
バスドラ、バリトンも含め、これまでの償いとしてプリキュアを庇い瀕死になる、
あるいは・・・などの展開がありそうでやや心配ですが、
ここに来てセイレーン時代からの3人と醸し出していた絆が
断ち切られていないと判明した事で、
トリオ・ザ・マイナーの描かれ方にも進展がありそうです。

それはノイズとミューズではなく、ピーちゃんとアコの関係に戻る事はあるのか、
というもう一点の興味にもつながります。
今回のやりとりでは互いに不倶戴天の敵同士、憎んでも憎み切れない相手ですが、
ピーちゃんとの一応の交流があった以上、このまま終わってしまうとは思えません。
憎むべき相手をアコが「赦す」事が出来るか、
そしてピーちゃんがその心を「知る」事が出来るか。
次回予告を見る以上、アコにはさらに辛い運命が待ち受けていそうで、
はたして互いを赦しあえるかどうかはわかりません。
それでも、クレッシェンドトーンの言葉にあった「新しい音楽」とは
ノイズを含めた皆が手を取り合える事ではないかと思います。
残り3話、この物語は果たしてどのような結末を迎えるのでしょうか。
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なぎほの

明けましておめでとうございます。

響き達が再度プリキュアに変身できたのは、新しいト音記号が生まれたからでした。
それは伝説の楽譜に新しいページができたためでした。

私の予想は、「伝説の楽譜に新しいページに新しい音楽が作られる」=「幸福のメロディでもなく不幸のメロディでもない、全く新しい音楽が作られる」

即ち、メジャーもマイナーも包含するような、新しい音楽が生まれるということ。それは双方の和解を意味します。

和解路線の可能性が見えたので、残り3話を楽しみにしております。

もちろん、大どんでん返しで、予想を裏切られるかもしれませんがww

by なぎほの (2012-01-09 16:31) 

スティクス

>なぎほのさん
明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。

前回から繋げて見ると、やはり「新しい音楽」が鍵になりそうですね。
短調でも、長調でも、全てを包括する事。
それ即ちおっしゃるとおり、双方の和解になると私も考えますし、
さらに上を目指す事も出来るかもしれませんね。

仮に予想外であったとしても、シリーズの持つ底力と
受け継がれてきたメッセージを信じている私としては
前向きなものが得られると確信しております。
by スティクス (2012-01-09 21:52) 

龍

最終決戦第1ラウンド、結果は痛み分けですが、失ったものはとても大きいですね。手が届いたのに離れてしまうというのは、届かないよりもショックが大きいものです。思えばビート、ミューズはノイズに翻弄されてきた人々の代表ですが、真っ先に飛び出したのは私怨もあってのことでしょう。前作でもそうでしたが、憎悪や復讐心で戦うのでは意味がない。彼女達の立ち位置も重要になってきます。

今回のファルセットは、今までの凶悪さはやや影を潜め、ノイズに対して能天気に声援を送ったり、プリキュアが来ない理由を丁寧に説明しようとするなど、お人好しでコミカルな面をのぞかせました。
思えば26話の海水浴(ヘッドフォン装着前)では彼が一番はしゃいでいましたし、これがファルセットの素の性格だったんでしょう。
メフィストは未だ目覚めず、バスドラ・バリトンも出番なし。一定の償いを果たした彼らですが、ファルセットを救うにはビート達や彼らの存在が不可欠です。

ノイズの「用心棒」発言を見ればわかりますが、Aパートの彼はプリキュアを気にも留めていません。前回、音吉さんとクレッシェンドトーンが響達を見守り支える立場から、彼女達を信頼し託す立場へと変わったことが示唆されましたが、今回封印されたことがそれを強く表しています。プリキュアやファルセットが傍観者というわけではありませんが、実質的に今回は音吉&クレッシェンドトーン対ノイズの再戦です。

さて、私はこれまでノイズを無表情・無感情で超然とした存在であると考えてきましたが、今回少し認識を変えました。
音吉さんに封印されたことを今日に至るまで根に持ったり、封印に成功して歓喜したりと、感情的な一面を見せていますし、何より注目したのはパイプオルガンを破壊した時に一瞬だけ響いた「鼓動」。前回モジューレ復活のカギとなった「心のビート」は、ノイズにも存在するもの。響達とノイズは本質的には同じ存在であることが示唆されました。にもかかわらず、ここまで執拗に「静寂」にこだわる理由は何なのか。
考えてみれば、ノイズは自身の復活に「不幸のメロディ」という「音楽」を使用することに嫌悪感を示しませんでしたから、彼の否定するものは「音楽」そのものではないということになります。世界を悲しみに包むにしても、石化させる必要はありません。

