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スマイルプリキュア第27話『夏のふしぎ!?おばあちゃんのたからもの』 [スマイルプリキュア!]

東京暮らしをしていると田舎の風土に憧れが生じるのか、
私の一人旅の行先には、比較的そのような地域が多いような気がします。
今回のエピソードを見て、3週間前に訪れた秋山郷の事を思い出しました。   
日本の穏やかな田舎の夏を丁寧に写し取った描写、民俗学的な要素も滲ませる内容に、
田舎暮らしと三世代同居といった現実的な問題も絡める今回、
プリキュアのおばあちゃんキャラは「強い」という伝統も交えた良作でした。
  
みゆきのおばあちゃんの家は、バスもタクシーも無い山の奥です。
夏の日差しが照りつける道を、歩いて向かう五人の中で
体育会系の筈のあかねが、珍しく真っ先に音を上げました。
夏バテで食欲が無く体力が落ちており、
沢へと降りて冷たい水を被って一息入れるあかね。皆もしばし足を休めます。
『むやみに川に近づくと河童に引っ張られるよ』
声がした方へ振り向くと、みゆきの祖母タエさんが優しい笑顔で迎えに来てくれていました。

虫の声に包まれた静かな家。
目の前には素晴らしい景色が広がり、小川のせせらぎや真っ赤なトマト・・・
穏やかな日本の里山風景がここにあります。
麦茶で一息入れた後、下の川で冷やしてある野菜を食べに向かいました。
川の水がもたらす天然の冷蔵庫で冷やされた新鮮なきゅうりやトマトの味は格別で、
夏バテ気味だったあかねもすぐさま回復。
そんな折、実は怖がりのなおは薄暗い木立の間の小さな祠が気になっていました。
『河童って本当にいるのかな?』
タエさんはみゆきを促し、川にきゅうりを一本流させました。
大好物のきゅうりをあげれば、河童は悪さはしないという話を聞いて、
なお達は逆に河童は「いる」のではないかと少しビビり気味です。
しかしタエさんが子供の頃からみゆきに聞かせて来た話は、
河童、天狗、座敷童の優しい話でした。そして優しくすれば、妖怪たちも贈り物をくれる。
みゆきの物語好きは、そんな話を聞いて育った事で培われて来ました。

ひょっとしてタエさんキャンディの事を気づいている?ような夕食後、
近所の人がスイカを持ってきてくれました。
お礼に野菜を持たせるタエさんとのやり取りに、みゆきは何かを感じ取っているようです。
ご飯の後は、縁台でスイカを食べながら花火。
楽しむやよいとなおを見やりつつ、みゆきは今回の訪問目的を口にします。
『ねえおばあちゃん。私達と一緒に暮らさない?
 お父さんもお母さんもおばあちゃんの身体が心配だって言ってたよ。
 私もおばあちゃんといつも一緒に居られたら嬉しいな、とか思ってるんだけど・・・』

確かにここの風土は素晴らしいです。しかし交通が不便で何かあった時は心配だと、
あかねとれいかも気になっていました。
しかしタエさんはその気持ちには感謝しつつ、ここには宝物があるからと辞退しました。
それが何なのかは、秘密だと微笑むだけで教えてくれませんが、
みゆきには何となく、何かが掴めてきているようです。そしてあかね達も花火に参戦。
張り切るあかねをれいか、なおがたしなめる声を聴きながら、
ふと、空を見上げたみゆきは満天の星が見下ろしている事に気が付きました。

それにしても最近の半端ない熱帯夜はバッドエンド王国も同様で、
ウルフルンはちゃぶ台の下でぐったりと寝そべり、猛暑にあえいでいます。
フサフサの毛並みが暑さを増長していると、ちょっと切ってみた短髪の姿を想像しますが、
やっぱり思い直し、立ち上がろうとしてちゃぶ台にしこたま頭をぶつけて、
『暑さなんかに負けてたまるか。とりあえず、山で涼むか・・・あちぃよぉ~』
出撃ではなく「避暑」目的で出かけて行きました。

