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魔法つかいプリキュア! 第6話『特訓!魔法の杖!先生はリコのお姉ちゃん!?』 [魔法つかいプリキュア!]

 6話という時期は、世界観の説明や仲間集め、新しいシリーズの方向性がどう言うものなのかを紹介する時期を過ぎたタイミングにあたるためでしょうか。最近の4作では続けて何かに挑戦する内容になっています。丁度再視聴したばかりのプリンセスプリキュアではシャムール先生のレッスンが始まり、ハピネスチャージとドキドキではそれぞれひめ真琴が料理に挑戦しています。
 今回みらいとリコが挑戦するのは魔法の杖の使い方。その講師とリコとの関係を軸に、二人の挑戦が始まります。
  
 本日アイザック先生は腰痛のためお休み。すわ補習は無しかと沸く補習メイト達ですが、そうは問屋が卸しません。代わりの講師として、若く美しいお姉さんが教室にやって来ました。
『お・・・お姉ちゃん?』
『え?今、お姉ちゃんって言いました!?』
 教育実習生のリズ先生は、リコの実姉です。先程までどんな課題でも合格して見せると豪語していたのに、姉を前にすると複雑な表情を浮かべました。一方ジュン、ケイ、エミリーの三人は、魔法学校で一二を争う杖の使い手であるリズ先生を、憧れの眼差しで見つめています。本日の補習は杖の実技。リズ先生の得意科目です。

 池のほとりで補習スタート。まずはリズ先生がお手本を見せます。池の水を象の姿へと変え、補習メイト達の歓声が上がりますが、リコだけはどこかよそよそしく、居心地悪そうにしています。
 改めて魔法の杖について簡単におさらい。杖は生まれた時に杖の木から授かるもので、人によって形が違うというリズ先生の話を聞いたみらいは、リコの杖が変わった形だと気づきますが、当のリコは別にいいでしょうとそっぽを向いてしまいました。
 続けてリズ先生は水から象と玉を生成し、象の玉乗りを実演してみせます。高難度の魔法をたやすく操るリズ先生に、皆称賛の拍手を贈りました。ただ一人、リコを除いて。

 本日の課題は、水で作った形を10秒間保つこと。まずはみらいがチャレンジします。モフルンを作ろうとしたものの、形になる以前に崩れてしまい、案外難しい課題です。リズ先生はナシマホウ界から来たばかりのみらいがまだ魔法に不慣れと察し、文字通り手取り足取り、優しく丁寧に指導してくれました。俺も指導してください。先生のアドバイスどおり、大きさや形を具体的にイメージして魔法の言葉を唱えると、今度はモフルンの形になります。しかしまだ持久力は無く、10秒持たせることが出来ません。
 エミリーはお婆ちゃんにプレゼントする花、ケイは忘れ物しないように大きなリュック、ジュンは思い切り目立つようにオラついたデコりまくったブーツと、各自テーマを決めて精神集中、キュアップラパパと魔法の言葉を唱えますが、やはり10秒持ちこたえることが出来ません。

 これまで複雑な表情で見守るだけだったリコが挑戦を始めます。リズ先生をちらと横目で見た後、水と向き合って、先ほど姉がやって見せた象の玉乗りに挑みます。しかし悲しいかな、現在のリコの実力では玉乗りはおろか、象と玉の形をつくる事すらできません。意地になって無謀な挑戦を続ける妹を、リズ先生は心配そうに見つめます。
 その後も彼女達の挑戦は続きます。地道な練習が功を奏し、少しずつ長く、形もはっきりしてきます。しかしリコだけは大技にこだわって失敗を続け、進捗がありません。心配するみらいを振り切り、意固地になって続けようとするリコを、リズ「先生」としてアドバイスを送りますが・・・
『リコさん。無理せずイメージをはっきり持って・・・』
『無理なんてしてません!』

 リコは姉の言葉を途中で遮り、幼い日からのことを思い返しました。物心ついた頃から、まだ少女だった姉と一緒に杖を振るい、魔法学校に入学してからも一人練習に励み、魔法の知識を得るため勉強を積んだのに、肝心の実技は全くできません。
『(どうして・・・出来ないの・・・?)』
 妹の心の声を聴いたかのように、リズ先生は優しくリコの手を取って励まそうとします。
『出来るわ。あなたの杖は・・・』
 その言葉を遮って、リコは声を荒げて苛立ちをぶつけました。
『杖が何だっていうの?私には出来ないの!お姉ちゃんに私の気持ちなんてわからないわ!』
 「先生」ではなく「姉」の手を振り払い、走り去るリコ。その後をみらいとモフルンが追いかけます。

