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魔法つかいプリキュア! 第2話『ワクワクの魔法学校へ!校長先生はどこ!?』 [魔法つかいプリキュア!]

 魔法界と魔法学校、魔法の杖など、本作の異世界観について初めて触れた今回。これまでのシリーズでも第2話はイントロダクション要素があり、ちょうど今ハピネスチャージ~プリンセス~と並行して視聴してきたために、シリーズ間の比較という観点からも興味深い一編でした。
 というのも、本放送時にはあまりにも現実離れした設定の数々に―もっともプリキュアシリーズ自体がファンタジーではありますが―戸惑いを抱き、しばらくこのシリーズに入り込めなかったことについては以前にも触れました。しかしながら、こうしてストーリーを追って視聴してみると奥が深いエピソードだったと気づかされました。
  
 魔法学校行き最終列車に乗り遅れないよう、ホームへ急ぐみらいとリコ。客車を牽くのは機関車では無く、大きなカタツムリです。(いや、率直にきめえw)その名も「カタツムリニア」(いや線形じゃないだろそれw)に乗り込み、いざ魔法界へと出発進行です。
 窓の外に広がる、宇宙とも何とも形容しがたい不思議な景色に見とれているみらいとモフルン。一方リコはモフルンが動き話せるようになったことが気になっています。
『ぬいぐるみが話せるようになるなんて、そんな魔法聞いたことないわ。ねえ、どうして話せるの?』
 みらいもそのことは深く考えておりませんでしたが、モフルン曰く
『ずーっとみらいとお喋りしたかったモフ♪』
 みらいも同じくずっとお喋りしたかったとはいえ、なぜ動き出したのかは不明です。
『やっぱりプリキュアになったのと関係があるのかしら?』
 改めてみらいはリコに、プリキュアとは何かを尋ねます。魔法界で伝説として語り継がれている、すごい魔法つかい。それが、この作中世界におけるプリキュアです。
『じゃあ私達、伝説の魔法つかいになったってこと?』
 みらいのその言葉を聞いたリコは突然背を向けて、「計画通り」のような悪い顔をして何やらほくそ笑んでいます。
『そうだわ!そうよ・・・そうじゃない!伝説の魔法つかいになったのよ、私。エメラルドは見つからなかったけど、先生たちは認めてくれるはず!』

 そのうちに、やはりカタツムリの車内販売「エスカーゴ」がやってきました。リコは一袋買ったものを、みらいにご祝儀としてプレゼントします。その中身は何やら氷のようですが・・・
『キュアップ・ラパパ!氷よとけなさい!』
 ドヤ顔で呪文を唱えると湯気が立ち上り、氷は解凍されてみかんになりました。氷の火山に住むアイスドラゴンのため息で凍らせるという製法を聞いて、さすが魔法の世界だとみらいの期待が高まります。
 さて、その冷凍みかんをひと房食べてみると、冷たくておいしいものの、氷を噛むような固さがありました。リコもひと房口に入れると、確かにシャリシャリとした歯ごたえです。
『このくらいの固さがちょうどいいんだから!計算通りだし』
 さっきのドヤ顔はどこへやら、負け惜しみのように強がって見せました。

 車窓が明るくなり、魔法界に到着。海の上を線路が走り、雲つくような木々の合間に建物が並ぶ、ファンタスティックな光景にみらいの目が輝きます。
『ここが私達魔法つかいの世界、魔法界よ。そして、あの大きな木の上に私達の魔法学校があるの』
『魔法学校・・・ワクワクもんだぁ』