翌日、朝もやの立ち込める山々に朝日が昇る美しい光景の中、
水やり、草取りなどみんなでお手伝いです。
ところで、キャンディ。象さんと一緒に水やりって目立ちすぎる気が・・・(笑)
草取りしながらあかねとみゆきは、二人とも引越しを経験した事があるため
ずっと住んでいたところを離れる辛さに理解を示します。
それより、タエさんの宝物とは何か。良くわからないながらも、
みゆきはこの景色を見ていると、何となく分かりかけて来ていました。
キツネが集落に姿を見せる、のどかな光景。
そしてタエさんがトウモロコシを焼いてくれて、一時休憩となりました。

その頃、ウルフルンは清流に足を浸して涼を取り、ご満悦です。
暑さで食欲が失せているのはウルフルンも同様、
落ち着いたら食欲が出て来たと思った矢先、水が跳ねる音を耳にしました。
直後、山に響き渡るウルフルンの悲鳴・・・
庭先でトウモロコシを食べているみゆき達の所に、
果たしてずぶ濡れになったウルフルンが逃げて来ます。
意外な場所での対面に、互いに驚きの声を上げながらも
ウルフルンはトウモロコシに目を留めて唾を飲みこみました。
『あらあら、お腹が空いてるのね。今何か持ってくるわね』
ウルフルンを見てもあまりに平然としていたので誰も気にしていませんでしたが、
この場には当然タエさんがいます。
『俺様が怖くねェのか!?』『怖い?可愛いキツネじゃないの』
可愛いと言われ、真っ赤になって反抗するウルフルンに、思わずあかね達も吹き出しました。
しかし狼の恐ろしさを見せてやると、白紙の未来を黒く塗りつぶすウルフルン。
このままではタエさんが絶望してしまう・・・大変です。

『ウルッフッフ、ばあさんの発したバッドエナジーが、悪の皇帝ピエーロ様を・・・』(1回目)
『ウルッフッフ、ばあさんの発したバッドエナジーが』(2回目)
『ばあさんの発したバッドエナジーが』(3回目)
『バッドエナジーが』(4回目)
『バッドエナジーが』(5回目)
啖呵を切るウルフルンの意気込み空しく、バッドエナジーを発するどころか、
タエさんは微笑を浮かべたまま全く平然としています。
当然時計の針はピクリとも動かず、これにはウルフルンも唖然としました。
ウルフルンが何を言おうとも、タエさんは絶望などする素振りはありません。
『これから先ずっと悪い事ばっかだぞ!』
『生きていればそういう事もあるわよ』
『ずっと真っ暗なんだぞ!』
『天気が悪い日もあるものよ。でも必ずお天道様は登ってくる。
 ずっと真っ暗なんて事は無いのよ。
 何があっても笑顔で一生懸命生きていれば、いつかきっと幸せはやってくるわ』
こうなったら意地でも絶望させてやると脅しをかけるウルフルンの発言も、
タエさんはいつの間にかご飯作りに行っており華麗にスルーしています。
一人相撲を取らされたウルフルンは家を滅茶苦茶にしようと
蚊取り線香をスーパーアカンベェ化。みゆき達は変身して立ち向かいます。

家を叩き潰そうとするスーパーアカンベェの拳をハッピーが押し留め、
マーチが蹴りつけた後、ピースとビューティが殴り飛ばし、
それをサニーが投げ飛ばして、さらに蹴り飛ばすハッピー!
何度も戦いを潜り抜けて来た五人による、胸のすくような連携攻撃が繰り広げられます。
『おばあちゃんの宝物には指一本触れさせない!』
タエさんの宝物とは家や畑、山に川、ここにある全てだと理解しているハッピー。
しかし、何で秘密にしているのか疑問を抱くサニーの問いかけに、
ハッピーもちょっと考えてしまいましたが、今は戦闘中です。
その隙にスーパーアカンベェの放つ火球がプリキュア達を襲い、
五人が動けない間に、今度はタエさんの家に照準を定めました。
悲鳴のような叫びをあげるハッピーの懇願空しく、打ち放たれる火球。
その時、山から猛烈な風が吹き付けて火球を消し、
ウルフルンもろともスーパーアカンベェを吹き飛ばしました。
突然の奇跡的な現象を、ハッピーはタエさんに聞いた「天狗風」だと察します。
『山に吹く突風は天狗さんがうちわで起こした風なんだって』
そして沼に落ちたスーパーアカンベェを、「何か」が水中から翻弄します。
『お前はさっきの!』
ウルフルンが激昂する「何か」の姿は誰も見ていませんが、
その隙にプリンセスフォームへ変化してスーパーアカンベェ撃退。
山々にウルフルンの恨み節がこだましました。

