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ジョジョの奇妙な冒険 第9話『最後の波紋!』 [ジョジョの奇妙な冒険]

第一部のラストに何が起こるのか、既に知っている筈なのに・・・
途中から思わず正座して観てしまった程、
ジョナサン・ジョースターの生き様は、再び私の胸を打ちました。
・・・ついでに私のHNの由来となった聖職者の生涯も(笑)
原作でもわずか5巻弱、このアニメでも9話でしかないのに、視聴後の満足感が半端無いです。
素晴らしいクオリティで映像化してくれたスタッフの皆様、
ならびに文字通り生命を吹き込んで下さったキャストの皆様に、ぼくは敬意を表するッ!
  
1)布教活動の旅の半ばで夢破れた聖職者(笑)
すみません。一応私のHNの由来になった方なので、真っ先に取り上げてしまいました。
実に取るに足らないモブキャラと言えるのに、
アニメ版では若干出番が追加されていたり「くせー所」という台詞が改変されていたりと、
地味にスポットが当たっていたのが記憶に残りました。
結局、棺桶の秘密に気づかなくても屍生人になるか、殺されるかした筈なので
むしろ恐怖を知る前にやられたのは良かったのかもしれません。

2)港での見送りシーン
ここは色々と見どころが多くて楽しめました。
スピードワゴンの連れだった大男と東洋人がちゃっかり同席している事、
確かに原作にも小さく描かれていますが、アニメだと居る事がはっきりわかりますね。
ポコが船を追いかけるという、世界名作劇場チックな別れの場面も印象的です。
そして棺桶を積む人夫の「つべこべ言わずに積め込め」は、ひょっとしてダジャレでしょうか。
残念なのはトンペティの「今くるよ」が無い事くらいでしょうか。
しかしこの一言だけのために大木民夫さんを呼ぶのも難ですから、まあ良しとしましょう。
何よりスピードワゴンの義理堅さが滲み出ていて良かったです。
そして岸で見送るスピードワゴンに気付いたジョースター夫妻が手を振り返す場面を観て、
これがスピードワゴンとジョナサンの今生の別れだと思うと、なんだか悲しい気分になります。

3)甲板でつがいの渡り鳥を観るシーン
この場面が黄昏時だったのが、美しく印象的で、優しい場面になったと思います。
そして「夜に向かいつつある時」が持つある種の寂しさ、
不吉な運命をも予感させる等、色がついて初めてわかる受け止め方になりました。
このエリナの「幸せの涙」が数時間後には悲しみの涙になってしまうと知っているだけに、
儚さと背中合わせの表情に見える気がします。

4)船内の混乱描写
ワンチェンが血を吸ったという客が屍生人と化すシーン、唐突だったので驚きました。
しかも赤ん坊の母親と同席しているということは、
彼はエリザベス(あえてこう表記します)の父親だったのでしょうか・・・
食堂をさまよう屍生人達の描写は、さながらバイオハザードのようで
逃げ場が無い大西洋上でこんな状況に置かれては、
どうあがいても絶望という雰囲気が感じられます。
ところでエリザベスの美貌は母親譲りだったのですね。
あのお母さん、結構な美人さんに描かれていました。

5)解説者ディオ
スピードワゴン不在中の解説役を、まさかディオ自らが買って出るとは(笑)
「ワンチェンの体組織~船が爆発する」のくだりや、
「爆薬数十樽」などの解説ぶりが見事で、さすがは帝王を自認するお方です。
それでなく空気の読みっぷりも素晴らしく(笑)
ジョナサンとエリナの最後の口づけや、その後の「う・・・美しすぎますッ!」の一連のやりとりを
そっと見守っていて下さる等、人(吸血鬼?)として成長が伺えます。
一転して落ち着いた口調で「尊敬するジョナサン」に語りかける様、
体を奪おうと突っ込んでくる時のハイテンションぶり、
そして追いつめられるとテンパるいつも通りの姿と、
最後まで子安ディオのはまり役っぷりを堪能できました。
第3部はもちろんの事、第6部でのプッチとの語らいの場面や
叶うならば「ディエゴ・ブランド―」も、ぜひ観てみたいものです。