 校内を探すみらいに、リズ先生が追いつきました。みらいは勝手に抜け出したことを謝りますが、リズ先生もまた妹が心配かけたことを謝り、リコとの昔語りを始めました。
 小さい頃、ふたりはいつも一緒でした。しかしリズ先生が魔法学校に入学し、離れ離れの時期が長くなると、リコは次第に余所余所しくなって行きました。後になって、リズ先生はリコが魔法の実技が苦手で悩んでいることが原因だと知ります。しかし妹が才能を秘めている事にも気づいており、きっかけがあれば魔法も上手に使える筈だと確信しています。
 みらいはリズ先生の想いを汲んで、必ずリコを連れ戻すと約束し、走り出して行きました。
 その頃、魔法学校にスパルダが姿を現します。遠眼鏡で様子を伺い、リズ先生をリコと誤認して狙いを定めました。・・・って、いくら姉妹でも年が離れてますし、そこまで似てないと思いますが(笑)。

 リコは屋上で一人膝を抱えています。発作的に杖を投げ捨てようとした時、はーちゃんが堰を切ったように泣き出しました。慌てて前回手に入れたアクアマリン着色料たっぷりの真っ青なスープを与えると、満足したはーちゃんは再び眠りにつき、一安心。そのはーちゃんの泣き声を聞きつけたみらいが、屋上へとやって来ます。
『リズお姉ちゃんは何でも出来て私の憧れだった』
 リコは重い口を開き、みらいに姉への憧れとコンプレックスを語りながら、ペンダントを取り出します。
『このペンダントも私の家に先祖代々伝わる大事なもので、本当はお姉ちゃんが受け継いだものだったの』
 今のリコと同じ年頃のリズ先生が水を凍らせる魔法を披露するのを、憧れの目で見つめた日を思い返します。
『リコもお姉ちゃんみたいになりたい!』
 素直な憧れを口にする幼いリコの首に、少女だった頃のリズ先生はペンダントをかけて優しく微笑みました。立派な魔法使いになれる、と。その日以来、リコは姉を目標に定めて励んできました。しかし魔法の実技だけがどうしてもうまくできず、そんな姿を見られるのが恥ずかしくて姉と距離を置いてしまったことを告白します。
 リコの劣等感は止まりません。胸のペンダントを握りしめ、これはお姉ちゃんが持っていれば良かったと苦しい胸の内を吐露します。そして・・・
『そう、プリキュアだってお姉ちゃんのほうが・・・』
『そんなの嫌だよ!!』
 続く言葉をみらいは即座に遮り、ペンダントを掴むリコの手を握りました。
『リコがこのペンダントを持っていたから私たちは出会えたんだよ!一緒にプリキュアになれたんだよ!今ここに、二人で一緒にいられるんだよ!私はリコじゃなきゃ嫌だ!リコと一緒に合格するの!!』
 みらいの訴えを聞いて、リコは目を潤ませます。

 その時、ヨクバールを引き連れたスパルダが池の畔に来襲。リズ先生は魔法のじゅうたんを呼び寄せて補習メイト達を逃がし、ヨクバールと対峙します。しかし、いくら優れた魔法使いでも怪物相手に渡り合う力は無く、奮闘空しく吹き飛ばされてしまいました。スパルダはリズ先生とリコを間違えて襲っており、みらいと共に駆けつけたリコを見て人違いに気づきます。
『本物のお出ましだね覚悟しな!私の力で叩きのめしてやる。その弱っちいのと一緒にね』
 ・・・いや、プリキュアの兄弟姉妹を傷つけるのは負けフラグですって。覚悟するのはあなたですから(笑)。ほら、言わんこっちゃない。リコ、相当怒ってますよこれ。お覚悟はよろしくて?
『みらい、お願い』
 静かに怒りを燃やして立ち上がり、みらいと共にダイヤスタイルへと変身します。

