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プリキュアと同名駅をゆく~「大森」 [プリキュアにちなんだ旅]

この3年の間にプリキュアが新たに11人増えた結果、東京23区内にも同名駅が出現しました。
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前後の「大井町」と「蒲田」には行ったことがありましたが、この駅は失礼ながらややマイナーで、今回が初訪問です。
再び「街道をゆく」よろしく、ぶらり途中下車の旅のようなものを行ってまいりました。
・同名(同姓)の駅を、なるべく予備知識を持たずに訪れる
・その周辺でプリキュアにこじつけられそうなネタがあれば採取する
・せっかくなので観光地・名所があれば足を運んでみる
久々なので、これまでに歴訪した際のルールをふたたび振り返りつつ、ぷらぷらと散策してみます。 
  
「大森」は、まことに近い。
この駅から見れば、これまで訪れた駅の中で近い部類であった「日野」は薩摩、「黒川」は長州のようにもおもえる。
そのうえ「大井町」「蒲田」という巨星のような駅に挟まれているため、よほどのことが無いかぎり、外部の旅人は訪れないかもしれぬ。
しかしながら、この駅名は
――貝塚――
という一点において、日本史の中に名をとどめている。
余談だが、日本が世界にその門戸を開いたばかりの明治初頭という、まことに小さな国であった頃、モースという男がお雇い外国人として来日した。
すでに「洋夷」ということばは過去のものになりつつあった頃ではあったが、この年西南戦争が勃発している。
西郷が城山に没するのはモースの来日から半年後のことである。

余談が過ぎた。
ともあれ、まずは大森貝塚であろう。
この町が貝塚によってその名を知らしめていることについては、すでにふれた。
駅周辺の地図によると、北口を出て線路沿いに向かうようである。
北口駅前から池上通りをうろうろしてみると、ビルの一角に案内板が目についた。
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「本当にここがあの『大森貝塚』なのですか?」
「ええ、そうです。そのビルの間を降りて行くと記念碑がありますよ」
そんなやりとりをしようのもなら、白眼をもってみられるような雰囲気のビルの間が、入り口になっていた。
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と、司馬文体で続けて行くのは無理がありますので、この辺で普通に戻します。
ここが本当に史跡なのか疑わしいような通路を抜けると、普通のビルの地階に降りるような階段と踊り場が続きます。
階段を下りて行くと、すぐ間際に線路が、その脇の狭いスペースに記念碑が立っていました。
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やけに寄った写真になっていますが、これには理由がありまして・・・
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奥行がこれだけしか無く、線路沿いの柵ぎりぎりまで下がって撮ってもこんな写真にしかなりませんでした。
それにしてもビルの谷間にある異空間ということで、大手町の将門首塚のようです。
部外者が入り辛そうという、将門首塚とは違った意味で訪れにくい史跡に思えました。

ここは「大田区」ですが、どうやら「品川区」側にも大森貝塚跡があるらしく、そちらも訪ねてみる事にしました。
池上通りを歩く事約5分。いつの間にか区の境界を過ぎて品川区に入った先の、閑静な住宅街の中に公園がありました。
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こちらは公園として整備されていて、大森貝塚については品川区の方が力を入れているように思えます。

園内には縄文時代の暮らしや、貝塚の地層、モースの業績などが案内板として記載されており、
また記念碑は大田区のものよりも全容が撮りやすくなっていました。
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今日は新学期の初日ということもあり、午前中は人気が無く閑散としておりましたが、
これから子ども達の遊び場になるのかもしれません。
普段何気なく訪れている公園が日本史上重要な場所だというのは、地域への愛着や歴史への関心を養う上でとても良いことだと思います。

この後、ここから出土したものをまとめているという「品川区歴史館」へと足を運びました。
わずか100円の入場料ながら非常に内容が充実しており、もっとアピールしても良い施設だと思います。
もっとも、貝塚の出土品よりも「品川宿」についての展示がメインでしたが、江戸~幕末史に興味がある方であれば十分楽しめる展示物があります。