序盤の響と奏、ハミィとセイレーンなど、例を挙げればきりがありませんが、本作で描かれた「心」は不確かでもろいものです。ふとしたことで相手を疑い、 裏切り、憎み、惑わされるもの。それが「心」の負の側面でした。
要するに、「心がなければ裏切られたり惑わされたりせず、悲しみも憎しみもなくなるのではないか?」。
かつて「心」を「美しさのかけらもない」と罵倒したコブラージャのように、「簡単に(悪に)染まる愚かなもの」と吐き捨てるノイズは、そうした「人の心」そのものを否定しているように見えます。

「友情・愛情・信じる心は全てまやかし」と断言する「全世界の悲しみの集合体」。何が憎いかを通り越して「心」そのものを憎んでしまった復讐鬼。
かつてセイレーンがハミィに対する嫉妬から、「世界の幸せ」そのものを憎んでしまったように、ここまで歪んでしまったのには何らかの原因があると思われますが、「心」の負の側面を否定するノイズもまた、「生きる」の枠組のあり様を訴えているのではないでしょうか。

響達もまた、「心の負の側面」を嫌というほど思い知らされましたが、彼女達はこの1年で「心の正の側面」も学び、それを身を持って表現してきました。残り3話、本当の戦いはこれからです。この1年の集大成、見せてもらいましょう。
by 龍 (2012-01-10 21:03) 

スティクス

>龍さん
これまでにもイース様が四つ葉のクローバーに伸ばした手など
「届きそうで届かない」例はありましたが、
「届いたのに離れる」というのは本当に辛いですね。
サウラーに手を差し伸べたベリーの時の状況が似ていますが、
この時のベリーも「悲しい」ではなく「とても辛い」顔でした。

ご指摘の通り、「私怨」を抜きにノイズと向き合えるかが気になりますね。
昨年のムーンライト同様、憎しみに捕らわれてはいけないと思いますので
どのように発想を変えるか、その時響と奏はどうするのか、
「心の正の側面」への転換を、今から期待しています。

私も病んでいた経験があるだけに、心って本当に難しいものです。
だからこそ敵側、ノイズの言いたい事や存在に関しても全否定できず、
これまでの敵たちに関しても同様です。
ノイズは私も無機的な印象を抱いていたのですが、
案外悪い意味の人間臭い(人間ではないですが)一面がありますね。
そこに解決への糸口があるような気もします。
あと最後に倒れるなど、意外と完全無欠のラスボスでもないところが
予想外で面白い一面だと思いました。

そしてファルセット、おっしゃる通りあれが「素」だと私も感じました。
基本的に温厚かつお調子者なんですね。
セイレーン時代のエレンとの関係を思い出すと、
今回の呼びかけにはグッときました。
トリオ達の救済には、ビートが重要な役割を担うと思いますが、
次回予告のノイズがファルセットと一体化したようにも見えるので、
こちらも気がかりです・・・
ともかく、これらにどう決着をつけるのか、
組曲の最終楽章を見届けたいものです。
by スティクス (2012-01-11 07:20) 

龍

本作は旧作ファンも含めて賛否両論があるようですが、「心」というとても繊細なものを扱った作品である以上、それは致し方ないことでしょう。

「表現や描写が唐突すぎてわからない」「突っ込みどころが多い」「出来事の背景がちゃんと描かれていない」という意見もありますが、これはどうしても付きまとうことなので、私は軽く流しています。物語の本質はそこじゃないので。

わからないにしても、何かを感じ取っていればそれはゼロではないでしょう。例えば、昔読んだ絵本。あの時は内容が分からなくて、ただ漠然とページを追っていただけだけど、いま読み返してみると意味がわかることって、よくありますよね。本作が子供向けの作品ならなおさらです。

むしろ、フレッシュの最終回がそうだったように、「描写がされていないなら、自分の中で何とでも想像して補えばいいじゃん」と。公式に発表されていないのなら、たとえそれが自己満足でも否定される理由は何もないと思うんですね。それに、置かれた状況は同じだったり似ていたりしても、感じ方や背景は人それぞれ。「こうなんだ」と一つを押し付けのように見せるよりは、断然いい方法だと思っています。

「ミロのヴィーナス」の両腕と一緒です。物置の中にしまってあった小学校時代の教科書に、「ヴィーナスの両腕が不在であるが故に、そこには想像力による全体への飛翔(「特殊から普遍へ」の飛翔)が可能なのだ」と書かれていました。いまだにその形がわからない、欠けた両腕。でも、もし欠けていなかったら、ここまで世界から注目されることはなかったはずです。

