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旅行者の立場で見たバスタ新宿と下北半島の気になる点 [旅行]

私の職場は新宿の南口方向にあり、毎日新南口を利用して通勤しています。
その新南口にこの春、鳴り物入りで巨大バスターミナル「バスタ新宿」が誕生しました。
合わせて改札周辺もリニューアルされ、小奇麗な店が並ぶ一角が出来ています。
今回の旅行は、オープン以来初めてバスタ新宿かのら高速バスを利用したのですが、通勤で通り過ぎるだけでは気が付かなかった、ちょっと不便なことについて記して行きたいと思います。
併せて下北半島の旅行中、公共交通機関の在り方について気になった点にも、旅行を愛する者として意見提言してみます。
  
ちょうど私が気になっていたことがらが、昨日のYahooニュースにも取り上げられておりました。
 →バスタ新宿、コンビニ出店が頓挫 トイレ掃除が原因?

今回利用した、新宿発むつ行きバスの出発時刻は19:45でした。
どこかで夕食を食べてから乗車するよりも、発着するバスを眺めながら待合室で新宿の駅弁でも食べてみようと考え、新南口改札内の、普段横目で眺めるだけだった店を一回りしてみましたが、どうも私が考える「駅弁」や、百歩譲った普通の「弁当」を取り扱っている店がなく、単価が高めの小洒落た店ばかり。
ターゲットは「旅行者」というよりも、明らかに最近多い「女性向け」です。
新宿駅自体には、南口改札を入った先や、西口と東口の間の通路などで駅弁を売っていたり、NewDaysがあるので、これまで不便さを感じた事がありませんでした。
「あずさ」等特急が発着するホームでも弁当を売っているので、おそらくJR利用を前提とすれば、さほど不満が上がらないのかもしれません。

しかし、バスタ新宿の4階出発フロアや、その下の新南口周辺には普通のコンビニ・売店類がいっさいありません。
新宿駅の南口・新南口は東西方向いずれも坂を登った上にあります。
普段このあたりを日常的に通過している私でも、最寄りのコンビニがどこなのか、すぐに思い出せないような場所です。
一度坂を下りてからコンビニを探し、再び坂を上ってというのはかなり面倒ですし、坂を下りた先に丁度良い店が無い、ということも考えられます。
普段新宿で働いている私ですらこうなのですから、新宿にあまり来ない首都圏の方々や、地方からの利用者にとっては余計に不安になると思います。

今までのヨドバシカメラ前「新宿高速バスターミナル」、新宿というより代々木にあった「JR高速バス乗り場」には、いずれもすぐ隣と言えるような場所にコンビニがありました。
それだけでなく、気兼ねなく食事が出来る店も揃っており、出発前のひと時を過ごす場所には困りませんでした。
ところが新南口にあるのは意識高い系のお店ばかり・・・
いまいち客層のニーズを掴めていないような気がします。

ともかく、わざわざ特急ホームまで降りて駅弁を購入し、4階のバスターミナル待合室に腰を下ろして、ひっきりなしに発着するバスを眺めながら弁当を食しました。
色々な会社の、様々な行き先のバスの発着は見ていて飽きません。
ところが、再び困った事態が発生。
食後の弁当容器を捨てようとしたところ、どうやらこのフロアには「ゴミ箱が全くない」ようです。
はじめは、まさかそんな事は無いだろうとターミナルを一周し、トイレにも入ってみましたが、
ペットボトルや缶用のものはあっても、それ以外のゴミを捨てられるところは全くありません。
私のように弁当の容器は極端だとしても、鼻かんだティッシュとかガムの包み紙とか、細かいものはどうしろと言うのでしょうか。
インフォメーションに訊ねてみても、ただ「ありません」のみ。
ここで文句を言っても仕方が無いので、再び2階の駅改札付近へ降りましたが、この周辺にも全く見当たりません。

高島屋に捨てる訳にもいかず、さすがに改札内ならあるだろうと定期を利用して新南口改札を入りましたが、なんとここにもゴミ箱は全くありません。
外部のゴミを持ち込ませないためなのか、単に清掃管理が面倒だからかはわかりませんが、毎日通っている新南口にこんな問題があるとは気付きませんでした。
結局、弁当の容器を捨てるためだけにホームまで往復しました。
一応旅慣れているつもりの私がこれほど戸惑ったので、最近急増している外国人旅行客などはどう感じているのでしょう。
ハードもソフトも伴わなっていない実情に、一旅行者となってはじめて気づいた次第です。

