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Go!プリンセスプリキュア 第3話『もうさよなら?パフを飼ってはいけません!』 [Go!プリンセスプリキュア]

 私は幼少時より、なぜか犬が苦手でした。まだ実家で暮らしていた17年前、突然生まれたての子犬をもらうことになり、私は最後まで反対したものです。そしていざ犬が来たときに「甘噛み」にビビってしまったため、家族の中でいちばん下という序列をつけられてしまったらしく、ずっとナメられっぱなしでした。
 どんなにオススメのものでも、万人が等しく受け入れられるものではありません。それを受け入れてもらうためにはどうするべきなのか。ノーブル学園の自主自立の精神が色濃く打ち出された一編です。
  
 行方が判らなくなったパフュームを探し回っていたはるかは、くたくたに疲れてベッドへ倒れ込みました。すると、寮内に消灯を呼びかけて回る声が聞こえてきます。これも生徒の担当で、明日ははるか達一年生が初めての当番を務めます。そのためにも早く寝ようとした矢先、はるかの布団の中にパフがいました。ただ一緒に寝たいという無邪気な理由ですが、驚いたはるかは思わず大声を上げ、下段ベッドのゆいちゃんに誰何されました。それをなんとか誤魔化し、就寝時間を迎えます。
『おやすみ、はるかちゃん』
 ゆいちゃんも眼鏡を外し、布団に包まれて行きました。もっとも、台詞だけでは分からない衝撃の事実がこのとき明らかに!なんと裸眼のゆいちゃんは目が「3 3」だったのです(笑)

 はるか達は翌朝もパフューム探しを続けます。しかし本日はるかは当番なので、終わるまで手伝う事が出来ません。
『春野さんも寮生の一員ね。学園には色々な人がいるわ。先輩や同級生と寮の仕事をすることは、いい経験になるはずよ』
 そうエールを送るみなみに、はるかは笑顔で応えます。
『はい!プリンセスの修行だと思って頑張ります!』

『ごっきげんよう!』
 当番の集まりに張り切って参加するはるかを、生徒会長の如月さんが5分前集合が決まりだと注意します。一年生の指導には厳しい如月さんだけでなく、生徒会長のみなみを支える両輪の副会長、東せいらと西峰あやかも加わりました。二人の副会長もみなみと並んで生徒達の憧れの的。イケメン?のせいらと、優しいあやかに、一年生は素直に従います。

 最初の仕事は大浴場の掃除。不肖私めも、ぜひ椅子などを洗わせていただきたく気合満開!と勢いよくデッキブラシをかけていたはるかは石鹸を踏んで転びかけました。それを王子様のように抱きかかえるせいらさんマジイケメン♥しかし如月さんは厳しく注意します。
『遊びじゃないのよ!真面目にやりなさい!』
 お次は脚立に乗って電球の交換。無事に交換を終えてあやかに褒められるも、時間かかりすぎだと如月さんの激が飛びますが、
『コツは覚えました!スピードアップします!』
 はるかはその注意もポジティブに捉えています。そこにみなみが現れ、ざわめく生徒達。はるかとパフューム探しについて報告を交わしただけですが、はるかは周囲の生徒達にとって、憧れのみなみと話せているということで存在感を現し始めています。

『よっこいしょーいち!(嘘)』
 ゴミ捨て場へゴミを捨てに来たはるかのもとへ、血相を変えたアロマが、今度はパフまで消えたと伝えに来ました。はるかと二人、寮の中を探しますが、パフはなかなか見当たりません。パフ探しに興じるはるかを見つけた如月さんは、サボっていると思い注意しようとしたところ、足元にバケツへ頭を突っ込んだ妙なモノがいるのに気が付きました。案の定、それはバケツにハマってしまったパフです。無事見つかったのは良かったのですが、結局如月さんに見つかってしまいました。