話が逸れましたが、結局大切なのは今まで以上にそれぞれの登場人物の視点に立って見ることなんだと思うんですね。この点は、大野敏哉さんが脚本を担当していた「中学生日記」のような、学園ドラマにも通じるものがあります。

これはある作品からの受け売りですが、「真実はただ一つだが、そのほとんどは見方によってどうとでも変わるもの」。他の方々のコメントもそうですが、肯定的か否定的かは別にしても、それぞれの意見がなければ、同じものでも全く見えていないものがあると思います。

例えば、少し前の響と奏では、セイレーンとハミィの関係はおろか、お互いのことも今一つ見えていませんでしたし、この後にクローズアップされるアコとメフィスト、トリオにしても同じことが言えます。一人だけ、または一つの集団だけの視点では、どうしても視野が限られてくると思うんです。
ビート編ではエレンが、ミューズ編ではアコが、響達に心を動かされてきましたが、同時に響達も彼女達から大切なものを教わっています。
それぞれの視点では見えなかったものが繋がって、やっと見えるようになって、それぞれが補い合うことで新しい道が開けていく。それを毎年見せてくれるこのシリーズが大好きです。
by 龍 (2012-01-12 21:25) 

スティクス

>龍さん
こう言ってみたかった!というような、
私の言葉の足りないところを補って頂いた、
素晴らしいコメントありがとうございます。

「本質はそこじゃない」まさにその通りで、
私も細かい所よりも、何を訴えかけたいのかに主眼を置いて
行間を読むように心がけていたつもりですが、
それをどう言葉にするか、ずっと考えていました。
絵本であったり、ミロのビーナスであったり、
年を経て理解できる事、そして想像力で補う事。
私もウルトラマンなどで子供の頃に気づかなかった事が
大人の視点で観て気づいた点がありますので、
このご意見は大いに納得させられました。

私自身が書いたフレッシュ最終回の感想を久々に読み返し、
「答えは一つではない」と書いていた事を思い出しました。
解釈も受け止め方も人それぞれ。
みんなが一様ではないからこそ、問題提起があり、
それをどう考えるかという事に繋がりますね。

また、私自身も見えていない点が多くある事や、
様々なご意見を受け入れてさらに掘り下げるという事を、
改めて実感した次第です。
私の感想は見方の一つとしてではありますが、
それに固執するあまり他のご意見を受け入れて居なかったのではと、
反省すべき点も感じました。

足りないものを補い、繋がり、絆を知り、道を切り開く。
間違いなくこのシリーズもプリキュアのDNAを引き継いだ作品であり、
その結末をしっかりと見届けたいものです。
by スティクス (2012-01-13 07:50) 

横浜学園都市部

明けましておめでとうございます。

頼るべき存在の退場は、大打撃ですね。

アコにとって幼いながら突きつける現実は、非常に重いですね。

「心を知る」については、90年代に「特救指令ソルブレイン」という特撮がありますが、その作品も悪に堕ちた犯罪者を心をも助けたいという縦糸と似た感じがしますね。
しかし次回(明日)は更にダメ出しをしてきますね。

何しろファルセットの体を乗っ取って、ノイズはパワーアップするのですから。

追伸:スマイル組のスタッフには注目です。

by 横浜学園都市部 (2012-01-14 18:41) 

横浜学園都市部

ちょっと追記です。

最後ら辺で、ピーちゃんとの心を知って赦し、手に手を取り合えるのかと言及していますが、個人的には取り合ってほしくないです。

理由は36話と37話を繋ぐ劇場版に関係あります(ネタバラシはしませんが、いつか感想をやる際の参考で…)。

映画のボス:ハウリングとメイジャー3、更にチェストを守るモアイは、何れもノイズの傘下です。

彼等は現在のファルセット同様ノイズのために尽力を尽くしてプリキュア達に消滅されたのですから、その頭目が改心なんかしたら、彼等の努力を無駄にするし、プリキュア達は「だったら彼等を助けることも出来た筈」なのにそれさえしないなんておかしいと思うからです。

生意気を承知ですが、いつか映画の感想をやる際は、貴方も絶対そう感じます。
by 横浜学園都市部 (2012-01-14 19:28) 

通りすがり

あなたの中でプリキュアというアニメ作品はどういう存在なのでしょうか。失礼を承知でお尋ねしますが,ただの動く紙芝居であり、結局は価値がなくなれば他に乗り換える暇つぶしの道具なのでしょうか。

あなたは本当にプリキュアが好きなんですか?