 砂時計の身体から水球を飛ばしてくるヨクバールの攻撃をかわし、ダブルプリキュアキック!そして殴るッ!蹴るッ!マジカルが怒りの猛ラッシュを叩き込めば、その怒りはミラクルにも伝染り、こちらも負けじとブチのめすッ!
『お姉ちゃんを傷つけるなんて許さない!』
『フン!弱いくせに出しゃばるからだよ。魔法学校の先生なんて大したことないね』
 姉を侮辱されて悔しそうに唇を噛むマジカルに代わり、ミラクルが反論します。
『リズ先生は生徒思いでみんなが尊敬する立派な魔法使いなんだから!!』
 そのミラクルに狙いを定めてヨクバールが突っ込んできます。身構えるミラクル。その突進を、マジカル怒りのキックが止め、蹴り飛ばしました。侮辱なんて火に油を注ぐことするから、言わんこっちゃない。お覚悟を決めなさい。
『私の大好きなお姉ちゃんを、馬鹿にしないで!』『今、大好きって言いました!?』
 マジカルの本音を聞いて、思わずミラクルも嬉しさがこみあげて来ます。
『私はお姉ちゃんを、大好きなお姉ちゃんをいつか超えて、もっともっと立派な魔法使いになって見せるんだから!』
 その気持ちにアクアマリンが反応。それを握りしめると、手を引かれて歩いた花畑、魔法学校に入学するのを寂しそうに見送った日、そして先程の補習、姉との日々がマジカルの脳裏に浮かびました。そしてアクアマリンの力を宿したリンクルステッキでヒャド(違)を放ち、ヨクバールを凍らせ、怯んだ隙にダイヤモンドエターナルで撃退します。
 意識を取り戻したリズ先生は、立ち去る二人の姿を認めました。
『あれは伝説の魔法使い、プリキュア・・・?』

 そして補習が再開されます。みらい、ジュン、ケイ、エミリーは10秒の課題をクリアしました。
 リコも「先生」に対し、勝手に抜け出したことを謝罪し頭を下げ、再度挑戦を申し出ます。リズ先生は未だ気負いがあるのを見抜き、優しく声を掛けます。
『大丈夫。できるわ、あなたなら』
 姉の後押しを受けて精神集中。もう無謀な挑戦はしません。リコが作るのは、かつて姉からもらった大切なペンダントです。途中で崩れそうになっても落ち着いて集中力を高めると、水のペンダントが凍りつきました。上級者でも難しいとされる氷の魔法を成し遂げたことで、リズ先生は文句なく合格印を押します。その氷のペンダントを、リコは感謝と共にリズ先生へ差し出しました。
『ありがとう、お姉ちゃん』
 涙を浮かべるリコにみらいが飛びつきました。もみ合って揺れるリコの杖を、リズ先生は遠い昔の記憶を重ねて見つめます。星空の下、生まれたばかりのリコを抱えて杖の木へやって来た時、流れ星が降り注いで生まれたのがリコの杖。星の祝福に恵まれたリコならば素晴らしい魔法使いになれると幼心ながら確信し、ペンダントを託した事を思い出しました。
『いい友達と出会えてきっかけをつかめたようね。頑張って、リコ』


 まず、いきなりこんな切り出しで恐れ入りますが・・・リズ先生、ああ、う・・・美しすぎます!しかも初登場にして幼女時代や少女時代まで披露してくださるとはッ!回想シーンが豊富なために、ロリズ先生だけでなくロリコちゃんの姿も堪能させて頂きました。今のリコと同い年くらいの回想での魔法学校制服姿も、良くお似合いでございました。願わくば「プリキュアだってお姉ちゃんのほうが」の姿も拝見したいものです。あ、できればルビースタイルで・・・

 そんな私の煩悩はさておき、今回は姉妹の絆を軸にしつつ、「肩の力を抜いて」「素直に」なることが主題のように見受けました。努力家で知識もあるのに、なぜリコは魔法が下手なのか、これは余計な力が入りすぎているのと、人に(姉に)どう見られるのかを気にしすぎることが原因になっていました。それはそっくりそのまま私にも当てはまります。
 今ではだいぶ楽に書けるようになりましたが、スイート~スマイル~ドキドキの頃は余計な力が入り、実際にかなりのPVがあった事もあって、何か気の利いたことを書かなければという妙な義務感に縛られていました。その時期でも時折、変に考えなくても筆が先に動くこともあり、そのような時に書いた記事の方が、我ながら満足いくものになったと思います。人にどう思われるかではなく、自分がどう思ったかを素直に書けば簡単なのですが、当時の私は(時折今も)なかなかその心境に達せず、結果、三年間筆を折る事になりました。