 はるかとみなみは、生徒達に囲まれているパフを遠巻きに見守るしかありません。
『かわいいワンコだね』
『パフはワンコじゃ・・・』
『この子、可愛いですね!ははははは・・・』
 はるかは喋りかけたパフの口を塞いでこの場を誤魔化します。しかし、迷い犬であれば交番へ届けるべきではないかという如月さんの主張に、生徒達もなびき始めました。
『飼いませんか!?この寮で、飼いませんか?』
 はるかの申し出にざわめく生徒達。はるかはこの機を逃さずアピールを続けます。
『だって、こんなに可愛いんですよ!毛だってモフモフだし』
 「モフモフ」に反応して顔がほころぶ生徒達も出始めますが、ウエスターさんか君たちは如月さんはあくまで拒否します。
『ノーブル学園女子寮規則24条。寮でペットを飼うことは禁止よ』
 しかしはるかは、ルールを「破る」のではなく「作る」のだと主張し、飼育係の例も持ち出して説得を続けます。せいらは飼育係と聞いて理解を示すも、あやかは動物を飼う事の難しさを冷静に考慮し、反対します。生徒達の間でも意見が割れています。
 この場は最強の寮母の白金さんによる「寮で起きた問題は寮生で解決するという」取り成しを経て、判断はみなみに委ねられました。
『ペットの面倒を見るのは生徒にとっていいこともあると思うけど、女子寮規則33条。新たなルールを作るときは寮生全員の賛同を得ること』
 規則にのっとり意見を集計してみると、賛成と反対が半々です。一週間後までに全員が賛成したらパフを飼うと決まりますが、如月さんはあくまで賛成しないと心に決めていました。

 先程生徒会長として公正に対処したものの、みなみはこれからが大変だと心配しています。しかしはるかはパフの良いところをみんなに伝えれば良いと前向きにとらえ、アピール作戦を開始しました。
【作戦その1】 パフの愛らしさをアピール。
 生徒達にパフと遊ぼうと声をかけると、パフもあざとさ満開で跳ねまわって生徒達のハートをつかみます。作戦は成功し、賛成派が過半数を超えました。
【作戦その2】 パフの賢さを知ってもらう
 生徒達の要望に応え、お手、お代わり、ちんち・・・(ノーブル学園の女子生徒たるもの、そんな単語は言いません)をするパフ。そこにせいらとあやかが通りかかり、はるかは反対派のあやかにフリスビーを勧めます。それで考えが変わるわけではないと言っていたあやかですが、フリスビーをキャッチして戻ってくる途中に髪を踏んで転ぶパフを見て駆け寄りました。
『大丈夫?』『パフ♥』
 この笑顔でせいらもあやかもメロメロ。はるかはすかさず耳を結うと転ばないと、パフのヘアアレンジスキンシップ作戦を開始し、今考えた【作戦その3】も結果オーライの大成功。その後もパフと生徒達が交流を深める度に、賛成票が増えて行きます。
 明日はいよいよ期限。これなら行けそうだと手ごたえを感じるも、その前に立ちはだかる壁、如月さんを攻略するのは難しそうです。
『如月さん、待ってください。パフをだっこしてみませんか?』
 はるかは木陰で様子を伺っていた如月さんに気付き、パフのアピールを試みます。しかし愛らしいパフも如月さんの目には「ゴゴゴゴゴ・・・」という擬音が聞こえそうな雰囲気に見え、妙な威圧感が漂っています。。
『嫌ぁあああああッ!私は犬が苦手なのよォーッ!』
 如月さんは毅然としていた姿を捨てて本音をぶちまけ、青ざめて逃げて行きました。その反応を見て、はるかは彼女が反対していた理由と「学園には色々な人がいる」というみなみの言葉の意味を理解しました。

『こんなかわいいパフが苦手なんて理解できないロマ!あんな寮こっちから願い下げロマ!』
 逆上し目を三角にして怒るアロマ。対してはるかとみなみは対処法が見えず困り顔です。
 そんな折、学園にクローズが現れていました。三人目が現れる前に何とかしようと危機感を募らせていると、もう一人の幹部シャットさんが現れ、クローズの失態を追求します。
『我らを脅かすプリキュア。その復活を二人許すとは、これはディスピア様にお伝えする・・・のみ!』
 そしてシャットさんは打ち込みに励む柔道部員に目を付けます。
『ディスピア様に黙ってて欲しいなら、ここは譲るのみ、だと思うが・・・?』
 抜け駆けだと難癖をつけるクローズを言い伏せ、改めて柔道部員に狙いを定めます。五輪かそれともそれ以上に難しいと言われる全日本か、金メダルを取るという「夢」は、絶望の檻へと閉じ込められ、代わりに柔道着を纏ったゼツボーグが出現。逃げる部員達に襲いかかります。はるかとみなみは異変に気付き、変身。