ウルフルンのためにおいなりさんを沢山つくっていたタエさんは、
帰っちゃったと聞いて少し残念そうです。
みんなでおいなりさんをつまみながら、みゆきはそっと問いかけました。
『ねえおばあちゃん。おばあちゃんの宝物ってさあ・・・』
言いかけて、みゆきはそれ以上聞くのをやめました。
山からはさっきと違った優しい風が吹いてきます。天狗のお礼のような、優しい風。
五人が山のみんなにしてあげた良い事は秘密ですが、
ひょっとしてタエさんも何か感づいているのかもしれません。
下の祠には、山のみんなからのお礼の品が届いていました。


雪城さなえさん、花咲薫子さんといった
ツワモノぞろいのプリキュアおばあちゃんの例に漏れず、星空タエさん強いですねぇ(笑)
キャンディの分まで夕飯を作っていたり、ラストで山のみんなへの良い事に言及したりと、
薄々みゆき達が何かをしている事に気が付いているような描写、
常に穏やかな笑顔を崩さないところなど、雪城さなえさんを髣髴とさせます。
バッドエナジーが出ないという事実でみんなも一目置いて、
タエさんの事を「強い」と評していましたが、
何があっても動じない肝の据わりっぷりもさることながら、
これまでの人生で様々な辛い事を味わって来たと思われるにも関わらず、
それを微塵も感じさせない物腰にこそ、本当の強さが感じられます。
例えば今回はみゆきの「おじいちゃん」、すなわちタエさんの伴侶の姿は見受けられません。
おそらく既に鬼籍に入っていると思われます。
そうした「天気の悪い日」で沈むのではなく、
いつかきっとやってくる幸せを、今でも信じながら日々を過ごす事の強さ。
決して過去の出来事や「天気の悪い日」に囚われず、いつかきっとやってくる幸せを信じて、
日々穏やかに過ごす事が、普通に見えていかに強いものなのかを考えさせられました。

今回は珍しく、過疎の地方でお年寄りが一人暮らしをする事の懸念という
現実的な社会問題も取り上げられています。
田舎には田舎の、都会には都会の良さも悪さもあり、どちらが良いとは言えません。
例えば今回、スイカを持ってきてくれたおじさんとタエさんとのやりとりは
見方を変えればプライバシーの無い生活環境と見る事もできます。
しかしプライバシーが尊ばれる都会暮らしは、田舎の目から見たら幸せに見えるものなのか。
タエさんが一人暮らしを続けていられるのは、地域の支えがあるからだと思われますが、
地域の支えに個を犠牲にされる事を煩わしく感じる都会暮らしとは、果たして幸せなのか。
色々と思うところはありますが、それでも私は都会暮らしを止める事はできません。
生活環境を変えるという事は、それほど心理的に難しいものです。
先日訪ねた秋山郷は素晴らしいところでしたが、
そこで生活したいかと言われると話は変わって来ます。
それは逆に地方の方々が東京で生活したいかと言われると、同じ事が言えるものでしょう。