 リコはまず、校長先生にプリキュアになった事を説明するためにみらいに協力を求めます。そして学校の門を魔法で開けました。みらいはリコが魔法を使うたびに取り出す杖が気になっていますが、残念ながら魔法界では、杖は生まれてすぐに授かるもので、今からみらいが手にすることは無理そうです。肩を落としていたところに、
『リコさん・・・あなた、どういうことです!?』
 小うるさいおばはん魔法学校の教頭が激しい剣幕でリコを怒鳴りつけながら現れました。そしてみらいを一瞥し、
『魔法界を許可なく出ただけでなく、あちらの人間を連れて来るとは!』
 教室へと場所を移して説教を始めます。プリキュアになったというリコの言葉にも聞く耳を持たず、みらいの処遇とリコの処罰について校長へ伺ってくると言い放ちました。「許可なく魔法界を出てはならない」「魔法学校寮生の無断外泊禁止」という校則を破り、さらにみらいを魔法界へ連れて来た事を咎め、リコにここで待機しているよう言い含めました。これを破れば退学もあり得るという厳しい扱いを聞いて、みらいは自分のせいだと気にしています。
『ごめん、私が来ちゃったから・・・』
『別にあなたのせいじゃないから』
 とはいったものの、さすがにリコも肩を落とし、補習どころではなくなったと漏らしました。実は彼女は魔法が苦手で、補習を受けたくないがために、リンクルストーン・エメラルドを見つければ評価してもらえると考え、魔法界を抜け出したのでした。
『プリキュアになったと言えば、なんて思ったけど・・・えへっ、甘かったわ』
 それを聞いたみらいは、この部屋を出たら退学になるかもしれないリコの代わりに、自分が校長と話をつけると発起。モフルンと共に校長を探しに行きます。

 その頃、薄暗い空間に帰還したコウモリ男バッティを、ヤモリ男ヤモーが慇懃に迎えます。まさか手ぶらじゃありませんよね、とプレッシャーをかける様は、慇懃な態度と相俟ってゴーちゃんやカワリーノを思わせます。プリキュアが現れたことを彼らの首領ドクロクシーに報告しに来たというバッティを、ただの伝説だと一笑に付し、証拠を見せるよう突き放しました。プリキュアの一人は魔法学校の生徒だとあたりをつけ、すぐ捕えてくると残して立ち去るバッティ。
 『お気を付けて・・・』
 ヤモーはバッティが出て行った後、思わせぶりな笑みを浮かべました。

 さて、校長室を探しに出たみらいですが、春休みのためか校内には人影が無く、誰かに聞くこともできません。その時、どこからともなく風が吹き付け、みらいは導かれるように大きな木のもとへと向かいました。語りかけてくるような木を見上げ、そっと幹に触れると、
『立派だろう?』
 振り返ると、そこにはトリオ・ザ・マイナーのバリトン涼やかな青年が立っていました。
『そいつは杖の木。魔法の杖を実らせる』
 見た目に反し、古風な口調の青年の言葉に反応するみらい。
『いま、魔法の杖って言いました!?』

『今日会ったばかりなのに・・・どうしてあんなに一生懸命になれるの?』
 教室に残っているリコは、みらいの事が気になっています。そして、今頃迷っているのではないかと考え、教室を後にしました。

 魔法界では新たな命が産まれると同じくして杖の木に新しい杖が実り、その子に授けられます。しかし今目の前にある木からは数百年も杖が実っておらず、役目を終えたのかもしれない。そう説明しながら、改めて青年は「あちらの世界」のみらいがここで何をしているのかを問いました。
『今、とっても困っている子がいて、力になりたいんです。私の大切なモフルンを守ってくれた・・・どうしても、その子の力になりたいんです!』
 そのために校長を探していると訴えるみらい。その時、杖の木が光りました。果たして、数百年ぶりに杖が実り、みらいの手へ。
『おそらく、君を選んだんだろう』
 木を見上げてお礼を言うみらい。そして青年は何かの兆候を感じたようです。
『この世界がこの子を迎え入れようと言うのか?』

 不意に地面が揺れ、先日のトラックヨクバールを率いたバッティが魔法界に来襲。ヨクバールの排気ガスが魔法学校を覆います。学校に残っているはずのリコを案じたみらいは、青年の制止を聞かずに駆けて行きます。その行く手をバッティが遮りますが、みらいは一緒に来ていただこうという彼に反発します。
『嫌だ!学校を滅茶苦茶にする人の言う事なんて』
『ならば力づくで連れ帰らせてもらいます!』
 そこにほうきに乗ったリコが颯爽と登場!・・・ではなく、例の如くほうきを制御できずに軌道上にいたバッティに激突して登場しました。
『落ちてないから!狙って体当たりしたんだし』
 世話が焼けると強がるリコに、手を差し伸べるみらい。
『リコちゃん。また助けて貰っちゃったね。ありがとう!』
 顔を少し赤らめて、その手を取るリコ。その時、リンクルストーン・ダイヤが輝きを発しました。伝説の魔法つかい、プリキュアが改めてその姿を現します。