6)ジョナサンの最期へ向けて
空烈眼刺驚を受けた首の傷から吹き出す血の生々しさに、
致命傷を負ったという事を印象付ける狙いと思いますが、ここまで描くのかと驚きました。
この時、首を庇った両手の平に大きな傷が出来ています。
原作ではあまり気が付かなかったのですが、
これはいわゆるキリストの「スティグマ(聖痕)」を連想させます。
意図しているかは不明ですが、ジョナサンの生涯とその最期を思うと、
キリストの受難に繋がるように思えて来ました。
このあたりから前述のように無意識に正座してしまい、
エリナとの離別の折には知っていても目頭が熱くなりました。
『幸・・・・・・わ せ・・・に・・・・・・ ・・・エリナ』の言い方、
まるで慈しむようにディオの頭部を抱く場面、
未来を見つめるような最期の表情など、素晴らしかったです。
文字だけだった「一八八九年二月七日」も、ナレーションが入ると予想していましたが
逆に文字だけの方が静かな余韻があって良かったです。
私は失礼ながら、このアニメ化で初めて興津さんの事を知りましたが、
ジョナサン役は完璧でした。今後のご活躍を期待しています。

7)エリナの強さ
あの爆発の後、だだっぴろい海上で2日間も耐えるという肉体的なタフさはともかく(笑)
本当に彼女は強いです。
爆発から逃れ、夜明けとともに棺桶の蓋を開いたエリナの目は、
ジョナサンの最期の表情と同じく、未来を見据えていました。
事実これから先のエリナの辛く悲しい人生を知っているだけに、
あのままジョナサンと運命を共にする事が一番楽な選択肢だったと思います。
もっともエリナにとどまらず、エリザベス、スージーQ、ホリィ、そして徐倫と
ジョースター家に連なる女性達は、涙する事もありますが芯の強さは皆変わりません。
エリナの誇り高い精神もまた、ジョースターの精神と共に受け継がれているのでしょう。

8)第二部へと繋がる引き!
第一部完の余韻冷めやらぬ中、まさかここで持ってくるとは予想外でした。
次回以降の第二部に物凄く期待が高まります。

ところで重箱のスミをつくようで恐縮ですが・・・
第2話でジョースター卿を診察した医師が持っている懐中時計の秒針は、
19世紀には存在しないクォーツ式の動きでした。
それが今回スピードワゴンが持っている時計の秒針は、ちゃんと機械式の動きをしており
時代背景を考慮して直したのでしょうか。
もしそうだとすれば、殆ど見過ごしそうな細部にまでとことんこだわった作りに改めて感服します。
1930年代の持つエネルギッシュさがどう表現されるのか、
来週からの第二部が楽しみでたまりません!
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オルタフォース

「美しすぎます。」もはやその一言に尽きる。

ジョナサン・・・どこまでも清らかな人だ…・
その生涯をまっすぐ生き抜いた彼に、畏敬の念を示さずにはいられない。

第2部からはガラッと雰囲気変えてくることが予想されます。
楽しみになってきた。
by オルタフォース (2012-12-01 23:48) 

だいず

神父さん出てきてニヤリといたしましたw

いやー・・ 私も正座して見ました。
スピードワゴンさん不在のため、ディオ様の熱い解説が楽しすぎでしたが、原作を再現するとああなるのが自然ッ! と思わず納得。
でもって本当に愛のあるアニメ化でした。

興津さんジョナサンも最高でしたが、戦闘潮流の杉田智和ジョセフにも熱く期待しておりますw

私的には冬アニメでNO1です。
あと三ヶ月楽しめるなんて凄い幸せな気分。
というか3部もやってほしいので応援しまくりたい気分です。
by だいず (2012-12-02 00:28) 

まるっさ

今改めて観て・・・ジョナサンの最期のシーンはラオウのに匹敵するくらいのものだったのだなぁ、と再認識。 僕もてっきりナレーションが死亡確認!とでも(いやそれ生存確認だから)言うのかなと思いましたが逆に無声なのがズンと来た気がします・・・。

しかしエリナに抱きかかえられているジョナサンのアップで向かって左側の赤くて柔らかそうな物体にちょっぴりドキドキした紳士という名の変態な自分をも実感www 心は永遠の少年です。

あとはラストでサンタナが出てきたのも何かこう世界がいろいろ繋がってる感じで、RPGっぽい雰囲気で良かったです。ジョナサンやディオのドラマが展開している間そしてもちろんそれより遥か以前から彼はここでひっそりと眠っていたのだな、と。

記憶が忘却の彼方でしたのであの神父さんの名前が出て・・・彼なのかそれともジョジョなのでそれの元となるミュージシャンのどちらが由来なのかと(笑)思ったものでしたが、神父さんの方でしたか。

このアニメ開始以来目にするプログレというジャンル。正直どこからどこまでが普通のロックなのか判りませんが・・・アニメドラゴンクエストのミッキー吉野さんのもこっちに入るのかな?と今更ですが思ったりします。