さて、ウルフルンの扱いには笑わせて貰い、そして少し考えさせられました。
まずあの短髪イメチェン姿。意外とアリじゃない?と思った矢先に
頭を打ちつけて涙目になるなど、なにこの狼さん可愛い♥と萌えてしまいました。
タエさんに可愛いと言われて真っ赤になり、はたまた5回もバッドエナジー宣言をしてみたりと、
やっぱり愛されている敵役だと感じさせます。
折角川で涼んでいたのに、河童に悪さされてしまったと思うと気の毒というべきか(笑)
ずぶ濡れだったのは、おそらく河童に引き込まれそうになったのでしょう。
キツネ呼ばわりされて地団太を踏み、狼だと言い張っても逆に気にされない始末。
しかしタエさんのように民話に明るい方からすれば、
「オオカミ」は「大神」として崇拝される存在でもあるという事も知っていそうです。
決して狼は悪役・敵役を義務付けられる者ではありません。
そしてタエさんと対峙したウルフルンの態度は、甘えたい、構って欲しいけれども、
意地を張って素直になれない子供のように見受けられました。
愛されたいと思わなければ、愛されません。本当は寂しいのだとすれば・・・
ウルフルン達だけでなく、彼ら三幹部の胸の内が少し垣間見られたような気がしました。

手を貸してくれたとされる河童も、天狗も、今回ははっきりと姿を見せません。
たまたま強風が吹いただけかもしれませんし、
水中の大きな魚やウシガエル等がスーパーアカンベェの体勢を崩しただけかもしれません。
民話の類は得てしてそういうものへの畏怖から始まり、
適度に畏れ、適度に敬い、互いを尊重する事を示唆しています。
河童にしろ天狗にしろ、話によっては悪役になり得る存在ですが、
今回は全くそのような要素を感じさせません。
狼、鬼、魔女もまた、ただ敵として扱わるだけではなく、
今後の戦いを通じて歩み寄れるのではないかと暗示しているように思いました。

タエさんの宝物が何なのか、なぜ秘密にしているのか、
そしてみゆきが思いついて答えなかったものは一体何なのか。
今回、作中で確かな答えはありません。
観た人それぞれが、こうなんじゃないかと思ったものでいいのではないかと、
幸せの形は一つではないという事を考えさせられます。

今回は背景や蚊取り線香といった小道具が、日本の夏を見事に表現していました。
入道雲や虫の声、旬を感じさせるきゅうりやトマトのみずみずしさ、
木漏れ日が柔らかな小川と、夕陽→夜→朝と流れる山々。
そして冒頭、炎天下の道で見受けられる「白い夏」の描写。
私の記憶の中の遠い夏の日も、なぜか「白い」んですよね。
スイカやトマトの味、花火の記憶とともに、
みゆき達にいつまでも中学二年の夏休みの思い出として残るものでしょう。

ところでタエさんは苗字が星空である以上、
父方の祖母と思われますが、それにしては育代ママン似でした。
ひょっとして婿養子・・・?このあたりの事情も少し気になります。
そして戦闘中に長考に入り、大きな隙を作ってしまった場面。
初期のスマイルプリキュアらしい一場面でしたが、
個人的にツボだったのはピースの「埋蔵金」発言でした。
糸井重里の名を反射的に思い出した、大きなお友達の方々もいらっしゃった事でしょう(笑)
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極北

はじめまして、いつも楽しく拝読しております。
タイトルが「夏」で始まる3部作のラストは、お盆に相応しい一編でしたね。

今回の主役は何と云ってもタエさんとウルフルンだったと思いますが、私個人的には、あかねちゃんのあかねちゃんらしさが光っていたと思います。

キャップを逆さに被るボーイッシュな格好(エロ被り)と言い、首筋にぼとぼと水を掛ける大胆さといい。
印象的だったのが、みゆきがタエさんに同居を持ちかける際、横目で様子を伺うれいかさんに対して、スイカを何気なく食べながらも忌憚のない(?)意見を言う場面。本当に細かい所に各キャラらしさが垣間見えました。
あと、「行こっ」のウインクには完全にやられました(笑)。

そういえば、最近自分の事を「ちゃん」付けするのが多いですね。恒例になっていくのでしょうか。


最後に、EDといい次回予告といい、やよいのあざとさは留まるところを知りませんね(笑)。肝試し回で目を輝かせていた人は、未だ嘗ていなかったのでは?けれど逆に、常にニコニコしていたこまちさんの底知れなさが分かるというものです。
by 極北 (2012-08-19 18:03) 