 二人で高く跳びあがり、ダブルプリキュアキック(違)!魔法というより物理全開の攻撃を叩き込むッ!続くヨクバールのタイヤ攻撃を軽やかに回避しますが、避けたタイヤは校舎を壊して行きます。
『このままじゃ学校が・・・何とかしないと、学校が無くなったら通えなくなっちゃう』
『でも、私はもう・・・』
 退学を覚悟しているのか、目を伏せるマジカル。ミラクルはその手を取って励まします。
『大丈夫!だって、まだ校長先生とお話してないんだから。会いに行こう!二人で一緒に!』
『本当・・・お節介なんだから』

 そして反撃開始!
『校長先生に会いに行くんだから!』『私たちの・・・』
『邪魔をしないで!!』
 二人の熱意に反応するように、杖の木が輝きを発しました。その光がモフルンを介してミラクルとマジカル、ふたりのプリキュアのもとへ達すると、魔法の杖の先にダイヤの輝きが宿ります。
『リンクルストーンが、この世界の力を2人の杖に導いた。あれは・・・輝きを纏いし伝説の杖、リンクルステッキ!』希望小売価格5,378円(税込)にて好評発売中
 永遠の輝きと形容されるダイヤモンドの輝きを手にした二人の、「攻撃魔法」が放たれます。
『フルフルリンクル!プリキュア・ダイヤモンド・エターナル!』
 ダイヤモンドがヨクバールを包み込み、はるか宇宙の彼方へ。そして素体にされたトラックとカラスの羽根は、無事地球へと舞い戻りました。

 バッティも撤退し、破壊された校舎も元に戻り、ひとまず一件落着。
『ところでその杖、どうしたの?』
『彼女が杖の木から授かったのだ』
 その答えは、みらいに代わって先程の青年が答えました。「さっき会った人」という認識のみらいに対し、リコは固くなっています。実はこの人こそ、魔法学校の校長先生でした。プリキュアになった事を打ち明けようとする二人を制し、校長先生が先手を打ちます。
『みなまで言うな。授業を受けてもらいたい。君たち二人に』
 授業を受けるということは、リコは退学ではないと察するみらいですが、もう一つ、気になることが・・・
『いま、二人って言いました?』
 しばらくこの学校に留まるように言われたみらいの、驚きの声がこだまします。


 魔法と科学の相違について、後にリコがナシマホウ界(まだこの呼び名は2話の時点で使われていませんが、便宜上使用します)へ来るエピソードでも描かれますが、現時点でもその兆候を伺う事が出来ます。カタツムリニアは・・・まあともかくとして(笑)、第1話での改札通過や今回の車内販売における「電子マネー決済」は、実際に科学の賜物とも言える技術ですが、作中では「魔法」として扱われているのでしょう。
 ほんの少し見方を変えれば、科学と魔法とは理論体系が異なるだけで本質は同じく、それぞれの世界での学問を発展させ、研究を繰り返した結果、現在に至るシステムを構築したと言えそうです。現に魔術めいた「錬金術」の研究が、結果として「化学」の基礎を築き上げてました。しかし化学知識の無い当時の人々からすれば、まるで魔法のように見えたはずです。
 それは決して数世紀前の話ではなく、ほんの20年ほど前の時代からは考えられないようなものが普及している現状からも伺えます。おそらく魔法界の技術(魔術?)の発展も、こちらと同じような進歩があったのかもしれないと想像を掻き立てられました。

 そして、進歩と対極に郷愁をかきたてるものは、なぜかこのシリーズで前面に押し出している「冷凍みかん」でしょうか。最新話ではその制作過程が明らかになりましたが、第2話の時点で具体的な製法が語られていた事は失念しておりました。これ以降も「おしくらまんじゅう」など、今の子ども達にとって身近では無いものを散りばめているのは、単に親御さん世代へのアピールだけでなく、魔法界でもナシマホウ界でも、少し前はこういうものが当たり前のように存在したということなのかもしれません。もっとも、冷凍みかんはあの製法だとコストに見合わない気がしますが・・・(笑)