バスタ新宿を管理しているのは「新宿高速バスターミナル株式会社」。
駅部分は「JR東日本」。
駅ビル部分は「ルミネ」
とバラバラなので、どこかに意見を上げても「それはうちの担当ではない」と言われるのが目に見えています。
今回のYahooニュースの問題提起が改善へと繋がれば良いのですが・・・
まだ開業半年程度ですので、徐々に整っていくことを期待しています。

一方、下北半島側で気になったことについて。
普段から公共交通機関利用の旅をしていると、残念ながら地方都市では厳しい状況だということは何度も目にしてきました。
その状態でも各社経費削減や増収策など、血のにじむような努力をしていると思いますし、地域の足を守っていることには頭の下がる思いです。
今回主に利用した下北交通についても、運転手さんやバスターミナルの窓口の方などの受け答え・対応が良く、現場が頑張っていることが伺えました。
一方で、旅行者としてみると気になる点がいくつか挙げられます。

・ホームページだけではどのバスがどこを走っているのかわかりにくい
「恐山」はメジャーな観光地なので、時刻表→恐山線というように辿って行けば調べられます。
ただ、今回行った「尻屋崎」「大間」「下風呂」については、パッと見わかりません。
また、普通バス会社のホームページに掲載されているはずの「路線図」も載っておらず、今回のプランニングは
・片っ端から各路線の時刻表を開き
・バス停名から路線を判断し
・時刻をピックアップ
して組み立てるという、西村京太郎になった気分で計画を立てざるを得ませんでした。
せっかく魅力的な観光地を沿線に抱えているので、例えば
 尻屋崎の行き方はこちら→
 大間へはこちら→
など纏めてみるだけでもだいぶ違うと思います。
普段利用していらっしゃる地元の方にとっては、この表記で問題ないのかもしれませんが、
「佐井線 むつ~佐井方面行き」
としか書かれていないバスが大間や下風呂を通るということを、土地勘の無い旅行者が判断するのは少し難しいです。

・時刻表のスケジュールそのものについて。
これは下北交通だけではなく、フェリーや観光船にも言えるのですが、公共交通機関利用の旅行者を最初から想定していないような組み方には疑問が感じられます。
当初、大間へは函館からフェリーに乗って入り、その足で仏ヶ浦へ行ってみようかと考えていました。ところが、
 フェリー 函館09:30→大間11:00
 バス 大間フェリーターミナル10:58→佐井11:19
 観光船 佐井10:40→仏ヶ浦11:10
いずれも微妙にニアミスしていて乗り継ぐことができません。
この1本後のバスは約2時間半後です。
何か明確な理由があってこのダイヤになっているならば、外野が口を挟むことではありません。
ただ、ほんの少しダイヤを調整すればフェリーからバスへ乗り継げるのを見ると、
絶対数は少ないかもしれませんが、その需要取り込みの機会損失を招いているようで勿体ないと思います。
これを少し工夫すれば、函館在住の方を佐井方面へと引き込めるようにも思えるのですが・・・

私は公共交通機関での旅を愛するが故、地方の鉄道やバスが廃線・減便という報道を聴く度に、残念な想いを抱いております。
もちろん慈善事業ではなく、人口の絶対数が少ないのであれば行政の支援にも限界があることは理解しています。
それでも、本当に刀折れ矢尽きるまで策を講じたのか、まだ改善の余地があったのではないかと考えてしまいます。
地方ではみんな車に乗ってしまうからというのは確かにその通りでしょう。
ただ、車の人を惹きつけるような工夫が無いと減便・廃止へと向かい、
結果車が運転できない学生・高齢者の生活自体が成り立たず、地域の衰退が進むという流れが残念でなりません。

日本と海外の安易な比較ができるわけではない事も承知していますが、例えばヨーロッパでは人口10万人程度の都市規模でも複数系統のバスが10~15分間隔程度で定時運行していたりする都市が多々あります。
いずれも空気を運んでいるわけではなく、乗客は老若男女乗っていて、便が良ければ利用者はついてくるという見本のように思えます。

本来ならば各運行会社、管理者、行政に意見すべき内容ではありますが、少しでも改善に繋がればと期待を込めて、こちらで提言させていただきました。
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