スティクス

>極北さん
はじめまして。コメントありがとうございます。
「夏」三部作、言われて初めて意識しました・・・確かにそうですね。
お盆の帰省時に、おばあちゃんの家で観たお子様もいた事でしょう。
時期的にも相応しい一編だったと思います。

>あかね
今回は本当に生き生きとしていました。
ご指摘の「帽子」「首筋に水」もツボでしたが、
私はアカンベェ投げ飛ばしが、豪快でサニーらしくて気に入っています。
それでいて転校生としての経験を活かした発言や
例に挙げていらっしゃる意見を言う場面等、細やかな気配りも出来、
決してガサツな子じゃないという描き方が良いです。
>ウィンク
ええ、私もやられました(笑)。あと花火で張り切る「声だけ」も良かったです

>やよい
今回のEDソロパート担当は予想していましたが、
来ると解っていてもあざとい!と言えてしまう可愛らしさ、
予告でも全部持って行った感がありますし、次回も楽しみです。
こまち的な立ち位置はれいかが担当しそうなので、
やよいは果たして何をやらかしてくれるのでしょうか(笑)
by スティクス (2012-08-19 21:24) 

ロドリ下衆

今週こそは、簡潔に…(苦笑)

こんばんは。
ほのぼの夏休み回の3回目でしたね。
設定的にはハートキャッチの19話を思い出させますね。



今回、そろそろ泣き落としが来るかと警戒してましたが、
取り越し苦労で終わりました。
しかしながら、泣ける話とはまた違った感動をもたらしてくれた、
そんな良回だったと思います。


で、冒頭の真っ先に音を上げるあかねは意外でしたが、
普段快活な娘がヘバっていると、思わず助けたくなっちゃいますw

さすがにれいかは氷属性だけあって、あの炎天下でも
暑さを微塵も感じさせません(笑)

そして今週もあか×なおがありましたね!
河童伝説に戦くなおを、すかさずからかうあかね。
もう、お腹いっぱいですww

それにしてもみゆきのおばあちゃんのタエさん、
プリキュアに登場するおばあちゃんの、伝統的な『強さ』を
例に漏れず継承してましたね。

キャンディがぬいぐるみじゃないことを見抜いたり
(まあ、先週の勢いのまま大っぴらにしてれば、そりゃ誰でも
気付くわ、って思いますがw)、明らかにただの狼ではない
(最後までキツネだと思っていた様ですがww)ウルフルンに
同じなかったり、バッドエンド空間でバッドエナジーが出なかったり、
みゆきたちに何かを感じたり・・・


これはあくまで憶測に過ぎないんですが、みゆきが幼少期に
おばあちゃんから聞かされた話の中で、天狗・河童・座敷童が
出てきましたが、その中で今回天狗・河童はその存在を
匂わせる様な描写がありました。

が、座敷童だけは全く存在を感じませんでした。
・・・そうすると、じつはおばあちゃんが座敷童では?なんて思ったり。

古くからこの地域に息衝いていた座敷童が、一人の男性
(つまり、みゆきのおじいちゃん)と恋に落ち、共に生きる為に
人間となった。

座敷童が住む家には幸せが訪れると言います。
みゆきのウルトラハッピー体質も、おばあちゃんの能力を
受け継いでいるから、と考えると、あくまで裏設定ながら
納得もいく様な気がします。

『大切な物』は、結局最後まで明かされませんでしたが、
『掛け替えのない自然』だとすれば、確かにあかねの言う通り
秘密にする必要がないと思います。

『座敷童としてこの家、この土地を護る』ということが
おばあちゃんの『宝物』という事であれば、
確かに他言は出来ない秘密にも成り得ます。

キャンディの存在に気付いたり、ウルフルンに動じなかったり、
バッドエンド空間を無効化したり、天狗や河童と意思の疎通が
出来たり、プリキュアの力を感じたりしたのも、
座敷童の能力があればこそかな、と。