話脱線ついでですが、当時サントラ購入してはカセット(懐)にダビングして何十回も聴いていたのは懐かしい思い出です。20周年の主題歌&EDまで入ってる(僕も昔カセットでやってましたがw)バージョンのも購入済みです。個人的にはTheBirthからStoneBlueの流れが印象的であります。
あとは未収録ですが、数々のドラゴンクエスト序曲のアレンジやデイジィちゃんのテーマ曲!?も当時アニメ観てて好きでした。もちろん今も。

ではでは。



by まるっさ (2012-12-02 10:03) 

スティクス

>オルタフォースさん
ジョナサンの精神の美しさは本当に半端ないですね。
ああ!う・・・美しすぎますッ!
歴代のジョジョに比べて真面目すぎるという声も時折耳にしますが、
この真っ直ぐさなところが逆に胸を打ちます。
もちろん性格がだいぶ異なるジョセフもですが(笑)
第二部も楽しみです!
by スティクス (2012-12-02 22:05) 

スティクス

>だいずさん
船着き場で背景に神父数人が見えた時点で、
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!という感じでした(笑)
彼の名前を拝借した私としては、いわゆる「俺得」状態でした。

>原作を再現するとああなるのが自然ッ!
確かに、ディオが実際に言ってますからねぇ(笑)
スピードワゴン成分が少な目で残念ではありますが、
その分子安DIOが補ってくれて楽しめました。
もっともスピードワゴンも、冒頭に新聞朗読が熱かったですね。
2部ではまずメキシコのナチス施設で、
サンタナ戦でのシュトロハイムとのダブル解説が楽しみです。

予告だけですが、ジョセフの声もマッチしていましたね。
他の面子にも期待しています。

>あと三か月
三か月と言わず、その先も観たいですね。
ジョジョリオンまでとは言わずとも、
行けるところまで行って欲しいものです。
by スティクス (2012-12-02 22:12) 

スティクス

>まるっささん
私も当時、主人公が死んでしまう物語をあまり知らなかったので衝撃でした。
ラオウの印象が強くなったのは、もう少し大きくなってからですね。
私としては、第1部連載当時に近い時期のもので、
クリリンがタンバリンに殺された時の衝撃を思い出しました。

>赤くて柔らかそうな物体
なんでしょう・・・?この後見返して確かめて来ます。紳士の一員として(笑)

>それより遥か以前から彼はここでひっそりと眠っていた
この描写は上手かったですね。
ジョナサンとディオの物語も、悠久を生きる柱の男から見れば
ほんの刹那の出来事でしょうし、色々と想像が膨らみます。

私はここを立ち上げて名前を決めた際、
真っ先に浮かんだのがなぜかこの神父様でした。
他にもプッチ神父とか、聖職者は居る筈なのに(笑)

>ミッキー吉野
ゴダイゴは比較的聞き易いですがプログレの範疇に入ると思います。
アニメDQの音楽も、ゲーム音楽のアレンジだけでなく、独特な曲が多くて
印象的なものが多かったですね。
私はライトなプログレ好きではありますが、
こうして少しずつ裾野が広がると嬉しいものです。
「長い」「難解」なイメージが強いので(まあ事実ですがw)
なかなかプログレって人に勧めづらいジャンルなもので・・・
by スティクス (2012-12-02 22:26) 

へるりん

なるほどッ!ハンドルネームは彼から貰ってたんですね(笑)
いや、実際名前が出るまで気づかなかったとはなんたる不覚wwww

そういえばセリフ、「面倒なところ」に変わってましたねぇ。
原作通りやると、メキシコが臭いっていう悪口になっちゃいますから規制したのかもしれませんね。

でもここのスタッフなら、もし五部がアニメ化したとて「ド低脳がッ」てフーゴに言わせそうな感じもします(笑)
とにかく原作愛にこれでもかってぐらい溢れた第一部に感服しました。

第二部も楽しみですね!特にOPがどうなるのか……
by へるりん (2012-12-03 14:13) 

スティクス

>へるりんさん
そうなんです!私の名付け親とも言える人物です。
なんであの方がここまで記憶に残ってしまったのかは
謎としか言いようが無いのですが、
「くせー所」と言いながら酒を飲む無精ヒゲの神父という
破戒僧チックなインパクトが強かったのだと思います。
現に何も予定が無い休日を過ごす時の私そのものですから(苦笑)

>ド低能
これ言わせてみたいですね。むしろ「クサレ脳ミソ」の方が酷い気も(笑)
私が敬愛する乱歩なんかも「不×」「気×がい」等、
今では使えない言葉が沢山出て来ますが、
「時代背景が異なる」という注意書きの下、原文掲載されていますので
漫画に於いてもこうあって欲しいと思います。

ともかく原作愛が半端無かった第一部のテンションを
そのまま二部へ受け継いでいく事でしょう。
面白くなりそうです!
by スティクス (2012-12-03 23:24) 

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