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Go!プリンセスプリキュア 第35話『やっと会えた・・・!カナタと失われた記憶!』 [Go!プリンセスプリキュア]

 実際にお目にかかった事はありませんが、フィクションの世界でよく見受けられる「記憶喪失」。プリキュアシリーズでは意外に少なく、ドキドキ!プリキュアで一時的にイーラが記憶を失った事と、同じくドキドキ!でレジーナと亜久里が共に幼少期の記憶が曖昧だという例があるくらいです。
 待ちかねたカナタとの再開を果たしたはるか達。その記憶が失われていた事は、果たして吉と出るか、はたまた凶と出るか・・・。
  
 カナタの似顔絵を手に、聞き込みを続けるはるかたち。みんなの奮闘空しく、なかなか有益な情報は得られません。そんな時、はるかとトワは久々にヴァイオリン職人の錦戸さんに出会いました。
 トワは以前トワイライト様だった頃、錦戸さんを絶望の檻へ閉じ込めた事を思い出し、頭を下げて詫びますが、当然錦戸さんには何のことかわかりません。その場を誤魔化すようにはるかが錦戸さんにカナタの似顔絵を見せると、なんと大当たり。
 早速二人ははやる心を抑えきれず、錦戸さんの工房へと駆けつけると、果たして掃除中の青年がいます。振り返ったその姿は、まぎれもなくカナタでした。
『カナタ・・・無事だったんだね』
 涙ぐむはるかよりも一足早く、兄を目の当たりにしたトワが、こらえきれずにカナタに飛びつきます。
『お兄様!会いたかった・・・会いたかったですわ・・・』
 ところが感極まる二人とは裏腹に、カナタは戸惑いを隠せません。
『君たちは誰?僕の事を知っているの?』

 二週間ほど前の事。カナタは浜辺で倒れていたところを、偶然通りかかった錦戸さんに保護されました。ところがカナタは記憶を失っており、自分が誰なのか、どこから来たのかさえ、思い出す事が出来ません。唯一の手がかりは、ヴァイオリンを扱う手つきが慣れていることだけ。錦戸さんもヴァイオリンを触らせていれば何かを思い出すかと思っていましたが、進展は無く、心配していたところで、身内が見つかり安心しました。
 しかし当のカナタには、トワが妹だと言う実感は無く、まるで他人を見るような目を向けています。

 錦戸さんの了承を得て、はるか達だけでカナタと話す事にしました。シャムール先生やパフ、アロマから、自分が王子だと聞かされても、いきなりの事で戸惑うばかり。改めて妹だと名乗るトワに、互いの本名「プリンス・ホープ・グランド・カナタ」「プリンセス・ホープ・ディライト・トワ」を教えられたり、伝説の戦士プリキュアなどと聞いても、あまりに現実味が無い話です。
『ごめん、ちょっと。そんな話すぐには信じられなくて・・・』
 ならば百聞は一見にしかず。実際にはるかはフローラに変身してみせますが、
『綺麗だ・・・』
 真顔で綺麗だなどと言われて、フローラは真っ赤になって照れました。
 パフとアロマは切り札として、プリンセスパレスを自信たっぷりに見せつけます。
『カナタ様はここで生まれ育ったロマ!』
『ここで?僕が・・・?』
 そんな卓上サイズのバンダイ様製の城に住んでいたと言われても・・・(笑)
 それでもカナタは不思議な力や妖精達の存在には理解を示します。しかし自分と結びつけることはできません。泣きながら自分にすがりつくパフとアロマを申し訳なさそうな目で見つめました。

 トワはカナタのヴァイオリンで自分が記憶を取り戻した事を思い出します。そしてカナタにあの曲を弾いて聴かせました。懐かしさを感じるというカナタにヴァイオリンを渡し、はるか達は固唾をのんで見守ります。が・・・
『ごめん。やっぱりわからない・・・』

 他に出来る事として考えられるのは、思い出の場所を巡るくらいしかありません。しかし今はホープキングダムへ行く事はできず、こちらの世界でカナタが知っている場所といえば・・・
 はるかはその場所に心当たりがありました。