仮にこの憶測が当たっていたとしても、
この先の物語上でそれが明らかになる事は無いでしょうし、
明らかにしてしまえばみゆきは『普通の女の子』では
なくなってしまうので、それでは『女の子は誰でもプリキュアに
なれる』という、コンセプトが揺らいでしまうことになります。



・・・と、色々考察しましたが、視聴者にこういう想像を
膨らまさせる事こそが、まさに製作者側の狙いだったんでしょうね。

天狗や河童、座敷童の直接的な描写は敢えてせず、
『宝物』が何だったのか、最後まで答えは出さずに観ている人に
それぞれ感じてもらう。。。プリキュアって本当に深いっす(汗)


邪推(?)はこれくらいにして、今回戦闘も良かったです。
5人で畳み掛ける連携攻撃は、良く動いていてマーチの足技・
サニーの投げ等、個性も出ていましたね。

そして天狗風・河童の助けの後のサニキの
『ようわからんけど・・・今やで、ハッピー』もシビれました!

こういう場面でハッピーの背中を押してくれるのは、
いつもサニーの様な気がします。

母の日回で『ハッピー、それはちゃうで』と言って
先陣を切ってウルフルンに向かって行ったのもサニーでした。

ますますサニキに惚れそうですw


次回はお化け回。
久しぶりになおの壊れっぷりが観れそうで、今からワクドキですww

他にもそんななおをからかいながらも自分も怖がるあかね、
お化けに動じる様子もないれいか、相変わらずなあざとさっぷりを
魅せるやよい、普通に怖がるみゆき(笑)等、
キャラ立ちが明確に出そうな展開に期待です。



・・・今週もやっぱり簡潔まとめ、失敗です(苦笑)
by ロドリ下衆 (2012-08-22 02:07) 

モグ

おばあちゃんの凄さに目がいく話ですが
お年寄りの一人暮らしの心配と土地への愛着というのは
ハートキャッチの父の日話でもでてきた
普遍的な家族の愛情の問題かもしれませんね。

それで、みゆきは家で、どう報告したんでしょう?
みゆき「おばあちゃんなら一人でも大丈夫だよ。かっぱさんもてんぐさんも
いるし、おおかみさんに負けないくらい強いんだよ!!」
星空父「。。みゆき。。。明日、お父さんと一緒に病院へ行こう」

メルヘンではなくメンヘラー(c だいずさん)
by モグ (2012-08-23 22:17) 

スティクス

>ロドリ下衆さん
田舎を訪ねる、という点でHC19話にも通ずるものがありますね。
初代の農作業回なども思い出したりしました。

>泣ける話とはまた違った感動
趣きのある民話を観たような、そんな感じがしました。
泣かせる作りでは無いのに、タエさんの振る舞いや言動、
そして民俗学的な要素。
日本人で良かったと思えるような、そんな妙な感動があった気がします。

さて今回頂いたご意見の中で、座敷童について。
私も名前が挙がったのに存在を匂わせなかったところが気になっていました。
家が無事だったのは、ひょっとして天狗風だけではなく、
座敷童が守ってくれていたからとも考えていたのですが、
タエさんが座敷童そのものとは・・・面白い解釈です。
これだけでプリキュアとは異なる一本のストーリーが出来そうですね。
ともあれ、見ている側に色々と想像の余地を残し、
それぞれに解釈を委ねるという点、私も評価しています。
これまでにも答えは一つではなさそうな、
様々な解釈が成り立つ話がありました。
テレビの前の子供達が、一緒に見ているご両親と
話の解釈について語り合ううちに、物語の見方を深めて読解力を養う。
教育テレビのように教育的な一面もあるように思えます。

あと、サニー=あかねについて。
ひょっとしてロドリ下衆さん、あかね推しですね?
いや私もですが(笑)
こうしたパートナーらしい振る舞い、
5人のチームの中にあって、のぞみとりんちゃんのように
特別な何かが感じられる関係、私も好きです。