思っていた以上に歴史関係で収穫が多かったので、残りは普通に町の散策を始めてみます。
品川区歴史館から大森駅へ向かう道すがらの右手側、「山王地区」は東京でも有数の高級住宅街、というより「屋敷町」といえる地域のため、部外者が散歩で踏み入れるのは憚られます。
道路沿いの家やマンションにも何とも言えない高級感が漂っており、何となく場違い感を覚えながら駅を越えて行くと・・・
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私好みの実に「渋い」飲み屋街がありました。
まるで異次元空間への入り口のような階段を降りた先は、完全に飲み屋街でランチ営業など行っておらず、
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人っ子一人いないのに店が並んでいる風景は本当に異次元に迷い込んだような感覚でした。
ここならひょっとして、「スナック ゆうこ」や「居酒屋ゆうゆう」などがあるのでは・・・?
と思いましたが、残念ながら空振りに終わり、この先の階段を上って現実世界へと戻りました。

大森には貝塚以外に、もう一つ気になるものがあります。
東海道線等で横浜方面へ向かう時、大森を過ぎてすぐに見えるSL。
蒲田の先にある「タイヤ公園」や、東戸塚手前の「牛小屋」と並んで、東海道線の車窓から見えるものの中でインパクトがあり、以前から気になっていました。
駅の自由通路を越えて東口側へ移動し、線路沿いに蒲田方向へ向かうと、こちらにも昭和の香りがする飲み屋街、というより飲み屋ビルがあります。
ただここにも「ゆうこ」「ゆうゆう」「ハニー」関連の店名はなく、とりあえず駐輪場の先の公園へ向かいました。

車窓から見えるのは一瞬のため、どういう公園か知らなかったのですが、「小さいお子様が交通ルールを学べる」というコンセプトのようで、園内の道路を子ども達が補助輪付きの自転車で走り回っています。
そんな子供たちを見守るかのように展示されているC57蒸気機関車。
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貴婦人の愛称に相応しい、凛とした佇まいが実に美しいです。
よく公園で野ざらしのSLや鉄道車両の展示物がありますが、管理が行き届いておらず無残な姿をさらしていることが多く、残念なことです。
しかし、この公園のC57は手入れが行き届いて美しく、ボディだけでなく機構部も輝いていました。
さらに運転台にまで入れるというオマケ付き。
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全国で保存されているSLの中でも、トップクラスに恵まれた環境だと思います。
(司馬文体を続けていれば、このあたりで「余談だが」と言いながら佐賀藩や鍋島閑叟が出てきそうです)

そんなC57を眺めつつ、「おおもりご飯」のメイン商品であるからあげ弁当を食しました。
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公園に来る途中で良い感じの店を見つけて買った弁当450円也。
これで450円は安い!素晴らしい味と食感のからあげでした。

探せば「ハニー」絡みや、そのものずばりの「おおもりご飯」があったかもしれませんが、
(「ひかり薬局」さんや「みなみ薬局」さんはありましたが、ハピネスチャージ関連のものは見つかりませんでした)
今回は十分満足の行く散策ができました。
近場の行ったことが無い町で意外な発見、という小さな旅の魅力を堪能できたと思います。
さて、次はどこに行こうか・・・
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急行・快特本八幡

改めまして、、お久しぶりです。
実は僕はこの大森の隣、蒲田の在住なんですね。ゆうこ、ゆうゆう、ハニーに関するものといえば、大森にはないものの蒲田に「スナックゆうこ」という店があり、ドラマ「砂の城」のロケにも使われました。大森駅東口近くにはかつてアサヒビールの工場があり、その跡地にはイトーヨーカドーが建っています。
by 急行・快特本八幡 (2016-10-10 07:38) 

急行・快特本八幡

追記ですが、プリキュアに関する駅名といえば、JR青梅線の終点奥多摩駅がかつては「氷川駅」を名乗っていました。
by 急行・快特本八幡 (2016-10-10 07:49) 

スティクス

>急行・快特本八幡さん
蒲田在住だったのですね。いい感じの飲み屋が多い町なので羨ましいです。私の住む錦糸町は意外とありそうで無いもので・・・むしろ隣の亀戸のほうが多かったりします。

>スナックゆうこ
蒲田にあるとは、ニアミスですか。ひょっとして蒲田が舞台というと、「砂の器」でしょうか。私あの小説好きなので、プリキュアとは無関係ですが、いつか亀嵩に行ってみたいと思っております。

>氷川駅
しまった、先に言われてしまった・・・(笑)
実は次の訪問は比較的近場なので、ここにしようかと思っていました。「清流新岩国」と同様、どこがプリキュアと同名駅なんだというつかみで行こうと思っておりましたが・・・これはもう一捻りしなきゃいけませんね。
by スティクス (2016-10-10 08:19) 

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