 見栄っ張りで、素直になれず、弱気になると投げ出しやすい。リコは私と良く似ています。今回、姉へのコンプレックスだけでなく、みらいに対しても焦りが見え隠れしていました。はじめにみらいがモフルンの形を作ることに成功した際、リコは複雑な表情を浮かべています。少し前まで魔法が使えなかったはずなのに、もう追いつかれ、追い越されそうになっている事に加え、自分から壁を作ってしまった姉から丁寧な指導を受けたことについても、焦りと嫉妬、苛立ちが募ったのでしょう。その後もなかなか挑戦しようとしなかったのも、「もし出来なかったらどうしよう」という恐れがあったと思います。象の玉乗りという無謀なチャレンジも、悪い見方をすれば、こんな難しい魔法に挑戦しているのだからできなくても当然、という逃げがあったのかもしれません。

 姉と素直に向き合えた事で、その状況を打破できましたが、そこに至るまでは様々な要素が噛み合っています。
 まず、リコはみらいに、中々口にしづらい姉へのコンプレックスを打ち明けました。人は自分の弱い部分を曝け出すことに抵抗があるものです。途中までみらいに対しての劣等感も抱えていたとはいえ、前回ケンカからの関係修復を経て、ある程度は本心を明かせる仲になっていました。
 人の出会いは少しでもタイミングが異なれば全く違うものになります。もし、幼いリズ先生がリコを連れて杖の木に行かなかったら、もし星の祝福が無かったら、その流れ星を特別なものだとリズ先生が解釈せずペンダントをリコに譲らなかったら・・・。そしてリコが普段から実技も優秀だったらエメラルドを探しにナシマホウ界に来る事もなかった筈です。そしてペンダントを持っていなかったら、みらいとリコはちょっとすれ違っただけの他人で終わり、ふたりの人生が強く交わることもありませんでした。そのペンダントを持つ資格が無いと放棄してしまうのは、様々な要因が重なった奇跡のような出会いを否定することに繋がります。それを理解しているからこそ、みらいはそれを否定して欲しくないと、声を大にして「素直に」訴えたのでしょう。素直だからこそ、リコの心に言葉が響き、結果、書物を読むだけでは得られなかった「素直な気持ち」を学ぶことができたのだと思います。

 課題を成し遂げた後、リコはリズ先生に素直に向き合い、素直に尊敬し、素直に感謝していました。そこに至るまでの悩みを丁寧に描き、それをしっかりと乗り越えたからこそ、この場面が爽やかな後味を残していました。

 ところで魔法学校へ入学するリズ先生を見送る回想シーンでは、父リアンさんと母リリアさんの顔に影がかかっていて厳格そうな印象を与えています。そんな二人が、この頃からあのド派手な誕生パーティをやっていたのでしょうか(笑)
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MP

この回がリズの初登場。プリキュアと姉というと「ハトキャ」の来海姉妹を連想しました。

またこの回、リアン・リリア夫婦が顔無しで初登場。先週の誕生会エピソードからして、スティクスさんの言う通りハデな誕生会やってたかも。

今回リズを演じた名塚さん、「初代 / MH」の森京子、ニセプリキュア回でホワイトモドキをやってました。あの回でブラックモドキこと越野夏子を演じた小清水さんが、6年後にキュアメロディとなったのに、名塚さんは11年後にプリキュアの姉を演じたとは。
by MP (2016-11-20 23:44) 

スティクス

>MPさん

来海姉妹にもコンプレックスがありましたから、今回のリコはえりかと重なりますね。「自分が姉」のプリキュアは結構いますが、「姉がいる」プリキュアは意外と少なく、その中でも姉にコンプレックスがあるのはこの二人しかいませんから。

>ハデな誕生会
あれがスタンダードだとすると、リズ先生もあんな風に祝福されてたんでしょうか(笑)

>ニセプリキュア
あれからもう干支が一周してしまうとは・・・
そのうちオールスターで響と共演するかもしれませんね。
by スティクス (2016-11-22 23:04) 

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