そんなサニキが、なお共々、お化けに恐怖する次回が
今更ながら楽しみです。
こういうギャップもまた萌えますから・・・
by スティクス (2012-08-23 23:32) 

スティクス

>モグさん
今回の社会性が感じられるメッセージはプリキュアでは珍しかったですね。
前述のHC19話くらいしか、とっさに思い当りません。
地方の問題も内包していたりするところ、
帰省先でみんなで観ていた方々にはドキッとさせられたのではないでしょうか。

>メンヘラー
まあ、仕方が無いですね(笑)
星空博司パパがこの村育ちだとすれば、
理解がありそうな気もしますが・・・
by スティクス (2012-08-23 23:35) 

きすけ

ウルフルンさんの毛刈り妄想…漫画「動物のお医者さん」を思い出して笑った俺がいる^q^ハスキー犬などの熱中症対策には毛刈りが手っ取り早い…らしいぜ

見た目が似てるんで育代さんの母がタエさん…かな~とみたんですが、細けぇことはいいんだよ!
確かに独居老人ってリアルな問題ですね…まぁ今回は逞しいというか達観したタエさんのおかげで深刻さを感じなくて良かったと思います
二本足で直立するウルフルンさんを目の前にして、あそこまで動じないのも凄すぎますけどw

そういえば~まだ祖父母が登場していない日野家、黄瀬家、緑川家の方はどうなんでしょ


それにしても「これぞ日本の田舎の夏ッ!」って雰囲気が再現されていて和んだ…美しい山や川、新鮮な夏野菜達、満天の星空、花火を手にしてキャッキャウフフな女子達(オイ

ここ数年、夏休みに祖父母の家に行ってないな…と子供の頃とか振り替えって、思わず切なくなった大友は俺だけじゃないはずw

他4人の服装も個性が出ていて良かったけど…やはり日本の夏といえば「ワンピースとでっかい帽子を装備した美少女」も外せないわけで!れいかさんは期待を裏切らないな~と、そこでも感動しましたd(^-^)
by きすけ (2012-08-29 22:56) 

スティクス

>きすけさん
私も実家で犬を飼っているので、ウルフルンのへばりっぷりがダブって
夏毛が暑そうだなぁと思っていました。
「動物のお医者さん」って、某山吹祈里先生のことでしょうか(笑)
毛刈りだけでなく、禁断のアレもやって(以下自粛)

タエさんの生活環境は、楽しげなストーリ―の中で結構重かったです。
もっともあの芯の強さを持つタエさんであれば、
近所の人々の支えと共に暮らして行けそうだと思いますが・・・
ウルフルンを前にしての反応など、雪城さなえさんを思わせる
只者ではないオーラが感じられますね。

>日野家、黄瀬家、緑川家
その前にまず、未だ詳しくは謎に包まれている緑川ママンですかねぇ。

>「これぞ日本の田舎の夏ッ!」
私も楽しいだけでなく、
過ぎ去った子供の頃の、あの夏の日はもう帰ってこない・・・
というような奇妙な切なさも感じられました。
大人になってからの夏はあまり楽しい思い出が無いもので(笑)

>「ワンピースとでっかい帽子を装備した美少女」
まだイース様だった頃のせつなを髣髴とさせるこの衣装、
れいかがこれを装備してくれてウルトラハッピーでした。
なおやあかねがこれを着た姿も良さそうだと妄想してみたり。
ミスマッチのギャップ萌えという奴です。
by スティクス (2012-08-30 23:14) 

横浜学園都市部

私はこの放送日の翌日に歯科に通い、昨日の正午前で遂に診療を終了しました。

ここからは、気兼ねなくコメントさせていただきます。

今回はハートキャッチ以来久々の帰省回。

お盆のシーズンに相応しい話でしたね。

みゆきのおばあちゃんであるタエが、バッドエンド空間を喰らわないという離れ業には驚くばかりです。

前作スイートでは響の両親がネガトーンの音波が効かないなんてことがありましたが、やはりプリキュアの主人公の親には不思議な事にも動じない何かを持っていたりするんですね。