えりかの魅力が幼女にはわからないと鼻で笑うようなコメントをしたり、作中描かれている死の描写まで冷淡に観察する一方で、プリキュアシリーズに対して随分一面的な見方で満足しているように見受けられます。一過性のレビューで思考を止め、共感してくれる方と馴れ合うだけで済ませている。


よろしければ心に響かない一般論ではなく,あなた自身の言葉を拝聴してみたいです。
by 通りすがり (2012-01-15 00:06) 

幸下人

コメント欄の通りすがりさん、ブログ管理人のスティクスさん。
お二人の間に先に割り込んだ非礼をまずお詫びします。

スティクスさんが「プリキュアを愛している」ことは一ブログ読者である私には充分伝わってきます。

ただ、それが純粋な愛情なのか、ゆがんだ愛情なのかは、ブログ読者の皆さんがそれぞれ自由に受け止めていいのではないでしょうか。

通りすがりさんがご指摘の点も一理あると思います。

スイート後半からは、コメントされる方々の洞察力が時にはご本人を上回ったりするせいか、あるいはスイートの作品性とスティクスさんとの感性の相性からか、レビューが若干守りに入っている印象や、格調高さを維持しつつ無難にまとめようと苦心されているような印象も時折感じます。(大変失礼なコメントお許しください。決して非難しているわけではありません)

通りすがりさんは、きっと「シャレこいてないで思ったままを素直に書いたら?」というエールのおつもりでコメントされたのではないか、と、感じました。

お二人がこのブログを通じて、馴れ合いではない真の「いい関係」を築いていってくれれば、このブログの一ファンとして嬉しいです。
by 幸下人 (2012-01-15 01:31) 

スティクス


>横浜学園都市部さん
こちらこそ、明けましておめでとうございます。
私は劇場版がまだ未見なので、
なるほどそういう事情がある事も知りませんでした。
敵の頭目だけが救われる、という展開ですと、
その前に倒された者たちが浮かばれないという考えも尤もです。
現に私も長い事デスパライアに対してそう感じていました。
それでも無駄でなかった証になり得るのではないか、
結果として報われているのではないかと考えるようになっています。
ギリンマ君達や、スコルプさん達を惜しむ想いはありますが・・・
ともあれ、いずれ劇場版を視聴する際の参考になりました。
by スティクス (2012-01-15 08:11) 

スティクス

>通りすがりの方
ご意見真摯に受け止めさせていただきたいです。
私はプリキュアシリーズに心底惚れ込んでいるつもりですが、
受け止める方によってはそう見受けられないのだ、
という当たり前の事実を痛感致しました。

その時の気分や精神的なものにより、書いている事が異なります。
また、意見がブレやすいのも、私の大きな欠点だと思っています。
時に思い切り失言していたり、またご指摘のえりかの件であったり、
「ミルク初登場」の話など、読まれた方に不快感を与えかねない
文章を書いていた事は、私自身も反省している点です。

そして何より、「管理人のスティクス」の文体が
私自身思いもしないうちに一人歩きしている事が、正直苦しいです。
私が言いたい事をもっとストレートに伝える事が出来れば、
もっともっと楽に、もっともっとスマートに書けると思うのですが・・・
再び「私自身の言葉」で気軽に書けるように
いきなり軌道修正ではなく、徐々にそうして行きたいと考えています。

今までの状態でスイートの最終回や、各種劇場版を再視聴するよりも、
より良いものを目指せるような気がしました。
貴重なご意見、ありがとうございます。
by スティクス (2012-01-15 09:10) 

スティクス

>幸下人さん
ご配慮いただきありがとうございました。
確かに最近、というよりも昨年の5月ごろから、
ずいぶんと苦労しながら書き続けてきた気がします。

守りに入っているというご指摘の通り、
私自身の本心が見えづらい記事が多くなってきたと、
自分で読み返してみても感じます。
そのまま感じた事を書いていない分、
厚化粧気味の文章で誤魔化している感も拭えず、
これでは私自身がどう思っているのかを疑われても仕方がありません。

こうした私の姿勢が、プリキュアから何を学んだのか、
ひいてはプリキュアを本当に愛しているのかと
疑われる一因かもしれません。
無難な感想に終始せず、本心を出す事が作品と向き合う事だと
頭では解っているのですが・・・
中々思い通りに行かず、歯がゆくてなりません。

ただ、急に書き方を変更してしまうのも
読んで下さった皆様に失礼と思いますので、
徐々に書き方を変えていけたらと思います。
この度はありがとうございました。
by スティクス (2012-01-15 09:17) 

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