 ゼツボーグは生徒達も襲い始めます。逃げ遅れた如月さんにゼツボーグが迫り危機一髪のその時、フローラの飛び蹴りが炸裂!パフも如月さんを庇うように割って入ります。
『その子について逃げて』
 戸惑う如月さんを逃がしたところに、シャットさんが二人の前に姿を現しました。
『あなた達がプリンセスプリキュアですか。確かに見目麗しい』
 一見物腰柔らかですが、挨拶が済むやゼツボーグをけしかけてきます。それでもフローラが掴まれたらマーメイドが助け出し、続くフローラが一本背負いで投げ飛ばすと、それをマーメイドが蹴り飛ばす、二度目の共闘にして見事な連携を見せました。

 パフに導かれて逃げてきた如月さんの行く手に、もう一体のゼツボーグが立ちはだかります。クローズは先程引き上げたわけではなく、別の柔道部員に目をつけてゼツボーグを作り出していました。パフに気付いたクローズは、三人目の復活を阻止すべく、如月さんもろとも潰そうと襲って来ます。最初の一撃はからくも避けましたが、転倒してしまった如月さんは動けません。迫るゼツボーグに観念して目を閉じる如月さん。その時、パフがゼツボーグに体当たりしました。
『私を助けようとしてくれるの?』
 力の差は歴然。何度はね返されれてボロボロになっても、懸命に飛び掛かり続けます。しかしあまりにも体格差がありすぎます。健闘空しく倒れたパフを踏み潰そうとゼツボーグの巨大な足が迫りますが・・・
『駄目!』
 如月さんが身を挺してパフに覆いかぶさりました。その命運は・・・?

 その時、フローラが駆けつけ、ゼツボーグを一蹴。
『てめえ、まだシャットの相手をしてたはずじゃ』
『あなた達の考える事なんてお見通しよ』
 続いてマーメイドも登場。二人を追って来たシャットさんは、クローズがまだ残っていた事に呆れながらも、両者それぞれがゼツボーグをけしかけてきます。クローズのゼツボーグはフローラが、シャットさんのゼツボーグはマーメイドが、それぞれ優雅かつ力強い攻撃で態勢を崩し、仕上げはフローラルトルビヨンとマーメイドリップルで二体とも浄化。柔道部員の夢も無事解放されました。

 しかし、パフの処遇についての問題が解決していません。未だ如月さんの一票が反対側に残っています。もう一度話してくると言うはるかの前に、その如月さんが登場しました。そして反対票を賛成へと移し、おっかなびっくりパフの頭を撫でて一言。
『・・・ありがとう』
 如月さんがデレた瞬間です。こうしてパフはアロマと共に、無事寮の一角に小屋をもらって住むことになりました。
『良かったね、はるかちゃん』
『うん!でも、何か忘れているような・・・』
 やっぱり目が「3 3」のゆいちゃんに、ベッドの上から頷くはるか。

『流れ星!いいことありそう!』
 その頃、窓の外に流れ星を見つけた少女の部屋に、はるかが「忘れている」あのパフュームがありました。


 まずリアルタイムで視聴した際には、メインキャラクターであるはずのきらら=トゥインクルのデビュー前にサブキャラの如月さんに焦点を当てた本エピソードの異色さに驚いたものです。しかし、現時点での「学園生活のイントロダクション」というタイミングを考慮すると、むしろ早い段階だからこそ「寮の決まりごと」や「ルール改正」といったノーブル学園の自主自立の気風が紹介できたと思います。

 ルールというものは難しく、得てして理不尽な決まり事でも「ルールだから」で片づけられてしまう、ただ守るためだけのルールになりかねません。それでもこのノーブル学園では、白金さんの発言をみると、一見理不尽な内容でも、過去の生徒たちが寮の運営のために自主的に定めた決まり事だと伺えます。上から一方的に押し付けられる「校則」ではなく、生徒が自らを律するために作ったものである以上、そこには簡単に変えられない重みが存在します。みなみが情に流されずに客観的な裁決を下しているのも、そこに理由があると思いました。これまで学園が築き上げてきた伝統を尊重し、かつ柔軟に対応できる、みなみの器の大きさに感じ入った次第です。

 もっとも、当初は「全員の賛成」という条件が厳しすぎるのではないかと思いました。普通この手の採択は過半数、せめて三分の二以上というのが一般的だと思いますが、裏を返せば三分の一も反対者がいるのであれば、その反対者は決まった事に納得がいかずモヤモヤしたものを抱えてしまうと思います。それを防ぐために全員一致という厳しい決まりがノーブル学園には設けられているのだと思いました。