ほのかの祖母:早苗といい、つぼみの祖母でありながらキュアフラワーだった薫子といい、この枠のおばあちゃんはかなりの心の強さを秘めており、それが現在に受け継がれているのがいいですね。。

エナジーが貯まる事が無いというのは、ある意味では意外な展開でしたね。

というより、その2週間後も同じようにバッドエナジーが溜まらないまま終わってしまいましたからね。

そしてその時も成田脚本という…

それにしても今回は19話以来2度目の境演出だったわけなんですが、今回同様「たからもの」に纏わる話を展開してました。

※以下の文は、TJ-Type1さんのブログ『真・南海大冒険』のこの話での記事から抜粋です。

19話の方は、ミステリーのように謎が解き明かされながら黄瀬さんの「たからもの」が何かを描くお話。
かたや今話では、最後までおばあ様の「たからもの」が何かというのは明確にされないのだけれど、日常パートの中でそれとなく示唆され、描かれているモノを自由に汲み取って下さいというスタンスの話に見える。

最後に答えを持ってくる米村流と、話の途中に実は答えが置いてあるという成田流。
どちらも「『たからもの』が何か」を探す話ではあるのだけれど、米村さんと成田さんのアプローチの違いが透けて見えて、両者を比べて見るのも面白いなぁと思いますね。(抜粋終わり)

お互いの答えの出し方で、脚本の違いを見極めるのも面白いものです。

今回のスタッフ

脚本:成田良美
唯一全シリーズ参加している脚本家。
結構メッセージ性の高さに脱帽させられます。
ハートキャッチ14話以来ですよ。こんなに心温まる感じで響いたのは…(他にもいい話はありますけど、具体例としてであげた次第です。)

作監:稲上晃

キャリアデビューは『ドラゴンボールZ』の原画と続編『GT』の作監。

97年放送の『夢のクレヨン王国』のキャラクターコンセプトデザイン・米村氏がメインライターだった『ねぎぼうずのあさたろう』のキャラデザなど多岐に渡り、プリキュアでは初代・MH・S☆Sのキャラデザを担当。
スマイルでは7の付く数字の回の作監をしています。

担当回
初代(キャラデザ):12(原画)
MH(キャラデザ):6(原画)
S☆S:1(青山充氏と連名) 24(奥山美佳(なまためやすひろ)氏と連名) 30(高橋任治氏と連名) 49
5:23 31 38(その後ハートキャッチまで離脱)
ハートキャッチ:4(原画) 21 29 38
スイート:1(原画) 14 26 36 44
スマイル:1(原画) 7 17 今回

演出:境宗久

主に『劇場版ドラゴンボールZ』・『ONE PIECE』や『スイートプリキュア♪』のディレクターを務める知らぬ者がいない演出家。

むしろ東映アニメ×フジテレビ作品に縁がある。

担当回
ハートキャッチ:9 24 37(畑野森生氏と連名)
スイート(ディレクター):1 35(織本まきこ氏と連名) 48
スマイル:19 今回

by 横浜学園都市部 (2012-09-06 13:56) 

スティクス

>横浜学園都市部さん
歯科通いは大変そうですね。私ももうすぐ人間ドックのシーズンだったりするので
成人病には気を付けたいものです。

さてタエさんの強さについて。
さなえさん、薫子さん等、おばあちゃんが伝統的に強いシリーズですが、
それだけでなく「大人」が強いんですよね。
実際、プリキュア達の親族に模範となりえない大人はいませんから、
観ているお子様達に、大人は頼りになる存在であり
尊敬する存在でもある事をしっかりと伝えている点が素敵です。

>たからもの
演出家の共通点にはあまり気を留めていませんでしたが、
こうして比較してみると面白いですね。
この対比を活かした解釈には唸らされました。

それにしても、改めて見ると成田・稲上・境の各氏が担当って、
相当凄いですね。
by スティクス (2012-09-07 22:31) 

ユノ

糸井重里………
まさかmother 2!?
by ユノ (2019-06-22 18:45) 

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