 バスに乗って川越をはるかの故郷の町を訪ねます。思い出の場所とは、幼い日のはるかが、カナタが出会った丘。今は秋桜が咲き、子ども達が楽しく遊んでいます。
 以前ここでカナタと出会った事。その時泣いていた自分を励ましてくれた事。プリンセスの夢を否定せず、肯定してくれた事。そして微笑と共にキーを渡してくれた事。はるかは自ら思い返すように、カナタへ語ります。そして、その時受け取ったキーをカナタに見せました。
『カナタ!あの時の事を本当に覚えてない?』
 秋晴れの空の下、風が秋桜を揺らします。しばしの沈黙。そして――カナタは申し訳なさそうに目を伏せました。
『そうだよね・・・トワちゃんのヴァイオリンでもダメなんだもんね。ごめんね、こんな遠くまで連れて来ちゃって』
 涙を拭うはるかを、きららとみなみが慰めます。
『いいのいいの。やってみないと解らないんだから』
『少し休んだらはるかのおうちにご挨拶して帰りましょう』
 はるかはみんなと同じく、つとめて笑顔を浮かべました。しかしカナタはその中で曇った顔のままのトワを見つけて、同じく曇った顔で重く呟きます。
『本当に・・・済まない・・・』

 沈んだ気を紛らわすためでしょうか。帰る前に子ども達と遊ぶことにしたはるか達。愛らしいパフは大人気で、カナタも女の子から王子様扱いされています。私はきららと遊びたいものです。しかし楽しく遊ぶみんなを前にして、トワだけは一人嘆いたまま。
『どうして・・・どうして、こんな・・・やっとお兄様にごめんなさいとありがとうを言えると思ったのに』
 落ち込むのをやめると共に、決意を新たにしました。
『必ずお兄様を取り戻します。どんなことをしてでも・・・』
 ところが、自分達がカナタを苦しめているのではないかというはるかの指摘を聞いて、トワは息を呑みました。

 その時、ストップとフリーズが来襲。子ども達はゆいちゃんの誘導で逃げますが、お姫様のぬいぐるみを忘れた女の子が、取りに戻ってしまいました。そこをストップとフリーズに捕まってしまった女の子の夢は「プリンセスになる」という、はるかと同じ夢です。それをゼツボーグにされた事に憤り、変身。

 プリンセスゼツボーグは、指輪をメリケンサックのようにして殴りかかって来ます。
『指輪でパンチなんて』
『品が無いわね』
 ・・・普段からドレスで肉弾戦やってる君たちが言うかwww。まあプリンセスプリキュアはあくまで上品でございますから、良しとしましょう(笑)。
 それはさておき、ゼツボーグのパンチはプリンセスなのにやたらと重く、辺りを殴りつける度に砂煙が巻き起こります。それを逆手にとってマヌーサのようにあしらい、不意を突いてゼツボーグを跳ね飛ばすフローラ達。その戦いぶりを、カナタが遠巻きに見守っています。
 フローラもまた、カナタと出会った時のことを想いながらゼツボーグに挑みます。
『私もここで守ってもらった。カナタに夢を支えてもらった。あなたがいたから、私はプリンセスを目指せる。あの子の夢も守れる!』
 ゼツボーグを殴り飛ばし、舞い散る花弁の中、フローラは改めてカナタへの想いを口にします。
『ありがとう、カナタ。あなたがいてくれてよかった』

 ゼツボーグは髪をドリルのようにして襲って来ます。それをトゥインクルが押し留め、マーメイドが髪を凍らせ、スカーレットが燃やす、なんだか気の毒になる連続攻撃を畳み掛けました。哀れ髪がチリチリになって怯んだゼツボーグを、エクラエスポワールで浄化します。
『実は私たちの夢もプリンセスになることなんだよ』
 女の子に人形を返し、同じ夢を持つ者同士、お友達になりました。

 プリキュアの戦いぶりを見ても、カナタの記憶は戻りません。それでもはるかは、トワに対して辛い思いをさせてしまうかもしれないと断わりながら、無理に思い出さなくてもいいとカナタを案じます。
『何も覚えてなくても、カナタはカナタだもん。まずは今の私たちを見てもらおう。少しずつ仲良くなって。そしたら、いつかきっと、多分、ね』
 頭では理解しても、トワの涙は止まりません。
『ただ、せめてお兄様と呼び続けてもいいですか?』
 カナタは快く了承します。はるかも改めてカナタに向き合い、手を差しだしました。
『じゃあ、改めて。私たち、今日からお友達ね』
 その手を取るカナタ。かつてここでキーを介して手を取りあった二人が、新たな出会いのように、再び手を握り合いました。


 冒頭で触れた通り、記憶喪失はフィクションで多く見受けられます。記憶を失った人の「ここは誰?私はどこ?(古い・・・)」的な戸惑いと、記憶を取り戻そうと奮闘する周囲の絡みがもたらすストーリーが描かれるのは概ね共通しますが、今回のカナタのように「自分が思い出せないせいで周囲を苦しめている」という苦しみを描いた話も、中には見受けられます。