 改めてリコが「魔法が苦手」ということが明らかになります。ただ、少し厳しい見方をすれば補習を受けたくないために「エメラルドを手に入れて見返そう」「プリキュアになったことを伝えて認めてもらおう」という発想は安易で、やるべきことから目を背けているため、仮にエメラルドを手に入れたとしても結果は同じだったと思います。するべき事の代案とはそういうものではありません。私もつい仕事を先送りしてしまったり、適当に帳尻合わせをしてしまうこともあるので気持ちはわかるのですが・・・この時点でのリコについては反面教師として念頭に置こうと思います。
 もっとも、客車内で見せた「悪い顔」はなかなか楽しませてもらいました(笑)。あとはリコの代名詞とも言える、自尊心の高さゆえのボケでしょうか。一連の「落ちてないし」「計算通りだし」は可愛いです。

 一方のみらいは、プリキュア主人公の代名詞とばかりに、出会ったばかりの困っている子を助けようと後先考えずに突っ走るという姿がリコとは対称的でした。みらいはリコにモフルンを助けてもらったという「恩」を強く感じていて、リコとしてはさほど大したことをしていないという認識なのか、途中まで両者の間には微妙な温度差があります。しかし、その熱意に押されて退学の危険性があるにも関わらず教室をでてしまう等、その懸命さにいつしか温度差が埋まって行きます。
 なぜモフルンが動き出したのか、なぜ数百年実をつけなかった木に杖が実ったのか、明確には語られていませんが、リコを動かした事も含めて、いずれもみらいの「熱意」が動かしたものといえそうです。
 当初は人助けに自分のアイデンティティを見出しているめぐみ、プリンセスという曖昧ながら明確な夢を持っているはるかと比較し、みらいの「魔法つかいへの憧れ」がやや弱く感じたものですが、憧れよりも熱意を強く持っているといたことに、今回の再視聴で改めて気づかされました。

校則第8条 許可なく魔法界を出てはならない
同第12条 魔法学校寮生の無断外泊禁止
 今回、教頭がリコを裁くために持ち出した規則です。社会生活を行う上でルールはもちろん必要ですが、ノーブル学園の自主ルールの記憶が新しいだけに、ずいぶん意味合いが違って見えました。私達の年代は、意味不明な校則が多かった時代でした。生徒を育むためというよりも、先生が生徒を管理するための規則という側面が強く、理不尽さを感じていたものです。この規則をあの校長先生が作ったのかという疑問もありますが、それを厳格に適用した教頭はちょっと損な役回りになってしまったように思えました。
 その校長、今回途中まで「青年」と表記している折は、わかっていても妙な抵抗感が(笑)。一応、ストーリーの順を追って行くので、ご容赦ください。ただ、バリトンに見えるということはご理解頂けると思います。

「伝説の魔法つかい、プリキュア」
 と、校長のこの反応からして、人生経験豊富な彼も初めてその姿を目の当たりにしたのでしょう。魔法つかいというよりも物理つかい(笑)というほどの戦いは、一話視聴前の不安感などどこへやら、今回も純粋に楽しませてもらいました。次回のルビースタイルでの一味違った戦いにも再び興味が沸いて来ました。
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急行・快特本八幡

魔法学校という設定は、まさにハリーポッターを連想させるような展開です。そしてカタツムリニア車内販売の電子マネー決済も、現実でいうところのSuica電子マネーのようなものでした。もしなおがカタツムリニアに乗るならば、相当の勇気が必要、いやそれ以前に気絶するでしょうか。
確かに魔法学校の校長はバリトンに似た印象がありますが、実はかなりの高齢といいます(台詞の中に「左様」などの老人語が入っている)。ちなみに教頭を演じている声優の鳳芳野さんは、3代目スネ夫のママを演じていました。ちなみに2代目スネ夫のママはノーブル学園の座間すみれを演じた横尾まりさんです。
by 急行・快特本八幡 (2016-10-22 00:57) 

スティクス

>急行・快特本八幡さん
>なおがカタツムリニアに乗る
かたつむりが虫なのか、虫じゃないのか、それが問題ですね。多分無理そうですが(笑)

>実はかなりの高齢
もちろんそれがわかっているので、今回「青年」と書くのに違和感がありまして、いっそ「バリトン」にしてしまおうかとヤケクソになりながら書いたりしました。
by スティクス (2016-10-22 10:10) 

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