 そのような状況下で、はるかのポジティブさと、ゴリ押しをしないところに共感が持てます。どんなに良いモノだと思っても、受け止める側が共感しないのであれば、価値観の押しつけになってしまいます。私もつい、「ジョジョを知らないのは人生の半分以上を損している」と勧めてみたくなったり、「ガルパンはいいぞ」と推してみたくなったりもするのですが、相手が望まないものを無理に勧めても、お互いに良い結果は得られません。
 
 これは私の想像ですが、最後まで残っていた如月さんの反対票をなんとかするため、はるかは「もう一度話してみる」と言っていました。結果として如月さん自身が票を転じたため、はるかが何を話そうとしたのかは定かではありませんが、本当は「頭を下げに行く」つもりだったのかもしれません。みなみのように冷静な判断も必要ですが、時には情に訴えざるを得ないケースも多々あります。法も人間が作る以上、血が通ったものだと、裁判における温情判決や裁判官の諭す発言を聞く度に考えさせられます。後に如月さんの夢は裁判官だということが明らかになりますが、今回の一件を経たことで、血の通ったジャッジメントを行えるようになるのではないかと思えました。

 その如月さん、こういうわかりやすいキャラクターは結構好きです。実際、けっこう可愛いですし(笑)。以降パフにデレまくる姿を観ていると、本当は可愛いものが好きだけど自他ともに厳しく律しているという点で、初期のいつきとの共通点も感じました。
 普通なら今回は如月さんの「夢」がゼツボーグにされてもおかしくありません。自分を守るために懸命なパフを見て考えを変えるという展開のためとも言えますが、後々までに彼女の夢を温存しておくためだったのかもしれません。ともあれ、その時には如月さんの法服姿というサプライズが見られるため、結果として良かったと思いました。

 他にも宝塚から抜け出して来たようなイケメン女子のせいらと、スイーツ姫の聖歌先輩を思わせるあやかのビジュアルも楽しめました。これ以降、所謂「カオス話」での活躍も見られるので、こちらにも注目して観て行きたいものです。

 そしてシャットさん初登場。この時はまさかブンビーさんに匹敵する転落人生を歩むとは思いもよりませんでした(笑)。クローズを軽く見ているような発言と態度など、後半の力関係を知っていると、なんだか泣けてきます(笑)。今回の初登場だけでも「~のみ」という口癖で強烈な印象を残し、クローズとは違った方向の敵幹部として個性が際立っていました。
 ゆいちゃんの「3 3」や、ラストに一言だけ登場するきららなど、今後を期待させる描写やネタ的に笑いが撮れる作画など、これが三話目とは思えないほどの充実した内容だったと思います。

 最後に、実家で買っていた犬は2年前に天寿を全うしました。こればかりは悲しいですが、仕方がないことです。あやか先輩が反対した「責任が伴う」ということは、最期を看取る責任もあるということです。その覚悟がないと、ペットを飼うのは難しいということを経験として理解しました。我が家に来てくれてありがとう、と言いたい気持ちです。
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MP

フローラ・マーメイドと続いて、トゥインクル誕生、と思いきや、全く当てが外れた回。れいこを始め、「スイート」の和音(→フローラママ)と聖歌を思わせるせいらとあやか、そしていきなり登場するのがウリの白金寮母と、様々なキャラが初登場です。

そして話は、パフ・アロマをペットとして飼うかどうかってな話。これもパフアロが「スイート」のハミィ以来の「通常はペット」となっており、それも春野家ではなくノーブル学園でどうするかでした。それまでハミィ以外は、変身アイテムか人間かぬいぐるみが定番でしたから、それ以外だとこういう話となるんですな。

一方のディスダークでもシャットが初登場。この頃はクローズに対して冷ややかな目で見ており、これが第2のブンビーになろうとは考えもしなかったです。
by MP (2016-10-25 21:57) 

スティクス

>MPさん
私は「全く当てが外れた」などとは思っていないのを本文中に織り込んだつもりだったのですが・・・まあ、考え方は人それぞれですからね。

>ハミィ以外は、変身アイテムか人間かぬいぐるみ
タルトのこと、時々でいいから・・・思い出してください(笑)
by スティクス (2016-10-26 20:40) 

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