 トワからすれば、兄から「他人を見る目」を向けられることは辛いものでしょう。しかし彼女自身もかつては記憶を封じられ、カナタに対して他人どころか見下すような目を向けていました。あの時のトワイライト様が今回のカナタのような苦悩を持たなかったのは、まだ救いだったと思います。その分、今回のトワは一層悲しみを深める事になりましたが、これも彼女がトワイライト様として犯した罪に対する罰の一つなのかもしれません。

 はるかにとっても、カナタとの再会は、トワと同じくらい感極まるものだった筈です。
『カナタ・・・無事だったんだね』
『お兄様!会いたかった・・・会いたかったですわ・・・』
 この場面で、はるかは自分を制し、飛びつきたいのを抑えてトワに譲ったように見えます。
 思い出の丘でもカナタが記憶を取り戻さなかった時や、ラストシーンの場面でも、本当ははるかもトワと一緒に泣きたかったと思います。それを我慢できる芯の強さ。それだけでなく、はるかはこのシリーズのプリキュア達でただ一人の「姉」です。「妹」であるトワに、泣く役割を譲ってあげているようにも見受けられます。改めて、はるかは「お姉ちゃん」でトワは「妹」なのだと感じた場面でした。
 また、はるか=フローラは「より小さな者の夢を守る」というカナタが自分にしてくれたことを、女の子に対してしています。絶望の檻に封じられてしまった女の子は、今日起きたことははっきりと覚えていないと思いますが、誰かが「プリンセスの夢」を守り、応援してくれたということは心の片隅に残ると思います。いつかこの女の子が成長した時、同じくその下の世代を守る日が来るかもしれません。

 カナタも記憶を失ったとは言え、荒唐無稽で一笑に付してもおかしくない話をきちんと信じたり、記憶がどらずとも兄としての役割を演じる事を快諾したり、元来持っていた優しさや誠実さは失われていません。また責任感の強さも変わらず、それ故に思い出せない自分がもどかしく、周囲に迷惑をかけてしまっていると思い悩んでいます。
 次回以降、「あの大事件」までは、思い詰める描写は一時影を潜めますが、これも悩む姿を見せるとはるかやトワが悲しい顔をすると考えての事だと思います。もっとも、その優しさが仇になろうとは、リアルタイム視聴時には考えもしませんでした。
 はるかとカナタとの出会いをなぞるように描いているのも、あの38話の前に、改めて二人の出会いはこうだったとおさらいさせる意味があったように感じました。この出会いを視聴者に改めて印象づけた事で、「あの大事件」の衝撃が一層深くなったのですがが・・・それはもう少し後の話で。
 それにしてもカナタって着やせするタイプだったんですね。錦戸さんに手当てしてもらっている時、たくましい上半身だったのが意外でした。もっとも、私はそっちの趣味はありませんが(笑)

 そして今回、地味ながらゆいちゃんの行動や発言が目に留まりました。
 聞き込み用のカナタの似顔絵を描いたのは、おそらくゆいちゃんでしょう。それだけでなく、
『でも、驚かずにパフちゃん達と話してるよ』
 と、カナタがちゃんと話を聞いていることに目をつけたり、ヴァイオリンでも記憶が戻らなかった時に、
『他に出来る事って何だろう』
 と提案を持ちかけています。はるかやトワだけでなく、もちろんみなみときららも妖精達も、さらにシャムール先生さえも、皆カナタへの想いが強い故に、やや冷静さを失っていたと思います。そんな中、ゆいちゃんは一歩引いた立場だからこそ、冷静に状況を見極めていたように見受けられました。
 あと、既に彼女の専売特許となった避難誘導の適切さも目を惹きました(笑)。

 ところで最後に品の無い話題で恐縮ですが・・・
 ずいぶん前の記事でも触れた事がありますが、私、タイツフェチでして、今回から登場するみんなの冬服は実に5分の3がタイツ着用とはたまりません。ショートパンツからすらりと伸びる、オレンジタイツに包まれたきららの脚。一見おとなしめのキュロットと、茶色のタイツが落ち着いた上品さを醸し出すゆいちゃん。そして普段からタイツ着用のみなみんも安定の魅力があります。
 あの冬服。初めて見た時・・・なんていうか・・その・・・下品なんですが・・フフ(何度目の吉良ネタだ)
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