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冬はとっくに終わりましたが・・・ チャイコフスキー 交響曲第1番『冬の日の幻想』 [音楽]

タイトルどおり、異様に寒く感じた冬もとっくに冬も通り過ぎた今日この頃。
日中は暖かいものの、それでも帰宅時などには時折寒さを感じることもあります。
という訳で、過ぎ去った冬を偲ぶような作品が聴きたくなり、
桜も散った頃だというのにこんなタイトルの曲を引っ張り出して来ました。
それにしてもシベリウスの6番といい、またまたマイナーな曲ですが、
この曲の第1楽章のとある旋律が大好きなものでして・・・
  
第5番を紹介した後であれば、普通ならもっとも有名な第6番『悲愴』か、
次いで有名な第4番あたりを挙げるのが普通ですし、
交響曲以外でもチャイコフスキーにはピアノ協奏曲やヴァイオリン協奏曲、
弦楽セレナーデや3大バレエ音楽、そして「1812年」やスラヴ行進曲などなど
有名な作品は多々あります。
それでもあえてこの曲を持ってきてしまったのは、
第1楽章の第2主題の美しすぎるメロディが大好きなもので、つい紹介したくなりました。
この動画では2分21秒から出てくる旋律です。

メロディメーカー、チャイコフスキーの面目躍如とも言うべき、この甘美なメロディ。
転調して再び出てくる時の美しさ(この動画の8分12秒)も格別で、
このメロディが聴きたいがために、私は何度もこの曲を取り出してしまいます。
第1楽章も件の旋律だけでなく、霧の中から立ち上ってくるような冒頭からして惹きこまれ、
後のバレエ音楽を思わせる旋律の数々が魅力的です。

しかしこれはまだ交響曲「第1番」。チャイコフスキーが未熟な頃の作品ゆえに、
作品全体で見ればまだ不慣れな点が見受けられ、交響曲としての完成度では
第4番以降の作品とは見劣りします。
それでも、こと旋律美という点では晩年の作品とも遜色が無く、
むしろ若さゆえの魅力というものがふんだんに感じられ、
私としては続く第2番「小ロシア」や第3番「ポーランド」よりも好きな作品です。

他の楽章は第1楽章ほど好きではないのですが、
それでも各楽章ごとの魅力があります。

「陰気な土地、霧の土地」と題された第2楽章。
常に霧がかかっているかのような仄暗さの中に、やるせない旋律が続き
聴いていて「陰気」になってくるのはサブタイトル通りと言えそうです(笑)。


これも後のバレエ音楽を思わせるような出だしに始まる第3楽章。
独特なリズム感がもたらす疾走感が結構カッコ良くて好きです。
そして感情を爆発させた後の中間部、
冬の日だまりのように穏やかなのどかなメロディにガラッと変わる様は、
後の交響曲第4番の第2楽章を思わせる気がします。


最後は、「悲愴」の第1楽章の始まりを思わせる暗い旋律で始まる第4楽章。
ここから次第に明るくなってドンチャン騒ぎ(笑)になるところが「悲愴」と異なります。
この賑やかさ、いささか派手すぎで聴いていて恥ずかしくなるのですが、
腹の底からスカッとサワヤカの笑いが出てしょうがねーぜッ!
といった感じのフッ切れ感が楽しいです。
そしてあまりにもクドすぎて、聴いていて笑えてくる(半分褒め言葉です)ラストに向けての展開。
このあたりが「これが若さか・・・」と言った感じなのでしょう。
それでもこの動画での4分33秒あたりのロシア民謡っぽいメロディなど、
旋律の美しさは変わらず、やっぱり時々聴きたくなる曲です。
何より『冬の日の幻想』という表題が素敵だと思います。

例によってこの曲もマイナーなために演奏機会が少ないです。
GW恒例となった、国際フォーラムでの「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」熱狂の日音楽祭は
今年はロシア音楽がメインと言う事で期待していたのですが、
残念ながらプログラムには入っていないようでした。。
必然的に録音も多くないのですが、私の好きな演奏は
フェドセーエフ、ロストロポーヴィチといったロシア人指揮者によるものです。
若き日のチャイコフスキーの青さを存分に出せるのは
同じロシア人といった感じなのかもしれません。

一度だけ生で聴いた事があるこの曲を、再びどこかで聴きたいものです。
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